ある日、イノシシの姫は狼の話を知り、胸を痛めた。
そして姫は全ての臣民に聞いた。
どうやったら子オオカミの心の中の氷柱を取り除き、元の善良さを取り戻せるかを。
その答えは、知恵のキツネと長生きの亀が知っていた。
「コンコンコン~真心と炎だけが毒悪の氷晶を溶かせる。コンコンコン~!」
とキツネが言った。
「友情に犠牲はつきもの。犠牲の上に友情は成り立つ。悪いが、私は叫ばない」
頼りになる亀じいはこう言った。
賢いイノシシ姫はすぐにその言葉の意味を理解した。
彼女は涙を拭いて、二人の賢者に礼をした。
「ふん~ふん~ありがとう。二人に子オオカミのところに同行してもらいたいの。
私たちの友情の誕生を見届けてくれるかしら」
キツネと亀は姫の言葉を聞いて喜んだ。
そして、姫と共に北境へと向かう。