隣の棟に住むreijiくんのお姉さんyukiちゃんが去年の夏前からソロバンを習い始めました。
それ以来、yukiちゃんと顔を合わせるたびに
「見学においでよ!」
「見学に来てもいいんだよ!」
「いつ来るの?」
と何度もお誘いがありました。
ソロバンをがんばっている姿をyumaに見せたかったのだと思います。
一ヶ月近く断っていたのですが、再びお誘いのあった日はyumaの予定が何もなかったので、yukiちゃんの気持ちを尊重して、
「じゃあ、行ってくれば?邪魔になるから、すぐに帰っておいで!」
と言って行かせました。
ところが、二時間経っても帰ってこない…
どうしちゃったんだろうと思って、様子を見に行きました。
すると、他の生徒さんたちと一緒にソロバンをしているではありませんか。
生徒さんは全員女の子。
みんな3年生です。
一年生の男子yumaはみんなからかわいがられて、嬉しそう!?
yumaを含めて8人くらいでしょうか?
先生のご自宅の一室が教室です。
生徒たちのまわりを小型犬が走りまわっているという感じのアットホームな雰囲気でした!?
「yumaくん、ソロバンを習いたいんだけれど、習い事をいっぱいしているから、もう習い事は駄目ってお母さんに言われているって!」
私の顔を見るなり、他の生徒や先生が声をかけてきました。
ソロバンは月・火・水曜日です。
でも、yumaは月曜日は塾。
水曜日は、ピアノとスイミングが入っています。
「ソロバンもいいかなと思うんですけれど、曜日的に合わないから無理かな…」
とお話したのですが、
先生に、
「今月一杯体験だけでも来てみたら?お金はかかりませんから、いつでもどうぞ!
yumaくん、楽しそうですよ。」
と言われてしまいました。
では、とりあえず行ける日だけでも体験に行かせて頂きます。
という話になり、体験が終わった一ヵ月後に、考えた末、結局習うことになりました。
他の習い事はすべて送り迎えが必要ですが、ソロバンは徒歩7分くらいのご近所なので、私の肉体的な負担は増えません。
月謝も一ヶ月5千円なので、まぁなんとかなりそうです。
予定のない日は学童にいるのですが、学童でのyumaは友達とほとんど遊ばず、本ばかり読んでいるというのが私の不満です。
「学童に行って、お友達と遊ばないなら、意味ないよ!
本読むだけなら家でもできる。
学童ではお友達と外遊びをしなさい!」
と何度も言い聞かせるのですが、連絡帳には
「今日も一日本を読んでいました」
とあります。
現在は習い事が多すぎて、通常の日はほとんど学童に行けていません。
形ばかりに週に2度ほど、50分とか1時間とか、出席をとるために無理やり行っているような状態です。
(週に何回行かなければならないというわけではありませんが、来年度も継続するためには行っていたほうが有利かなと思うわけです。待機児もいるため…)
学童は一ヶ月5千円。
ほとんど行けていないのに、もったいないなと思いますが、仕方がありません。
夏休みや冬休み、学校の都合の平日休みなどを考えると、学童を辞める事はできません。
これで、ソロバンまで習ったら、ますます学童に行けなくなると心配しましたが、結局根負けしたのと、ソロバンでも習ったら少しは頭の回転もよくなるのではという期待もありました。
学童で本ばかり読んでいるならば、人と関わりながら習い事をするのも悪くないかもしれません。
さて、ソロバン体験初日のことです。
「ソロバンはわざわざ買わなくても、必ずどこかに使われないソロバンが眠っているはず。
他の生徒たちも、おじいちゃんからもらったり、親からもらったりしているのよ。
買っている子は一人もいないの」
と先生に言われました。
そう言われて思いついた人は職場の上司のお母さん。
yumaが「おばあちゃん!」と慕っている人です。
今は、もう80歳を過ぎているのですが元気いっぱいで、気力体力共に私より若いです。
実は、私が今の職場に入るまで、そのおばあちゃんは現役で働いていました。
おばあちゃんが諸事情で辞める事になり、私が入ることになったのです。
その時に、「このソロバン使う?」と聞かれた事を思い出しました。
「無理です~ 電卓でいいです…」と言って断りましたが…
おばあちゃんは、職場の上階に住まわれているので、毎日顔を出しては、
「yumaくん、どうしてる?」と声をかけてくれます。
「yumaくんに配達おねがいします!」と、趣味で描かれている絵手紙を持ってきては、仕事中の私にこっそり渡してくれたり、お正月にはお年玉までいただきます。
大変かわいがってくださって、有難い限りです。
毎年、芋掘り大会も誘ってくれます。
先日も、いっぱいジャガイモを掘ってきました。
今日、おばあちゃんから頂いた絵手紙♪
早速おばあちゃんに電話をして、ソロバンをもらいうけました。
おばあちゃんからソロバンをもらってしまったし、体験だけっていうのもなんかな~という気持ちもありました。
まぁ、そんなかんやで、通うことになり、週に1回しか行けない時もありますが、今も続けています。
ソロバンの先生は面倒見のいい人で、クリスマスにはクリスマス会を開いてくれたり、時には手作りのおやつを用意してくれます。
生徒のソロバンを入れる袋は先生の手作りです。ソロバン教室に入るとその子に合わせたデザインのソロバン入れを作るのが恒例なのだそうです。
yumaも作ってもらいました。
(上の画像のソロバン入れです。ソロバン教室専用手提げ袋は私が作りました!)
