世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

消費税増税に潜んでいるかもしれない裏事情 野田と小沢の互助感応

2012年01月22日 | 日記
誰も書けなかった石原慎太郎 (講談社文庫)
クリエーター情報なし
講談社



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消費税増税に潜んでいるかもしれない裏事情 野田と小沢の互助感応



 今日は、小沢一郎の理念云々の話を離れて、最近の同氏の言動に触れてみようと思う。当然、現政権の代表である野田佳彦の言動も相対的に関連づけた考察になる。以前から、筆者が持っていた疑問、口先介入が多い割には、必ずしも動きがない点を訝しく思っていたが、小沢にシンパシーを持つメディア「日刊ゲンダイ」が小沢に問い質すような記事を書いている。先ずは読んでいただこう。

≪民主党は首相を代えろの声 野田首相のアタマは完全におかしい
 このまま消費税増税を叫んでいたら選挙で全員落選、党は消滅するドジョウ首相は完全に冷静さを失っている。日曜日(15日)に財界人と会食した首相は、こう話したそうだ。
 「出て行きたいヤツは出て行けばいい」「党が分裂しようが消費税法案を提出する」「否決されれば 民意を問う」
 翌16日の党大会でも「法案を潰したらどうなるか野党に考えていただく」と、消費税アップを潰したら解散だと野党をドーカツ。さらに17日には新聞各社のインタビューに「消費税アップにすべてを捧げたい」と宣言している。国民がどんなに「嫌だ」と訴えても、絶対に消費税 を10%にするつもりだ。
 しかし、デフレ不況が深刻化し、しかも大震災から1年も経っていないのに消費税をアップするなんて狂気の沙汰だ。ただでさえ生活保護の受給者が毎月、過去最悪を更新するほど景気が悪化しているのに、増税したら、日本経済は立ち行かなくなる。97年に消費税率を 3%から5%にアップした時も大不況に突入した。だから世論調査でも、消費税アップに「賛成34%」「反対57%」と、反対が圧倒的。なのに、国民が反対しようが、不況が悪化しようが、なにがなんでも消費税率を引き上げるなんて、どうかしている。経済ジャーナリストの荻原博子氏がこう言う。
 「なぜ、このタイミングで消費税を上げる必要があるのか。いまは増税よりも震災復興が先でしょう。先日、石巻に行きましたが、まったく復旧は進んでいなかった。港は水没したままです。日本中があえいでいるのに、なぜ国民負担を増やすのか。首相のやっていることはアベコベです。国会議員の数を減らすと胸を張っているが、国民が民主党に期待したのは官僚支配をブチ壊すことですよ。国会議員の数を減らしたら、霞が関への睨みが弱くなり、官僚を喜ばせるだけです。消費税をアップするために身を削る必要があるのでしょうが、本末転倒ですよ。なぜ、そこまで消費税アップ゜に執着するのか分かりません」
◆3年前、消費税増税に“反対”していた野田首相
 政治的に見ても、消費税アップを強行するメリットはないはずだ。このまま消費税アップで暴走したら、さらに支持率を下落させ、政権が行き詰まるのは目に見えている。
 そもそも野田首相は、ほんの3年前まで、消費税アップに“反対”していたはず。09年衆院選の時、こう演説していた。
 〈シロアリ(役人)を退治して、天下りをなくす。そこから始めな ければ消費税を引き上げる話はおかしいのです〉〈消費税の税収が20兆円になるなら、またシロアリがたかるかもしれません〉演説風景は、い までも「ユーチューブ」でハッキリと確認できる。
 なのに、首相に就いた途端、国民の声を無視し、消費税アップに血道を上げているのだから、頭がおかしくなったとしか思えない。
