★風俗嬢チィちゃんのホンネワールド♪♪♪

★風俗歴1年とちょっと。眠らない街 大阪の風俗嬢チィちゃんの、ここでしか語れない本音がバクハツ!!☆

風俗嬢に惚れてしまう~擬似恋愛という罪~最終章~

2006-09-26 16:20:20 | 擬似恋愛という罪

  Eさんと、関わりがなくなって、もぅそろそろ1年になります。

あの後、すぐに引越しもしました。
まぁ「Eさんから逃げる為」もありますが、
新婚生活を心機一転スタートするのに、いい機会かなと思ったからです。
そういうと、旦那も快くOKしてくれました。

チエはミナミの歓楽街で、今日も朝から働いています。

Eさんにはあれから1度も逢っていません。
「これを機会に、風俗も辞めればいいのに」
と思う方も多いでしょうが、
「風俗を続ける事」に関しては、自分の中でも色々考える事があり、
今はまだ、辞めるまでには達しておりません
(まぁその話はまた詳しくブログの中で書いていきます。)
でも、続ける以上は、誇りとプライドを持って、
しっかり仕事をこなしていきたいと思っております。

「風俗嬢はただのヌキ道具じゃない。
様々なドラマがあり、心の病みや疲れを癒す存在にもなれるのだ。」

と言う事を、チエはEさんから教わりました。
そして、
「擬似恋愛の仕方を一歩間違えれば、人の心を壊してしまう事もありえる」
と言う事も、同時に教わりました。

チエは、「擬似恋愛」という商売の、扱い方を間違えました。

愛情を与える事は大事。
与えられた愛情に対し、受け止めて、相手の望む甘え方をしてあげる。
でも、それ以上のサービスは必要ないのです。
必要以上の愛情やサービスは、相手に無駄な期待を持たせ、
結局は自分の首を絞めることになるのです。
「仕事」とキッチリ割り切って、
でも「割り切ってる事を悟られないように」接客をする。
「仕事」の境界線は、絶対に越えてはいけない。

スゴク難しい事ですが、それが風俗で働く上での基本なんだと思います。

ですが、恥ずかしい事にチエは分かっていながらも、
やっぱりうまく色恋管理が出来ずにいます。

「惚れさせてナンボ」という気持ちにはどうしてもなれないのです。
「惚れちゃダメだよ、気をつけてね、」と、
いつもどこか心の中でオーラを出してしまいます。

もぅ、叶わぬ恋心を抱いて、苦しむ人は見たくない。
(いや、実際のところそんなにモテてもないですが)
好意を持ってもらえることや、
気に入ってもらえてちょくちょく逢いに来てもらえる事はホントに嬉しい。
でも、「ちょっと本気になりかけてるな・・・」と気付いてしまうと、
もぅどぅ接していけばいいのか分からなくなってしまうんです。

ホントにいつまでたっても未熟で成長のないチエ・・・。
自分に嫌気がさしてしまいます。

でも、「どの店にでもいるヌキ娘」にはなりたくない。
これはチエのこだわりでもあります。
せっかく数ある風俗店の中から、ウチを選び、
その中から、偶然チエにたどり着いてくれた人には、
最高のサービスをしてあげたい。
それはこれからもずっと変わらない、「風俗嬢チエ」のモットーにしていきます。


長いシリーズになってしまいましたが、
毎日このブログをチェックしてくださった方々、ありがとうございます。
たくさんの暖かいコメントに励まされ、
恥ずかしい過去を、最後まで書き綴ることが出来ました。
こうして文章に書くことで、再認識し、
自分を分析しなおしたかったので、良い機会になりました。

コメントを下さった方、
マメに覗いてくださった方、
本当にありがとうございます!
次回からは、またおもしろおかしい日々の出来事を書き綴っていきますので、
懲りずに見てやってくださいね



そして、最後に、
Eさんへ・・・
もしこのブログを偶然にも見つけていたら、伝えておきたい事があります。
一時でも、トモを好きになってくれたこと、嬉しかったです。
チエの「風俗嬢」としての基盤は、Eさんによって作られました。
感謝しています。
あなたの家庭のこと、最後まで助けてあげられなくてごめんなさい。
どうか、幸せになってください。

   大阪ミナミ、とある風俗店の、ヒマな待機室のパソコンより・・・。チエ






チエちゃんの実話エッセイ。

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あと、感想でも お叱りでも、何でも結構です。
一言でもいいので、コメント・・・というか、
ここへ来た足跡を残していって行っていただけると嬉しいです

みんな、いっぱい書き込んでーーー!!


