東京国立博物館で開催されている、プライスコレクション「若冲と江戸絵画」展に行ってきました。
ちょうど金曜の夜にテレビ東京の「美の巨人たち」という番組で、若冲さんのことを今回の展示を中心に取りあげていたのです。
ということは、翌日の土曜日は混むのではないかなと、内心どきどきだったのです。
というわけで、朝から行ってきました。会場に入ったのは9時50分くらい。
恐る恐る進んでいくと、この時間ならそう混んでもいない。
ラッキーです。
というわけでまずは今回の目玉である、伊藤若冲さんコーナーを見に行ったのです。
笑いましたね。
だって、そのコーナーが「エキセントリック」というタイトルでしたから。
尤も、若冲だけでなく他のひとのもあったのですが、ほとんど若冲コーナーです。
まずは「花鳥人物図屏風」なる作品。
六曲一双からなるもので、タイトルどおりのものが描かれています。
全部、墨で描かれてるのですが、やっぱり味わいがありますねえ。
わたしが好きなのはこの黒い鳥さん。
いかんせん、この大きさなので分かりにくいのですが、目の表情がいいのです。
目のところを横切る線が弓なりになってて、表情がいやらしくてよい!のです。
なんか面白いんですよね、企んでそうで。
あともうひとつ、好きなのがこのひょうたんかかえたおじさん。
筆をもって、うりゃって一筆で若冲さん描いたのでしょう。
潔い円です。というか楕円です。たまごの形。
さて、たまごといえば、やっぱり若冲さんの描く鶴でしょう。
これ「鶴図屏風」の中の一枚。
六曲一双の12枚ある中で、たまごの形に描いてるのが4枚もあるのです。
ほんと、好きですよね。
こっちも見てて飽きないのです。このライン。
変な話なんですが、会場でこの絵を目の前にして「センスあるよね」とか「形が面白い」っていう至極まっとうな感想を耳にするとすごくうれしいんですよね。
わたしも本当に今年になってから知った若冲さん。
みなさんにハマってもらいたいもんですね。
さて、とんでもないのをとうとう見ることが出来ました!!
図録の印刷なのでその感動はたぶん100分の1くらいなのですが、それでもこの絵のすごさは伝わってくると思います。
「鳥獣花木図屏風」
あれ、今回の展示って日本画だったよなあ。。。なんて気になるくらい異様です。
「桝目描(ますめがき)」と言われる技法で描かれてるのです。
この大きさでは伝わりにくいのですが、1センチ四方くらいの大きさの正方形にくぎって、その中を塗っていくという手法。
タイル画ですよ。こんなものが江戸時代に日本で描かれてたってすごいことです。
でも、残念ながら後にも先にもこの技法で日本画を描いたのは若冲さんだけなのです。
やっぱり、とんでもないことしますよね。本当に天才です。
面白いのは架空の動物が登場していたり、木になってるオレンジの実が謎だったりするところです(まさか、禁断の果実なんてことはあるまい。。。)。
見てて楽しくなるんですよね、この絵は。
それが何よりもうれしいところ。
というわけでTシャツを買ってしまいました。
白い像さんを正面から捉えた図柄のも良かったのですが、このヒョウの表情のほうが好みなのでこっちにしました。
さて、もう半分には鳥が描かれてます。
やっぱり、若冲さんといえば鳥なのです。
鳳凰がきれいです。
先日、三の丸尚蔵館で見て来た「旭日鳳凰図」を見たばかりだったので、それとはまた違うのですよね。
その手法の違いでこうも変わるんだなあと改めて実感しました。
今回、何度も若冲さんコーナーをぐるぐる回って、結果長く立ち止まるところってのがあるのです。
そのひとつがこの作品なのでした。
「猛虎図」とタイトルは勇ましいのですが、手なめてる姿がとてもかわいらしい。
かと思うと頭上の木の描き方は墨でうりゃって感じで描かれてたりします。
でも、この絵で何よりも目を惹くのはこの虎の毛なのです。
この精緻な描写が素晴らしい。やはり、技術がしっかりしているんですよね。
見ててため息がもれそうなのです。
さて、今回購入した図録の表紙がこれ。
「紫陽花双鶏図」
右手の雌の「おほほほ」ってささやいてるのが聞こえてきそう。
一見、ただのリアルに見えてちゃんと仕草にひとっぽいところをさくっと忍ばせてる。この作品の前にもかなりひとだかりが出来てました。
さて、こちらの作品も気になって何度も見ちゃいました。
「鶏図」
この鶏のてんやわんやしてる様がいいのですが、自分的にはこの足下が気になるのです。
ちっちゃ!
