世相を斬る あいば達也

民主主義、資本主義とグローバル経済や金融資本主義の異様な違いについて

●中東は米国に見離され混沌 あまりにも身勝手過ぎるアメリカ

2016年03月03日 | 日記
大衆への反逆 (文春学藝ライブラリー)
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●中東は米国に見離され混沌 あまりにも身勝手過ぎるアメリカ 

見出し的に言えば、それにも関わらず、我が日本は、アメリカ様々一辺倒は揺るぎない。本当に、馬鹿につける薬がないほど、悲惨な状況だと言えるだろう。筆者は個人的に中国も米国も嫌いなので、どちらの肩を持つつもりもない。アメリカに負かされた記憶が心底滲みついているのだろうが、右翼、保守主義者だと名乗る連中の殆どが「親米右翼」なのだから、吹き出してしまう。せめて、アジア主義くらいの方向性を出せば、聞く耳もあるが、「アメポチ右翼」など、犬の餌にもならないだろう。その点で、西部邁や佐伯啓思の保守主義には、米国追随に似非右翼と異なる視点がある分、見どころはある。

週のビデオニュースドットコムのゲスト・高橋和夫氏(放送大学教授)は、米国コロンビア大学で国際関係論の博士課程を修了した人物なので、中東問題に関して、中立的人物とは評価できない。しかし、その人物をしても、アメリカと云う覇権国の対外政策の大きなブレを認めている。宮台真司が、アメリカの大国としての節操なき責任論に言及すると、コロンビア大学院に学んだ 神保哲生が、アメリカは二大政党制を意識するからだと軽く異議を唱えていたが、世界中に軍事力と云う暴力装置を行使する国に、二大政党制だから、軍事力行使が右左に揺れて良いと云うのは詭弁だろう。

まあ、アメリカ的視点を持つ、民主主義者と、アメリカに批判的な保守リベラル的宮台真司の組み合わせは、色んな意味でコントラストが愉しめる。彼らの丁々発止な会話は、知的好奇心を充分に満足させる。共産党志位委員長の次期参議院選における大英断にも、彼らの影響力は隠れた力になっていた筈である。これ以上、ネット番組の良さを書くと宣伝臭が出るので止めておく(笑)。本題に入る前に、以下のビデオニュースドットコムの解説記事を読んでいただこう。

