まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

ヒロと姐さん2023 辰年の次には巳年が来る

2023-12-25 20:39:49 | お菓子作り

ゆっこちゃんが大和にケーキ屋「atelier 結心」を開いて5回目のクリスマス。今年は23,24日が土日にあたり、肝心の25日はど平日。3日間で140台の完全予約販売、去年も台数と日程は同じだが金土日というバッチリな並びだったので完売も早かった。今年はどんな感じかな、とちょっと心配してたけど、2週間前にはきっちり完売させるゆっこちゃんはさすがだ。

それに対して臨時スタッフはゆっこちゃんが募集するまえに勝手に挙手していくスタイル。最初の年は、猫の手でも無いよりはいいんじゃないか、くらいの気持ちでお手伝いに行き、案の定、猫あるいは猫以下の動きしか出来ず自分が口惜しかったものだけど、流石に5回目ともなれば・・・あ。ごめん。ちょっとは進化したけど、それでもやっぱりスーパーアシスタントのヒロ様の前では見る影もないわ。1年ぶりにもかかわらず鮮やかな手捌きに見惚れる(働け)。「自転車に乗るようなもんですかねー。一度覚えたら忘れない。」将来年をとって他の記憶がみんな飛んだとしても、パレットナイフを握ったらパパッとショートを組んでしまうのかもね、と笑う。

そんなヒロは水引小物作家としても順調に活動していて、今年もケーキ屋のショーケースの手前、小さなテーブルに可愛くてカッコいいお年玉袋が並んでいた。半年前の夏のお食事会(ゆっこちゃんがクリスマスのスタッフを招待して美味しいものをご馳走してくれるのだ)で、「辰のフォルムってどんなものでしょう?」とサンプルを見せてくれたことを思い出す。みんなで「ツノがこんな感じかなあ」「ヒゲはこんな感じだねえ」などと好き勝手言ったのだが、こんなに素敵に作れるだなんて・・・。すでに「来年も買います」と言ってくれるファンもついているそう。なので華麗なナッペを披露しながらもヒロの頭の中には、「ヘビのフォルムって・・・」がぐるぐるしている。ゆっこちゃんは先輩起業家として、お昼や午後の休憩中にインスタ の投稿や集客の勉強、販路拡大など様々なアドバイスをしている。

ゆっこちゃんが本当にすごいのは、1年目に考案したフローがほぼそのまま5年目も継続できていることだ。多少のマイナーチェンジはあるものの、「誰が」「いつ」作業するにしても全てがわかりやすく共有されているフローは素晴らしい。クリスマス時期のパティシエールは心身ともにくたくたになってるものだし、臨時スタッフはあくまで臨時なのだけど、確立されたフローのおかげでミスを未然に防げている。注文していただいた140台を間違いなくお客様に提供できるのって、そりゃ当たり前のことなんだけど、簡単じゃないんだよなと思う。比較するのはちょっと違うかもしれないが、今年有名百貨店で購入された人気店のパティシエ監修のクリスマスケーキが、お客様が箱を開けたら無残に崩れてたという事件が起きた。パティシエは「実験した時は崩れなかった。悔しい。」と言うが、私にはどうしてもその人が本気でお客様のことを考えたとは思えない。笑顔が見たかった、って言うんなら、よその製菓工場で一気に大量に生産したものを、冷凍で宅配なんて話になんで乗るのかなと思う。そうそう、ゆっこちゃんは3日間分のジェノワーズを直近で1日分ずつ焼く。うんと前もって焼いて冷凍するってことはしない。「冷凍したジェノワーズは好きじゃない」から。ふわふわの口溶けの良さの理由はそこにある。

1日に3回のお渡し、ゆっこちゃんがお客様に対応している間、ヒロと私たちは厨房で次の回のケーキを組み立てる。スペースの限られた冷蔵庫には、スライスされたジェノワーズ、カットされたいちご、大きなボウルに入った生クリーム、絞り出し袋、ナッペされたケーキ、完成して箱詰めされたケーキが入れ替わり立ち替わり収まってゆく。この季節エアコン無しとはいえ、ケーキをなる早で冷蔵庫にしまえるよう、効率は悪いが少量ずつ組み立てる。優先度最高値が「美味しいこと」にあるんだからしょうがない。基本、厨房はヒロに任せているゆっこちゃんが私たちに「サンドのいちごはこのくらい乗せて」とスマホの写真を見せる。下地の白いクリーム見えませんけど・・・。しかもこのシーズンのいちごはとんでもなく高額である。クリスマス・・・儲からないな・・・。