持ち帰ってきた手作りのソロバン入れを見て、本当に驚きました。
すぐにお礼の電話をすると、
「孫の服も全部私の手作り。余り布がいっぱいあるから、いいのよ!」とおっしゃって下さいました。
子ども好きの下町のおばちゃんといった感じの先生です。
yumaが入って数ヵ月後に一年生が二人入りました。
一人は、reijiくん。
もう一人は同じマンションに住む女の子。
yumaのソロバンは全然ソロバンらしくなく、まるでスローモーションの映像を見ているかのようなスピードで、恐ろしいほどの遅いはじきかたのため、あっという間に後から入ってきた二人に追い越されました…
がーん!!
その当時は木曜日は唯一習い事がない日でしたが、
「yumaくん、週に二回しか来られないし、特別に木曜日に来ていいわよ。
私が夕食を作っている時間に来てくれたら、夕食を作りながら見てあげるから。」
と先生からありがたーいお誘いを受けました。
えっ!
ありがたいけど、それでは一週間、まるまる習い事になってしまう!!
よくよく話を聞くと、子ども好きの下町のおばちゃんと思っていた先生は、つい数年前までは8箇所に教室を持っていて、400人近いこどもたちに指導していたという優秀な方でした。
「私は数年後には田舎暮しをする予定なの。
だから、見てあげられるのはあと数年だと思う。
新しい生徒はもうとらない。
今いる子たちは最後まで見届けたい。
yumaくんも、ある程度までは形にしてあげたい。
だから、木曜日、いらっしゃい。」
と言ってくださったのです。
そんな先生の熱い思いに感動し、yumaの希望もあって、木曜日は一人で通うことに…
お月謝もかわらないままでの特別補習です。
塾の先生もそうですが、ソロバンの先生も、出会う直前までは見知らぬ他人。
でも、出会った日からは我が子のように大事に想って下さる。
そのような方々に出会えたyumaは本当に幸せ者です。
ある日、ソロバン教室に通うきっかけをくれたyukiちゃんが、
「yumaくん、どうしてソロバン習っているか知ってる?」
と怖い顔で私のもとにやってきました。
「どうして?」
「犬と遊びたいからだよ!」
「それにね、ソロバンの勉強中に、他の女の子の膝の上の座ったり、ふざけたり、女の子たちとおしゃべりしたり、そんなことばっかりしているんだよ!!」
とお怒りでした。
「なんですって!
とんでもないね。そんなんだったら、すぐに辞めなさい!」
とyumaに叱りつつも内心、
「でもな~、この間までyukiちゃん、
『私、優等生よりもちょっとふざけた男のほうが好き!』って、yumaに言ってたんだけどな~」
と思ってしまった私でした!
もちろん、帰宅後、yumaには再度真面目にソロバンを学ぶように厳しく言い聞かせました!!
「いい加減な気持ちで習い事をするなら、すぐに辞めなさい。
yumaが習い事をやめたら、お母さん新しい服がいっぱい買えるよ!
やる気がない人間には、おかあさんやおとうさんが汗水たらして働いたお金は一銭も出さない!」
そろそろ一年経ちますが、今もソロバン、ぱっとしません。
頭の回転が良くなる様子もないし、忙しいだけのような気もして、「辞めないかな」とふと思う私ですが、「続けたい!」そうです。
うーん…