いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

言葉の触発

2005年05月12日 16時37分14秒 | 俺のそれ
イラクで拘束された斉藤さんの無事帰還を願うしかないのであるが、今日の天声人語にも『戦争請負会社』が取り上げられていた。ふーむう、今回の事件で偶然にも注目が集まった本となったようである。多くの知識人や言論人達は、色んな著作を読み多くのことを知っていて、文章にしていくんだろうな、と思う。その一方で、TBSのHPのコラムに記事を書いていた担当部長が、毎日・読売・朝日新聞からの盗作を繰り返していたという事件が報じられた。人間の頭の中に、言葉が浮かばない時ってやってくるのだろうか?私にはよく判らない。考えることが苦痛になっていくのだろうか?そういう時にでも、「きちんとした文章を書かなければ」というようなプレッシャーがあって、他の人の書いたものを使ったりするのかな?思いが何かあれば、何となく出てくるような気もするけれどね。


自分の知識としては何の中身も持たないが、私は基本的に「人が好き」なのだと思う。人間の不思議さとか可能性とか何かの素晴らしさに、いつも期待しているんじゃないかとも思う。そういう目で見たら、人々の行動や営みとか、考えや文章に触発されるような気がする。ただ、文章を書いて商売にするというのは、もっと別次元の話なのかもしれませんが。


文章に触発されるということで言えば、熱烈な読者を持つ作家というのも大変だろうな、と思う。最も厳しい書評家が、マニアな読者であるからだ。かなり有名なのは、ドイルの「シャーロック・ホームズ」の研究家達、そう世界中に「Sherlockian」が存在しており、ありとあらゆる研究がされている。ユニークだけどね。「Sherlockian」と似た感じの、ディケンズ著の『The Pickwick Papers』に出てくる主人公「Pickwick」に由来する「Pickwickian」というのが存在する。これは「ピックウィック研究家」ではなくて、その主人公のような言葉とか行動に当てはまる事柄を指して使われる(私は英語が苦手ですから、正確には語学研究家とかディケンズ研究家の意見を参考にして下さいね)。

どちらの作家も、人間観察のスペシャリストと言えるかもしれない。フィクションの中に書かれる人間が、現実世界と同じように正確に描写されるので、フィクションと思わせないような錯覚をもたらすのかもしれない。ディケンズはPickwickを正確に描写したので、後年彼が患っていたと思われる病気が明らかとなった。「睡眠時無呼吸症候群」というのがそれだ。


元々は「ピックウィック症候群」として知られており、これは主人公のPickwickの観察とぴったり符号するような病態が医学研究で報告され、彼の名前に因んで名付けられた。体型とか昼間でも眠くなるなどの特徴があり、今で言う「睡眠時無呼吸症候群」をディケンズは詳細な観察によって明らかにしていたという訳だ。どちらかと言うと、「Pickwick syndrome」の方が気が利いており、「睡眠時無呼吸症候群」は一目でどんな病気か分かり易いが味気ない感じだな。「ピックウィキアン」とか「ピックウィック症候群」という言葉として名を残すのも、中々文学的な心があって面白いと感じてしまうのである。洒落ているのである。なので、これからは、「睡眠時無呼吸症候群」のことを指して言う時には、「ピックウィック症候群」と呼んで欲しいです(冗談です、落合先生)。


いぜれにしても、人間への興味は尽きないし、それを表現しようとする言葉の中にある、考えや思いを見ようとするなら、常に何かの触発を受けると思う。



これとは全く関係ありませんが、「極東ブログ」のfinalventさんが書いている日記(finalventの日記)には多くのマニア的読者が存在しており、特に哲学、西洋史・文学、語学などの話題の時には、書いてあることが全く理解できない。できれば、もう少し易しく書いて欲しいな、と思う(笑)。だが、ベースが違うので、易しくすると他の読者達が物足りなくなるだろう。恐らく、彼らのような熱心な読者は「finalventian」を自認する人達であろうと勝手に推測している(笑)。ということで、今後は「finalventian」と呼んでしまおう。私は無理だけれども(笑)。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。