風俗嬢に惚れてしまう~擬似恋愛という罪~⑳

2006-09-25 15:33:23 | 擬似恋愛という罪

チエは、「擬似恋愛」という商売を甘く見ていた

「稼ぎ」、「指名」、「軽い情」。
それらに惑わされて、人の「感情」を食い物にした。

決してそんな傲慢な気持ちで接客などしていないが、
結果的にそう思われても仕方ない事をした。

チエはただ、自分を指名して逢いに来てくれるお客さんに、
精一杯のお礼をしよう、
チエのちからでお客さんが癒されるなら、出来る限りのことをしてあげよう。
という気持ちから、接客をしていただけだったのに・・・。

何が良くて、何が間違っていたのか・・・

「お客さんは、擬似恋愛を楽しみに風俗に来てるンや!
本気にさしてナンボや!!」
と、スタッフは言う。

確かにそれは間違ってない。
でも、「擬似恋愛」は、すごく慎重に行なわないと
こーいう間違いも起きてしまうものだ。
実はすごく罪深い商売じゃないのか・・・

チエは、自分がしてきたことを全否定されたような気分になり、
半放心状態でEさんの話を聞いていた。

「トモは、俺に自分のこと、何でも話してくれたよな。
あれ、すごく嬉しかったよ。
確かに、彼氏がいる事や、結婚を約束してる事はショックだったけど、
包み隠さず話してくれたことが、
俺に心を許してくれてる証拠だって分かったからね。」

違う・・・。

最初から全部打ち明けておけば、
自分に惚れられる事はないと思っただけだ。
素性を知られても、
この人なら、紳士だから心配ない。と思った。

全てがすれ違い、そしてチエの独りよがりで思い違いだった。
情けないの一言だった。

「ここでも間違っていたんだ・・・」

もぅチエは、Eさんに申し訳ない気持ちと、
自分が恥ずかしい気持ちで、Eさんに顔向けできなくなっていた。
あんなにたんか切ったのに・・・
Eさんからの告白を聞いているうち、
自分の失態が次々とあらわになってきて、
自己分析させられざるを得なくなり、
ようやく自分の犯した間違いが見えてきたのだ。

チエはEさんに謝った。
「Eさんごめん。
トモ、Eさんに誤解されても仕方ない事、いっぱいしたんやな、
軽率やったわ。ホンマにごめんなさい。」
するとEさんは、
「いいよ、俺も悪かった。
トモは初めから俺の事、客としか見てなかったのにな、
1人で勘違いして、その気になって。ホントバカだよな。」
そんなこと・・・」
でも、今日トモに初めて怒られて、目がさめた。
あんなに感情を出したトモ、初めてだったな。
それだけいつも、トモは俺の前で、笑顔を作って、
完璧でいようとしてたんだよな。それにも気付かなかったよ・・・」

そこで、時間を知らせるアラームが鳴った。

無常に鳴り響くアラームの中、Eさんは
「まだ終わりたくない」という顔をしてチエを見つめてきたが、
チエは「終わりだよ」と言った。

本当に、これで終わり。
それはEさんも分かっていたようだった。

まだ、話し足りない気持ちもあった。
今やっと、お互いが冷静になり、
初めてホンネで話し始められたのだから。

最初から、もっとちゃんと本音で話せばよかった。
そうしていれば、こんな冷静なEさんを、
壊してしまう事なんかなかったのに・・・。
本音で向き合う事が出来ないのなら、
最初から情をかけずに、割り切った接客をすればよかった。
チエがEさんにしてきた事は、すべてが中途半端だったんだ。

「Eさん、トモを好きになってくれてありがとう」
やっとそれだけ言えた。
そしてごめんなさい。

Eさんは、黙って泣いていた。

見送る時も、Eさんはなかなかチエから離れようとしなかったので、
チエから背中を向けた。

そうして、Eさんは、チエの指名客ではなくなった。

Eさんは、入店禁止を告げられ、二度と店に来れなくなった。

そしてチエは店を辞め、ミナミに移った。

源氏名も「トモ」から「チエ」に改め、
キタにいた頃のお客さんは全て切り、
誰にも居場所を知られないよう、

「風俗嬢チエ」としての、再出発を始めたのだ。

でも、残してきた課題は、まだ山積みのままだった。




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風俗嬢に惚れてしまう~擬似恋愛という罪~⑲

2006-09-24 21:34:44 | 擬似恋愛という罪


  Eさんは泣きながら話し続けた

「俺、今までいろんな風俗に足を運んだけど、トモみたいな子はいなかったよ。
みんなそれなりにかわいくていい子で、
頑張ってサービスしてくれたけど、
でも何て言うか、それだけだった。
その時は癒されても、店を出たら結局1人で、
店に入る前と同じ虚しさが戻ってくるだけだった。
でも、初めてトモに出会った時、店を出てすぐに、
「またあの子に逢いたい!」って思ったんだ。
家に帰っても、トモの事が頭から離れなかった。
あんなことは初めてだったよ。」