 「政権交代後、野田首相は財務副大臣、財務大臣と2年間、財務省で過ごした。その結果、財務官僚に洗脳されてしまったのでしょう。『消費税をアップすれば歴史に名が残ります』と言葉巧みに暗示をかけられたに違いない。政経塾出身の野田首相は、洗脳しやすかったは ずです。根が単純で時代がかった政経塾OBは、歴史や大義という単語に弱いですからね。しかも政経塾出身者は、国民が嫌がることでも遂行することがホンモノの政治家だと本気で勘違いしている。洗脳に成功した財務官僚は、高笑いしているはずです」(政治評論家・山口朝雄氏)
 オウム真理教の信者が麻原彰晃を疑わないように、野田首相も財務官僚の言葉を信じ込んでいるのだろう。しかし、一国のトップが国民の声に耳をふさぎ、官僚に操られているなんて恐ろしいことだ。
◆消費税アップなら民主党議員は軒並み落選
 これ以上、冷静な判断力を失った野田首相にやらせていたら、国民生活は破壊されてしまう。誰が考えたって、いま日本は消費税アップなんかやっている場合じゃない。
 それこそ、野田首相が3年前に指摘したように、消費税を10%にして税収を20兆円増やしたら、シロアリ役人のたかりを許すだけだ。
 なぜ民主党議員は、いつまでも野田首相のような ペテン政事屋を担いで与党ヅラしているのか。言っておくが、国民は野田内閣のことなど支持していないぞ。悪いことは言わない、民主党議員は即刻、ドジョウ首相を引きずり降ろすべきだ。消費税アップを叫んでいる野田首相をこのまま担いでいたら、民主党議員は選挙で軒並み落選し、党は消滅するだけである。
 野田首相を退陣させ、大急ぎで「選挙管理内閣」をつくり、潔く解散する。民主党議員が生き残る道はそれしかない。だいたい、 1月24日まで国会を開かないなんてサボり過ぎだ。「民主党議員も、消費税アップを掲げて解散・総選挙に突入したら、ヤバイことになることは分かっています。しかし、情けない話ですが、ヘタに騒いで首相や財務省に目をつけられたくない、いまは旗幟を鮮明にしない方が得策と考えているのが実態です。おとなしくしていれば、与党のうまみも味わえますからね」(山口朝雄氏=前出)
  野田首相が党大会で消費税アップを訴えた時も、誰も異議を唱えなかった。ホント、クズみたいな連中だ。
◆なぜ小沢一郎は決起しない
 歯がゆいのは、小沢一郎までが決起しようとしないことだ。身内の会合などでは、「世界恐慌になろうという時に、消費税増税なんて冗談じゃない」と野田首相を批判しているが、口で批判するだけで、 ちっとも行動に移そうとしない。
 ドジョウ首相も財界人との会食で「小沢さんに党を割る力はない」とバカにしたという。
 周囲に 「俺は裁判中だから動けない」と漏らしたらしいが、野田首相が消費税10%を強行しようとしているのに、そんな言い訳をしている場合じゃないだろう。
 「裁判をかかえた小沢一郎は、4月に無罪判決が出るのを待ってから、行動を起こすつもりかもしれませんが、それでは遅すぎます。野田首相は3月に消費税アッ プ法案を提出する予定でいる。法案提出を許した後に、ワーワー文句を言っても、『なぜ提出前に言わなかったのか』と“小沢嫌い”の大新聞テレビに袋叩きにされるだけです。アクションを起こすなら、法案の提出前しかない。小沢一郎が動けば、必ず流れは変わる。国民は消費税アップに反対だし、民主党内も 半分以上が反対です。それに小沢一郎が表舞台に復権するチャンスは、消費税反対しかないと思う。もし、このまま行動しなかったら、国民は小沢一郎を見放しますよ」(政治評論家・本澤二郎氏)
 3年前の政権交代はなんだったのか。この国は絶望に向かっている。≫(日刊ゲンダイ:日々担々氏の資料ブログより拝借)