 ≪ イランの国際舞台復帰で変わる中東の勢力図
中東でイランの存在感が増している。
 昨年7月に核開発をめぐりイランがアメリカなどとの間で合意したことを受けて、長年同国を苦しめてきた制裁が解除され、イランの国際舞台への復帰がいよいよ本格化してきた。特にアメリカとの関係改善がイランの中東における発言力の高まりに大きく影響し始めている。
 イランとアメリカは長年、対立関係にあった。1950年代からアメリカはイランの内政に干渉を続け、イランに対して様々な工作を行ってきた。 1953年にはCIAが中心となって、クーデターを起こさせ、民主的な選挙で選ばれたモサデク政権を倒した上で、傀儡政権を打ち立てている。
 こうした過剰な干渉がイラン国民の反発を招き、1979年、イランではイスラム原理主義革命が起こる。パーレビ王政の下で苦しめられてきた反体制勢力はテヘランのアメリカ大使館を、大使館員を人質に取った上で占拠し、それ以降、イランとアメリカの関係悪化は決定的となった。アメリカはその後、幾度 となくイランに対する経済制裁を発動したため、イランは長年に渡り、国際社会から孤立させられた上に、経済的にも苦境を味わってきた。イランを牽制するために、アメリカは隣国イラクのサダム・フセインを支援し、間接的にイラン・イラク戦争まで仕掛けている。
 一方、国際的な孤立を余儀なくされたイランが、その後、核開発に着手したことで、イランは北朝鮮、イラクと並びブッシュ大統領から「悪の枢軸」とまで罵られるようになった。
 放送大学教授でイラン情勢に詳しい高橋和夫氏は、イラン側にはアメリカが仕掛けたクーデターによって自分たちが選んだ政権が潰されたことへの恨み が染みついている一方で、アメリカは大使館を占拠されたことで覇権国としてのプライドをずたずたにされた経験が尾を引き、両国の和解はこれまで一向に実現しなかったという。途中、アメリカが対イランで雪解けムードになると、イラン側に強硬な政権ができ、逆にイランに穏健な政権ができると、アメリカが強硬的だったりと、両国の間で歯車が合わなかったことも、関係改善が遅れた一因だったと高橋氏は指摘する。
 それがここに来て、イラン側では、強硬路線だったアフマディネジャド前大統領に代わって穏健派のロウハニー氏が大統領に就任し、アメリカ側も「悪 の枢軸」演説をしたブッシュ大統領に代わり、オバマ政権が誕生したことで、ようやく関係改善の環境が整った。1979年の大使館占拠をリアルタイムで知ら ない世代が、アメリカで人口の多数を占めるようになったことも、関係改善の一助となった。
 しかし、国土、人口、石油資源、そして歴史とプライドと、あらゆる面で中東の盟主の条件を兼ね備えたイランが、制裁解除によって国際舞台に復帰す ると、中東の勢力図に大きな変化が起きることが避けられない。特に、米・イラン関係の悪化を後目に、親米国として中東の盟主の地位を享受してきたサウジアラビアへの影響は大きい。親米スタンスを維持することと引き換えに、王政の維持を許され、原油輸出で王室が莫大な富を独占してきたサウジアラビアは、昨今の原油価格の下落も相まって、かつてない苦境に陥っている。
 イランの台頭によって中東の勢力図はどう塗り変わるのか。アメリカの後ろ盾で強権的な王政を維持してきたサウジアラビアには、これからも現体制を 維持できるのか。混乱するシリア情勢や中東の歴史などを参照しながら、ゲストの高橋和夫氏とともに、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。 ≫(マル激トーク・オン・ディマンド:高橋和夫氏(放送大学教授・国際政治学者)・神保哲生・宮台真司)


イランとアメリカの歴史的対立は、上記の通りだといえる。正直、中東における最大の国はどこかと問われた場合「イラン(ペルシャ)」と答えるのが正解だろう。それ程、中東における歴史的、文化的、経済的に、覇者なのだ。イランに比べれば、イラクもサウジも肩を並べるのは百年早い状況である。そのことを最も理解しているのが中国である。日本も、長い期間、その考えをもっていたが、アメリカ様に怒られて、泣く泣く、油田開発利権等を放棄させられたのだから、笑える。

第一次大戦、第二次大戦を通じて、アメリカは「火事場泥棒」に徹した。どうも、アメリカと云う国は、広い意味で、ユーラシア大陸から孤立する地政的優位さを持っていた大きな島国である。欧州で繰り広げられていた、血で血を洗う戦争において、大西洋を隔てることによって、対岸の火事、洞ヶ峠を決め込んで、武器や弾薬をせっせと生産し、双方の陣営に、それを供給する漁夫の利を得て、世界一の富を築いた。日本の朝鮮特需どころではない利益を、アメリカは得たのである。つまり、遠い地域で紛争を起こし、軍産複合企業が潤う世界戦略に徹していた。そうして、世界の軍事、経済大国が誕生した。倫理道徳の見地から評価すると、最低の国である。

二つの大戦終了後も、アイゼンハワーが退任時に“軍産複合勢力には注意せよ”と云う言葉も虚しく、軍産複合企業構造と云う、アメリカの経済メカニズムは変らなかった。その後、平和が続くに従い、この経済メカニズムは衰退してゆく。そこで、困ったアメリカは、実体のある経済メカニズムから、金融経済メカニズムを構築することになる。この流れで、安定すれば平和だったのだが、軍産複合企業群と云うのは、暴力的であり、陰謀的であった。彼らは、自分たちのコネクションを通じて、自分たちの企業群が生き残れる戦略を描いていた。そうして、世界中で紛争の火種を撒いたり、意識的に傭兵化した反政府勢力を通じて、クーデターを起こさせ、軍産複合企業群の顧客確保に奔走した。

