オットのZoomyです。
3月後半不安定な天気が続きますが、雨勝ちな分だけやはり水辺は豊富な水量で見栄えします。似たような写真は以前も載せたような気もしますが、もう一度新神戸の布引雌滝です。
手前は雌滝取水堰からのオーバーフローです。この流れ落ちる水を背景に向かって左側にはモミジがあります。今はまだほとんど枝だけですが、紅葉シーズンでなくても流れ落ちる水を背景に見るモミジは十分美しいです。
布引雌滝の位置は地図では一番南側にあります。新神戸駅からあるいて300m程度で高低差もそれほどありません。
地図を見ればわかりますが、鼓滝と雌滝がある部分はほぼ直線で、下流に向かって東に振っています。この直線部分は断層のため谷は鋭く切り立っているので谷底に光が届く時間は限られています。場所によって早ければ9時半過ぎから一部光が射し込み始めます。この時間帯は少し違った表情を見せてくれるのでお勧めです。
朝早く登り始めると布引の滝はどれも日陰の中ですが、ゆるいスタートで鼓滝の上流側から振り向くとこんな姿になります。
写真で水面の端に写るのは鼓滝の上流側の取水堰です。地図にもよく見ると堰があるのがわかるかと思いますが、この地図の堰は写真の上流側にある土砂流入を防ぐためのもう一つの堰のほうかと思われます。
ところで、10時前後に降りてくれば振り返る必要も無く見えるのでは? というご指摘もあるかと思いますが、その通りです。この時間には山歩きを終えて降りてきた人とすれ違うこともよくあります。
その時間に陽の当たり始めた布引雄滝を一部拡大するとこんな感じになります。
滝を横目にさらに階段を登ると雄滝茶屋です。ここは茶屋の私有地の中を通り抜けさせてもらい先へ向かいます。この近辺にはヒトツバというシダがあちこちに見られます。このブログではシダをほとんど題材にはしてませんが、同定が難しいというのも一つの原因です。キノコもそうですが、確実な同定には顕微鏡で胞子の観察が必要な場合もあるので、通りすがりの素人にはやや敷居が高いというのがその言い訳です。
こちらは木の根元のヒトツバですが、名前の通り茎についた葉は一枚だけ。近くの見晴らし台と呼ばれる公園の植え込みに名札が添えてあったので、苦労することなく名前が判りました。過去の記事を読まれている方は草木だけで飽き足らずキノコにコケ、次はシダか?と思われるかも知れませんが、いずれもほんの入り口を覗き見している程度です。樹木でも目にするもので名前の判るのは数少なく、名前を知っていても季節によっては判らないことも多いです。
一応シダも簡単な入門用の図鑑は持っていますが、ほとんど名前を調べるのは投げ出しているのが現状です。このヒトツバ、明るい場所の写真を撮ってから気付いたのですが、木漏れ日の中のヒトツバのほうが緑が濃く色がいいような気がします。影になってると写真を撮りにくいので明るい場所を探したのですが、他より少し色が薄めです。
ここまで来られた方は地図では隣に描かれている徳光院に寄ってみるのも悪くないかと思います。Wikipediaにも項目があり施設の写真が掲載されていますが、その中で山門の写真があります。その写真の右端にかすかに写り込んでる木がありますが、現地でみるとかなり立派なクスノキの巨木です。
神戸市民の木というのが神戸市により選定されていますが、このクスノキはその選には漏れているようです。でも六甲山の巨木を出版社が呼びかけて情報を集め幹周りの大きな20本を選んだリストに含まれているのが、どうやらこのクスノキみたいです。「どうやら」というのはそのリストには経度緯度がそれぞれ度分秒の単位まで掲載されているのですが、秒の小数点がないので指し示す範囲は一辺20数m以上に及びます。その木は山門付近と記載され地図の経度緯度の情報が示す範囲に山門も含まれていますが、紛らわしいことにその20本のリストには徳光院の境内にもう1本クスノキの巨木がランクインしています。そちらとの取り違えはないとすればWikipediaの写真に写りこんだクスノキはリストによると幹周りが約5.1m、高さ32mの木ということになります。
神戸市民の木でも幹周りが5mを超えるものは数本、六甲山の20本でも数本程度です。以前、須磨離宮公園のクスノキの写真を載せましたが、それは神戸市民の木No.35で、幹周り4.7mです。神戸市民の木で最大の幹周りを誇るのもクスノキで10mを超えています。ですが10mを超えるのはこの1本のみで、神戸市民の木も、六甲山の巨樹のリストにも次に大きいものは幹周り6m台になります。
いずれにせよ、この徳光院では神戸市内では屈指の大きさのクスノキを見ることができることになります。
江戸時代末には伐採で表土がむき出しになってしまった六甲山なので明治期に植林された場所では樹齢100年をはるかに超える巨木はほとんどないと思っていいでしょうから、巨木を探すなら寺社領が有望だとは思います。
摩耶山のことを書いた六甲山 - Part 46に山腹にあった天上寺が火災で焼失したことを書きましたが、この時の火災の影響で境内の「摩耶の大杉」と呼ばれたスギが枯れてしまったのですが、幹周りは8mと伝えられています。伐採されていないので今でもなお朽ちかけながらもその威容を伺うことができます。
せっかくの季節なのでおまけのように花の写真も少し。こちらは神戸市立森林植物園内のトサミズキです。
これだけではなんとも判らないので黄色い点としか写っていない花を拡大するとこんな感じです。
今年は長持ちした森林植物園の福寿草も先週が最後のチャンスとなり、あちこちでリョウブの新芽が開いてきました。これからしばらく週末は忙しくなりそうです。
神戸市民の木一覧
徳光院(Wikipedia)
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