あの線の向こう側。
かつて子供が立ち入れない領域が存在した。
それはいわゆる赤線であったり、被差別者の集落であったり、単なる噂だったのかもしれないけど恐くて近付けなかった。
テレビもそうだった。ある時間帯からはまさに独占おとなの時間。何か楽しんでいるようなのだが、誤って見てしまうと暗く重い衝撃だけが残るようなそんな世界。
時代劇でいえば「必殺仕置人」がその系譜の代表格だった。事の発端となる事件から復讐を果たすまで容赦ない描写。それは線の向こうにある大人の世界だった。
しかし世の中は明るく開けた方向へと「発展」を遂げ、土地区画は整理され、「必殺」はジャニーズドラマとなった。
何故そんな話を持ち出したかといえば、この作品のグロさを見て思い出したのが子供の頃の感覚だったからである。
四肢を奪われた女性が凄まじい形相で文字を書く様に多少なりともひるむ自分は、かつて見ていた大人の世界に足を踏み入れていなかったんだと実感した。
単純な善悪で判断はできないが、現代は明るく健全な世界だけ見て年齢を重ねていくことができる。
そこでこの映画だ。
重い。暗い。笑える場面も結構あるが、居心地が悪くなりそうな暗い笑いだ。
物事やるなら徹底。監督の気合いに演じる側もしっかり応えている。
何しろ顔ぶれが豪華な上に配置が心憎い。
松方弘樹、松本幸四郎、平幹二朗、内野聖陽といった大所をサブで惜しげもなく使い捨て。
あまり時代劇の印象がない市村正親は、仇側の重しを一人で背負うさすがの重厚感。
とどめが大人の世界と縁遠いはずの稲垣吾郎を暗部の核心に据える離れ業。
これを小さなブラウン管テレビでこそこそ隠れ見るのではなく、シネコンの大画面で観ちゃうんだからぜいたくだ。
(80点)
かつて子供が立ち入れない領域が存在した。
それはいわゆる赤線であったり、被差別者の集落であったり、単なる噂だったのかもしれないけど恐くて近付けなかった。
テレビもそうだった。ある時間帯からはまさに独占おとなの時間。何か楽しんでいるようなのだが、誤って見てしまうと暗く重い衝撃だけが残るようなそんな世界。
時代劇でいえば「必殺仕置人」がその系譜の代表格だった。事の発端となる事件から復讐を果たすまで容赦ない描写。それは線の向こうにある大人の世界だった。
しかし世の中は明るく開けた方向へと「発展」を遂げ、土地区画は整理され、「必殺」はジャニーズドラマとなった。
何故そんな話を持ち出したかといえば、この作品のグロさを見て思い出したのが子供の頃の感覚だったからである。
四肢を奪われた女性が凄まじい形相で文字を書く様に多少なりともひるむ自分は、かつて見ていた大人の世界に足を踏み入れていなかったんだと実感した。
単純な善悪で判断はできないが、現代は明るく健全な世界だけ見て年齢を重ねていくことができる。
そこでこの映画だ。
重い。暗い。笑える場面も結構あるが、居心地が悪くなりそうな暗い笑いだ。
物事やるなら徹底。監督の気合いに演じる側もしっかり応えている。
何しろ顔ぶれが豪華な上に配置が心憎い。
松方弘樹、松本幸四郎、平幹二朗、内野聖陽といった大所をサブで惜しげもなく使い捨て。
あまり時代劇の印象がない市村正親は、仇側の重しを一人で背負うさすがの重厚感。
とどめが大人の世界と縁遠いはずの稲垣吾郎を暗部の核心に据える離れ業。
これを小さなブラウン管テレビでこそこそ隠れ見るのではなく、シネコンの大画面で観ちゃうんだからぜいたくだ。
(80点)
私はどうも生理的にダメでした、これ(泣)
四肢を斬られた女性といい、13人の武士たちの死に様といい、、、その他諸々に引いてしまいました。
でも評判がいいみたいですね~
また少数派意見になってしまいました(笑)
いいじゃないですか、少数派。
自分の感覚に価値がある証拠ですよ。
評判いいんでしょうか。
そう聞くと、なんかそれほどでもないじゃないと思ってしまいます。
娯楽作品ですから、気楽に気楽に。