まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

いちごメロンパンの怪

2018-05-20 14:27:25 | お菓子作り


ちびすけだったムスメ、ある日のおやつの時間。
お皿に「いちごメロンパン」
メロンなの?いちごなの?っていう
つまり可愛いピンクのクッキー生地をまとった
丸い菓子パンを置いて
その前にムスメを座らせ、いただきます、のあと
ふと気づいたらムスメはすでに遊びにいっちゃってて
お皿には見たことのない小さな白い丸パンが。
ちょっとちょっととムスメを呼び寄せ、
もしかして周りの甘いやつだけ食べたの?と聞いたら
こくんと頷く邪気のない顔。
そういう食べ方はお行儀悪いからやっちゃダメですと
言ったはいいけどさてこの何の味もない残ったパンを
どうやって食べさせたらいいんだろうと悩み
ふと思い出したのが小6の時の給食で
担任のいい年した女の先生が
葡萄パンの葡萄とその周辺だけをむしって食べた
残りの機関銃掃射でも受けたかのような
コッペパンの形をかろうじて保つ物体で
やっぱりどうにでもしてこいつを食べさせておかないと
あんなしょうもない大人になったら困ると
とりあえず冷蔵庫からジャムなど出してみる。

わたしの頭の中にはこんなちっちゃい記憶の破片が
バラバラと撒かれ、どこかで小さく渦巻いて
なんかの拍子にピョンと表に飛び出すんだけど
そのきっかけとなったのが昨日のお手伝いで
中・高生の生徒さんらが作っていたのが、メロンパン。
ミルクたっぷりのふんわり生地を仕込んで
クッキー生地を手早くのして丸めたパン生地に乗せ、
カードで模様を刻んだらザラメをくっつけて焼く。
大概のことはそつなくこなすこのクラスの皆さんが
ちょっと苦戦してたのがクッキー生地をのすところ。
気温も高く生地は薄く、手早くしないとベタベタくっついてしまう。

わたしもかつてちょこっとだけお付き合いで通った
某有名チェーンのパン教室でメロンパンを作ったけど
クッキー生地の作り方があまりにぞんざいすぎて
お菓子教室でやってる通りに勝手にアレンジして作ってたら
指導員にちょっと嫌な顔されたんだった。
菓子パンってお菓子だと思って作るのとパンだと思って作るのとで
仕上がりが変わるような気がするんだけど。

お菓子教室のお手伝いに話を戻すと
「道具の使い方がどれだけ身についてるかが大事」と
先生がおっしゃる通り
ベタベタなまんまの麺棒や台を使って何回やり直しても
絶対うまくいかないし
ちょっとしたことだけど、カードを生地に
差し込む時に使う辺も
直線の方よりカープしてる方を使ったほうが
扱いやすいとか、そんなことを
なんども繰り返して伝える、やってみるの
積み重ねなんだなあと改めて思う。
午前の部のもっと小さなお子さん達は
ゴムベラの使い方に悪戦苦闘してて
こちらも回数こなして慣れるしかないし
とはいえ午後の部のお兄さんお姉さん達も
かつてはこうだったのがちゃんと成長しているわけで
だいじょぶ、できるようになるから、というビジョンが
子供にとっても、教える人にとっても
ものすごく心強く励まされる。

大人のクラスと違って無駄口も叩かず
黙々とお菓子を作る子供の皆さん、
試食の時の嬉しそうな顔と
帰り際の「ありがとうございましたー」が
弾んでるのが印象的。

さて20年振りにムスメの前に
メロンパン置いてみるかな。

(画像はおやつにもらったバナナシフォンケーキ。メロンパンは撮る前に食べちゃった。)

カキ氷始めました。チャブダイカフェ の軒先にて。

2018-05-13 22:21:46 | お菓子作り



発泡スチロールの箱から慎重に氷を取り出し
骨董屋から大将が大事に運んできたカキ氷機の
円盤の上に置く。
重たいレバーを回して押さえを下ろし、
ハンドルを手前にくるくる回すと
シャーーッという小気味良い音と共に
雪のような氷片が降ってくる。


チャブダイカフェ の軒先に置かれた
手製の小さな屋台に
今朝アマゾンから届いたばかりの
「氷」の暖簾がひらひらする。


小学生くらいの男の子、弟と半分こねと
お母さんに注文してもらったカキ氷が
お皿に盛り上がっていくのをじっと見ている。
三分の一削ったところにベースのシロップをかけ、
もう三分の一削ったところにベースのシロップと
いちごシロップを半々にかけ、
最後に山盛りにしたところにいちごシロップをたっぷりかける。
「いちごは好きですか?」と聞くと、こくんと頷く男の子。
トッピングの角切りいちごのマリネをちょっと多めにサービス。