「ケーキ作ってんの?!」と元気な男の子が顔を輝かせて厨房を覗きに来る。一家総出でケーキのお迎えに来てくれたようで、お父さんが「こら、そっち行くな」と言い、「サンタはボクのーー!」と弟が主張し、お姉ちゃんが控えめに笑ってる。「えー、サンタさん食べるの?ガリガリするよ」と笑うゆっこちゃん。クリスマスって幸せだ。美味しいケーキがあればなおさら。

最後の回のケーキを全て作り終えると、ヒロが端切れのジェノワーズやクリーム、フルーツを使って「賄いケーキ」を作ってくれる。私は早朝から挽いてきた珈琲を淹れる。ゆっこちゃんが売り場にテーブルと椅子を並べてくれて、みんなで休憩。私が自分のレッスン用にビスキュイを焼いたけどイマイチだったと言ったら、ゆっこちゃんが「そんなの言ってくれたらいくらでもあげるのに、なんで言わないの」って。「いやなかなかそれ言いだせないでしょ」とヒロが笑う。とてもありがたい提案を来年の私にカレンダーで申し送る。してあげられることの機会を損失したことをめちゃ悔しがってくれるという、ゆっこちゃんのそんなところも大好きだ。持ってきたチラシも店の目立つところに貼り出してくれて、応援がとても心強い。自分ももっと来年は色々頑張らないとな。

休憩が終わると臨時スタッフは帰宅。来年もよろしくお願いします、とお互いに言い合い、良いお年を〜と手を振る。年に2回しか会わない、でも大切な仲間で尊敬する人たち。次に彼らに会う時もちゃんと胸張って笑顔でいられる自分でありたいと思う。そういう繋がりをくれたゆっこちゃんには感謝しかない。

いや、もっと感謝してるのはatelier結心を愛してくださってるお客様です。今年も皆さんのおかげで短くも楽しいひと時を過ごせました。来年もお待ちしています。(臨時スタッフより)

 

 

 


1月のレッスン ケック・ノア

2023-01-07 21:37:31 | お菓子作り
穏やかな天気が続いた年末年始、今日あたりはみぞれか?という予報も無事にはずれて、お菓子初め。
パウンドケーキは地味で映えない代表だけど、はじめてこのケック・ノアを作って食べた日の感動は忘れられない。
ただただ粛々と混ぜ合わせるだけの手順だが、丁寧に一つずつ刻むくるみや、半量になるまで煮詰めたノチェロ、良質なキャソナードなど、材料のクオリティが掛け算で押し寄せるとんでもないケーキになる。
今年のお菓子教室の師匠のテーマは「もっと良くする」というようなことで、今まで黙認されてた、右手使いなのに反時計回りの私の混ぜ方について、やっぱり時計回りの癖をつけたほうがいい、とご指導いただいた。楕円混ぜの軌道とか、90度の混ぜとすくい上げの違いとか、改めて指摘されて初心に帰る15年選手。
そしていつものパウンド型ではなく15センチデコ型なので、カットどうするか問題についてひろこさんと議論。普通なら放射だけどそれだと薄い先端が崩れそうで、いっそ平行か?と。そもそもなんでパウンドってパウンド型なんだっけね?まだまだ知らないことがある。しあわせ。
そして来月はル・フェドラ。ルセットみんなで覗き込みながら、「これどういう算段でイケると思ったんだろうわたし?」とじゃっかん遠い目の師匠。よ、よろしくおねがいします。

