大陸旅遊倶楽部的日記

三国志・水滸伝・史記の旅と中国茶のほかモロモロ…

西湖 其の一

2005年06月08日 | 中国の旅
杭州市街の西に位置する西湖は、その美しさから、古来文人墨客に愛されたそうです。
「天上に天堂あり、地下に蘇杭あり」
蘇州、杭州は、天国と並び賞されるほどの素晴らしい所という意味。西湖周辺の景観はそれほど美しいといいます。個人的な意見を言わせていただくと、蘇州に関しては・・・ですが、西湖周辺は素晴らしいと思います。ただ湖畔はかなり開発されてしまったので、今は山中の茶畑や九渓の方が好みかな。…でも、やはり景観よりも龍井茶!東坡肉!乞食鶏!(笑)。
杭州の代名詞ともいうべき西湖を、今日のような景勝の地として整備し始めたのは、白居易(白楽天)だそうです。日本では白氏文集で有名な白楽天ですが、本業はお役人。彼は刺史(しし)として杭州に三年間赴任しています。刺史というのは地方長官で、現代的に言えば、県知事兼県警本部長といったところ。李白や杜甫と違い、白居易は役人としても出世したみたいですねぇ。この杭州刺史の間に、西湖の北側に堤防を築き、蓄えた水を灌漑に利用したそうです。この堤防は白居易にちなんで白堤と呼ばれています。ちなみに、この白堤の付け根にある断橋は、白蛇伝で許仙と白素貞が出会う舞台です。白居易が杭州を去ってから二百数十年後、同様に蘇東坡先生が赴任してきて、湖の西側に更に長い堤防を築きました。西湖を南北縦断しているこの堤を、蘇堤といいます。蘇堤を北に上っていくと、その付け根に岳廟(南宋の英雄、岳飛を祭った廟)があります。
(写真は西湖の蓮と蘇堤)