Eさんは、涙を流していたが、宙を見て少し笑っていた。

「それですぐに次の日も逢いに行った。
正直恥ずかしかったよ、2日も続けて受付に顔を見せるのは。
でも、すごく会いたかったんだ。」

その時のことはチエも覚えている。
「あれっ!?昨日来た人だ!
チエのこと、そんなに気に入ってくれたのかな。」
と思った程度だった。

「トモはね、顔もルックスも、オッパイも並だろ?」
(うるせーよ!)
でも、こんなに惹かれるのは何故なんだろうって考えてた。
考えても分からないから、何度も通った。
そして気付いたんだ。
トモは、「仕事」としてじゃなく、「本気」で、俺の話を真剣に聞いてくれてたんだ。
他の子達は、その場、時間が来るまでなんとなく相手してくれるだけだったけど、
トモだけは、本気で俺と接してくれていた。
だから癒されたんだ。」

たしかにEさんのその言葉は当たっていた。
それが、チエの中での接客のテーマだったからだ。
そのおかげで指名客は増えていた。
チエは、その接客に間違いはないと思っていた。

・・・でも。

「俺は、それがきっかけで、トモを本気で好きになり始めたんだ。」

それを聞いて驚いた。
「そんなことで!?」
思わず口に出してしまった。

「そんなことじゃないよ、すごく大事なことだよ。
ホントに嬉しかった。
でも、店の子だし、好きになっても迷惑がられるだろうな…と思って、遠慮してたんだ。
でも、勇気を出して、携帯番号を聞いてみようって思った。
断られたら、もぅ割り切って諦めようって思った。
賭けだったんだ。」

チエはハッとした。
「あそこか!!」と。

「でもトモは快く教えてくれただろ?
それで俺、「あぁ、俺の気持ちは迷惑じゃないんだ。」って、自信が付いたんだよ。」

そぅ、確かに快く教えた。
…いや、快くというよりか、「何も考えず軽い気持ちで」教えてしまった。
あれが原因だったんだ。
ショックだった。
何であんな簡単に教えてしまったのか…
いや、無理もない。
あの瞬間がターニングポイントだったなんて、
あの時のチエに、どうやって判断ができただろう…。
あまりに未熟だった。

Eさんは続けた。
「それから、メールをすればトモはすぐに返事をくれた。
嬉しかったよ。
「あぁ、この子はいつでも俺のことを考えてくれるんだ」
って思えたから。
もっと知りたい。もっとこの子と仲良くなりたいって思った。
それで、ご飯に誘ったんだ。
その時もトモは、快く来てくれた。
俺は、トモが「お客さん」としてじゃなく、
もぅ1人の異性として、俺を見てくれていると分かって、嬉しかった。」

いや、あの時チエの中では、完ぺきに「お客さん」でしかなかったよ!
と思ったが、ツッコメるわけがなかった。

そぅ、チエが何と言い訳しようが、
「Eさんの誘いに乗って、外で会った。」
それは事実だった。

そしてそれは、Eさんを過剰に期待させてしまうに、
充分な理由だったのだ。

そんなことに今さら気が付くなんて!
チエはみるみる自分が恥ずかしくなった。
あまりに軽率で、あまりにも未熟だった。
チエの中では
「番号教えたら、指名増えるかも♪」
「外で会ったら、もっと心開いてくれるかも」
程度でしてきたことが、
Eさんを、どんどん本気にさせてしまっていたのだ。
全然分かっていなかった。
自分が情けなくて、恥ずかしくて、消えてしまいたかった。

でも、無常にも、チエへのダメ出しはさらに続いた・・・



 

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風俗嬢に惚れてしまう~擬似恋愛という罪~⑱

2006-09-22 20:33:16 | 擬似恋愛という罪


   チエはEさんの待つサービスルームへ入った。

そこには久しぶりに見るEさんの姿があった。
少しまた痩せた…?