進化するヒロと姐さん〜チームミサリングも頑張る atelier結心の3rd クリスマス〜

2021-12-25 21:01:29 | お菓子作り

大通りの真っ直ぐ先にくっきり見える丹沢山系に気持ちがしゃんとする、クリスマスイブの朝。

半分閉まってるシャッターを持ち上げ、中で働いているゆっこちゃんに手を振る。

今年も元気そうで良かったよかった。ほら、クリスマスシーズンのパティシエールなんて、疲労ゲージ振り切ってボロボロなイメージですよね。もちろん、疲れているのは確実だろうけど、いつもの笑顔にほっとする。

「今日は朝いち生デコ多めなんですよー。早めに来てくれて良かった。」

限定100台のクリスマスケーキ、今年は去年より2週間も早く完売。着々と地域に根付いている街の愛されケーキ屋さん。素晴らしいわ。イブは金曜日、私のほうも地道にゆっこちゃんのお菓子の美味しいことを職場で広め、「がんばってきてくださいね。」と快く今年も遅い夏休みを取らせていただいた。

ゆっこちゃんのクリスマス生デコは考え尽くされたデザインなので、初年度から変化なし。飾り付けのレクチャーを受けて私が思い出しつつ作業を始めて程なく、シャッターの上がる音。助っ人真打登場です。

ヒロは相変わらず美人でニコニコしてて、「いやーこないだ大怪我しちゃったんですよ」とサラッととんでもないことを言い、「どこで?家で?何でまた。気をつけなきゃだめじゃん。」と姐さん。手伝いに来て開口一番叱られる助っ人ってどうなんでしょう。作業しながら、支度しながら、久しぶりー元気でしたかー?と挨拶する私たち。

そして今年はなんともう一人、みさよさんが参戦。彼女の中学生のお嬢さんはミサリングファクトリーに在籍していて、イベントではよくお顔を合わせている。こちらも美人で賢くて細やかな心配りのできるハイスペックな人。去年は前日準備担当だったが、今年はそれに加えてイブも。ご一緒できて嬉しい。





今年のクリスマスデイズも、1日のうちお渡しする時間帯を3回にわけており、インターバルで次の回のケーキを仕上げる作戦。もう何度となく店内に響く「スペースが無い問題」の声。特に冷蔵庫の場所の奪い合いが激しい。一番大切にされるのは「苺様」である。何しろ年間で一番高額となる苺様、ゆっこちゃんはもう代金として5万円がところの支払いをしてるという。

知らなかったんだけど、苺は八百屋さんにオーダーしたら、仕入れの際に初めて金額が確定するので、オーダーの段階では代金は分からないのだそう。原価確定の前にケーキの売値を決めてチラシ打つってことは・・・などとぐるぐる考えてしまった。八百屋さんとの信頼関係も大切だよなあ、なんてことはとっくにゆっこちゃんはわかってて抜かりないんだけど。

でも、高いからってケチケチ使わないのが結心クオリティなのだ。「知香さん、苺のスライス薄すぎる、たっぷり挟みたいからこのくらいの厚みでね。」そしてスポンジの1枚目にも2枚目にも上にぎっしり苺を挟む。1枚目はイチゴジャムでなんとなく誤魔化すようなことはしない。だからこそ、ゆっこちゃんのケーキのファンがこんなにたくさんいるんだと思う。

お菓子作りを習うようになって、世の中の菓子屋のことで一つわかるようになったことがある。砂糖だって薄力粉だって油脂だって、原材料のクオリティは幅広い。どのレベルの材料をどれだけ使って、どんなお菓子を作って、どんな客層にいくらで売るのか。それはもう、菓子屋の店主の価値観と誠意そのものだ。食べれば作り手の人となりが伝わる。しかもその伝わり方はびっくりするほどストレートだ。私が普段習っているお菓子も、ゆっこちゃんのお菓子も、食べると心にガツンと来る。

あ、だから、そこにガツンの急所がある人たちがミサリングファクトリーにもatelier結心にも集まってくるんだと思う。ヒロもみさよさんも私も、ゆっこちゃんに心鷲掴みにされた系の人たち。11月が終わらないうちに、100台のケーキを予約してくれたお客様も、同じ系列ね。

