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延坪島砲撃事件が安保理決議に回されない不思議

2010年12月16日 14時15分30秒 | 外交問題
以前に指摘したように、この事件には疑惑がある。北朝鮮の砲撃後直ぐにマスコミを島に入れて、被害状況などを詳しく報道させた、ということである。こんなおあつらえ向きの砲撃事件が、偶然に起こるものなのだろうか、ということだ。

延坪島砲撃事件と在沖海兵隊移転問題

本当に北朝鮮が危険だったのであれば、あんな直ぐに島に民間人を入れるとか、逃げ出した島民に帰宅許可を出すといったことはしないはずではないか、ということだ。


更に疑問点が浮かび上がる。
哨戒艦沈没事件の時には、あんなに張り切って安保理決議をと言っていたものが、今回の砲撃事件では、まるで「静か」なのだ(笑)。事前にストーリーが組まれていれば、そりゃあ、筋書きに沿っていくわけだから、静かに進行してゆくだろうけど。


また比較してみますか。

哨戒艦沈没事件は「沈没」、延坪島砲撃事件は「砲撃」と便宜的に呼ぶことにしよう。

①実行犯
・沈没→不詳(調査委は北朝鮮と断定)
・砲撃→北朝鮮

②北朝鮮側の反応
・沈没→否認
・砲撃→自ら認める、声明発表

③中国やロシアの反応
・沈没→北朝鮮犯行説を容認せず
・砲撃→北朝鮮を非難


安保理決議の容易さということで考えると、沈没事件に比べて格段に砲撃事件の方が容易なはず、ということである。それなのに、何故か安保理には付されず。

最も大きいのは、北朝鮮側が犯行を認めている、ということである。言ってみれば確信犯だ、ということでしょう。ところが、沈没事件の方は否認していた上に、客観的な証拠についても不十分であったこと、ロシアの調査メンバーが確認して「否定的」という見解であったし、中国も北朝鮮犯行説を認めなかった(恐らく諜報活動の情報などを総合すると、ということだったはず)ので、安保理決議は困難だった上に、中国の入っていないG8ですら、北朝鮮犯行説が強く断定されたわけではなかった。それを安保理に持っていっていながらにして、今回の砲撃事件では挽回チャンス到来なのに、全くそうした動きを見せてないわけである。


事前取引があったのなら、安保理決議には持っていかない、というのも納得が行くわけである。ヤラセなのであれば、非難決議などするわけがない、ということだ。

それに、韓国側の要人が何故これほど入れ替わるのか、ということにも引っ掛かりがあるのだ。
6月に李サンヒ合同参謀本部議長、9月には柳明桓外相、11月に金泰栄国防相、直近では黄陸軍参謀総長と、軍事・外交のトップ級の人間がここまで入れ替わるというのは、まさしく異例と呼べるのではないか。


今回の砲撃事件では、米海軍が「演習は事前予定だった」と初めから正直に(笑)言っていたように、「天安」艦の時の失敗を避けようと韓国側に配慮していたのではなかろうかと思われるが、どうだろう。引責辞任は陸軍側に出たものの、海軍にはお咎めなし、ということで済んだ。


砲撃事件によって、何が得られたか、ということになるが、米国には意味があるものだったはずである。
ひとつは、黄海での空母演習を実現できた、ということがある。中国が徹底して嫌悪感を示してきた、ジョージ・ワシントンが遂に黄海に入った、ということだ。これを正当化する理由付けとしては、北朝鮮の砲撃事件がまさにピッタリだったのである。中国側には拒否するだけの理由というものがないから、ということになる。

もう一つは、北朝鮮の後見役である中国への、「責任を果たしてくれ」という要求を正当化できる。

それから、沖縄県知事選が直後にあった。砲撃、演習、知事選、という日程になっていた、ということだ。スケジュールとしては、演習と知事選が決まっていたので、そこに砲撃事件を付け加えればよかっただけ、ということである。
北朝鮮の脅威をクローズアップし、「いつ暴発するか分からない」という恐怖を与え、日米同盟、引いては在沖米軍の存在意義を強調するには、好都合の砲撃事件だった、ということである。


関係はどうなのか不明ですけれども、哨戒艦沈没事件の時の合同調査委にはスウェーデンが入っていたと思いますが、確か合同委員会の調査結果に同意の署名をしておらず、北朝鮮が犯人だというのを公式に認めたわけではなかったはずでしたよね?
あくまで「自国調査団の調査部分については同意」ということを認定したのみで、北朝鮮がやったということを完全肯定したわけではなかったはずです。
当時は、スウェーデンらしいな、というふうに思っていたわけですが、そうした政治的な軋轢は残っていたのではないでしょうか?
ひょっとして、その後の駆け引きでWikileaksのアサンジ氏訴追という材料に使われた、ということではないですかね?
沈没事故の時の署名問題で米国サイドの不興を買っていたことがトゲとなっており、じゃあ今回は要求を呑みましょうということでスウェーデン検察がアサンジ氏の手配に動いた、ということも背景としてあったりしませんでしたか?


いずれにせよ、延坪砲撃事件というのは、米国の思惑通りに事が運んだのはないか、と感じられるわけである。




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