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小沢一郎の強制起訴についての私見

2010年10月05日 16時05分40秒 | 法関係
これは予想通りの結果だった。
恐らくそうなってしまうだろう、という危惧は多くの人々が抱いていたに違いない。検察とマスコミの頑張り(笑)のお陰である、と言っても過言ではないだろう(参考:今の「小沢まつり」について~政治資金規正法違反疑惑)。


今朝の読売社説が象徴的であった。
平たくいえば検察審査会の議決を重んじよ、ということである。総論的には、それは妥当であると思う。現にそのような法手続きになっているのだから。しかし、「市民感覚」或いは「素人判断」を軽視すべきではないということと、本件の招いた結果が正当であるということは必ずしも一致しない。その上、検察批判は慎め、と言っているわけだが、今回の議決は検察審査会であって、検察ではない。議決の話と、検察やマスコミの果たした役割や責任はまた別の問題である。


典型的な例として、ネット界隈では大変著名であるfinalvent氏の主張を通じて、少し過去を振り返ってみよう。

○1月10日

今日の大手紙社説 - finalventの日記

(以下に一部引用)

これ⇒asahi.com(朝日新聞社):胆沢ダム受注で裏金か 小沢氏側の土地取引との関連捜査 - 社会

小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」による土地取引問題で、「胆沢(いさわ)ダム」(岩手県奥州市)の受注に絡みゼネコン側が裏金を作っていた疑いが浮上し、東京地検特捜部が、土地の購入原資と関連性がないか集中捜査していることがわかった。購入と近い時期などに裏金の計1億円を小沢氏側に渡したとの供述も出ており、その解明が焦点となっている。
 その必死がちゃんとリザルトになるか。

また、その仕切り役が大手ゼネコン・鹿島の東北支店元幹部だったことや、談合の際に元幹部から「小沢事務所の意向が反映されている」と説明を受けたとも供述していた。
 本丸は鹿島。

 この話なんだが⇒小沢氏団体不透明会計:小沢氏支出の土地代4億円「先生に返済」 東京地検がメモ押収 - 毎日jp(毎日新聞)

「先生に4億円を返す」と記された手書きメモは昨年3月、西松建設の違法献金事件で特捜部が東京・赤坂の陸山会事務所を家宅捜索した際に押収したもので、07年の返却時に書かれたという。また特捜部は、陸山会の口座の通帳に04年の約4億円の入金記録と対応する形で「先生」と書かれていたことを確認。入金時に小沢氏の資金と分かるよう記していた可能性が高い。
 話をトラックバックすると、西松疑惑で大久保被告をしょっぴいたのは、この手の資料が抹消される前になんとか入手しておきたかったということなのだろう。

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○1月14日

小沢氏土地疑惑へ強制捜査: 極東ブログ

(以下に一部引用)

 意外でもあるのだが、今回の強制捜査を巡って、小沢疑惑という点でとりわけ新しい話は出て来ていない。元旦に書いたエントリ「年明け早々から多発するカネを巡る小沢疑惑: 極東ブログ」(参照)の枠組みで収まっている。ただしこのエントリを書いたときは、読み取れる人にはわかるように「鹿島」のキーワードを配置しておいたが、この本丸にこうも早く検察が向かうのかというのは、私にとっては多少想定外でもあった。
 今回の強制捜査で、おそらく最も重要な点は、鹿島が明示化されたことだ。検察が鹿島を軸にした大きな絵でどこまで独走できるのかが、今後の注視点だろう。この点については、他の背景もある。報道も鹿島には及び腰だし、ブログで散見する、当初は居丈高に騒いでいた各種のポジションの人々も奇妙な沈静感が感じられることだ。恐らくこの奇妙な鹿島タブーの空気は、検察と小沢氏の手打ちの先読みと理解できるかもしれない。

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今回の起訴相当の議決は「本丸の鹿島」だったのだろうか?
水谷事件でもなければ、西松事件でも立件されていなかったのに、ましてや鹿島というのはどういう線から出るのだろうか?
鹿島本社の家宅捜索の画を撮って、こういう煽りに応えてくれたのは確かだ。
で、散々焚きつけた「鹿島」だとか「胆沢ダム」といったキーワードは、一体全体事件のどこに顕れてくるのだろう?検察審査会の要旨を読んでも、見当たらないのは何故なのだろうか?
それとも、「西松」「水谷」の関与でもよいが、マスコミが散々大騒ぎして疑惑を膨らませてくれたのに、それが検察審査会の議論の中にないのはオカシイのではないのか?
4億じゃない8億だ、とか吹いていたのに、「4億の出所が怪しいんじゃないのか」と段々「重箱の隅」化してゆくのも面白い。
あれ程「水谷」「西松」「鹿島」を連呼し、胆沢ダムならぬ「小沢ダム」疑惑だとか煽動していた連中は、ここに来て何も言わないのが本当に不思議である。マスコミが「描いていた絵」の見立てが、まるで大阪地検特捜部の捏造事件の如くハズレていたなら、その責任を問われずともよいのか?