Eさんはいつも同じアタッシュケースを持っていて、
中にはいつも重たいノートパソコンが入っていた。
一度、一緒にいるときにケースの取っ手が壊れ、
2人で大笑いして新しいアタッシュケースを買いにいったことがあった。
それからずっと、Eさんのアタッシュケースは、チエと一緒に買ったときのものだ。

そんなことすらもぅ、チエの中では悲しい思い出になっていた。

あの時は楽しかったのに・・・
確かにあの時は、チエもEさんが大好きだったはずなのに…

Eさんは、チエを見ると、いつもと同じように、きつく抱きしめてきた。
Eさんのにおい。
初めて会ったときから変わらないEさんのにおい。
以前なら、このにおいに包まれると、安心して体の力が抜けた。
…でも今は…
言葉にならない嫌悪感が走るだけだ。
何でこうなってしまったのか…
ちょっとづつ、ちょっとづつ、「擬似恋愛」という関係に、
私たちの関係は壊されてしまったのだ。

チエは、抱きしめられることがつらく、気持ち悪く、そして切なかった。
「Eさん…」
チエはEさんを静かに押し離した。
Eさんは少しためらった様子で、
「あ…、新婚旅行はどぅだった?楽しかったか?」
「うん、楽しかったよ。こっちよりも涼しかった。」
「そうか。風邪引かなかったか?」
「うん、大丈夫。」
「そうか…」

気まずい沈黙が続く。

あの…
2人同時に声が出た。
「何??」
「いいよ、Eさんからしゃべって」
Eさんは、少し照れたような、バツの悪いような顔をして
「あの…手紙…読んだ??」と聞いてきた。
チエは深くため息をついて
「読んだよ…。何であんなことしたん?」と聞くと、
Eさんは
「だって店でも逢えなかったし、電話も出てくれないし…もぅ辞めちゃったのかと思ったんだ。結婚されちゃう前に、もう1度トモのホントの気持ちを聞きたくて…もし・・・ホントにトモが俺を好きなら・・・」

それを聞いて、
あぁ・・・この人はもぅホントに駄目だ・・・
とチエは思った。
落胆した。

この人は、自分がした事によって、チエにどれだけ迷惑がかかったのか、
まったく考えてない。
わざと彼氏といる時間に電話をかけまくってきたり、待ち伏せをしたり、
あげくの果てに家までつきとめて、
彼氏が見つけてしまってたかもしれないのに、手紙を置いていったのだ。
そこまでした非常識な行為を、どれほど自覚しているのか・・・
それが聞きたかったのに・・・
Eさんの口ぶりは、全く、罪悪感すら持っていなかった。

チエは、悲しいのと腹立たしいのが入り混じった気持ちで、
思わず叫んでしまった。
「あんな事して、トモが困ること分からんかったん!?
彼氏に見つかったら、トモ破局やわ!!
電話だって、なんで彼氏とおる時間にあんなにかけてきたんよ!!
出れるわけないの分かるやろ!?試しとったん!?」
もぅ止まらなかった。
どんどん怒りがこみ上げた。
「もぅ1度トモの気持ちが聞きたかった?前に来たとき、はっきり言ったやん!トモはEさんのことは何とも思ってない!ホンマに何とも思ってないんよ!信じてよ!」

そして、さらにヒドイ事を言った。
「もぅ怖いねん!Eさんに逢うの。
触られるのも、店に来られるのも怖い。
もぅ2度とここに来んといてほしいねん!!」

そこまで言って、ハッと我に返った。
Eさんは、言い表せないほどの哀れな顔で、何も言えずにチエを見ていた。
チエは、「言い過ぎてしまった。」と思ったが、
ここでフォローを入れても、何の意味もない。
チエだって、ホントに怖かったんだ。
もぅ昔の優しかった、良識のあるEさんじゃない。
常識を超えたことをされてしまったのだから、情けは捨てろ!
ここで情をかけたら、Eさんとの関係はずるずると続いてしまう!!
と思い、グッとEさんを見据えた。

