始まりに向かって

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ホピの祭り・・冬至・オリオンの霊が地球に到着する(ソヤル祭その1)

2009-10-21 | ホピの宇宙神話・伝承・祭

ホピの祭りについて詳しく書いてあるフランク・ウォーターズの「ホピ・宇宙からの聖書」(Book of the Hopi)から、ホピの冬の三大祭の部分を、抜粋して引用します。

この祭りは、前回のお祭りの次に行われるものです。2回に分けます。


          *****
 
            (引用ここから)


冬至には、創造の第二の面を象徴する2つ目の大祭ソヤルが行われる。

ウウチム祭の翌日に、新たな祭りを告げる儀式が行われる。

その午後、ソヤル・カチナが、カチナの宮から現れて東に向かう。

その年に現れる最初のカチナである。


彼は青いヘルメットと白いローブを身にまとい、歩き始めの子どもの様によろよろとした足取りで歩く。

これは新生命が誕生しつつあることを表わす。

村に着くと彼は4か所で立ち止まり、コーンミールで水平線を4本引く。

そして祭の開始のサインとする。


翌日マストップ・カチナが現われる。

黒い仮面をかぶり、体も黒く塗り、そこに白い人間の手形を押し、動物の生皮をはおり、足には野生ネコの皮を巻きつけた不気味な姿である。


彼は長い道のりをやって来る。

黒いヘルメットは旅をしてきた宇宙空間を表わし、頭の両側の3つの白い星印はオリオン座の3つ星を表わす。

マストップは神ではなくカチナであり、人間に繁殖力を与える男の力をあらわす霊だ。


黒い体は地球を表わす。

首に巻きつけた野草は植物界を表わし、野生ネコのキルトは動物界を表わす。

そして、白い手形は、すべてのものに人間が触れることを表わす。


それは生命発現のこの段階が、完全に創造されたという印に、人間が大地に押す手形である。

人の手は、呪師が患者の胃や胸や頭頂にそれを当てる時のように、生命を占う幻視者の道具だからである、


だが、人は前の世界にも存在していたし、今後の世界にも現れる。

そのため、マストップが手にする白い輪が彩色された黒い杖は、人間が出現ごとによじ登るはしごを表わしている。



かくして異常なほどの静けさと厳粛さ、秘密の雰囲気のうちにキバの中で、ソヤルが始まる。

薄暗いキバは、創造の夜明けの時の広大な裸の大地である。

ソヤル・チーフはそれを感じ取る。

いま大地は固まりつつあるのだ。

             (引用ここまで・続く)


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