で、04年に報告すべき数字を記入せず、翌05年に記入して報告したのは犯罪であるから罪を問え、というのも、かなり両刃の剣となりうる話ではある。
企業会計なんかでも、経理が記載を誤って当該年度に計上せず、翌年にズレていたりしようものなら、いきなり社長が逮捕されるというようなものである。上下関係は厳しくあったに違いない、って、それはそうだろう。一般社員と社長なんだし。決算数字なんかも社長に上がっているだろうから、社長に報告した、ってことになってしまう。この誤った数字のまま有価証券報告書に決算を出すと、虚偽記入ということになるわけである。そうすると、経理は社長に報告して記入したのだから、虚偽記入で社長を逮捕・起訴すべし、ということだな。形式的に見ると、小沢の強制起訴というのは、そういうのとほぼ近い、ということである。


また、二階議員と有罪が確定した秘書の方は、どういうわけか誰も取り上げないわけだ。
「”反検察”というラベル」で誘導するかのような切込氏のポジションが気になる件

記事に書いたように、秘書は否認を続けてきたのに逮捕されず、だが審査会で不起訴不当が出されると何故かその後に略式起訴で終結。罰金払って、こっそり終わらせたってわけ。
で、二階議員には、議員辞職を求められず。政治資金規正法違反で虚偽記入は同じなのに?まあ、秘書が勝手に単独でやったことだ、ということなんだろう。


更に、小沢秘書だった大久保被告の公判は止まったままだ。
【小沢氏秘書 初公判】検察側冒頭陳述要旨 「自ら西松建設に『天の声』」 (1/4ページ) - MSN産経ニュース

検察は西松事件と、「天の声」を冒頭陳述で述べているわけであるから、この線で大久保―小沢を立件しようということだったわけでしょう?
これはただの虚偽記入なんていうレベルの話ではないのだ。


大久保被告の裁判をやれない検察ということを完全無視しているのは、一体何故なのだろうか?
石川、池田両被告の起訴だって済んでいるのに、それでもなお裁判がなされないのは疑問に思わないのであろうか?


これは検察批判などという小さな話ではない。
検察審査会に対する評価が云々といった話でもないのだ。
マスコミが主導する事件と検察、その情報操作に振り回される国民、といった大きな問題なのだということを、国民には黙っているというのが今のマスコミなのだ、ということである。



それと、ちょっと追加ですけれど。

検察審査会が議決を出す過程では、提供される証拠類というのは、あくまで検察側証拠に基づくということなんですよね?

さて、論文の不正を見破れるか、というのと似ていると昨日書いたわけだが、データが捏造されているとすれば、それは簡単にはできないのではないか、という話なのである。
小沢事件の検察側証拠が、大阪地検特捜部の捏造事件とほぼ同じように、虚偽の検面調書といったものが並べられていなかったと言えるのだろうか?
証拠に基づいて判断、って言っても、その証拠そのものの信憑性や信頼性というものについて、一体誰がどのように評価できるのか?
検察審査会のメンバーがそんな評価はできないわけで、あくまで検察側の集めた証拠は「全て正しい」ものとして、判断材料とするわけでしょう?

池田被告が最初の供述調書から証言を翻した、ということらしいのだが、郵便不正事件の時の部下の証言だってそうだったわけでしょう?
初めは、上司に命じられたと調書にあったが、それはウソだったわけでしょう?


そういうのと何が違うのか、分からないということだ。


更に追加(19時すぎ):

正しい判断材料が提示されていないのであれば、検察審査会で正しく判断せよ、というようなことを求めるのは無理があるのではないのか。
正しい判断材料というのは、通常は証拠ということになるわけである。いくら先入観なく判断といっても、事前にあれほどの「小沢の疑惑」というものが並べられていたのだから、「何か裏がある」と考えたとしても不思議ではないであろう。

マスコミの諸君は、「水谷の5千万円×2=1億円」を小沢側が受けたとか報じていていなかったか?
その水谷建設の線はどうなったんだ?
あの報道はデマだったのか?
事実としてなのであれば、きちんとその後の報道をせよ。水谷の1億円が流れたのであれば、その事実を立証せよ。マスコミがやる責任があるって言ってんだよ。捜査機関がやっても立証できなかったのに、どうやってやるつもりなのか知らんが、今更になって「誰が言ってたのか曖昧」とかで逃げる気か?
鹿島の線で謳ってたマスコミも同じく、鹿島の裏金とそれが小沢の懐に流れ不動産に化けたというのを立証せよ。


それとも、あること、ないこと、出鱈目を並べてもいいということか?

マスコミ側が勝手に嫌疑を捏造し、そんなことはないと否定したら、説明責任を果たしてない、とか非難されるのは許されるのか?
個人の蓄財について、金の出所を全て解明し全国民の前で説明しなけりゃならない、ってのは、以前の記事にも書いたけれども恐怖の警察国家みたいなもんか?
それは、マスコミによる人民裁判と何が違うのか?




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