Eさんは、チエをじっと見つめたり、
眉間にしわを寄せてうつむいたり、
天井を見上げて何かを考え込んだりしていた。

それが5分ほど続いただろうか…ようやく口を開いた。
「トモ…ホントにごめん。そんなに迷惑をかけてたんだな…
言われるまで気付けなかった。情けないよ…」

チエは、半信半疑な気持ちで聞いていた。
「俺、自分の事しか考えてなかったな…トモが好きで…
それしかなかったよ。」
そして少し淋しそうに、
「でもトモは、変わらず俺に優しかったから…
もしかしたら、トモも俺を好きなんじゃないかって、
思わずにいられなかったんだ。」
と言って、
Eさんは涙を流し始めた。


そしてその後ゆっくりとゆっくりと、
チエが犯していた罪の数々が、浮き彫りにされ始めた。。。




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風俗嬢に惚れてしまう~擬似恋愛という罪~⑰

2006-09-21 12:09:42 | 擬似恋愛という罪


  結婚式も終わり、幸せの余韻に浸ったまま新婚旅行へ・・・

行き先はロンドンでした。
たった2週間の、現実離れした、非現実的な2人きりの時間・・・。
ものすごく堪能しました。
チエの人生の中で、最も幸せな時間だったと思います。

帰ったらまた、慌ただしい日本の時間の波に飲まれた生活が始まる。
ひたすら働いて・・・
社会の波に飲み込まれないように・・・
必死に仕事に没頭する日々・・・。

それを、今だけは、全て忘れてのんびりと過ごせる。
海外旅行と言うのは、一種の現実逃避だな。とも思いました。

でもチエは、そんな新婚旅行の合間にも、
常に帰国後の事を考えていました。
Eさんが、このまま何事もなく消えてくれるとは、とても思えない。
もしかしたら、もぅすでに「他人のもの」になってしまったチエを取り戻そうと、
さらに怖い事を考えているかもしれない。

チエは、このままEさんに怯えながら新婚生活を過ごすのだけは絶対に嫌でした。
「Eさんとキッパリ終わらせる為に、日本に帰ったら、もう1度だけEさんと話をしよう」
と、1人そっと、ロンドンの空に誓っていました。



10月の始めに帰国・・・。
途端に忙しい日々が始まり、お互いほとんど家にいない時間が増えました。
でも、チエにとってはEさんと旦那が接触する機会もなく、
感づかれる事もないので好都合でした。

店に復帰したチエは、長期間休暇の間に待たせてしまった指名客さんの相手に負われ、休みなしに働きました。
予約で1日が埋まるのはやっぱり快感でしたし、
この仕事自体は、もぅかなり好きになっていました。

Eさんだって、チエに本気になりさえしなければ、こんな風にずっと仲良く、楽しい時間を一緒に過ごしていけたのに・・・
何度も何度もそぅ思いましたが、もぅその願いは叶わないことを知っていました。

少し仕事が落ち着いた頃、チエはEさんにメールを打ちました。
「Eさん、帰国しました。久しぶりに話したいことがあります。近々お店に来られませんか??」
やっぱり返事はすぐに来た。
「明日の朝、すぐに行く。」
チエは大きく深呼吸し、
明日のEさんとの話し合いへ、静かに覚悟を据えました。

そして翌日朝10時。
一応待ち伏せされないように裏口から出勤し、
すでに待合室に来ているEさんを確認すると、
セーラー服に着替え、髪と化粧を整えて、
「トモ準備できました。宜しくお願いします。」
とスタッフに告げた。

ドア越しに
「ご予約のお客様、サービスルームに入られます!」
と言う声と、Eさんの足音が聞こえた。
チエは、心臓が高鳴っていくのが分かった。
これは、緊張なのか?それとも恐怖心??
とにかく落ち着け・・・。
自分に言い聞かせ、
「よし。」と小さく声に出し、
「お願いします!」と叫ぶと、
おしぼりを持ってEさんのいるサービスルームへと向かいました・・・




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風俗嬢に惚れてしまう~擬似恋愛という罪~⑯

2006-09-19 12:47:37 | 擬似恋愛という罪

 2005年、9月末日・・・

チエは、大好きな大好きなダーリンの、
「かのじょ」から「おくさん」になりました。

友達や親戚のみんな。
そして、手塩にかけて育ててくれた両親に、これ以上ないくらいの祝福を受け、
2人で歩んできた4年間をひしひしとかみ締め、
バージンロードを歩きました。

