世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●伊勢神宮(伊勢志摩)サミット 鎮守の森を9割伐採した三重県

2015年06月07日 | 日記
国防政策が生んだ沖縄基地マフィア
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●伊勢神宮(伊勢志摩)サミット 鎮守の森を9割伐採した三重県

一昨日の拙コラムは偶然のように伊勢神宮を頂点とする、日本人の歪んだ天皇頂点イデオロギーを定着させるため、長州陣営や官僚らが企てた明治後期における「神社合祀」について取り上げたが、これ程偶然の一致のタイミングで、G7首脳会議(サミット)が、「似非神道」のシンボルである伊勢神宮のある三重県に決まるとは驚きである。

西洋猿真似の長州人による明治以降の日本の姿が「善」と思い込んでいる政治家や国民が本当に多い。問題なのは、欧米文化が善と云う認識よりも、それ以前の日本の歴史は「野蛮・悪」と云う、国策的プロパガンダに一色に染められてしまった、現代の日本が問題なのだと思う。特に、三重出身の民主党の岡田が手放しで喜ぶのは仕方ないとしても、他の野党の連中も、こぞって喜びを口にしている。三重県においては、「神社合祀」によって、地域共同体の精神的拠り所であった地域の神社、及び鎮守の森の9割が閉鎖統合伐採された事実を確認しておこう。口の悪い言い方をすれば、伊勢神宮に「神道」のすべてを集中させる為に、地域の神社を片っぱしから潰したのが三重県である。

南方熊楠の言うところの「エコロジーを破壊した」と糾弾する「神社合祀」の悪夢のような忌まわしき陰謀の歴史を、今の政治家は知りもしないに違いない。三重県は明治期の「神社合祀」により、県下全体の9割の神社が、伊勢神宮に権力を集約せんと、合祀、取り壊された。三重の鎮守の森は9割伐採の憂き目に遭った。このような事実をまったく知る由もない政治家と云うものは、どうにも救いがたい。一言くらい触れられる政治家がいて欲しいものだ。先ずは、この件に関し、調査取材不足、歴史検証不足な記事が目立つ。記者クラブの報道管制下で行われた公式発表のみの報道だ。重複するが、朝日の記事をふたつ読んで頂こう。


≪ 伊勢志摩、首相の強い意向 「日本の精神性触れていただく」 来年、サミット決定
 8地域によるサミット招致レースを制したのは、最後に手を挙げた三重県だった。安倍晋三首相が来年のサミット開催地に伊勢志摩地域を選ぶにあたってカギとなったのは、「伊勢神宮の荘厳さ」「日本の原風景」といった日本の伝統や文化だった。
「日本の精神性に触れていただくには大変よい場所だ」
 首相は5日午後、羽田空港で記者団にそう語った。政府高官は「やはり『伊勢神宮の凜(りん)とした独特な空気を外国首脳にも感じてもらいたい』という首相の意向が一番大きい」と、選定には首相の強い意向があったことを認める。
 首相が伊勢志摩サミットを決断した直接のきっかけは、今年1月5日の伊勢神宮参拝にあった。  参拝中、首相は「ここはお客さんを招待するのにとてもいい場所だ」と口にした。それを聞いた首相周辺が、同行していた鈴木英敬三重県知事に「サミット候補地として立候補すればいい。いま直接、首相に伝えるべきだ」と進言した。
 鈴木知事は伊勢神宮が宗教施設である点や、伊勢志摩以外に7都市が開催候補地に名乗りを上げていたことから、やや遠慮気味に「今から手を挙げても間に合いますか」とたずねたところ、首相は「いいよ」と即答。鈴木知事は1月21日の定例記者会見で、サミット誘致の意向を正式に表明した。鈴木知事は経産官僚出身、第1次安倍内閣で官邸のスタッフだった。
 今回、政府内には、東日本大震災からの復興をアピールするため仙台市を推す声のほか、被爆地の広島市にという意見もあった。広島市での開催にオバマ大統領が参加することになれば、米大統領としては初の歴史的訪問となったが、政権幹部からは「被爆地訪問は米国が嫌がるだろう」と懸念する声が上がり、実現しなかった。
 首相は5日、「サミット関連の閣僚会議をそれぞれの候補地で開催することを検討したい」と述べ、各候補地への配慮をみせた。 ≫(朝日新聞:菊地直己、冨名腰隆)


