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竹中大臣の要望

2005年12月05日 22時37分44秒 | 社会全般
「内閣府はマクロ分析くらいやっとけ」という平ちゃんの要望はどうやら本物だったらしい(笑、今日議事要旨が発表されたみたい)。29日の諮問会議でも、そのことが再度確認されていた。それと、国債買入消却12兆円も、財務省に「積んでる金を出せ」との平ちゃんのツッコミに反応したものだった(エコノミー・オブ・スコープ)。誰がどう見ても当然そうですよね、やっぱり。財務省の皆さんは、非常に分かり易いんですね、意外と(笑)。平ちゃんが谷垣くんに慇懃に御礼を述べていたのも、何となく面白い。


で、内閣府のマクロ分析についてですが、吉川先生が前回の「範囲の経済」での意見対立に続いて、今回もちょっと不満げだったようです。それは次のようなやり取りに見られます。


竹中「その上で、ぜひ民間議員には、マクロのチェックをしていただきたい。つまり、財政の論理は重要である。しかし、マクロ経済の反応が重要である。それを両方見るのが諮問会議の役割である。私が暫定的に積算すると、もしこれが1年で4.3兆円の解消を目指そうと思ったら、税収にもよるが、1年間で地方の一般歳出を約6兆円減らさなくてはいけない。つまり、これまでの4年間で地方は6.6兆円減らしてきたが、それと同じ額を1年間で減らさなければならない。これは、GDPの1.2%に相当するので、マクロ経済的には多分大変なことになる。谷垣議員や私も含め、そういうマクロ整合的な議論を行う役割を担っていると思うので、ぜひ、そういう議論を今後させていただきたい。」

吉川「竹中議員がおっしゃったことは、大変重要だと思っている。竹中議員も承知のとおり、その点は税収見積に当然依存する。この点は総務省と財務省で同じ税収見積でも随分数字が違うので困る。」

竹中「税収見積は財務省しか行っていない」

谷垣「十分議論させていただくが、実は16年度計画で財源不足分7.8兆円の削減を言った時、地方から大変叱られた。しかし、7.8兆円から17年度は4.3兆円まで来ており、3.5兆円を圧縮できた。(中略)この辺はこれから議論する。」

吉川「いずれにしても、竹中議員の意見は、我々、内閣府でマクロ経済に対する負荷をきちんとチェックしろということか。」

竹中「お願いする。地方についてもお願いする。」

この後、与謝野さんがまとめて、本間先生もちょっと気を遣って「竹中議員が言われた、経済と国・地方の財政の関係をきちんと整理していかなければならないこと、負荷がどの程度かを検討しなければならないこと、これはそのとおりだと思う。今後、議論したい。」と仰っていました。


最近の傾向としては、以前のように麻生親分がいつも出席してないので、かつては地方財政については麻生vs谷垣、郵政に関してはvs竹中であった訳ですが、今はその対戦相手がいない為に、みんな「誰か」を求めている訳です(笑、違うか。そんなことないですよね)。主に平ちゃんが民間議員達(特に本間・吉川先生)とか谷垣くんとか、同じく財政一派で内閣府に根城を置く与謝野さんとか、そこら辺との対立するという構図が見えるんですね。それで何がどう、ってこともないんですけれども。吉川先生は大抵「落ち着いた」議論をしていたので(他の人達―だいたいメインは麻生親分とか本間先生とか谷垣くんとか―が対立してても、まあまあって収める役割が多かったように思う)、こんな風に連続で平ちゃんに突っ込まれるのは、ハッキリ言えば「面白くない」と思うだろう。前回の「範囲の経済」論争に続いて、今回も「マクロ分析しとけ」ですからね。


なので、さすがの吉川先生も、「きちんとチェックしろということか」と聞き返した訳です。何故なら、つい数ヶ月前まで自分がずーっと内閣府にいて、何ら「マクロ経済分析」を政策ごとに行ってこなかったのが、誰あろう「平ちゃん」だからですね。谷垣くんが述べてた3兆円以上の圧縮に関して「かつては地方からお叱りを受けた」ということについても、常に麻生親分が「地方は既にこれだけ削ってきたんだ、更にこれ以上というのは急には困難だし、まず国がもっと削れるはずだ」と擁護していたんですけれども、これに対しても平ちゃんは常に涼しい顔をして、「財務大臣や民間議員から、尊重するべき非常に有意義なご意見が出された。地方にも更なる削減努力をお願いする(=担当大臣が指導力を発揮せよ。というより、抵抗するなよ。)」と決まり文句のように言っていたわけです。そんなこともあって、そういう地方財政についてのマクロ分析や評価というのは、平ちゃんが内閣府にいた時にはまともにやってこなかったんですね。

