珍玉ぼやんのコピバン日記とその他諸々

わたくし「ぼやん」のバンド活動についての記録・記憶・告知です。

成功

2016-10-30 20:33:43 | 歴史
「告知」についてメンバーと揉めた。

俺がSNSを利用し、mixi、Facebook、Twitterでライヴの告知をしたのに対し、他のメンバーは全くSNSで告知をしない。

活動を始めた時こそは行っていたが、最近はほとんどのメンバーがSNSで告知をしない。

恐らく「告知をしたところで観に来る人なんか居ない」「告知をするだけ無駄」と思っているのだろう。

俺がSNSで告知をするように言うと「友人に直接声を掛けている」と言う。

ならばそれに追加してSNSも利用すれば良いだけの話なのにな。

「観に来てくれる人なんか居ないから自己満足で良い」

って思った時点で終わりだよ。







声が枯れたまま迎えた本番当日。

正直一番ピークに喉の状態が悪い。

熱とかは全く無いのに喉だけの調子が悪いのは日頃の行いの悪さからだろうか。

本番までは時間があるので、他の生徒達と同じように文化祭を楽しむ。

向井ちゃんも「屋上にケーキ食べに行こうぜ!」などとウキウキしてて、いつもはクールな向井ちゃんも、今日は特別な日だからかいつもよりテンションが高い。

そして本番が近付いてきてメンバーと体育館へ向かう。

するとステージ横の控え室的な所へ入ろうとすると女子の「キャー」と悲鳴が響く。

慌てて何事かと思うと、別バンドの女子二人がステージ用の衣装に着替えていたらしいのだ。

急いで謝りながら扉を閉めると着替え終わった二人が出てきて「ビックリした~」と。

いやいや驚いたのは俺だから。

髪の毛をセットを終えると教員バンドの先生も集まってきて、先生1「ヴォーカルは誰なん?」と聞くと、野球部顧問の先生がニヤニヤしながら「髪の毛突っ立ててるコイツ」と俺を指差す。

