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今日の108円

1日1冊108円・・・・・・最近そうでもない。

.hack//Another Birth もうひとつの誕生 Vol.1 感染拡大 川崎美羽 2004年3月1日 角川書店

2015-09-27 06:34:34 | .hack
世界最大のネットゲーム「The World」をプレイ中に突然意識を失った弟を救うため、晶良は重剣士ブラックローズとして「The World」へと旅立つ! 弟の意識を奪うきっかけとなった場所に向かう途中で、知り合った双剣使いカイト。だが、彼との出会いはゲームの枠を越えた戦いの始まりだった・・・・・・。元気と明るさでカイトを助け続けたブラックローズの視点から、大人気ゲーム「.hack//」を新たに描き出す、大型ノベライズ始動!
※元気と明るさでカイト(「プレイヤー」とルビ))を助け続けた~
裏表紙より。
.hackの無印ゲーム本編のノベライズ。
主人公カイトの1番の相棒である『ブラックローズの視点』。
今年でサービス終了だから、今年中に全4巻書くつもり。



Black Rose Stands On The World

「またやってんの?」
 私の弟は、ネットゲームにハマッている。最近、流行っている〝The World″とかいうゲーム。MMORPGってやつだ。
この小説の主人公・速水晶良(高校1年)自身は、運動好きでゲームに興味無いタイプ。


「ここ。A・B・Cって、三つのパートがあるでしょ?」
「うん・・・」
「これ、一つずつ選んでくれない?」
――〝Δ隠されし 禁断の 聖域″
 ここが、運命の分かれ道だった。だけど、その時はそんなことを知るわけもなく・・・。
『適当』に選んだ3つの言葉。
それが晶良を責め続ける十字架となるのです・・・・・・。

晶良が部屋を出た直後、ゲームプレイ中に意識を失い入院することになった弟の文和。
その日以来、『明るい家庭はどこにもない』。
 ――私が、あの日、あの言葉を、文和に言わなければ、こんな事にはならなかったんだろうか? もし、私が選んだ言葉のせいで、家族がこんなふうになってしまったんだとしたら・・・。まず、それを確かめなくちゃ・・・。
この時点じゃ意識不明の原因は不明。
でも普通じゃない事態だけに直前の出来事は当然気になるやね。


 私は、明るかった時の両親の言葉を思い出す。それから、文和の顔を・・・そして、あの日から毎晩現れる夢を、思い起こす。
 漆黒のイブニングドレスを身に纏い、深紅の薔薇の花弁の上に佇んでる、もう一人の私・・・女らしい私・・・強い私・・・夢の中の私は、傷だらけになりながらもあの暗闇の中、ちゃんと存在していた。
 私は、決心してPCのキーボードを叩く。ディスプレイに叩き出された名前は――〝ブラックローズ″
 私は、この瞬間から・・・薔薇の棘を身に纏う〝The World″の住人となり、広大なネットゲームの世界に、その一歩を踏み出した。
黒薔薇、The Worldに立つ。




Encounter Attack

「初心者さん?」
「・・・?」
 私は、声のした方を振り向く。目の前に現れた重剣士の彼は、くすりと笑い、側にいた一人の剣士を手招きした。呼ばれた剣士も私の方へ歩いてくる。
「俺、NOVA。で、こっちがチムニ。君、今日が初めて?」
「あ、警戒しなくていいよ。早く〝The World″に慣れてもらって、一緒に楽しみたいだけだからw」
オレのそばに近寄るなああーーーーーーーーーーッ

・・・・・・最低でも、「システム上の初心者扱い」が終わるまでは放っておいてほしいところ。
「何ができて何ができないか」は自分で一通り試したい。

ま、それで1人のまま「中級者」になると、
そのままソロ専になるルートまっしぐらなんだけどね(*^_^*)
い、いつも「ながらプレイ」でPTプレイする暇がないだけなんだから、勘違いしないでy


幸い、NOVAとチムニの2人は基本操作の説明に留めてくれた模様。
むしろThe Worldがなかなかに不親切設計な感じ。チュートリアル無して。
・・・・・・ああ、ゲームでもオルカが全部説明してくれたなぁ。

他に約束があるという2人と別れた晶良、いやブラックローズは、
早速鍵を握ると思われる『Δ隠されし 禁断の 聖域』へと・・・・・・
「うわぁーん!」
 いきなり私は、現実に引き戻される。
「あのね、お姉ちゃん今忙しくって・・・」
「晶良、幸太の面倒見ててもらえる?」
 私の言葉を遮って、下からお母さんの声が聞こえてきた。力なく震えていた。それなのに、声にはトゲがあって・・・。
・・・・・・うん、また後日にしようか。



「はぁー・・・」
〝The World″の中で、私はおっきく溜息をつく。
 昨日の決心は、もうどこかに吹き飛んでいた。一刻も早く行きたい。それなのに、怖くて行けない。逡巡する私を投影して、ブラックローズは、カオスゲートの周りをグルグルと回っていた。
あるある。
こういうのって、勢いが大事ヨネー(´・ω・)(・ω・`)ネー

「ん?」
 カオスゲートの近くに、小柄な双剣士が現れた。渋い若草色の服、水色の髪・・・それを覆い隠すような大きな帽子。
 ――かわいいPCだなぁ・・・ん? なんか私の事見てない? 見てるでしょ!
「なに・・・なによ・・・・・・? なんか、言いたいわけ?」
そして運命は動き出す・・・・・・まさにThe World!


ゲームでいうと、ゲーム開始~スケィス撃破、リョース登場まで。
一連の「謎解き」は本編に沿ったもの、だと思う。
細かいところは違うかもだけど覚えてないや\(^o^)/

カイト(=プレイヤー)ではなく『ブラックローズの視点』ということで、
「一応本編だけどどうでもいいイベント」を違和感なく飛ばしている気がする。
ゲームの仕様上「ブラックローズがいないタイミング」があるからだろうね。

JKが主役だけど萌えよりも燃え。晶良、負けんなー!って感じの。
時に折れそうになりながらも歩き続ける強さがある。
ああ、昔の少女漫画っぽいのかもしれない。

NOVAとチムニをはじめとした「普通のゲームプレイ」パートや、「晶良の」戦いなど・・・・・・
ブラックローズは特別好きなキャラじゃなかったけど、評価メッチャ上がった。
「主人公に常に同行する訳ではない1番の相棒」だからこそ成り立つノベライズというか。

ゲーム経験者はhmhmニヤニヤできる作品だと思いまス。
未経験者も読めなくはないとは思うけど、やっぱり本編知ってた方がいいかなー。


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