大陸旅遊倶楽部的日記

三国志・水滸伝・史記の旅と中国茶のほかモロモロ…

天下第一?

2005年06月27日 | お茶/中国茶


無錫の惠泉(あまり飲みたい…という風情ではない(笑))

中国人はランキング好き。
中国を放浪していると色々な「天下第~」といわれるものに出会います。訪れた時には興味がなくても、後々興味が出てくることもあるので、何でも写真に収めておくのはいいことなのかもしれません。
天下第一ってのは中国一ってことで、同時に世界一ってことです。中国の人はあらゆる物に天下第一をつけたがります。関門世界一とか、山の世界一とか、温泉世界一とか、泉の世界一とか…。

関門の「天下第一」は万里の長城の東の端にある「山海関」。西側の嘉峪関は山海関が天下第一なので、「天下第一の雄関」になっていたりして。温泉の天下第一は西安郊外の「華清池」(…らしい)。周代から現在まで涸れることなく温泉として利用されているんだから、世界一といってもいいでしょうねぇ。山に関して云えば、五岳の長、東岳「泰山」が天下第一。これは権威の上でってことでしょうね。「黄山」は「天下第一の奇山」景観が比類するもの無く絶品ってことでしょう。(高所恐怖症なので行きたいとは思いませんが…。)

泉の天下第一は複数あって、審査した人により異なります。
茶聖陸羽(りくう)は江西省の廬山(ろざん)の谷簾泉(こくれんせん)に「天下第一泉」、無錫の惠泉に「天下第二泉」のランクをつけました。

清の乾隆帝は北京郊外の「玉泉」と済南の「突勺泉」(とつしゃくせん:勺の字は「足+勺」)に「天下第一」の称号を与えています。ランキングした人間が同じだと、どっちが第一よ?って聞きたいところですが、多分これも第一っぷりが違うんでしょう…。済南の方は水量が豊かで、玉泉はお茶用としてかな。でも乾隆帝なら何かに感動した時点で全てに天下第一っていいそうな気がする(笑)。
北京は水質が悪いので、西郊外の玉泉山から皇帝用の飲料水を運んでいたそうです。北京の地下鉄に「西直門(せいちょくもん)」という駅名が残っていますが、この門は皇帝用の水を運び込む為の門だったそうです。乾隆帝が玉泉を第一にした時に、鎮江の「冷泉」を「天下第二泉」、杭州の「虎包泉」、無錫の「惠泉」を「天下第三泉」にランクしたとか。この時の審査方法は水の重さが基準だったらしいですよ。

ちなみに鎮江の冷泉を「天下第一」にしたのは、劉伯芻(りゅうはくすう)だそうです。