 日刊ゲンダイの苛立ちの記事は、多くの小沢支持者の疑念に素直に応える記事なのだろう。現状、野田の狂信的言動や小沢一郎の煮え切らないスタンス等々を見聞きし、素直に解釈すれば、上記のような記事になるのは当然だ。 まず小沢一郎の現在の政治力現状分析は、野田側近によるものではなく、菅・仙谷・野中ラインからのものである。マスメディアと気脈を通じる、仙谷・野中ラインの分析が、野田の気持ちを一段と高揚させているのだろうが、分析が当たっているかどうか、不確かである。会合に参加した経済界の誰かが話したと云うのも相当に怪しい。多分作り話だ。

  仮に、本気で野田が小沢一郎をコケにするような発言をすると云う可能性はないだろうから、多分「小沢さんに党を割る力はない」発言はガセだ。野田と雖も政治家は政治家、そんな丸出しの発言をするわけがない。「出て行きたいヤツは出て行けばいい」「党が分裂しようが消費税法案を提出する」「否決されれば民意を問う」は言ったかもしれない。大芝居を打っているとしたら、味方の多くにも芝居は続けなければならないからだ。

 極めて少ない確率だが、高等戦術を弄して、財務省から出来る限りの譲歩を引き出し、公務員制度改革を一歩でも近づける、やむにやまれぬ戦術と云う見方も出来ない事はない。霞が関と闘うつもりはあるのだが、政治力量の不足で、面従腹背を政権与党の方がせざるを得なくなっている、と云う本末転倒な現実があると推察も出来るからだ。本予算を通過させるまでは、何が何でも霞が関からの横槍を避けなければならないからだ。閣議決定はされているが、国会審議で予算修正作業もあるので、現状は財務省に予算と云う人質をとられているのが野田佳彦だと云う認識も必要だ。

 本予算成立と社会保障と税の一体改革法案のスケジュールが今ひとつハッキリしないのだが、3月があらゆる政治権力闘争の修羅場になるのは間違いがない。その点で、小沢裁判の行方を左右する大善裁判官の公判指揮が2月中にハッキリする事が、最大のポイントになるような気がする。その結果如何で、小沢一郎の動きが加速すると見るのが妥当だろう。筆者の願望を籠めるなら、検察審査会の議決に重大な瑕疵があり、控訴する根拠が崩れたので控訴を取り下げる、と検察官役の弁護士らが行動するのではないかと推測している。

 この落とし処なら、誰も、どの組織も傷がつかない。検察審査会に嘘の情報を提出した、或いは嘘の捜査報告書を作った検事の責任であり、トカゲの尻尾切り済む。最高裁事務総局も一件落着、検察庁も一件落着、検察審査会も誤った情報を突きつけられたのだから、責任はない。踊ったマスメディア、特に朝日新聞・星浩、毎日・後藤謙次等々の顔なんか幾ら潰れても、どうでも良いこと。使い捨てで捨てられるのだろう。ただ、彼等には、小沢の秘書3人は有罪だと云う小沢叩きのネタは残されるので、それなりに無責任に生きてゆくだろう。(笑)

 多分、赤裸々に消費税増税が大芝居だったとは言えないだろうか、当分増税があり得ない厳しい条件をつけて法案を通す可能性はある。経済成長が二期にわたり名目3%以上を計上した場合等々はあり得る。多分、その内世界を揺るがす連鎖不況が始まるだろうから、実質的に消滅する。世界銀行、IMF、格付け機関が圧力を掛け続ける、財政規律主義金融資本の波も終息していくに違いない。相場作りの仕掛けだけして、果実を収穫する前に頓挫するからだ。

 ただ、現状のユーロ圏にまつわる国債デフォルト問題は、日本の国債への信認を意図的に危機的ものにする仕掛けが消えてはいないので、当面財政規律重視政策の実行を示し続けなければならないジレンマがある。財務省のコソ泥共は、その機に乗じて、霞が関の権益構造を一層拡大しようと姑息に考えているだけだろう。先ずはタップリ増税をしておいて、弱者救済の思し召しや各産業への優遇策など、垂直統合支配のウィングを拡げようとしているのだろう。いまさら、霞が関が国家国民の為に、急に心を入れ替えるなど、絶対にあり得ないのだ。

  最後になるが、面白いのは、野田のシロアリ発言の落とし処だ。これは愚民受けする話題なので、猛烈に下品の権化となった自民党なら、追求しないわけがない。ただ、この増税に真っ向から逆らうと、自党の公約自体を否定する事になるので、匙加減が難しい。当然、方向を間違うと財務省の不興を買う。注視すべきは、自民党が積極的に、この問題を国会で追求をするかどうかだ。最近はゴシップには飛びつくが、政策論にはソッポを向く真正野党が身についた自民党だけに、今後の動きに注目しておきたい。自民党も、この野田の消費税増税かく乱戦術に上手いこと対応しないと、永遠の野党になってしまう。小沢の動きがスッキリしない動機を分析していると、或る意味で野田と小沢が、組んでいるわけではないのに、相互に互助会的動きをしている解釈も可能になると云うことだ。




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