ちゃんと目も足もあって最小の表現でひよこに見える!そしてかわいいのです。
この線も筆でさくっと描いたのでしょうね。
さて、今回のプライス展を開催してた平成館の本館よりの芝生では、鳥さんが餌をついばみ戯れていました。
こういう会場で展示出来たことを若冲さんもきっと喜んでることでしょう。
さて、今回はほんと頭の中がパニックになるくらいすごいものがたくさん見れてしまいました。
というわけでたぶん、これ続きます。
まだ若冲さんだけしか書いてないので、最低でもあと一回は書くと思います。
そりゃそうですよね。
三の丸尚蔵館で開催されてる「花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に>」だけでも、毎回、「動植綵絵」6幅だけを書くのでかなりしんどいのですからね。
<若冲さん関連記事>
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第1期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第2期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第3期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第4期(宮内庁三の丸尚蔵館)
ちょうど金曜の夜にテレビ東京の「美の巨人たち」という番組で、若冲さんのことを今回の展示を中心に取りあげていたのです。
ということは、翌日の土曜日は混むのではないかなと、内心どきどきだったのです。
というわけで、朝から行ってきました。会場に入ったのは9時50分くらい。
恐る恐る進んでいくと、この時間ならそう混んでもいない。
ラッキーです。
というわけでまずは今回の目玉である、伊藤若冲さんコーナーを見に行ったのです。
笑いましたね。
だって、そのコーナーが「エキセントリック」というタイトルでしたから。
尤も、若冲だけでなく他のひとのもあったのですが、ほとんど若冲コーナーです。
まずは「花鳥人物図屏風」なる作品。
六曲一双からなるもので、タイトルどおりのものが描かれています。
全部、墨で描かれてるのですが、やっぱり味わいがありますねえ。
わたしが好きなのはこの黒い鳥さん。
いかんせん、この大きさなので分かりにくいのですが、目の表情がいいのです。
目のところを横切る線が弓なりになってて、表情がいやらしくてよい!のです。
なんか面白いんですよね、企んでそうで。
あともうひとつ、好きなのがこのひょうたんかかえたおじさん。
筆をもって、うりゃって一筆で若冲さん描いたのでしょう。
潔い円です。というか楕円です。たまごの形。
さて、たまごといえば、やっぱり若冲さんの描く鶴でしょう。
これ「鶴図屏風」の中の一枚。
六曲一双の12枚ある中で、たまごの形に描いてるのが4枚もあるのです。
ほんと、好きですよね。
こっちも見てて飽きないのです。このライン。
変な話なんですが、会場でこの絵を目の前にして「センスあるよね」とか「形が面白い」っていう至極まっとうな感想を耳にするとすごくうれしいんですよね。
わたしも本当に今年になってから知った若冲さん。
みなさんにハマってもらいたいもんですね。
さて、とんでもないのをとうとう見ることが出来ました!!
図録の印刷なのでその感動はたぶん100分の1くらいなのですが、それでもこの絵のすごさは伝わってくると思います。
「鳥獣花木図屏風」
あれ、今回の展示って日本画だったよなあ。。。なんて気になるくらい異様です。
「桝目描(ますめがき)」と言われる技法で描かれてるのです。
この大きさでは伝わりにくいのですが、1センチ四方くらいの大きさの正方形にくぎって、その中を塗っていくという手法。
タイル画ですよ。こんなものが江戸時代に日本で描かれてたってすごいことです。
でも、残念ながら後にも先にもこの技法で日本画を描いたのは若冲さんだけなのです。
やっぱり、とんでもないことしますよね。本当に天才です。
面白いのは架空の動物が登場していたり、木になってるオレンジの実が謎だったりするところです(まさか、禁断の果実なんてことはあるまい。。。)。
見てて楽しくなるんですよね、この絵は。
それが何よりもうれしいところ。
というわけでTシャツを買ってしまいました。
白い像さんを正面から捉えた図柄のも良かったのですが、このヒョウの表情のほうが好みなのでこっちにしました。
さて、もう半分には鳥が描かれてます。
やっぱり、若冲さんといえば鳥なのです。
鳳凰がきれいです。
先日、三の丸尚蔵館で見て来た「旭日鳳凰図」を見たばかりだったので、それとはまた違うのですよね。
その手法の違いでこうも変わるんだなあと改めて実感しました。
今回、何度も若冲さんコーナーをぐるぐる回って、結果長く立ち止まるところってのがあるのです。
そのひとつがこの作品なのでした。
「猛虎図」とタイトルは勇ましいのですが、手なめてる姿がとてもかわいらしい。
かと思うと頭上の木の描き方は墨でうりゃって感じで描かれてたりします。
でも、この絵で何よりも目を惹くのはこの虎の毛なのです。
この精緻な描写が素晴らしい。やはり、技術がしっかりしているんですよね。
見ててため息がもれそうなのです。
さて、今回購入した図録の表紙がこれ。
「紫陽花双鶏図」
右手の雌の「おほほほ」ってささやいてるのが聞こえてきそう。
一見、ただのリアルに見えてちゃんと仕草にひとっぽいところをさくっと忍ばせてる。この作品の前にもかなりひとだかりが出来てました。
さて、こちらの作品も気になって何度も見ちゃいました。
「鶏図」
この鶏のてんやわんやしてる様がいいのですが、自分的にはこの足下が気になるのです。
ちっちゃ!
