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国家公務員共済の謎10

2004年11月16日 19時49分11秒 | おかしいぞ
解説と言っても、私が自分でする訳ですから大したことないんですが、一応私が注目したポイントを挙げておきます。



第一に、「国家公務員共済組合連合会医療施設費等補助金交付要綱」が法令や通知・通達データベースで検索できなかったことです。無いと言うことは何か隠す理由でもあるのかな?って人間思いますよね。

謎シリーズや会計検査院の仕事とかにも書いてますが、法令と通知・通達は厳密に言えば異なります。おおざっぱに言えば業務命令のようなものですね。ですが、多くの場合に実質的強制力を持たせているでしょうね。まあ、それは置いとくとして、通達はどこそこの局長とか課長とかの名前で下級部署や役所などに出されますから、形式が決まっていて「~局発第○○号」とか「~~年第○○号}みたいな名前が付いてます。過去に出していたら必ずあります。なけりゃ、通達じゃありませんね。

この通達の内容自体が法令に違反していないかの判断が必要で、通常は通達を出す省庁が関係法令に照らして矛盾やおかしなところないかチェックが必要なのです。現実には間違えて法令解釈と合致しない通達を出してしまうことがあるはずです。出てしまうと引っ込みませんね。お役人は基本的に前に出ている命令とかを覆すことは禁忌で、法律改正とか特別なことがない限り、何十年も前の通知や通達が重視され実態とはかけ離れてしまっていることが多々あります。
この問題についてはまた別の機会に。

交付要綱の発効はいつからか?に対して、向こうの答えは「各年度初に発効します」だと。ボケかすーーー。バカもいいとこ。こっちをなめてるな、はっきり言って。
予算執行は年度ごとに決まってるだろ!!そんなこと聞いているんじゃない。昭和何年何月とかに決まってるだろーに!!


一度出た通達があるからということで、代々役人たちは何の考えも持たず、漫然と予算振り分けて、適当にやっていたのか、敢えて利益供与のために行っていたかはわかりません。


以前指摘した、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」(略して補助金適正化法らしいです。会計検査院の返事に書いてました、以前の記事に掲載してます)の第7条第2項規定がこちらの唯一の武器でした。ここを衝くしかないんですね。条文をもう一度確認のため載せてみます。

第7条(省略)
2 各省各庁の長は、補助事業等の完了により当該補助事業者等に相当の収益が生ずると認められる場合においては、当該補助金等の交付の目的に反しない場合に限り、その交付した補助金等の全部又は一部に相当する金額を国に納付すべき旨の条件を附すことができる。
3 以下、省略

これが一つの突破口です。
向こうの答えはとんでもなく幼稚な回答でした。「公益と私益の均衡を図る」って、バカじゃないのか?上の規定に対する答えになってませんね。具体的基準は何か?と聞かれて全く具体的じゃない答えを書くバカの心理がわかりません。書いてるのは本物の財務省の官僚でしょうか?条件を付けられるかどうかはたった2つのポイントしかありません。
一つ目は「相当の収益」を生ずる補助事業者かどうか。二つ目は補助金の交付目的等に反しないかどうか。目的に反するならたとえかなり収益があったとしても条件をつけることはできない、ってことです。前の謎シリーズ参照して下さい。
それが、まるで曖昧な基準を出してきた。っていうか、基準じゃない。基準ってのは、例えば利益水準が補助金の50%を超える場合、補助金の何%返還してくれ、とかだろ。金や経理の専門の財務省職員は数字が命じゃないのか?こんな曖昧さが許されるのかっての!!!


そして極めつけの致命的ミスが出た。こんな所でボロ出すとは、財務省はバカで浅はかとしかいいようがない。答え考えたのは誰だ?第7条第2項規定を適用しなかった理由が次です。

「ご指摘のような条件を附したことがなかったのは、当該補助金が国家公務員共済組合連合会の行う医療事業に対してのものではなく、医療施設の整備事業等に対しての補助であることから、その整備事業等に相当の収益が生ずると認められる場合でなかったためです。」

読んだ時すぐに閃きました。要は、医療施設整備等の事業内容そのものに収益があるわけではない、ということが向こうの言い分です。ところが第7条第2項規定は「補助事業者等が相当の収益を生ずる」という条文なのです。これは事業内容ではなく事業者つまり人です。法人でもいいですが。私はブログ書くために、今まで何度もこの条文を読んでいたし、書いてたからすぐに気づきました。
やったー!って叫びました。同僚には笑われたけど。

なんと、この補助金適正化法には言葉の定義があるのです。これは全ての法令の条文にある訳ではありませんので、こちらにとっては有利に働きました。これも偶然条文を読んでいたので、落とし穴に気づいたのです。その条文を下に載せますね。


第二条  略
2  この法律において「補助事業等」とは、補助金等の交付の対象となる事務又は事業をいう。
3  この法律において「補助事業者等」とは、補助事業等を行う者をいう。
4  この法律において「間接補助金等」とは、次に掲げるものをいう。
以下、略

第2条第2項と第3項を見ると明確な区分がなされているのです。第7条第2項規定はこの「補助事業者等」になっており、財務省が用意した答えではダメなのです。補助事業等が相当の利益があるかないかではなく、「補助事業者等」に利益があるかないかの判断でなくてはならないのです。

財務省は後から自分達の都合の良いように理由を考えようとしたのでしょう。そして、自らの無知といい加減さをうっかり出してしまったのです。

私の最初のメールから、こんなところまでやってくるとは思いもかけませんでした。連中は重大な誤りを犯してしまったことは間違いない!!ここが崩せたら、法の運用を間違えていたことになるので、補助金事業の合規性は損なわれることになると思います。このことは、つまり会計検査を受けると不当である、ってことです。そうなれば、事業の改善要求や、業務命令である交付要綱を変更しなくてはならないはずです。

財務省も少し反省してくれー!!

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