にも関わらず、急に「マクロのチェックをしろよ」とか言い出したので、吉川先生は「何で今までやってこなかったくせに、急にそんなこと言い出すんだ?総務大臣になった途端に地方の味方になったのか、それとも俺達に何か文句でもあるってのか?」とか思っても不思議ではない訳です(勿論、吉川先生がそんなことを思っているかどうかは判りませんよ。これは勝手な推測ですからね)。前回の本間先生のお怒りに続いて、吉川先生までもが、ブスっとしてしまった訳ですね。気まずい雰囲気が流れていた訳でございます(笑)。


で、先日お伝えした通り(内閣府の経済分析)、内閣府の報告では、「慌てて分析らしきもの」が載せられた訳ですが、「地方の財政」の話までは「聞いてなかった」ので(笑)、漏れてしまったのですね。「増税(税制変更)の影響」についてだけ記述された訳です(因みに、今年就任された高橋進氏が書いたんでしょうか?)。


無関係なことですが、小泉さんは政府資産圧縮に関して、「(特に土地の値段の高い)都心部にある公務員官舎を売却出来ない、ってのはどうしてなんだ?売れないって言うんだったら、その理由を聞かせてもらおうじゃねえか。」(本当は、こんな風には言ってません。諮問会議議事要旨をご自身でお読みの上、ご確認下さい)というようなことをおっしゃったのです。これはまあ、つまり「(批判の多い)公務員宿舎を売って借金返済の足しにするのが筋だろうよ、財務省。いや、理財局」ということですね(これも勝手な推測です)。理財局はちゃんと資料を全部出せ、と。他からも情報が入っているぞ、と。理財局はかなり抵抗してる、と(情報源は何処かは判りませんが。本当に抵抗してるかどうかも不明ですけど)。本庁舎を売ったりはせんでもいいと思うけど、官舎のうち豪奢なやつとか優遇され過ぎって非難を受けてる物件はダメなんじゃないか?やっぱり。


それから、重要な点がもう一つあります。それは安倍ちゃんですね。今まで、諮問会議の中での発言が全くないんですね。就任してから結構経つと思うし、特に「三位一体の改革」に関しては前任の細田さんが一生懸命やっていたはずですね。つまり「官房長官預かり」も結構あったはずなんですね。なので、もうちょっとそこら辺の部分に関しては、自分の意見表明をしてもいいのではないのかな、と。これに関しては、平ちゃんや与謝野さん、本間先生がメインで説明・議論してしまって、安倍ちゃんが発言していない。細田さんもそれ程多くは発言してなかったけれども、少し慣れてきてると思うし、安倍ちゃんにも発言のチャンスはあると思うので、出来れば議論に参加した方がいいと思うけど。「だれの仕事か」というような責任の所在も、あんまり見えないように思うけど。もしも官房長官のところでさばいていたのに、他人が全部議論では、意味がないようにも思うし。それとも、本当は安倍ちゃんが采配したんではなくて、操り人形だったってこと?まとめたのは中川政調会長とか?


普通、何かの論文でも発表でもそうだと思うけど、本当に自分が(苦しんで)調べたり研究したりしてないと、ちょっと内容とか書いてある中身のこととかの質問したりすると、答えに詰まったりするから、直ぐにバレるんじゃないのかな。それは多分、自分の言葉・理解として、頭に入っていないからだろうと思う。つまり議論・討論というふうに発展しないんですね。なので、何も発言しないと、本当に自分が責任を持って取り組んできたのかどうかがわかり難くなると思うので、自分が担当していたところについては、たとえ「饒舌に説明」出来なくとも、ご自身の言葉として自分の口から説明したり議論したりするべきだろうと思いますね。


変な例ですけれども、子供が遠足のお菓子を300円まで買ってよい、ってことになってて、子供に「どうしてこの組み合わせなの?」とか質問すると、自分で一生懸命悩んで買った子は「このチョコを入れたのはねえ・・・」とかって答えるんですね。でも、自分で悩んで考えたりしてないと、同じような質問にもスラッと答えられないんですね。大人がレシートだけ受け取って中身を知ったところで、同じくうまく答えられないようなもんです(詐欺師のようなウソが上手とかなら別かもしれないけど)。案外と下らない理由があったり、その子なりの考え方が窺えるものなんですね。大人が考えないような答えも出てくる。そういうようなもんです。子供自身が必死に考えたことで、その理由にはきちんとしたある道筋が出来ているんですね。それがその子自身の言葉・発言によって見えてくると思うのです。

なので、議論ということになれば、間違えたことを言う場合もありますが、それでも自分の言葉で発言することが大切だろうと思います。諮問会議の場で全く発言がないというのは、参加していないことと同じになりかねません。そういうことに気を配ることも、官房長官の役割と思います。

「社会保障のあり方会議」に関連しても、官房長官のところでの所掌?でしょうから、社会保障改革の問題についても大きな責任をお持ちのはずですね。



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