ヒロは相変わらず鮮やかな手つきで次々と生デコを組み立てて行く。パティシエールだったのはだいぶ前で、今は普段全然違う仕事をしていて、お菓子はほぼ作らないと言うのが信じられないくらい。きっとパレット持つと体が勝手に覚えている仕事を始めるんだろう。それこそ現役の頃のクリスマスは忙しすぎて、「ナッペしながら一瞬眠ってた」そう。みさよさんも、ヒロの作業がスムーズに進むよう、色んな準備を先手先手で進めていく。殺気だった雰囲気は全く無く、和やかに笑いながら仕事ができるのは、とにかく前の日までの準備に抜かりがないゆっこちゃんの戦略のおかげ。「もし万が一、みんなが熱出して来られなかったとしても、一人で全部やれるように。」ゆっこちゃんの頭の中には常にその思考がある。たったひとりでやってる事業主の覚悟。だけどものすごく容易に「あたしサラリーマンに戻ったらものすごい使える人になれる自信あるわー。」なんてことも言う。いやいや、あのイベントとこのイベントでお菓子お願いしようと思ってるんだから、それまでは存続してくれまいか


さてそんな姐さんの背中を見て育っているヒロ、この度、水引の美しい小物を作って売るお仕事を始めた。水引は奇数を組むのが縁起が良いそうで、三本、五本を束ねて細やかなラインを作っていく。私はお正月にぴったりの祝箸に一目惚れし、我が家と実家と娘宅の分をオーダーした。年末までに送ってくれたらいい、送料ももちろんお支払いするので、と言ったのに、翌日仕上げて持ってきてくれた。ゆっこちゃんごめんなさい、大事な助っ人の睡眠時間を奪ったのは私です。

イブの日、ヒロとみさよさんと三人でお隣のカフェにランチに行った。ゆっこちゃんがご馳走してくれると言うので、ありがたく美味しいカレーとコーヒーをいただく。ヒロとみさよさんはホットサンド、ヒロは特別に野菜を抜いてもらう。(後で姐さんにそれも叱られた。)水引の小物の販売を始めるにあたり、ヒロは姐さんに次々に差し込まれているのだと言う。本体を作ってるだけじゃだめで、紹介カードなどの周辺インフラ整備、広告戦略、価格設定、働き方の注意(徹夜で作業とかだめだから)など。私は唯一知っている「趣味ではなく、小物を作って販売して生計立てている」友人の話をしたりしたんだけど、何にしても本気でやるには険しい道だ。ヒロはその辺もちろんわかっているんだけど、「今はまだいろいろ調べたり試してみたりしたい段階で、姐さんの話してることはまだちょっと遠い気がする」のだそう。そして最近刺繍にはまっているというみさよさんの作品などインスタで見せてもらいながら、色んな「可愛い」ものをチェックしてわーきゃーする三人。手先が器用な人はうらやましいわ。遥か昔、海外出張の暇つぶしに持参した「くまの幼稚園」モチーフの刺繍がどうにも進まなくて、最終的にはこぐまを半分間引きして仕上げたクッションカバーを思い出す。(それは当時彼氏だった旦那様が会社で擦り切れるまで使ってくれた。)

戻って仕事をしながら、一緒にいる時間を最大限に活用しようと、マシンガンのようにヒロに「セールスのなんたるか」を喋り倒すゆっこちゃん。なるほどこれがそうなのね、と思いながら、改めてゆっこちゃんの考え方に感心してしまう。ファンをどうやって見つけて繋いでいくのか、具体的なノウハウを聞きながら、そういえばうちの会社の上層部が最近大好きでよく使う『ファンベース』ってまさにこれだと気づく。

25日は助っ人はヒロと私のみ、でも毎年思うけどヒロがいればもう十分だと思う。私はどちらかと言うと、手伝うというよりは、私自身が幸せな気分になるために来てる。なのに今年はなんと、お手伝い手当てをいただいてしまった。申し訳ない気もするけど、ゆっこちゃんのお気持ちなのでありがたく頂戴するよ。これでまたゆっこちゃんのお菓子も買えるし、ヒロの水引も買えるし、そうやって循環させることが大切だよね。ってこれはうちの師匠の受け売りだった。そして事前準備で大活躍したチームミサリングのみなこさんが、家族で食べるクリスマスケーキを引き取りにやってきた。みなこさんとはレッスン曜日が違うから毎月会えるわけじゃないんだけど、会えば毎回安心する。また来月は一緒にお菓子じゃないイベントもやるしね。ケーキ引き渡しのやらせ写真を撮った。

