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日本のエネルギー政策ついて考える

2009年11月03日 12時01分47秒 | 社会全般
今の流行りモノと言えば、環境問題、そして新エネルギー分野だ。日本だけじゃなく、米国のような効率化及び環境問題の途上国(笑)においても、新規ビジネスという面から期待が高まっているだろう。それぞれの国が新たな取組みをすることは悪いわけじゃない。その中で、日本がどうすべきかというのは、個別の事情などがあるのでよく検討する必要があるのではないかと思う。

広告で知ったが、今月1日から売電が始まっていたらしい。菅戦略相なんかは、太陽光発電はタダでできるだとか何とか(笑、詳しくは知らない)大はしゃぎだったみたいだが、物事はそう簡単ではないように思えたりする。
いよいよ家庭の発電が普及してゆくきっかけとなるのかもしれないが、将来的な展望をよく考えておかないと、例によって例のごとく(笑)政府主導の産業政策における壮大な失敗が招かれることになってしまうかもしれない。大規模な投資が無駄に終わったりしないように、ある程度長期的目標とか方針を考えておくべきではないかと思う。

いつものように、とりあえず個人的な考えを書いてみるよ。


(1)将来のエネルギー確保についてどう考えるか

最も大きな要因は、日本においては自力で調達できるエネルギーは限定的であった、ということがある。特に、世界で最も普及し、よく利用されている、石油、原子力という2本柱についていえば、自国内調達は現在までのところ望むべくもない。輸入に頼らざるを得ない、ということになっているわけである。これは裏を返せば、弱点でもある、というのは昔から言われている通りである。エネルギー安全保障という観点からすると、外的要因に左右される部分は大きいということである。

実現可能性の検討以前に、方向性としてどのように考えるといいのか、ということを簡単に整理してみたい。


・石油、天然ガス:

圧倒的に輸入。利用は広範に及び代替はかなり困難。価格面からも、普及面からも、当面は主力と考えざるを得ない。ただ、エネルギー政策によって伸びを鈍化させるか、減少させることは不可能ではないだろう。今後の需要量がこれまでの何倍も必要になるかといえば、そうはなり難いであろう、と考えられる。これはCO2削減の国際公約という点においても、今後の方向性としては削減という努力が期待されるということになる。外部に需要を依存せざるを得ない面はあるだろうが、余裕が生まれてくれば運良く大規模海底油田みたいなのが発見されて、自給できることもひょっとするとあるかもしれないが、これは分からない。


・原子力:

化石燃料に代わって期待されているようであるが、これに問題がないわけではない。日本国内にいくつもの原子力発電施設を持ちながら、稼働率が高いということにはなっていない。核廃棄物の処理問題も解決の道筋はあまり明確にはなっていない。端的に言えば、原子力発電は利用を絶対にダメとは言わないが、自分の町や村に持ってこられたり処理施設を持ってこられるのは御免被るという話は多いのではないだろうか。
例えば今後に発電所を増設してゆくとか、発電量の半分を賄うなどといった目標であると、調達面で外部依存度が高まる上に安全性や処理施設問題などの課題を多く抱えることになってしまうかもしれない。なので、目先のCO2削減ということだけ取り上げれば、化石燃料より「排出量は少ない」ということが事実であるとしても、長期的コストとかその他課題を考えると、決して望ましいものとも言えないのではないか。


・石炭:

国内の埋蔵はきっとあるだろうと思う(昔、掘っていたのだし)ので、石油なみに利用できる新技術とかが発見されれば、再び利用されるかもしれない。が、現状では採掘コストには見合わないようなので、主力とはならないだろう。どうしてもエネルギー調達に窮するようになってゆくような場合には、採算がとれるようにはなると思うので使われることはあるかもしれない。ただ、これは言ってみれば「奥の手」のようなものではある。


・新エネルギー:

太陽光発電だけじゃなく、いくつかあるだろうと思うが、コストとか実際に取り出せるエネルギー量がどうなのか、ということはあるだろう。組み合わせ的に利用手段を増やす意味はあると思うが、どれが一番成功するのかは分からない。外部依存の高くなりがちな石油や原子力に比べると、利用をできるだけ促進するのが望まれる。安全保障という観点からしても、エネルギー自給を高めることは意義があるだろう。


方向性としては、「石油や原子力などの外部依存を抑制しつつ、自国内の供給を増やせるようにするのが望ましい」ということになろうか。


(2)新エネルギーは何が有望なのか

これは専門家に聞いてみないと分からない。一概には何とも言えない。が、日本が本気でエネルギー自給率を高めようと考えるのであれば、太陽光、水力、風力等の利用可能なものを増やすのがよい、ということになるだろう。欧州などに見られる海上の風力発電などもできないわけではないだろう。コストがどうなるか、という問題はあると思うが。

コスト面と発電量がどうなのか分からないのだが、日本には日本の特徴があるので、そちらを考えるのも一つの方法ではないかと思う。例えば、地熱発電の利用促進などだ。
何故かと言えば、日本は火山列島?とも言うべき、温泉大国だからね。深く掘りすすまなくても温泉が湧いてくることはあると思うので、地熱利用は行い易い可能性はあるんじゃないかということだ。もし地熱発電が原子力発電以上の発電量を賄える、ということになれば、その方が望ましいに決まっているから。地熱は利用がタダだし、枯渇の心配はかなり少ないだろうし。安全性はちょっとよく判らないが、原子力よりはマシではないか、といったことはあるかも。廃棄物処理施設も不要だし。