牧師さんの前でピシッとタキシードに身を包んだ彼が、
最高の笑顔で迎えてくれ、
その手をチエは少し緊張気味に、でもとても幸せな気持ちで握りました。

「誓いのキス。」
それは小さい頃からずっとずっと思い描いていた憧れの瞬間でした。
その憧れの瞬間を、この世で一番好きな人とチエは交わす事が出来たのです。

彼の唇が触れた瞬間、
今まで一緒に過ごしてきた事、そしてこれからもずっと一緒に生きていくんだ。
という気持ちが一気にこみ上げ、ベタですが、ブワーッと涙が溢れてしまいました。
最高に幸せでした。
ただひとつ、心のすみに引っかかる心配事を除いては・・・。

そぅ、Eさんでした。

さいわいEさんには、「9月に結婚する。」としか伝えておらず、
日取りも場所も教えていなかったので、
乗り込んでこられる心配はせずに済みました。

でも、今日のチエは真っ白な純白のウェディングドレスに包まれているのに、
いろんな人を騙している・・・。
そぅ思うと、切ない気持ちになりましたが、
その後も挙式、披露宴と順調に進み、
その幸せな時間の中で、Eさんのことはいつの間にか忘れ、
最高に幸せな時間を過ごしていきました。

彼はとても幸せそうな顔で、祝福してくれる友達に笑顔を返したり、
一緒にお酒をつぎ合ったりしていました。
そして時おりこちらを振り向き、とても愛おしそうな顔でチエを見つめていました。

その顔を見たチエは、
「この人のこの笑顔を、私は一生守って生きたい。」
と心の底からそう思い、
「教会で、私を一生涯かけて守ると誓ってくれたこの人のためにも、
今日ここで私たちの幸せを見届けてくれた人たちの為にも、
チエはEさんとキッパリかたをつけなくちゃ!」
と誓ったのでした。




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風俗嬢に惚れてしまう~擬似恋愛という罪~⑯

2006-09-18 13:01:42 | 擬似恋愛という罪

  チエはEさんからの手紙を、破るように開けた。

中には四つ折の手紙が1枚。
全てワープロ打ちだった。

「○○ちゃん、(チエの本名)元気にしてる?ウチは相変わらずよ。旦那さんとはうまくやってるの?~(中略)~また連絡欲しいです。○子」

内容は、そんな感じだった。
わざと女口調で文章を書き、
最後の名前はEさんの名前から取った女名で書かれていた。

チエは、さらに状況が悪化するような内容が書かれている事を想像していたので、
ひとまず安心した。

「彼氏には、一応感づかれないように書いてくれたんだ。」
・・・・・・ん??
・・・いや、「書いてくれたんだ」じゃねぇ!!
手紙が来ること自体、もぅ十分困るんだよ!!

チエは必死に考えた。
「どーしよう、今チエは何をするべきなんやろう。」
店の人に相談しようにも、結婚式1週間前から休みを取っていたので、無理だった。
警察に・・・も何度か考えたが、
そんな事をしたらチエの素性から全て彼氏にバレてしまう!
大体、Eさんの今の行動が、直接チエに肉体的被害を及ぼしてもないのに、
「ストーカー」と呼べるのかどうかも分からなかったので、
警察に言っても無駄だろうと思った。

残る選択肢は・・・

①チエが直接Eさんと会って、関係をキッパリ終わらせる。

②チエがEさんの前から、跡形もなく姿を消す。

③Eさんの家庭も同じ目にあわせ、Eさんに危機感を与える。
←コレ考えた自分がコワイ・・・

とにかく、色々考えたが答えは出ず、
チエは3日後の結婚式を無事に迎える事だけを考えようと思った。


そして、待ちに待ったチエの、人生の門出。

結婚式当日がやってきた。




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風俗嬢に惚れてしまう~擬似恋愛という罪~⑮

2006-09-17 22:09:17 | 擬似恋愛という罪


  「マンションの前にEさんがいる!!」

チエの人生始まって以来の最大のピンチである!!
暗くてよく見えなかったが、あのスーツにアタッシュケース。
少し長めの髪型は、紛れもなくEさん!!!

もぅ、心臓が飛び出るなんてモンじゃない。
カラダ全部が心臓になったみたいだった。
耳の奥から心音が聞こえるくらいバクバクし、目の前がふらついた。

不幸中の幸い
Eさんが気づく前に、隠れることができた。

「何で!?いつからいるの!?」
「彼氏は!?もぅ帰ってきてるの!?」
「彼氏と遭っちゃった!?」
「もしかして、彼氏に全部バレた!?」

ううん…そんなことより…………

「なんでウチが分かったの!?!?」

もぅ、恐怖なんてもんじゃない。
そーいえば、教えてないのに携帯番号知られてたっけ…
何でだったんだろう。どーやって調べたんだろう…。
もぅ怖い!怖い!!怖い!!!
もぅやめて!!
チエが悪かったから!
思わせぶりなこといっぱいして、好きにならせたチエが悪かった!
だからもぅ許して!!

