世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

政党助成金が絡む“未来の党”の人事 年内分裂なら阿部、助成金受け取れず

2012年12月25日 | 日記

 

政権交代 - 民主党政権とは何であったのか (中公新書)
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政党助成金が絡む“未来の党”の人事 年内分裂なら阿部、助成金受け取れず

 小沢と嘉田の間で、結党の経緯は色々ある、色んな約束も交わされたであろう。しかし、結党時61あった議席を9に減らしたのだから、結党時の政党としての価値は無きに等しいものになったと言うべきだ。民主的手続きを踏む公党であれば、立候補と所属議員による投票が一般的だ。仮に中国共産党のような独裁人事だとしても、惨敗を喫した選挙時の代表や代表代行は退陣するのが、政党だ。

 その意味で、今回の嘉田の独断専行は、結党時に小沢を要職には就けないと云う約束があっても、選挙の大惨敗を通じて、ご破算になったとみるのが常識だ。今回の嘉田代表、飯田代表代行、阿部ともこ3氏の言い分は、民主的手続きより、小沢と嘉田の口約束が公党の民主的ルールの上位に位置すると云うもので、独裁的である。まさか未来の党の党是にコーランがあるわけではないだろう。

 半年チョイ先には、見通しが立たないとしても参議院選が控えている。森ゆうこ参議院議員も改選時期になる。森議員を含め8人の参議院議員の6人が改選のはずだ。つまり、彼らが嘉田・阿部共同代表では到底選挙戦を戦えないと考えるのは当たり前である。筆者も、嘉田・阿部ラインでは、参議院選は全滅すると考える。参議院選に出るであろう議員たちが、誰が代表である事が選挙戦で戦い易いかにかかっている。今回の衆議院選を通じて、小沢を軸に選挙戦を戦う方が賢明と考えれば、それを選択するのが常識だろう。

 また、13年1月1日現在で支給される政党助成金の扱いも、ポイントになる。年内に党が分裂、衆議院9、参議院8の計17議員の15人が新党を結成すれば、未来の党に残る議員は亀井と阿部だけになる。亀井の去就は判らないが、2名の政党に助成金は支払われない。以下の基準から行けば、年内に分裂、新党立ち上げが可能なら、小沢系議員たちの政党は助成金の対象政党となれる。

 政党交付金の交付要件:助成金の半分は1月1日を基準とし翌2日か ら起算し15日以内に、総務省に届け出た政党の所属議員数の割合に応じて配分され(議員数割)、もう半分は直近の国政選挙の得票率(衆議院総選挙と過去2回の参議院通常選挙)に応じて各政党に配分される(得票数割)。

 民主主義国家の公党が独善専横人事をすることは、あり得ない。特に政党交付金と云う制度がある限り、ここで嘉田が頑強に党の権力を握ろうとする姿勢は、助成金の権利を小沢系議員の頭数を目当てに我がものにしようと企んでいる、と解釈されても文句は言えなくなる。あれだけの大惨敗をして、退陣するそぶりも見せず、人事も独占しようと云うのだから、かなりおかしい。このような態度が表面化した事で、未来の党は更なるダメージを受けてしまった。

 仮に、小沢系議員との接点、妥協を求めるのなら、亀井静香共同代表、幹事長鈴木克昌程度の案を出すべきで、自ら党の分裂を誘っている感がある。彼女が暗に何度も口にした“仕掛け”がこんな下品なものとは、お釈迦様でも気がつくまい(笑)。しかし、決断時期は迫っているのだろう、8億の選挙資金が入手できるかどうかの瀬戸際だ。上記の交付金要件を読む限り、年明け早々の分裂結党も可能なようだが、詳細は判らない。いずれにせよ、嘉田が阿部共同代表に固執するなら、党は速攻溶解する。 どうも理解しにくいご仁を小沢一郎も選択したものである。少々、筆者も小沢の選択には怪訝さを隠せない。


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