ちゃんと目も足もあって最小の表現でひよこに見える!そしてかわいいのです。
この線も筆でさくっと描いたのでしょうね。
さて、今回のプライス展を開催してた平成館の本館よりの芝生では、鳥さんが餌をついばみ戯れていました。
こういう会場で展示出来たことを若冲さんもきっと喜んでることでしょう。
さて、今回はほんと頭の中がパニックになるくらいすごいものがたくさん見れてしまいました。
というわけでたぶん、これ続きます。
まだ若冲さんだけしか書いてないので、最低でもあと一回は書くと思います。
そりゃそうですよね。
三の丸尚蔵館で開催されてる「花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に>」だけでも、毎回、「動植綵絵」6幅だけを書くのでかなりしんどいのですからね。
<若冲さん関連記事>
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第1期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第2期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第3期(宮内庁三の丸尚蔵館)
花鳥-愛でる心、彩る技<若冲を中心に> 第4期(宮内庁三の丸尚蔵館)
>たまごの形
面白いですよね、卵の形。省略してるのにふくよかな豊かさがあって。
>鳳凰がきれい
東京展を見る者の特権ですよね。尚蔵館行って、東博行って。第5期は孔雀が並ぶので、芦雪、応挙、若冲の見比べですね。
このたまごにやられて若冲さんの絵が好きになったので、やっぱり印象が一番強いのかもしれません。
>東京展を見る者の特権ですよね。尚蔵館行って、東博行って。
ほんと、そう思います。これってかなり贅沢ですし、ほんと今回のタイミング逃すと次回がないってくらいに貴重な機会ですよね。
尚蔵館との掛け持ちは超贅沢です。
この展示はお祭りですよね。
おそらく、最初で最後のことなんでしょうね。
>尚蔵館との掛け持ちは超贅沢です。
それは贅沢すぎで鼻血出ちゃいそうです(笑)
でも、第5期でやってしまいそうですね。
ウチも夫婦で7月17日に行って来ました。
美の巨人を見て
「鳥獣花木図屏風」の現物を見たくなったので行く事に決定
放送の翌日でも余り込まなかったんですね。
ウチの行った時はブログに写真のっけてあるますが、
正直、込み込みな状態を覚悟していったんで
割と精神的に快適に見る事が出来ました。
「たまご形」・・・絵画と言うよりもデザインに近い
あの「うりゃっ。」って感じで描いた形は
見ていてホント、キモチ良かったです。
「紫陽花双鶏図」・・・これはもう携帯の待ち受けに使ってます。暫くはこの待ち受け、変えないだろうなぁ。
>「鳥獣花木図屏風」の現物を見たくなったので行く事に決定
うれしいですね。あの絵は出来るだけ多くのひとに見てもらいたいものです。
へー翌日でも混まなかったんですか、意外や意外って感じですねえ。それはもうけもんでしたねえ。
>「たまご形」・・・絵画と言うよりもデザインに近い
わたしが初めて若冲にはまったのもこのたまごのような鶴を見たからです。ほんと、チョコボールのキョロちゃんみたいで見る度に吹き出してしまいます。
「紫陽花双鶏図」を待受けにするなんて渋い!!
そっかー、そういう使い方って贅沢ですよね~。
今頃になってプライスコレクションの感想を書いています。(←遅いです!!!)
「花鳥人物図屏風」の黒い鳥さんは私が思うに、隣の双のお魚を狙って「にやり」としているんだと思いました。
(あわよくば食おう…とか)ちょっとベタな感想ですね。
色々見所があって一回では見きれない、何回でもぐるぐる回って見たい絵ばかりでした。
>隣の双のお魚を狙って「にやり」としているんだと思いました。
やっぱ、お魚目当てですかね。にしても、あの表情はツボにハマリます。
全国巡回するので、そっちも見てみたいですね。なんでも、今度は本当の自然光で見せる展示があるとか。見れるかはともかく、楽しみですね。