なので、日本の選択として望ましそうなのは、地熱を考えたいな、と。原子力は外部要因で供給が途絶える可能性がないわけじゃないからね。まずその部分が一番ということだ。他にも利点は多いと思う。CO2を地下に流して地下水に閉じ込める、みたいな話もあったと思うが、地上側からは別な管を脇に設置してCO2を圧縮して流すとか、積雪地域では発電用蒸気タービンを回す水には排雪した融雪水を使うとか、工夫の余地は色々と出てくるかもしれないし。研究をやってもらえれば、と思いますね。


(3)スマートグリッドに関して

これも専門家の意見をまとめないと分からない。米国などでは有望視されているようであるが、日本ではどうなのか、という面はある。これから多額の送電網に投資をして、なおかつ各家庭から電力を買取るということが、本当に効率的なのかどうか、ということだな。

こんな話も>「日本にスマートグリッドは不要」と言われる理由 - 日経エレクトロニクス - Tech-On!


高度な大規模送電網は、日本には弱点となる可能性はある。
最も考えられそうなのが、地震や風水害などの自然災害がある。度々破壊される可能性があるものを、全家庭を連結して全てをコントロール下に置かねばならないものなのか、ということだな。仕組み自体がどういうものなのか正確には知らないので、印象だけで言うしかないのだが、売電を実施する為だけに多額のコストをかける意味がよく分からないのだ。
仮に、全家庭の風呂オケを全て連結し、その水かさを完璧に個別に制御せねばならないということになると、これは相当大変だろうね、ということにはなります。例えば溜池のような大きなのを一つと各家庭の風呂100戸分を連結で制御ということなら、どこかの家庭で不足していたり水量が余っていたりする凸凹をならして、溜池の水量で調節するというのであればまだ判りますけどね。そういう小グループならまだしも、もっと大規模にということになりますと、これは大変だろうなと。

また、自然災害でよく被害を受けてしまい、復旧作業などが頻繁に必要となるのですし、そうなるとあんまりに高度で高機能、高額な送電網となってしまうと、維持コストがかさむんじゃないだろうか。アメリカとかみたいに、滅多に地震は起こりませんよ、というような地域であると安定的に維持できやすいかもしれないけど、日本でそれが果たして向いているのかということですね。

そうではなくて、もっとスタンド・アローンに近くして、余った電力は各家庭の蓄電池に入れるか、それでも余れば大きな温水器の熱量に変えるとか、巨大で高額な送電網を必要としない方法もあるのではないかな、と。売電よりも各家庭に蓄電池を設置した方がはるかに安上がりなのであれば、その方がいいだろう、ということ。余る発電量がどの程度になるかというのを調べるしかないでしょうけどね。
完全に各家庭が個別に分けられている必然性はないと思いますが、小規模の蓄電所みたいなもので済むなら、それはそれでもいいですし。マンションなんかだとそういう方向に行くでしょう。割と狭い範囲の数十戸~数百戸といった規模で、各家庭で溢れた分を蓄電所に「貯金みたいに」溜めておき、需要量が多くなれば後からその分は無料で使えるということでいいのでは。小グループに分かれているなら、自然災害時に被害を受けても影響は限定的になるんじゃないのかな、とか。

神経系でも似たようなものがあって、脊髄には神経節というのがあります。全部が一本に接続されているのではなく、分節になっているということです。神経ネットワークの中継地点には、中核部分としての脊髄神経節が存在しています。病気になったり破壊されることがあるとしても、支配領域の分節だけに限定されるという面があります。イメージとしては、各家庭(末梢)と中継地点としての蓄電所(神経節)といったような単位グループ(分節)がいくつもある、というようなことです。戸数が少ない方が、上述した風呂オケの水を完璧に調整する手間や難しさは減らせるんじゃなかろうか、ということです(素人考えですけど)。
蓄電所からは、例えば地域で消費電力の多い施設(工場、役所、病院、学校、大規模オフィス等)に供給する仕組みとかを作れるなら、電力会社が買うのではなくてそれら利用施設が買えばいいだけ、ということにできるかもしれませんし。タダで流したとしても市民病院や市役所の電力支出をゼロにできるということがあるなら、それはそれでメリットがあるということになります(その分市民税が下げられるか、他のサービスに資金を振り分けることができる)。

電話線が光ファイバーに置き換えられてきたと思いますけれども、この工事のコストとか時間的な話というのが判りませんが、かなり大変なのではないかとしか思えないわけです。これに似たようなことを、今後全国的に電力会社が取り組んでゆくということになりますと、送電網整備が終わるのは一体何年かかるのだろうか、ということはあるのではないでしょうか。売電という仕組み自体が、本当に効率的にできるのか、望ましいのか、他の方法はないのか、色々と検討してみた方がよいのではないでしょうか。


海底を深く掘ってメタンハイドレイドを利用を考えるなら、地熱発電も考慮の対象にしても不思議ではないでしょう。


ちょっと追加です:


結構発電所はあるみたい。初めて知りましたよ。

地熱発電の基礎知識(2)

しかも、CO2排出量がかなり少なく優秀だね。太陽光よりも少ない。
これは結構有望なんじゃないのなか、とか思うけど、どうなんだろうか。素人考えで申し訳ないんだけど。


地熱発電 - Wikipedia

結構歴史も古いんだね。日本でも、何と戦前の1925年に発電していただなんて、予想外。勉強になるな。知らないことばかり。この分野の方々には常識だったのかもしれませんが。
発電量のポテンシャルも38GW(って、どれくらい?)とか、売電コストより低いならこっちの方が有利なんじゃないかとか、ベースロードとしても有利とか、メリットは多いな。




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