今でも、その流れは変わっていない。ただ、極めて節操のない国であることは、今後も厄介な問題を惹き起こすに違いない。軍産複合企業群と云う暴力装置と、どこまで貪欲にして満腹を知らない金融勢力が、アメリカの二大支配権力なのだから変るべき要素が乏しい。現在行われている大統領選挙の情勢を見ても判るが、金融勢力の影響下にいるクリントンか、貧困に悩み怒る白人に支持されるトランプか、そう云う感じだ。まあ、サンダースに一定の支持が集まっている事実が、唯一、アメリカの救いではあるが、今回の大統領選で結果を出すことはない。

相当ザックリとアメリカを見てきたが、この国は、石油依存の激しい国なので、石油が喉から手が出るほど欲しがる欲望が渦巻いている国でもある。ゆえに、グリースパン回顧録ではないが、先のイラク戦争は起こされた。911事件に疑惑が湧くのも、この辺に起因している。911が、アメリカの勢力による実行ではなかったとしても、そのようなテロが起きることを黙認した可能性はかなりの確率であるだろう。つまり、イランの原油に手を出せないので、イラク戦争で石油利権を米英で独占しようとしたことは、その後の事実が証明している。

サウジとイラクの石油利権で、一息ついたのがアメリカと云う国だ。ところが、幸か不幸か、アメリカで、「シェール革命」が起きてしまい、同国は、一気に石油大国になってしまった。こうなると、節操とか民主主義とかに、本気でコミットする気のない狡猾な連中は、中東への興味を俄然失う。中東の大国が「イラン」なのは、アメリカだって知っている。石油利権への京美が削がれれば、一番喧嘩をしたくない中東の国はイランである。そうなると、サウジアラビヤが宙に浮く。もともと、いい加減な国王の国で、国家の体を為していなくても、金があるから砂上の楼閣は持っている国だ。

王族の中でも、最も教養のない皇子の後継者が権力を握ってしまったので、イランへの敵愾心を剥きだしにしている。イラクのフセインが梯子を外されたと同様に、いま、サウジやバーレン、カタール、UAE‥等、いつ内戦や市民蜂起が起きても不思議ではない時代に突入したようだ。我が国も、早期に原油の供給ルートを模索しないとヤバイことになるだろう。ロシアとのパイプを太くするか、イランとのパイプを太くするか、選択は迫っている。以上、簡単に、アメリカと云う国を評価してみたが、異論も大いにあるだろうが、大局的には、そう云う国である。

歴史の重要性を知らない国は怖い。メインの民族的意識がないのも怖い。すべてが、その時々の損得で決する。日本のマスメディアが崇めるような、アメリカンデモクラシーなど、ある筈もない。ただ単に、身勝手な国であり、歴史上、最高に無教養な覇権国家と云うことだろう。最近は、安倍政権の経緯よりも、中露英独の流動的な世界戦略の方が、よほど興味深い。感情と思い込みで政権が動いているし、言葉で言うほど、大層なことも出来ない安倍政権だが、マスメディアのヘタレどもは、大層な権力だと勘違いし、甲羅の中に頭を引っ込めている。多くの国民が、わい曲された為政を聞かせられ、大局を見失う親米にさせられている事実は、正直、手の施しようがない。

貨幣と欲望: 資本主義の精神解剖学 (ちくま学芸文庫)
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2 コメント

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Unknown (ミヤコ)
2016-03-03 21:23:00
 今週のTBSラジオ夜10時、高橋和夫氏がゲストで(おっしゃるように)アメリカ寄りをうかがわせる雰囲気を保ちつつ嫌々ながらも事実は「認めざるを得ない」ような話をしていた。  が、やたらプーチンを悪く言っていて、じゃアメリカはどうなんだよプーチンの上を行ってるだろと思った。今じゃアメリカの内幕はシロウトでも推測できる情報世界なのに白々しい。
 キチ氏はわかって話を聞いているようだったがアシスタント嬢は鵜呑みにしているようで、軽薄さはNHKと変わらず。(アシスタント嬢のウワずる発語音声をもっと下げてもらわないと聞き苦しくてかなわない)。
Unknown (匿名)
2016-03-04 14:20:23
高橋氏は修士です。革命が起きたため、決まっていたイラン留学ができず博士は断念したと言うことです。

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