彼の事は、あんまりよく知らなかった。
寡黙な人だった。
あまり自分のことを話したがらない人。
色々と聞かれるのは嫌いなのかも。
そう感じたから、嫌われたくなかったから、聞かずにいた。
周りの女の子がちょっとした会話で、色々なことを聞いているのが
とてもうらやましかった。
だから、私は、いつも観察していた。
テレビをみていてどんなところで笑うんだろう。
コンビニいったときに、どんな食べ物を選ぶんだろう。
食べに出かけると、何を選ぶんだろう。
「好き」という言葉を信用しなかった。
私の思いは、否定された。
ずっと一緒にいることを拒否された。
私は、彼の腕の中が大好きだった。
その中では、彼は優しかった。
私の事を必要だと思っていてくれている、と私は信じていたかった。
彼から連絡はこなかった。
誘ってくれたのは最初の数回くらいだったかもしれない。
たくさん泣いた。
泣いて、泣いて、嗚咽っていうのはこういうことをいうんだと感じた。
自分の手で、自分を抱きしめた。
さみしい。その腕の中にもどりたい。
もう戻れないと言う思いと
戻ると、「いつ、あなたは私を捨てるんだろうと」
いう思いを抱えながら過ごすつらい日々がくるという思いと
写真もない。
覚えているのは、あたたかいあの包まれる感覚だけ。
少し風に寒さを感じた時と、
寒い中に早咲きの桜をみた時に
思い出す。
あなたに出会えてよかった。
その時は、そんなことは、思いもできない。
どうして、出会ってしまったんだろう、出会わなければ、
あの時ああしなければ・・・・
こんなに苦しい思いをしなくても済んだのにと、思い続けた。
だけど、私の人生に輝きと幸せをくれた。
私の今でも、涙そうそう。
愛別離苦・・・ですか。
多分、一生、凡夫の私は悩み続けます・・・。
>katsuさん
しなかった後悔よりも
してしまった後悔を選ぶ
のが、多分、私の生き方。でも、後悔することに
変わりはないのですね・・・。