〝中国の今”を取り上げた朝日新聞の別刷り「The Globe」には、次のような記事もありました。
朝日新聞2013・04・07
・・・・・
「イスラム世界の中国人」
中国の外に暮らす「中華民族」という場合、意識されるのはたいてい漢族だ。
だが、中国の経済活動が中東やアフリカにも広がる中で、イスラム教徒である「回族」が、中国とイスラム世界の接点になりつつある。
「学生がアラビア語を学びます」
「学生がサッカーをします」
教師が黒板にアラビア語で簡単な例文をかいて朗読し、学生たちが復唱する。
エジプト・カイロにあるイスラム教学の最高学府アズハル大学。
その留学生向け基礎コースだ。
世界140か国から、4万人のイスラム教徒が集まる。
この5,6年、急増しているのが中国人の姿だ。
研究教育の責任者、アリ・アブドルバキ氏によると、現在の中国人留学生は1534人。
「中国とエジプトの関係が緊密になっている証拠でもある」という。
アズハル大学の留学生寮の近くには、中華料理店もある。
留学生が母親とともに2年前に開いた。
料理人も中国からの留学生だ。
本格的な中華料理を安く提供する店は、いつもにぎわっている。
中国の人口に占めるイスラム教徒の割合は1・5%程度だが、絶対数では約2000万人もいる。
13世紀のモンゴル帝国が中国から西アジアまで支配したころ、多くのイスラム教徒が中国に入った。
ウイグル族などの少数民族以外に、漢語を話すイスラム教徒は「回族」と呼ばれ、全土にイスラムコミュニティーがある。
一方、カイロなどアラブ世界の商店には、衣服や雑貨、電気製品など中国製品があふれる。
中国国営メディアの新華社は、2005年にカイロに中東総局の新ビルを建て、ほとんどの記事をアラビア語に翻訳して配信している。
雲南省出身でアズハル大アラビア語科4年生の青年は、卒業後の進路について、「将来は故郷でイスラム教育をしたいが、しばらくはお金を稼ぐために広州の会社でアラビア語通訳として就職することも考えている」と語った。
やはり雲南省からきている回族の留学生は、故郷ではイスラム学校の教師で「アブドルワハーブ・ベン・アダム」というイスラム名を持つ。
「イスラムの最高学府で、アラビア語で学問を究めたい」と意気込みを語った。
イスラム教徒として中華文化を担っているという意識とともに、国境をこえたイスラム文明の担い手という意識が共存している。(川上泰徳)
・・・・・
中国の中のイスラム教文化についても、後に紹介してみたいと思います。
関連記事
「スミレに宿る神と、誰もいない王座・・マニ教研究・その5」
「マニ教研究・その6・・中国での盛衰」
「環太平洋文明があった・・中沢新一「熊から王へ」(5)
「アジア」カテゴリー全般
「ブログ内検索」で
漢民族 10件
イスラム 15件
アラビア語 9件
雲南 5件
ウイグル 5件
などあります。(重複しています)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます