●似非正義の薫陶垂れるNATO、横で白旗挙げるウクライナ

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●似非正義の薫陶垂れるNATO、横で白旗挙げるウクライナ

　ＮＡＴＯのラスムセン事務総長と云う男は、ジョージブッシュの丁稚小僧のような野郎で、右巻きヌーランドやネオコン・マケインの親戚のような世界の害虫のような政治家である。デンマーク首相だった時代に、いち早くブッシュのフセイン・イラクに大量破壊兵器が存在し、在り処も特定できていると云う「ＣＩＡ」のニセ情報を追認した世界一調子の良い、出世欲の塊のような男である。おそらくチェイニー率いる軍産複合企業のＥＵ支局長のような役回りを演じたのだろう。そして、目出度くＮＡＴＯ事務総長の椅子を手に入れたことは、ＥＵやＮＡＴＯの情勢を分析するれば、必ず行き着く答えである。

　このラスムセン事務総長や格好つけてタラップを降りる、似非ノーベル平和賞受賞者で、平和の「へ」の字も実現することなく去ってゆくバラク・オバマと云うブッシュ以上に愚かな出来事しか実現できなかった能無し黒人大統領の鼻先で、ウラジミール・プーチンは離れ業を披露し、彼らの盛大に祭りの火をことごとく消し去るようなゲリラ豪雨を見舞った。筆者が、今や世界唯一の歴史に残る現役政治家とみているプーチンが大向こうを唸らせてくれた。個人的には極めて痛快だが、日本人を含む多くの西側諸国の人々は、何だか意味の分からないウクライナの白旗に、目を白黒させているのだろう。このような状況を、嫌々ながら認めたコラムが日経新聞のコラムに載っていた。

 ≪　市場も揺れた　プーチン大統領の「隠し技」
　ロシアがウクライナと停戦案で大筋合意した３日のニュースをプーチン大統領得意の柔道にたとえれば、対戦相手のオバマ米大統領に「効果」あるいは「有効」のポイントを取ったといえる。
　オバマ大統領はロシアに圧力をかけるため、３日にエストニアでバルト３国の首脳と会談し、黒海を含め同地域での軍事支援を強化すると表明。視線は明らかにモスクワに向いていた。４日からは北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）でロシアを念頭に置いた同盟の「決起集会」に臨む。ロシアに対する外交的配慮をかなぐり捨て、東欧の軍事施設の積極活用にも踏み切る構えだ。
　このオバマ大統領に技を仕掛けるタイミングを見計らったかのように、プーチン大統領は素早く反撃し体勢を入れ替えた。ウクライナとの停戦合意という隠し技は鮮やかに決まった。プーチン氏はモンゴル訪問中だが、モスクワからの機上で 「船中八策」のごとく７項目にわたる停戦案をまとめていたのだ。
　振り返れば、シリアでは米軍の軍事介入直前にプーチン大統領がアサド大統 領を外交的解決に導く白馬の騎士役を演じ、オバマ大統領から「有効」ポイントを奪った。そして今回はオバマ大統領が欧州に出向き、白馬の騎士役を演じようと動いたところで、出ばなをくじくような電撃発表に及んだのだ。
　「この停戦合意の本気度はまだ未知数」――。オバマ大統領はこうコメント し劣勢立て直しを図っている。実際、停戦合意発表では混乱があった。まずポロシェンコ大統領が「恒久的停戦に合意」と発表したが、ロシア側のスポークスマ ンは「合意に至っていない」と否定。そこでウクライナ側は「恒久的停戦のレジーム（体制）について合意」と修正した。そして最後に登場したプーチン氏がモンゴルでおもむろに「７項目の停戦案」を披露したのだ。
　市場は振り回された。当初は恒久的停戦との一報にリスクオンで反応し、ロシア株と通貨ルーブル、欧州株とユーロが上昇。「有事の金」は停戦のキーワードがアルゴリズム取引の売りを発動させ、一気に急落した。しかし「停戦合意は確認できず」との報道で一転リスクオフに。最終的にはプーチン大統領による停戦案提示で、市場はとりあえず安堵した。 とはいえ、まだ市場は疑心暗鬼だ。もつれた現状から出口戦略が本当に実現できるのかと計りかねている。
　停戦合意の報道を夕方に受けた東京市場は、安倍改造内閣の市場へのインパクトを推し量っていた最中だった。円相場はいったん105円台に円安が進んだが、すぐに104円台に戻した。まさに新体制への期待感に水を差すような展開だった。
　ウラジーミルからシンゾウへの祝辞が聞かれなかった日本とロシアの関係とは対照的に、ロシアと中国は相次ぎエネルギー共同開発プロジェクトを立ち上げるなど関係深化が目立つ。
　冷戦終結以来、最大の危機といわれるほどにこじれたロシアと欧米の関係だけに、仮に停戦合意しても修復には時間がかかるだろう。日本への影響も、市場では逃避通貨としての円売買、政治的には中ロの接近を通じてボディーブローのごとくじわりと効いてきそうだ。　≫（日経新聞：豊島逸夫の金のつぶやき）
注：豊島逸夫（としま・いつお） ：　豊島逸夫事務所（2011年10月３日設立）代表。11年９月末までワールド ゴールド カウンシル（ＷＧＣ）日本代表を務めた。　 1948年東京生まれ。一橋大学経済学部卒（国際経済専攻）。三菱銀行（現・三菱東京UFJ銀行）入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替 貴金属ディーラーとなる。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験をもとに金の第一人者として素人にも分かりやすく、独立系の立場からポジショントーク無し で、金市場に限らず国際金融、マクロ経済動向についても説く。 ブログは「豊島逸夫の手帖」http://www.mmc.co.jp/gold/market/toshima_t/index.html ツ イッター（http://mobile.twitter.com/search?q=jefftoshima）ではリアルタイムのマーケット情報に加えス キー、食べ物など趣味の呟きも。日経マネーでは「現場発国際経済の見方」を連載中。日本経済新聞出版社や日経BP社から著書出版。業務窓口は jefftoshima@hyper.ocn.ne.jp


　豊島氏も「Foreign Affairs：ジョン・ミアシャイマー」http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/e30a7d95d12a42819ee5085ffea75f9
のレポートを読んでいたとみえ、プーチンの「有効」がたび重なっている事実を認めている。筆者からみると、オバマの窮地を、アフガンにおける米軍撤退ルートへの協力、シリア爆撃宣言の米議会からの拒否の恥を救ったのもプーチンだ。技を仕掛けていると云うよりも、アフガン、シリアとオバマの窮地を救ったのがプーチンだと云う構図が正しいのだ。仕掛けるオバマの技を、冷酷なほど動かず「空気投げ」を掛けてる寸前でとめ、柔道の試合自体がなかったような雰囲気をつくる業師プーチンは「忍者」のようである。

　とまあ、褒めすぎも良くないが、現役政治家にもプーチンのような政治家が存在することは、偽物のデモクラシー、否、幻影を追いかける寝物語をリアルな世界に呼び戻す貴重な存在だと認めるべきである。現在の英国のように、滅びゆく覇権国同様に、ロシアの現状も衰退の方向は示しているだろうが、プーチンには中国と云う毒薬をのぞき見し、時には手を結ぶ選択肢を残している点が憎い（笑）。BRICSと云う連携にも米国を苛立たせ、アチコチでCIAを暗躍させ、再び米国に恥をかかせる罠を用意している。このプーチンとの仲を裂かれてしまった安倍晋三には、利点が一つもなくなったようだ。零点総理に５０点は献上できるチャンスだったが、殆ど復縁は遠ざかった。

　仮に可能性が僅かに残されているとすると、１０月の米中間選挙で、民主党がボロ負けして、オバマのメンツが丸潰れになり、レームダックが一層明確になった場合に、安倍晋三の心臓破りの丘を越えるチャンスがあるかもしれない。まあ暗殺されても越える勇気があればの話だが、僅かなチャンスがないわけではない。尖閣諸島とか竹島とは比べものにならないメリットが北方領土にはある。アメリカが一番嫌がる問題だけに、此処に手を出す日本の政治家は鳩山一郎以降、誰も現れていない。政治家では鈴木宗男が現れたが、やはり闇の力にねじ伏せられた。小沢一郎も、北方領土に手を出す勇気は持ちえなかった。この外交問題を安倍晋三がルビコン川を渡るリスクを背負い込めば歴史に名を残す。集団的自衛権容認なんて恥晒しな総理ではなく、救世的政治家と呼ばれるチャンスがゼロなわけではない。チョイと今夜は安倍君にエールを送っておく（笑）。

PS:おっ！時事通信がこんな情報をWEB上に載せていた。大笑いにして、赤っ恥掻いた、オバマとNATO。
≪　東部の親ロ派に分権＝ウクライナ大統領
【モスクワ時事】ウクライナのポロシェンコ大統領は５日、経済活動やロシア語使用を含む地方分権を東部の親ロシア派に認めると表明した。　≫（時事通信）

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