まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

寝た龍を起こすな。

2017-01-02 01:31:34 | 日記
そのひとは黒い服を着て
隙のない化粧をし
まとめた髪の先に薔薇のかたちの
リボンをつけていた。
どうぞ、とすすめられたスリッパにも
通された部屋のカーテンにも
天井から下がるシャンデリアにも
薔薇が散りばめられていた。
きらきら光る瞳と
すっと鼓膜を通り抜ける声が
印象的だった。

原因のはっきりしない
体調不良が続いていて
苦しんでいたら
友達があるひとを紹介してくれた。
特殊な力を持っているのだという。
即座に思いだしたのは
大好きな宮部みゆきさんの本
「龍は眠る」
女の子の手を握って、クリスマスにほしいものを見ることができるくらいは
かわいいもんで、あらゆる思念が入り込んで来てしまう苦悩と、見いだせたちいさな希望の切ない物語。

突拍子もないことを
言われたらどうしよう
と思ったり
誰にもいったことのない
過去の出来事を
当てられたらどうしよう
と思ったりしたけど
そんなことはなくて

ただ
あなたの魂が押し込められて
もう限界、檻から出して、と
叫んでる
といわれた。

無理して装うより
素のままをだいじに
過去はどうにもできないし
未来は、今をどう生きるかで
つくられていくものだから
今にフォーカスするようにって。

でも、素のじぶんは
すきじゃないし
まわりにも嫌われそう
というと

まわりに嫌われたっていい
けど、じぶんのことはじぶんが
理解して認めてやんないと

あなたの魂のオーラは
きれいだから、ちゃんと愛される、
だからだいじょうぶ。って。


不安な思いを吐き出すように、と
手を握られて、深呼吸を促された。
握られた掌からものすごい波動を感じて、肘までびりびり痺れる。
しばらくしたらなんだか体のなかがすうすうした。
顔色がとても良くなった、といわれた。

ひとはみんな宿題を与えられて
生まれてきていて
それをやれないまんま
何度も何度も生まれ変わり
おんなじ宿題に取り組んでいて
でもいまが、それをとうとう
やりとげるときなのだ。
ひとがなんのために生まれるか、
それは、愛とは何かを知るためで
それが世界でもっとも強い
波動なのだ。


そのひとの話、もっとたくさん
あったんだけど
3日経って残ってるのは
こんなかんじ。


パワー不足を補うのに
部屋に赤いものを置くように言われた。
春にはレモンイエローの服を
着るとよいらしい。


あたりまえだけど
宮部さんの物語に
出てくるような話は
なかった。

けれど
いくつか、どきりとする
単語も飛び出してきて

そしてなにより
心と体のオリが
だいぶとりのぞかれた。

でもそれは特殊能力の
ゆえんというよりは

忙しい年末に
会ったこともない女のため
時間割いて、サロンおさえて
親身に話をしてくれた
そのひとと


やはりおなじく忙しい年末に
わざわざそのひとにアポいれてくれて
私をフルアテンドしてくれた
友達の
心遣いがありがたかったから。


普通に仕事してる社会人だったら
みんなそれなりに
やりたくないことがまんして
やってるはずで

私が特別それが多いなんて
こともなく

それなのに魂が悲鳴あげてる
というのはつまり
私の魂のがまんレベルが
低いってことで

まいったなぁとおもうけど
低いもんは低いんだから
それなりの取り扱いで
やっていかなきゃなぁ
と思ってる。

そしてそれとは別に
体の具合が悪いのは
おもに老化によるものだと
思ったほうが扱いやすい
気がする。


レモンイエローは
まだわからないけど
とりあえず
カーテンを真っ赤なやつに
新調しようっと。