少女が見せたもう一つの成長。
前回のテレビシリーズのダイジェスト版と、今回の作品。観た後に共通して思ったことは、「これ作った人って頭いいよな」ってことである。
何より構成に唸らされる。そう来たか、と。
前回は、どうみても普通の、他人を押しのけるような性格も能力も持ち合わせていない少女が、何故最強のポテンシャルを有していたかを、驚くべき着想で筋を通してみせた。
そして今回は、きれいに収まった前作を敢えて壊して再構築するという、これまた驚きの作業をやってのけている。
そもそもタイトルに入っている「まどか」がミスリードであるというのが前回の痛快な肝なのだが、今回はもはやそれは既知のこととしてまるっきり無視して進む。
まどかがその身を犠牲にして「円環の理」となった後の世界が舞台。
魔法少女たちが恨みから解放され、完全になったはずの世界に綻びが生じていることに気付くほむら。
冒頭の魔法少女たちの活躍はどうやら幻。薄々と勘付くに連れて、おどろおどろしい風景が姿を見せ始める。
誰が世界を操っているのか。勘のいい人なら分かったのかもしれないが、予想は見事にはずれた。
真実を知り苦悩するほむらを前に、何とか力になろうと魔法少女仲間が集まる。そしてその行く末は・・・。
頭がいいと思うのは、安易なハッピーエンドに持っていかないことはもちろん、決してバッドエンドでもない、要は単純ではない落とし方を選択しているところにある。
前回の「円環の理」も、すごい力技でハッピーエンドに持っていったようにも見えるけれど、最後に残るキュゥべえの立ち位置はまったく釈然としていない。何か引っ掛かるけど世の中は続いていくという感覚で終わっていた。
そして今回釈然としないのは、おそらくほむら以外の全員である。
一部分をとればハッピーエンドにもなる。でも、それはおかしいでしょ?と誰もが言いたくなる世界。
でも、それって実は現実の世界と同じことに気付く。万人にとって良いなんてこと、まずないでしょ。
したたかにほくそ笑むほむらの姿と作り手が重なって見えてくるようで非常に興味深い。
(85点)
前回のテレビシリーズのダイジェスト版と、今回の作品。観た後に共通して思ったことは、「これ作った人って頭いいよな」ってことである。
何より構成に唸らされる。そう来たか、と。
前回は、どうみても普通の、他人を押しのけるような性格も能力も持ち合わせていない少女が、何故最強のポテンシャルを有していたかを、驚くべき着想で筋を通してみせた。
そして今回は、きれいに収まった前作を敢えて壊して再構築するという、これまた驚きの作業をやってのけている。
そもそもタイトルに入っている「まどか」がミスリードであるというのが前回の痛快な肝なのだが、今回はもはやそれは既知のこととしてまるっきり無視して進む。
まどかがその身を犠牲にして「円環の理」となった後の世界が舞台。
魔法少女たちが恨みから解放され、完全になったはずの世界に綻びが生じていることに気付くほむら。
冒頭の魔法少女たちの活躍はどうやら幻。薄々と勘付くに連れて、おどろおどろしい風景が姿を見せ始める。
誰が世界を操っているのか。勘のいい人なら分かったのかもしれないが、予想は見事にはずれた。
真実を知り苦悩するほむらを前に、何とか力になろうと魔法少女仲間が集まる。そしてその行く末は・・・。
頭がいいと思うのは、安易なハッピーエンドに持っていかないことはもちろん、決してバッドエンドでもない、要は単純ではない落とし方を選択しているところにある。
前回の「円環の理」も、すごい力技でハッピーエンドに持っていったようにも見えるけれど、最後に残るキュゥべえの立ち位置はまったく釈然としていない。何か引っ掛かるけど世の中は続いていくという感覚で終わっていた。
そして今回釈然としないのは、おそらくほむら以外の全員である。
一部分をとればハッピーエンドにもなる。でも、それはおかしいでしょ?と誰もが言いたくなる世界。
でも、それって実は現実の世界と同じことに気付く。万人にとって良いなんてこと、まずないでしょ。
したたかにほくそ笑むほむらの姿と作り手が重なって見えてくるようで非常に興味深い。
(85点)
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