世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

低姿勢、新種のファシズム野田政権 小沢は判決前に動くか?黙認か?

2011年11月10日 | 日記
日本人が知らないアメリカの本音
藤井 厳喜
PHP研究所


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低姿勢、新種のファシズム野田政権 小沢は判決前に動くか?黙認か?   


 NYダウが一時300ドル超の安値を付けた。ギリシャに続きイタリアの国債利率も7%に達した。国家が発行する国債のデフォルト危険水域が利率7%なのだから、世界的国家財政破綻の恐怖が近づいている。野田首相がTPP参加表明でオバマの大統領再選の側面支援など焼け石に水のような世界の経済情勢だ。ギリシャ・イタリア国債を大量に抱えるフランスへの飛び火はユーロ圏の崩壊にも直結している。いくらドイツ経済が好調だからといって、予断は許さない。   

 APECの話題がTPPどころではない程に世界同時の“国債安”や“株安”が起きる可能性も出てきた。逆な見方をすると、オバマ再選のプロパガンダとしてAPECが利用されるのを忌避する勢力が、激しく相場を操っているのかもしれない。一時、APEC開催時に世界恐慌の兆しでも出てくれば、米国もTPP云々に費やす余裕はなくなるかもしれない。自由貿易どうこうで誤魔化す政策は隔靴掻痒と断じて貰いたいものである。   

 現時点では、野田首相は慇懃無礼、平身低頭な美辞麗句を並べたて予算委員会を乗り切っているが、TPPに関して、交渉参加を表明してテーブルにつけば“交渉する余地あり”と国会で嘘をついているようだ。或いは、本当に交渉の余地があるものだとブリーフィングを受けているのかもしれない。マスメディアの報道は総じて意味が不明である。ただ、10日の表明に際し、マスコミ憶測記事が全面的に捏造だった、と云う可能性もゼロではないと思っている。

≪ TPP交渉参加「慎重に」判断を…民主提言決定
 民主党は9日、経済連携プロジェクトチーム(PT、鉢呂吉雄座長)の総会を国会内で開き、環太平洋経済連携協定(TPP)の日本の交渉参加に関する提言 を決めた。 提言は、党内に慎重論が多いことを指摘したうえで、野田首相に「慎重に判断することを提言する」とした。首相は交渉参加に踏み切る方針を変えず、12、13の両日に米ハワイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議への出発を前に、10日の記者会見で参加を表明する方針だ。
 提言は「より幅広い国々と高いレベルでの経済連携を戦略的かつ多角的に進めていく」と経済連携の必要性を強調する一方、「PTの議論では『時期尚 早・表明すべきではない』と『表明すべき』の両論があったが、前者の立場に立つ発言が多かった」と慎重派に配慮する表現が盛り込まれた。≫(読売新聞)   

 民主党PTの意見は交渉参加に慎重論が優勢だったので、その辺を考慮した首相の判断を待ちたい、としたようだが、野田首相は交渉参加を表明すると、何処のメディアも断じている。党の意見集約を無視しても交渉参加だ、と云うのが野田佳彦の答えだと云うのだ。議院内閣制のメカニズムが日本の政治から失われた瞬間かもしれない。党所属議員の多くが反対だが、内閣総理大臣の独断で協定に参加すると云う事だ。これでは政党の意味すら半分消えている。逆に見れば、もう野田・仙谷・前原・岡田等は民主党など、どうでも良いと思いはじめたのかもしれない。どうせ、選挙を経ていずれ野党になるのだから?   

 野田は予算委員会において「不安や懸念に応えるため、これまでも情報収集に努め、必要な説明をしてきた。さらに説明責任を果たしたい」、「日本の誇るべき公的医療制度を壊すようなことまでして何かを進めようという気持ちは全くない」等々と、何か交渉余力がタップリの発言に終始したが、それなりの確信があるのだろう。おそらく、米国との“TPPに関する日米密約”が野田政権とオバマ政権の間に存在すると考えるのが妥当だ。   

 “TPPに関する日米密約”なしに、野田首相が党内の提言無視で、確信的に“交渉参加”に突っ走る姿は不自然だ。自民党政権時であれば「政権が持たない」と云う表現で辞退する政治状況だ。或いは死ぬほどアメリカが大好きで、国富も国民も犠牲にしてでも、“アメリカについてゆきます、捨てないで!”と縋りつく小太り醜女と云う事だろう。 あきらめ切ったギリギリで、参加交渉をもう一度熟議の上でと表明して、支持率アップなら、高度な政治力ありと云う事になるのだが、望む薄だろう。  

 この小太り醜女が万が一にも“心がわり”しない為に、アメリカ様も念には念を入れている。保守右派新聞・産経だけが報じているが、それがアーミテージの野田訪問だ。ジャパン・ハンドラーズと呼ばれる連中の頭目アーミテージ、安保マフィア、経済マフィア、CIAが勢揃いで、直接官邸に乗り込み、野田に「フラフラするんじゃないぞ!決められたように行動するのが身のためだ」と釘を差されたとしか思えないタイミングだ。TPPは話題にも上らなかった、と云う事はTPPが話題だったのだろう。(笑)   

 野田政権と云うもの、菅政権同様に政治基盤虚弱政権だけに、政治力以外のものに縋ろうとする政権なのだ。故に、官僚であり、経団連であり、米国と云う事になる。おそらく“TPPに関する日米密約”の中身を想像すると、米国は農業分野以外は、数年話題にも上らぬ状況を提供するので、その間に政治基盤を盤石にして欲しい。農業以外の分野は、出来る限り日本側が改革したい分野から優先的にTPP俎上に乗せてやる。多分、その密約があるので、反対派・慎重派の議員達を「お化けに怖れている」とか「宗教のようになっている」等とニヤツキながら評論するのだろう。野田にしてみれば、TPPと云う外圧を利用して、改革が進むなら、最終的に国民を裏切る事にはならない、と信じているのだろう。   

 そして、その“TPPに関する日米密約”は見事なまでに反故にされる。密約を反故にされても、公式な抗議の道はない。小沢が動きにくい状況に追い込んでいる内に、すべてを片づけるが民主党Bの戦略のようだし、アメリカの戦略と合致している。ただ、小沢一郎が動きにくいのは、野田が内閣総理大臣で裁判所への裏指揮権が使える行政の長であるが故なのだから、野田が総理でなくなる状況があるなら、その時は一気に動けるとも言える。   

 年内にそのような政治状況が生まれる可能性は低いが、足場となる新党を年内に立ちあげる可能性は大いにある。APECで野田がTPP交渉参加表明で凱旋気分で帰国時に、小沢勢力と気脈を通じる10から20人程度が大義を持って新党立ち上げに動く可能性はある。筆者は、新党だと過激なので、“国民新党”入りなんてのもお洒落な戦略だと思っている。その為だと思うのだが、『自由民主党・無所属の会、公明党、社会民主党・市民連合、国民新党・新党日本、国益と国民の生活を守る会、無所属の6会派の議員提出議案として、APEC の場での「TPP交渉協議への参加表明」に反対する決議案』に小沢派がこぞって署名をしていない点が意味深だ。ワクワクするね。(笑)


国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策 (講談社現代新書)
中野 剛志
講談社



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