Con Gas, Sin Hielo

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「俺物語!!」

2015年11月23日 00時03分08秒 | 映画(2015)
「好きだー!」と叫びたがってるんだ。


先日観た「ヒロイン失格」にはどうにも嫌悪感が先に来たのだが、同様に少女漫画を原作とした本作は非常に楽しめた。

荒唐無稽さではこちらも負けていない。いきなり川で溺れる小学生がいたり、お化け屋敷で惨事に見舞われたり。同じ日テレ映画だし、坂口健太郎も出ている。

しかし、作品への印象は大きく異なる。それは突き詰めていけば、温かさだということが分かる。

気は優しくて力持ちだが、見た目が豪傑過ぎる主人公の猛男。幼なじみの親友・砂川は正反対のイケメンで女子の羨望の的。猛男が惚れる女子はいつも砂川を好きになり、猛男は自分の想いを伝えることすらできない。

そんな猛男が、あるとき困っている女性を助けたところ、あまりにかわいくて一目惚れしてしまった。その女性・大和凛子は助けてくれたお礼にと菓子を作ってくるようになるが、猛男は彼女の目的が砂川にあると察して、またしても想いを告げずに陰で二人の後押しをしようと誓う。

もう30歳を超える鈴木亮平が体重を30kg増やして猛男役に取り組んだことが話題に。老けた高校生というのは設定の肝でもあるので、これは振り切った配役でちょうどよかったと思う。演技も安心して見ていられるし。もみあげを付けてもかっこよさが残っているのが問題といえば問題だが。

砂川を演じた坂口健太郎も前作に比べて遥かに好印象だった。クールな表情はおそらく変わらないのだが、劇中で語られるエピソードでいいひと感が増したせいだろう。

そして凛子役の永野芽郁。全体的に垂れ気味に映る笑顔はひょっとすると女子ウケしないかもしれないが、表情や立ち居振る舞いは爆死するほどのかわいさだった(普段の姿やニコモとしての画像を見ると雰囲気が大きく違っているが・・・。さすがモデルである)。

猛男は凛子へ一途な想いを抱くが、それ以上に自分の周りの人の幸せを願う。砂川が猛男へ抱いている深い友情が、あまり多くない言動や行動から十分に伝わってくる。そして凛子が、自分の内からあふれた想いを伝えるためまっすぐに行動する。

「ヒロイン失格」のはとりも、一途で可愛げがあるといえばあるのだが、本作の3人は自然と応援したくなってくるところが違うのだな。もちろんこれは個人差がある話である。

あと、定禅寺通りや評定河原の河川敷など、仙台ロケを大々的に敢行していたところも個人的にはツボだった。原作は関係ないだろうけど、フィルムコミッションがんばりました。

(85点)
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