先生達も久し振りのステージが嬉しそうだ。

すると先生達に校内放送で呼び出しが掛かる。

呼ばれた先生達本番が始まる時間になっても体育館へ戻ってくることは無かった。

後で聞いた話なのだが、一部の生徒が校内で禁止されているロカビリーダンスをしていて、それを止めにいったらしいのだ。

今も昔も先生が生徒に振り回されるのは変わりなく、結局その年の「教員バンド」のステージは中止となった。

楽しみにしていただけにとても残念だ。

そしてそろそろ開場の時間ということで先生が体育館の扉を開けると、大量の生徒達が流れ込んできた。

控え室の隙間から見ていたその光景は一生忘れることの出来ない衝撃で、今も瞼の奥に焼き付いている。

蓋を開けてみれば簡単なことで、バンドの時間に全校生徒が体育館へ集まってきたのだ。

別に強制参加でもないし決まっていた行事でもなく、ただただ田舎の中学校で行われる中学生によるステージに全校生徒が集まったのだ。

当然ながら出演バンド二組みんな緊張し始める。

いざ本番が始まる。

まずは1組目のBUCK-TICKコピーバンド。

このバンドの練習とか全く見たことなく、どんな感じだろうか興味津々に見てみたが、残念ながら練習不足なのだろうか、演奏が安定していない。

それでも生徒達の手拍子が始まり会場が一体感に包まれ始める。

しかし2曲目になると更に演奏が酷くなり、曲として成り立ってない。

心ない生徒達のヤジが飛ぶ。

俺らのバンドにもヤジを言われたらどうしよう。

不安を抱えながらステージに立つ。

司会がバンドを紹介する。

「次のバンドはX TOYOSATOです。お願いします」

幕が上がる。

あ、豊里中学校なので「X TOYOSATO」です。

曲を始める前に向井ちゃんからMCを言うように指示されてたので、枯れたガラガラの声で話始める。

「今年の文化祭のスローガンはHeat of Heart…」

少しザワつく会場。

そりゃそうだよな、いきなり話始めるんだもんな。

続きを話す。

「そのスローガンのように、心の底から、、、燃え上がろうぜ‼」

叫ぶのに合わせて楽器隊が「タカドン、ジャーン!」と鳴らすと、会場から歓声が上がる。

「よっしゃそれじゃー始めようか。BLUE BLOOD!」

ドラムのカウントで曲が始まる。

沢山練習を積んでるからドラムもギターもバッチリの演奏。

前列の生徒の顔を観ると笑顔なのがわかるが、自分に当たる照明が眩しいのと客席が暗いのとで、客席の前列部分しか視界で捉えられない。

でもそれが逆に緊張しすぎなくて済んだ。

ガラガラの声でシャウトする。

しかし5分の力も出せない状態で悔しいながらも歌い続ける。

そして1曲目が終わる。

沢山の拍手が聞こえる。

しかしそれを感じる余裕なく次の曲へ。

「Standing…Standing…Standing Sex!」

この曲はギターソロの前半が難しいから、弾くか弾くまいか迷っていたが
、やはりそこは子供なので挑戦せず後半のみを弾くっていう。

今なら失敗してでも挑戦するんだろうな。

2曲も無事に終わり拍手がある。

そして驚いたのがメンバーコールしてくれてるのだ。

メンバーの名前を叫ぶ女子グループ。

うん、人生の絶頂期だ。

かと思ったら「ぼやーん!」と叫ぶ男子グループがいて、会場に笑いが起きる。

有り難い。

そしてラストの「Silent Jealousy」になり、森ちゃんがピアノを弾きはじめる。

流石に上手で惚れ惚れしてしまう。

ピアノからドラムへ移り、最後の曲が始まる。

そして歌い始めて自分の喉が終わっていることに気付く。

全くと言っていいほど声が出ないのだ。

曲と曲との少しの時間があいただけで喉が閉まってしまっていた。

腹から叫ぶように声を出そうとするが想いとは逆に声はカスカスで、悶絶するように歌うしかなかった。

でも終わってみれば大きな拍手。

そりゃそうだ、楽器隊がカッコいいもん。

そして俺は楽器隊と楽器隊じゃない俺の差を、後で痛感することになる。

そしてアンコールのセッションタイム。

まずは俺のやりたかったXがT.Rexのカバーしてる「20th Century Boy」で、ここから野球部顧問の先生がステージに参上。

レスポールを楽しそうにバッキングする先生はやっぱりカッコいい。

そして2曲目は野球部顧問の先生がリクエストしたローリング・ストーンズの「satisfaction」で、本番の10日前くらいに「覚えといて!」って渡された曲。

正直ミックジャガーの声が好きじゃなく、曲が頭に全く入っていかなくて、本番になっても序盤しか覚えられなかった。

それは楽器隊も一緒らしく、10日じゃ覚えられないと愚痴ってた。

森ちゃんから曲の構成を言われるがちんぷんかんぷんで、訳のわからないままスタートし、結局途中から適当英語を歌ってた。

終わりがわからないもんだなら森ちゃんがテンポを下げていってなんとなく終わりに向かわせる。

んでここぞとばかりに森ちゃんがドラムソロを決めてステージ終了。

人生初のステージはとにかく緊張した。

でもそれ以上にやり遂げた感が凄く、終わったらメンバーみんな笑顔だった。

次があるなんて全く思わず、とにかくやりきったステージだった。



もう人前でステージに立つことは無いだろうなって思っていたけど、卒業が近くなり「謝恩会」なるものが開かれる事になった。

お世話になった先生達にステージでの演奏で感謝を伝えようというものらしい。

ヴォーカルは皆に人気の学級委員に決まっていて、残念ながら俺の出番は無いと思った。

すると野球部顧問に呼び出され職員室に向かうと、

「お前はこれやれ」

とショルダーキーボードを渡された。

「え?え?弾けないですよ!」

「弾くフリで良いよ」

今でゆうとゴールデンボンバーみたいなものかな。

しかし俺は弾かない楽器を持ってステージに立ちたくないと思い、家に帰り課題曲を聴き、人生初の耳コピをすることに。

耳コピといっても五線譜が書けないので、適当に紙にコード的なものを書いて覚えていった。

でも結局は覚えきれず弾いてるフリをすることになってしまった。

謝恩会が始まり幕が上がって客席が見えるも、3年生と先生のみだし歌わないし全く緊張しなかった。

最後に沢山の生徒達がステージに上がるっていうサプライズ的なドッキリでステージは終了。

自分が歌わないステージって緊張しないもんなんだな~と、この時に感じる。

そして中学校を卒業。

俺は勉強が苦手なので、偏差値低めのヤンキーの多い高校へ進学。

勉強の出来る向井ちゃんとは離ればなれの高校になるかと思いきや、向井ちゃんは俺と同じ高校へ行くことに。

理由としては向井ちゃんは将来食品系の仕事に就きたいらしく、近場の食品系の専攻のある学校が俺の行く高校にしか無かったのだ。

先生には「なんでわざわざ偏差値の低い高校に行くの!?成績の順位を上げたいから!?」等と心ない事を言われていた。

偏差値の低い高校にしか行けない俺の立場って…んなも無いか。

とにもかくにも高校でも向井ちゃんとバンドをやることが決定したのであった。



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