二晩続けてなんという夜だったのだ

2005-10-24 | ●コンサートに行きました
昨日は妹の結婚式の後、サントリーホールへポゴレリチのコンサートを聴きに行きました。

プログラムは事前に発表になっていたものから全面変更。
ショパン/ノクターンop.62-2、ピアノソナタ第3番
スクリャービン/ピアノソナタ第4番
ラフマニノフ/ピアノソナタ第2番
(参考までに、変更前のプログラムは以下の通り
ベートーヴェン/ピアノソナタ第24番、第32番
ラフマニノフ/楽興の時op.16-1
スクリャービン/ピアノソナタ第2番
リスト/超絶技巧練習曲集 S139より第5、8、10番)

『なんか、ものすごいものを聴いてしまった気がする』
(↑終演直後、携帯に打った感想文)

ここ数日、天国で幸せに暮らしていた私を
地底の世界へ連れ去るようなコンサートだった(^_^;
や、ポゴレリチが行く先ならどこまででもついて行く所存にございますけど、
今回ばかりはついて行くのが大変だった。
何度も何度も見失いかけて
「そちらにいらしたんですかマエストロ!!」って(^_^;

コンサートの一日前まで、ショパンコンクールで
若さ溢れる元気いっぱいのショパンを聴いてきただけに
「あの、ソレは一体何の曲デスか?」といったポゴレリチのショパンだった。
ひらたく言えば「遅い」ってことなんだけど、
Largoって書いてあってもそんなに遅く弾かないだろーっていうくらい遅かった。っていうかむしろ止まっていた。
メロディは、はっきり言って、無かった。
音の響きだけ。
彼が自分の音を聴く集中力は奇妙な緊張感を生み、
聴く方に、物音をたてることはもちろん、
身動きも、呼吸も、唾液を飲み込むことも許さない。

だめだ、私の文章力では表現しきれない。
ちょっと、昨日のコンサートは、
自分の中で噛み砕いて、消化して、吸収するのに
時間がかかりそう。

ポゴレリチのピアノを聴いているといつも、
この人を幸せにできるものは何なんだろうと思ってしまう。
少なくとも聴衆の拍手ではなさそうだと思いつつも、聴衆の一人としては
戻ってきてくれて嬉しい、物凄いコンサートを聴かせてくれてありがとうと伝えるには
拍手しか手段がないので
めいっぱい出来る限りの拍手をしてみた。
終演後、鳴り止まない拍手の中、何度か出てきたポゴレリチは
口の端だけ上げる彼ならではの笑い方で笑っていた。

今思い返してちょっと嬉しいと思うのは、
今回の来日公演に関してポゴレリチは
最初から最後までポゴレリチらしかったということだった。
プログラム全面変更したりとかさー
びっくりするような演奏したりとかさー。
最後の曲を弾き終えるなり立ち上がって
椅子をピアノの下に蹴り入れたときは
アンコールは弾かないって意味だな?!悪ガキっぷりも変わってねーな!!と思って
大笑いしそうになった。



妹の結婚式はつつがなく終了。
しあわせになっておくれ。
久しぶりに会った叔母(←音楽の嗜好が私と少し似ている)と
ブレハッチ&コブリン話をした。

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ポゴレリチについて書きました→05.10.27

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