心の中でありったけ叫んだ。

Eさんは、何をするわけでもなく、しばらくするといなくなっていた。

それでもチエは、しばらくうずくまっていた。

どれくらい時間がたっただろうか、
おそるおそるマンションに入り、いつものように郵便受けを開けると、
切手のない手紙が1枚。

ドクン!
とまた心臓が跳ねた。
直感でEさんだと分かった。
手紙をグシャッとポケットに入れ、一目散に部屋へ帰った。

家の中は真っ暗で、彼氏はまだ仕事から帰っていなかった。
これほど安堵したことが、今までにあっただろうか。
チエは、私生活が犯されてはじめて、
彼氏に対して「申し訳ない」と心から思った。

こんな事になるなんて、思っても見なかった・・・
ごめん、ごめん。
プライベートとは、まったく隔離された風俗という世界で、
ただお金を稼ぐだけのつもりだったのに。
調子に乗ってのし上がってしまったために、
別世界だったチエと彼氏の生活まで、壊されるのかもしれない。
どぅしよう…どうしたらいいの…
怖くて涙が出てきた。止まらなかった。

でも、チエの責任だ。
彼との生活は何としても守らなきゃいけない。
それが、風俗に手を出したチエの義務だった。

チエは、Eさんからの手紙を開いた。


チエちゃんの実話エッセイ。

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チエの物書き意欲が、がぜんアップします!!
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風俗嬢に惚れてしまう~擬似恋愛という罪~⑭

2006-09-17 10:42:15 | 擬似恋愛という罪

更新が遅くなりました。スミマセン・・・

Eさんに店の前で待ち伏せされてからというもの、
チエは家を出る時、店に入るとき、仕事を終えて外に出る時、
全てにおいて、指名手配犯のようにビクビク緊張しながら、行動しなければならなくなった。

コンビニで朝と昼のご飯を買うときも、
いちいち店内にEさんがいないかを確認し、
スーツ姿のサラリーマンを見かければ、あわててさらに遠いコンビニまで行った。

もはや病気だ。

あんなにEさんに逢うのを心待ちにしていた時もあったのに。

人はこんなにも簡単に、人を好きになったり、キライになったり、
ちょっとした事で気持ち悪く感じたりさえもするものなのか・・・。
悲しいものだ。

何が間違っていたのだろう・・・

ここ数日間、チエはそればかり考えていた。
どこかの歌の歌詞に、
「こんなに好きにさせといて、「勝手に好きになった」はないでしょう」
というのがあった。
ホントにその通りだよな、と思った。

(チエを好きになって欲しい。)
そういう気持ちで、接客していたのは確かだ。
たっぷり恋人気分も与えた。
あんだけしておいて、恋が芽生えないほうがおかしいのかもしれない。

でも、そーいうサービスをしなくなったら、風俗なんかただのヌキ屋だ。
一体どうしたものか・・・

店のスタッフは、
「それはトモちゃんは全然悪くないでしょ。向こうが勝手に好きになったんだから。」
と、ケロッとして言った。
うん、まぁそーなんやけど・・・チエは、何となく腑に落ちなかった。
そーさせたのはチエなのに・・・という、「責任感」が、どうしても消えなかったのだ。

他の嬢たちはどーしてるの?
こんな状況になったことないの??

同じ店の子に聞いてみると
「あるよー本気になられたこと。」
という意見は意外と多かった。
しかしその後の意見はさまざまだった。
「本気になられたらこっちのモン!がんがんお金落とさせる!」
という子や、
「ウザイだけ。ソッコー避ける。」という子もいた。
中には、「愛人になってプライベートでもお小遣いもらうよー」
という大胆な嬢までいた。

みんなすげーよ。
なんでそんな割り切れるんだ?
すんません、チエはまだまだですな・・・

そーゆー子達は、みんな客に対して、まったく感情移入をしていないようだった。
だから割り切れるんだ。
チエにはそれが出来てないんだ。という事も、何となく分かった。

じゃぁ、チエはEさんが好きだったのか??
・・・いや、それはない。愛しているのは、今にも過去にも彼氏1人だ。
Eさんに対しては・・・
同情に近かった。
Eさんを可哀相に思い、癒してあげる為にEさんがチエに望むことを出来る限りしてあげた。
その結果、チエ自身も、Eさんが好きなんだと、Eさんに思い込ませてしまった。
色恋管理をし切れなかった、チエの失態だ。