 ≪ なぜ伊勢志摩が選ばれた? きっかけは正月のある会話
 8地域によるサミット招致レースを制したのは、最後に手を挙げた三重県だった。安倍晋三首相が来年のサミット開催地に伊勢志摩地域を選ぶにあたってカギとなったのは、「伊勢神宮の荘厳さ」「日本の原風景」といった日本の伝統や文化だった。
 「日本の精神性に触れていただくには大変よい場所だ」
 首相は5日午後、羽田空港で記者団にそう語った。政府高官は「やはり『伊勢神宮の凜(りん)とした独特な空気を外国首脳にも感じてもらいたい』という首相の意向が一番大きい」と、選定には首相の強い意向があったことを認める。
 首相が伊勢志摩サミットを決断した直接のきっかけは、今年1月5日の伊勢神宮参拝にあった。
 伊勢神宮を参拝中、首相は「ここはお客さんを招待するのにとてもいい場所だ」と口にした。それを聞いた首相周辺が、同行していた鈴木英敬三重県知事に「サミット候補地として立候補すればいい。いま直接、首相に伝えるべきだ」と進言した。
 鈴木知事は伊勢神宮が宗教施設である点や、伊勢志摩以外に7都市が開催候補地に名乗りを上げていたことから、やや遠慮気味に「今から手を挙げても間に合いますか」とたずねたところ、首相は「いいよ」と即答。鈴木知事は1月21日の定例記者会見で、サミット誘致の意向を正式に表明した。鈴木知事は経産官僚出身、第1次安倍内閣で官邸のスタッフだった。
 各候補地が出そろった時点で、政府は会議場の規模やホテルの受け入れ能力、警備や交通ルートなどを数値化して比較しつつ検討を重ねてきた。
 伊勢志摩の場合は、中部空港からヘリコプターで移動する点が懸案として指摘されていたが、政府高官によると「郊外都市でのサミット開催が各国で定着しており、首脳のヘリ移動は珍しくない」「伊勢志摩は、悪天候でも別手段で移動が可能」などとして、大きな不安材料にはならなかったという。
 今回、政府内には、東日本大震災からの復興をアピールするため仙台市を推す声のほか、平和の大切さを訴えようと被爆地の広島市にという意見もあった。広島市での開催にオバマ大統領が参加することになれば、米大統領としては初の歴史的訪問となったが、政権幹部からは「被爆地訪問は米国が嫌がるだろう」と懸念する声が上がり、実現しなかった。
 首相は5日、「どの候補地もすばらしい地域。サミット関連の閣僚会議をそれぞれの候補地で開催することを検討したい」と述べ、各候補地への配慮をみせた。 ≫(朝日新聞:菊地直己、冨名腰隆)


≪「伊勢神宮の荘厳さ」「日本の原風景」≫だと安倍は言うが、嘘だ。伊勢神宮への権力集中と云う中央集権神道国家の姿であり、荘厳っぽく見せているに過ぎない。日本の原風景だとさ。ふざけるな、鎮守の森を9割方破壊し、クスノキで樟脳を作り、儲けたのは誰だ!天下ったのは誰だ!

≪「日本の精神性に触れていただくには大変よい場所だ」≫たしかにその通りだ。三重県の「神社合祀」の凄まじさと鎮守の森9割を破壊を画策したのは、西欧文化に思慕を描いた明治政府である。それを強力に実行せしめたのが、我が国の一番自慢の官僚機構である。そういう意味で、日本の精神性に触れることは大きに歓迎だが、そんな日本の歴史に興味のある世界のトップがいる筈もないのだが……。

今年の1月に伊勢神宮を参拝した折に、安倍が「ここはお客さんを招待するのにとてもいい場所だ」と口にした。それを聞いた随行者の一人が、安倍と旧知の間柄である鈴木三重県知事に「立候補しろよ」と薦めた。鈴木知事も、遠慮がちに、立候補を表明したそうだ。こんな完璧な「仕込み話し」は司馬遼太郎の小説の読み過ぎだ(笑)。安倍の我田引水、歴史偏向主義を覆い隠すために、こういうエピソードを加えざるを得なかったと推量できる。

伊勢志摩の場合は、中部空港からヘリコプターで移動するらしいが、是非、オスプレイへの搭乗を願いたい。特に、安倍とオバマは全体にオスプレイに乗るのが礼儀である。オバマは日本の購入に感謝し、安倍は軍国少年として乗り込むべきだ。そんなこともしないで、東京上空をブンブン飛ぶものではない。それにしても、脱亜入欧と云い、神道を政治利用する日本政府と云うのは、宿痾の塊なンだね。

候補地の中で、仙台が有力視されていたが、復興云々はさて置き、福島を通過する事への懸念が最大のネックだったのだろう。なにせ、今でも福島県通過時には、放射線測定器を持っていれば、0.08 (μSv/h)を指し示すので、万が一、このことで国際社会に悪いメッセージを与えるのは拙いだろう。この数値に内部被ばく分を重ねると現在のチェルノブイリと殆ど変らないようなので、福島を通過するルートの開催地は言語道断。広島は、米国政府から、まさか広島では開催しないよね、と伝達されているので、ここも駄目。軽井沢は良いんじゃないの?いや、あそこは、富士山噴火時には手のつけようがないの駄目。そんなこんなで、安倍の思い入れがすんなり通ったのだろう。

サミットに出席する各国の責任者が、日本の明治維新以降の歴史を紐解いて、「神社合祀」に気づき、その政府挙げての運動が、日清・日露・日米大戦開戦決定した当時の日本人の精神的バックボーン、つまりイデオロギーは何であったのか、そういう疑問にたどり着けば、自ずと天皇を祭りあげて、伊勢神宮「神道」を日本人全体の精神的イデオロギー作り上げようと云う、中央集権官僚らの意図が見えてくる。そのことが、先の無謀とも思える日米大戦に突き進む原動力だったのだ。

筆者の感覚としては、天皇も伊勢神宮も、明治以降の中央集権国家主義(官僚機構が動かす)の犠牲者とも言える。しかし、そのことで、最も犠牲を強いられたのが、沖縄の住民であり、広くは日本庶民すべてを犠牲にしたという事だ。本当に、厚顔無恥にして、“厚顔無知”な安倍政権であり、汚らわしいほど悪魔的な霞が関である。マスメディアは、もうゴキブリ状態だ。

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2 コメント

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ここは売買春巣窟 (simpleズ)
2015-06-07 11:34:46
ここは売買春巣窟で有名な土地です。神宮も人寄せ稼業の儲け商売です。こういう天下り利権贈収賄イベントにうつつを抜かしている日本人たちに呆れています。
返信する
安倍は自分の精神性を何とかしろよ(笑) (尾張)
2015-06-07 12:20:39
神社本庁という宗教マフィアを潰すために、何が出来るかという事だと思う。いっそ、神社本庁に解散命令を出し、林野庁と文化庁が森林と神社の社屋のみを管理する政策を考えるべきじゃないかと。
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