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「ソツロン」って何ですか?

2006年12月09日 23時21分02秒 | 俺のそれ
昨日、飯田泰之著『ダメな議論』を購入し、読了。著者の写真があったので、「随分とお若い」という印象を受けました。悪い意味ではなく。


感想:オレに喧嘩売ってんのか?と思った(笑、冗談です)。


だが、あまりに当てはまることが多く、この「ダメモデル」はひょっとして「オレのことか?」と思わず勘繰る(笑、得意技です)程であった。まあ、そんなわけないのだが。拙ブログを読みに来るほど物好きでもアルマーニ。

でも、文中に出てた「シカゴ大学の××教授の▲▲理論」とか、読まれたのかと思ったよ、マジで(爆、単なる偶然でしょうけど)。


これ、モロだね→少子化と労働問題9

「格言」とか、「寓話」あたりも、私にピッタリ当てはまりますね。
本文中に出てくる「人の行く 裏に道あり 花の山」は、落合先生が以前ブログに載せておられて(今は確かガラシャの歌になっていたはず)、私は下の句をコメント欄に書き込んでしまったくらいでして。「いずれを行くも 散らぬ間に行け」だったと思います。因みに、暫くしたら、変えられてしまいました(笑)。


これは別にいいのだが、経済学信奉者たちがいかに「トンデモ」を蔓延させているかは感じ取れましたよ、十分。ダメ議論の典型例であるわたくしと致しましては、特に中身について評価を下せる立場でもありませんが、内輪受けしたいのであれば永遠に内輪でやっていればいいのではないかと、ちょっと思いました。


ちょっと話題は変わりますが、上記本にも登場していたsvnseedsさんのブログですが、そこでのコメントには「卒論」の話題というのが出ておりました。


svnseeds’ ghoti


『脇道な話題ですが,いま4年生で上限金利規制問題で卒論を書いているコがいるんですが,bewaadさんとsvnseedsさんからの引用ばかりです.……そしてそれが適切だから文句も言えない(本や新聞から引用したらそれこそ㌧でもになりかねないですしw).』


人的ネットワークも大事だろうし、ある程度のお褒めの言葉も必要なのでしょうが、中々味わい深いコメントでした。


卒論というのは、論文の一種なのでしょうか?私は一度も書いた経験などないのでよく知らないのですが、「経済学分野」ではブログからの引用もよくて、それを referenceに入れておける、ということなんですか。もしもそうであれば、「へえ~」です。今の指導教官というのは、まず「ググれ」とか(笑)教えるのでしょうか。そういう時代に来たんですかね、遂に。日本の大学教育の、しかも卒論を書く時の引用文献が「ブログ」というのも驚きました。指導教官が「文句も言えない」程、『ダメな議論メソッド』?で有用なものという認定を受けているとは、さぞ正確なのでしょう。


卒論とは「論文」の仲間ではないのかもしれません。単なる卒業文集のようなもので、論文の体裁を持たせる必要性はないのかもしれないですね。であれば、何から引用してもOKだし、そういうレベルのものですか、とは思います。これって初めて知ったので新鮮です。

Bishopだの、Ellisだののペーパーくらい(単なる例示ですので適当です)探させたり、読ませることは可能なのではないかと思うが、今の大学生はそういうのも求められたりはしないということなんだろう。それよりも、ブログ記事の方がもっと役立つのだ、ということですか。ナルホド。そうして、自分で中身を考えずに鵜呑みにする人々が誕生するのかもしれないですね(暴論ですけど=ダメ論決定)。


<寄り道:論文にグラントを書くのが当たり前なんじゃなかろうか、とか、そういうことにさえ頭の回らない経済学信奉者たちが見られた(私だけの特異な経験に過ぎないかもしれませんが)というのも、何となく理解できました。指導教官が指導しないから、ということなのではないかと思えてきました。これも『ダメな議論』の典型で申し訳ないんですけど(笑)。文献を読むことの教育がなされていない為に、トンデモが量産されているんじゃなかろうか、と。指導者が悪けりゃ、教わる学生も推して知るべし、ということですかね。>


で、問題のsvnseedsさんの以前書いておられた上限金利に関する記事について、いくつか疑問点もあるのですが、飯田先生は指導教官としては「文句も言えない」ほどに「妥当である」と考えているということなのでしょう。

また貸金業関係を書いてしまった


「完全失業率」と「自己破産申請件数」の高い相関が示されていて、とても素晴らしい業績なわけですが、これについて「多重債務者を減少させるには失業率を改善させる政策が有効である、と言えそうです。」と記されています。私も部分的には同意できないわけではないのですが、自己破産の要因というものが「失業」ということで多くが説明できるなどとは到底考えていません。


「失業」が一番重要な要因なのであれば、自己破産原因は相当数が「失業」であるはずだろう。果たして自己破産の理由として、「失業」というのはどの程度存在しているのか?正確な資料がないので、何ともいえないですが、以前の弁護士の資料では2割弱程度だったはずです。アンケート等のいくつかの資料でも、失業というのが半分以上などという資料は目にした記憶はないです。米英でも同じですね。


失業は日本だけの現象ではないし、諸外国でも破産はあるのですから、この相関が「日本特有の現象」ということなのか、それとも例えば「米英」でも同じく「高い相関関係」となっていて、破産の大多数は「失業」で説明できるのか、という問題があるかと思います。私の意見としては、失業は主な要因の一部ではあるが、それが大多数を占めるわけではない、というものです。破産理由における失業の割合が半分以上を占める、などということはないと思いますけど(詳しい全数調査は見たことが無いので、部分的な資料からの推測に過ぎませんけれど)。


失業との相関を示すことで、「上限金利」への判断材料として、何を想定しているのでしょうか。上限金利の水準の妥当性とか、「上限引下げよりも失業対策の方が有効」などといった判断材料を与えるものなのでしょうか?もしも、そう言えるなら、あの分析のどこから引っ張ってきたのか是非知りたいですね。


上限規制の検討の為に業者数の推移を取り上げ説明していた内容についても、未だに整合的な説明はないので、svnseedsさんの考え方は全くの不明なのですけどね。まあ、都合の悪いことは無視が一番お得らしいですからね。これが流行の「スルー力」ってやつですか。一線級の研究者であれば、分析者の考えなど楽勝で「お見通し」ではありましょう。そうであればこそ、「文句も言えない」という評価なのでしょうからね。


こういう結論を見た時に、『ダメな議論メソッド』で判定した結果、「素晴らしい!」ということであるなら、それはそれでいいと思います。「そういう世界」の内側で、批評に耐性のない意見を最も大切にし、それが正当であると考えていると、理解することにしたいと思います。それが、大学の経済学の教官で、『ダメな議論』を著している人の「理解のレベル」なのだな、と判断するよりないでしょう。

同時に、日本の経済学研究とか、大学教育レベルというのは、「ああ、ナルホドな」とは思いますね。そういう土壌や環境で「何が育つか」というのは―「ダメな議論」で言えば確実に「ダメ認定」されるけど―容易に想像がつくというものです(笑)。



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