その後もEさんの行動はおさまらず、エスカレートしていった。

今までは、彼氏の存在を考慮してか、仕事中にしかかかってこなかった電話が、
夜明らかに彼氏と一緒に居ると分かっている時間にまで、鳴り響くようになったのだ。
これには焦った。
着信を無視していれば、留守電が入る。

「トモ、いまHEPの前にいるんだ。凍えそうだよ。」
(9月なのに・・・)
「今なにしてる?逢いたいよ・・・」
彼氏と一緒に居るんだよな、俺は1人だよ・・・」
(じゃあ早く帰んなよ!!)

なんかもー、一体あなたダレ!?って感じでした。
ホントにあのEさん!?
もはや好きのかけらも、もぅ持てなかった・・・
自然におさまるのを待ってても埒が明かない。
このままエスカレートして、私生活まで犯されたら、シャレにならないよ!!
と思った。

・・そぅ。チエは、自分の身に危険が及ぶ事よりも、Eさんの行動で彼氏にバレてしまわないかの方が心配だったのだ。

しかし、その予感は的中してしまった・・・


9月某日、結婚式の3日前。
夜1人で家に帰ると、家の前に誰か立っている・・・

今思い出しても、心臓が飛び出そうです。


深刻な面持ちでマンションの前にいたのは、
Eさんでした・・



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風俗嬢に惚れてしまう~擬似恋愛という罪~⑬

2006-09-15 13:28:57 | 擬似恋愛という罪

 TVでよく聞く「ストーカー被害」

まさかそんなモンが、自分の身に降りかかるなんて、
被害にあった女の人のほとんどが、思ってもみなかったに違いない。
もちろんチエだって、考えもしていなかった。

Eさんと店で話してから、1週間後、
チエがいつもどおり「お疲れ様で~す」と店を上がり、
更衣室で着替えてるとき、Eさんからのメールに気付いた。

10分前に入ったものだった。

「逢いたい。店の前で待ってる。」

心臓がドクンとした。
背筋に嫌な緊張感が走った。
チエが店を上がる時間を、あらかじめ調べていたようだ。

「嫌だ、会いたくない。」
そぅ思ったチエは、しばらく店内から出ずに時間を潰していたが、
Eさんからまたメールが来た。

「まだ店に居るのか?一緒に帰ろう」
(
どこに!?)
チエは怖くなった。
Eさんの言葉が、普通な内容でも普通じゃない事を考えていそうで、
どんどん怖くなり、動けなくなった。

チエは、冷静にならなきゃ!と思い、
無事に家に帰るため、勇気を出してEさんにメールを打った。

「ごめんなさい、メール気付かなかった。今日は体調を崩して早退したので、今は家で寝ています。店にはいませんよ。」

コレでとりあえずは店から離れてくれるだろうと思ったが、
怖かったので、店のスタッフに付き添ってもらい、しばらくたってから店を出た。

店から少し離れたところの自転車置き場まで送ってもらい、
猛ダッシュで家まで帰った。
途中何度も後ろを振り返り、足がちぎれるほど自転車をこいだ。
こんなに怯えながら帰るなんて初めてだった。

マンションについて階段を駆け上がり、家に入ると、
「どーしたん!!」と彼氏が心配して出迎えてくれた。
その顔を見たとたん緊張が解けて、ヘタヘタと座り込んでしまった。

「怖かった。」と抱きつきたかったが、
それは出来なかった。
「何でもない」とトイレに入り携帯を見ると、
Eさんからのメールで受信メモリは満タンだった。
もぅ中身を見るのも怖かった。

「トモ、カラダは大丈夫か?」
「看病に行くよ、家を教えて。」
「仕事は休みなさい。俺がずっと傍に居るから。」
「トモ、好きだ。逢いたい」

この人はもぅ、チエが彼氏と暮らしてる事自体、忘れてしまっているのか??
Eさん、一体どぅしちゃったの!?
あの常識があって冷静沈着だったEさんは、どこへ行ってしまったん!?
もぅ、チエにはどぅしていいのか分からなくなっていた。

「Eさんはストーカーになってしまったんだろうか?」
そんな怖い予感が、胸を締め付けた。
そしてそんなチエの予感は、現実のものとなり、
次の日から、チエの生活は一変してしまった。



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