そうそう、来月のそのイベントでは、ゆっこちゃんに焼き菓子をお願いする予定で、なんなら丸めたり包装したりをみんなで手伝いにくればいいか、と話して笑った。「一年に一回じゃ寂しいから」ってヒロが言ってくれてとても嬉しかった。ゆっこちゃんのくれた素敵なご縁、ロゴの吉祥が確かに効いてるしあわせな空気に満ちたお店。そんなところで作られるお菓子なんだから、格別に美味しいんだよね。

100台(ホントはプラスアルファ)のケーキを囲む100組の皆様にたくさんのハッピーがありますように。そしてそれを作ってくれたゆっこちゃんにも、ものすごくたくさんのハッピーがありますように。

えっと、いただいたお手当は5年分に換算いたしますので、もれなく来年も伺うことになります。


メモ☆ミルクプリン

2021-03-23 00:00:52 | お菓子作り
お菓子レッスンでこどもらの作っていたミルクプリン、やわらかさがドストライクだった。うちの師匠は天才だ。
一部素材と構成を変更させてもらっておうちでも作ったのでメモ。
ホイップクリーム鬼盛りして深夜に食べる。よいこはやっちゃあかん。

ミルクプリン 100g×3個

(材料)
卵黄1個
砂糖20g
コーンスターチ3g
牛乳140g
生クリーム100g
ゼラチン3.5g
冷水25g
バニラエッセンス

ホイップクリーム、いちご

(作り方)
①ゼラチンは冷水に入れ冷蔵庫へ。
②牛乳と生クリームをあわせて鍋であたためる。
③卵黄に砂糖を入れてブランシール、コーンスターチ入れて混ぜる。
④沸騰直前の②をレードルいっぱい卵黄に混ぜながら加える。
⑤④を②に混ぜながら加え、80℃になるまで弱火で加熱。
⑥火から下ろしてゼラチンを混ぜ、溶けたら裏ごし。
⑦氷水で冷やしながら40℃まで下げてバニラを入れる。
⑧20℃まで冷やしてカップに注ぎ冷蔵庫で冷やし固める。





いちごのシャルロットと学校に行かないこどもたち

2021-03-21 03:38:23 | お菓子作り
第三土曜日はお菓子教室手伝いの日。
午前中、元気な小学生10人がやってきてミルクプリンを作った。ランチタイムはどっと疲れたけど、もらった試作プリンは美味しかった。
午後はうってかわって穏やかな中高生二人。的確な手順でいちごのシャルロットを作る。
うちに通ってくる子たちのなかには、学校に行きづらい子が何人かいる。中学はほぼいかず、高校進学もしないという子もいる。理由は様々あるけど、人間関係が煩わしいっていうのが多い。通信制の高校がたくさんあるけど、中退率は全日制の四倍で、卒業したとしても就職や進学など、行き先が明確なひとは6割で、4割はちゅうぶらりん。しんどい話だな。
それでもうちにきてる子はラッキーだとおもう。少なくとも、安定した居場所があり、やってて楽しいとおもえるものがあるからね。それに、先生の包容力もはんぱない。ついこないだなんか、一緒にクラブハウス企画してたOGが突然音信不通になったりしたのに、まあなんか深刻なことなら言ってくるだろうしもともとそういう感じの子だし平気、だって。わたしが、いやでもふつう先生となんかやってて何にも説明もなしに消失するなんてこと失礼すぎるしありえない、っていったら、アタマかたいねーって笑われた。
かわいいピンクの苺ムースのうえに半割りの苺を花のように並べる。ジュレを塗ってできあがり。素晴らしい仕上がりにテンションあがりまくりで、きゃっきゃしながら片付けものをする子たちが可愛い。楽しくしあわせに生きてってほしいよ、と強く思う。