土曜日の商店街の人通りは少なくないが
日中は多くがお年寄りや小さな子のいる家族連れで
お年寄りは屋台をちらとも見ないのがほとんど、
子どもは目ざとく「カキ氷だって」と寄ってくるが
「何円ですか?」「800円です。」「えーー。高い。今、100円しかないよ。」
確かに、お祭りの屋台だったら100円かそこらで
合成着色料と合成甘味料のたくさん入った液体をかけた氷を売ってるもんね。

でも切なそうなその顔を見てたら、半量で400円っていうのもアリなのかなと
ちょっと考えたり。
いやいや、違うんです、800円出しても食べたい氷を提供したいんです。

鵠沼海岸の埜庵、谷中のひみつ堂、下馬のかんな、仙台の梵くら。
季節を問わず人々がカキ氷いっぱいに千円札を2枚、3枚と用意して
長時間並んでまで食べたがるのは何故なんだろう。
それは、自己愛なんだと思う。
たかが氷に、こんだけの労力と経済力を注いでいる自分、アホみたいで可愛いし
注げるその力ってすごいと思わない?っていうね。

そして、作ってる方も多分そうなんだと思う。
だって私がそうだから。
たかがシロップに、こんだけの素材を使って、時間をかけてるのってすごいと思わない?ってね。

もし本当にそれきりだったら、ただのダメな人だと思うんだけど
なんだってそうだけどこと食べるものに関していえば
素材にこだわって丁寧に作るものは必ず食べる人の心も満たすのです。
それを教えてくれたのはチャブダイカフェ の大将の作るごはん。

まずいけど安い、は論外だし
まずいのに高い、はもう人間失格だし
美味しいのに安い、はいろんな人が泣いてるし
とても美味しいけどちょっと高い、に価値があるのです。
これは白楽にある超人気カフェのマスターの受け売りだけどね。

初回の昨日、一番心が痛かったのは
遠目から屋台を見つけて一緒にいる小さな娘に
「カキ氷だって。食べる?」と近づいてきて
そこで初めて価格を見て絶句し、でも子どもの手前引くに引けず
食べ終わってから「ありがとうございました」とかけた声に
振り向きもせずに去っていったお母さんの後ろ姿で
屋根の目立つところに「ちょっとお高いですがその分美味しいです」とでも
大書しとけばよかったのかなあと思いながら見送った。
でも、ここから少しずつ「提供したいもの」を発信していって
過たずそれに反応してくれたお客様に来てもらえたら嬉しいな。

そして大失敗したのは、抹茶白玉あずきの方の写真が
一枚も無いことです。あんなに仕入れ頑張ったのに。

そんなあれこれを学習しつつ
来月からに繋げます。

来月のフレーバーは
「マンゴー」
「柑橘」
の予定です。まだ日程も決まってないけどね。
アンテナにピピッと来てくれる人がたくさんいますように。

職場見学♪

2018-05-04 15:29:21 | 日記

ここいらで
キングっていったら
こちら


神奈川県庁
本庁舎です

ムスメの職場見学兼ねて
一般公開日に
遊びにいってきました

アールデコ調の現在の建物は四代目
三代目があっというまに
壊れてしまったので
とにかく永く保てますようにと
あちこちにあしらわれている
鳳凰や極楽の花「宝相華」(ほうそうげ)



ん?聞いたことあるぞ
と思ったあなたは
イルプルー好きね

孤高のバティシエ弓田亨氏が
抹茶のお菓子を作るときに
指名買いしてるのが
京都すみよ園の抹茶
その名が宝相華というのです
香りと発色の良さが際立ってます
極楽に咲き乱れるとされた
想像上の花だったのですね

そのおかげで四代目は
今年90歳を迎えます
耐震工事をしてるので
外観がもうすぐ足場で
覆われてしまうそう
しばしの見納め

知事のお部屋には
ご本人不在でしたが
彼の手による書がいくつも
飾られていました
他のどちらかの知事さんとはちがい
黒岩さんはそんなにほっつき歩いてはおらず、たいてい執務室にいるとか

天皇陛下をお迎えしたという
第3貴賓室
シャンデリアのしつらえが素敵でした
時計にはめてあるのはルビーだと
言われているそうですが
検証したことはないのだそう


屋上からの眺めも素晴らしく
お天気にめぐまれて
遠くにはスカイツリーもみえました


一階ロビーの装飾燈
創建からのもの
写真を撮っていたら
係の人に「一緒に撮りますか?」と

なんで明かりとツーショット?と思ったら
有名な番組で有名な俳優が
歩いた階段で
フォトスポットになってるんだって

そして、外で撮影に応じてる
様々な着ぐるみたちを見ながら

明日このどれかに入るムスメが
無事におつとめできるようにと
おいのり
消臭スプレーは持参したほうがいいよと
いわれているらしいです

10年後は100歳のお祝いですね
また来ます