世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●麻生の発言が正しい時もある 安倍は海外でハト派、国内に戻りタカ派

2014年03月26日 | 日記
原発の倫理学
クリエーター情報なし
講談社


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●麻生の発言が正しい時もある 安倍は海外でハト派、国内に戻りタカ派

 ロシアの歴史からクリミヤ、キエフを除く欧米諸国の歴史観自体が変なのだから、ロシア、ウクライナの間に領土問題が横たわるのは当然だ。領土の真実を見定めるとき、時間軸をどこで切って眺めるべきか、それが問題なのである。300年前を時間軸の切り口にするならば、北アメリカ大陸はネーティブ・インデアンの領土である。幾ら彼らに国家と云う概念がないからと言って、アングロサクソンのものであった理屈は通用しない。ましてや、ロシの起源がキエフ公国であったのは9世紀のことである。以下の麻生太郎の発言の趣旨は解釈次第だが、発言を素直に聞く限り、ロシアの言い分の方に軍配が上がると言っている。今回に限り、麻生太郎の発言は正しい。

 ≪ 麻生氏:「キエフは高天原」 ロシア擁護発言?
 麻生太郎副総理兼財務相は25日の記者会見で、ロシアによるウクライナ南部クリミア半島編入について「(9世紀に成立した)キエフ公国がロシアの もとだ。(ウクライナの首都)キエフがクリミア半島とわかれてヨーロッパに行ってしまうみたいな話は、ロシアとしては、日本でいえば宮崎県が独立して、(古事記で神々が住んでいたとされる)高天原がいなくなるみたいな話なのではないか」と述べた。
 主要7カ国(G7)がオランダ・ハーグでの緊急首脳会議で「ロシアの違法な試みを承認しない」と宣言した直後に、ロシアを擁護したとも受け取られかねず、批判を招く可能性がある。
 麻生氏は「黒海艦隊の租借を考えたらクリミアは絶対だろうが、キエフもけっこう絶対なのではないか」とも指摘。そのうえで「簡単に話し合いがつくようには思えない。しばらく時間はかかる」と語った。
 菅義偉官房長官は25日の会見で、「副総理はウクライナ問題の難しさを表現したと理解している」と語った。 ≫(毎日新聞:中田卓二、田口雅士)

 安倍晋三は、ロシアと欧米の仲立ち可能な立場を一瞬にして放棄したようだ。何という情けないナショナリストなのだろうか。オバマの恫喝に怖れをなしたのだろうが、尖閣と北方領土を天秤に掛けたら、合理的には判りそうなものだが、その積りも放棄したようだ。これでは、ただのヘタレと評価されても文句は言えない。安倍を支持している吹き上がり右翼の人々から、なんら文句も出ていないようだが、どういうことだ?彼らは全員、安倍グループの派遣労働者だったのだろうか。時給でデモや書き込みをし、ヘイトスピーチをして、日章旗を振り回し、靖国神社に詣でていただけのアルバイトだったのだろうか。オバマの仲介まで頼み込んで、朴大統領と会う理由が何処にあると云うのだ。今夜未明に、日米韓首脳会談があるらしいが、朴のドタキャンの可能性が50%ほどあるのではないか、と筆者などは考えている。

 朴槿恵韓国大統領は24日、疲労のため、国王主催の夕食会を欠席した。日米韓首脳会談は予定通りこなす、と外交筋は語っているが、25日午後の予定も悪寒がするといいキャンセルした。本当に朴大統領が日米韓首脳会議に出てくるか予断を許さない。時事通信によると“行われる見通し”とトーンダウンしている。このコラムを書いている間に始まれば、それはそれなりの評論が可能だが、ドタキャンでは、オバマと安倍は世界の笑い者である。午前3時、朴はドタキャンせずに現れたそうである(笑)。まぁ、日韓二国間会議がない以上、会談はなきに等しいだろう。

 安倍晋三は、海外に出ていくと気弱になるのか、イイ人振り、思いもよらない事まで口走る。戦後の歴史認識を直視するとか、プルトニウムも必要最小限しか持たないとか、小心者ぶるのだが、再処理施設を稼働させてプルトニウムは自己増殖させる、無論、もんじゅを動かす。誰も、その場で突っ込むやつもいないので、出鱈目でもハト派ぶることは可能だ。外国が好きなのは、このような嘘八百がバレない事情があるのだろ。「過去に真摯に向き合うことを重視している」どのような顔で言っているのか(笑)。海外での不甲斐なさを萩生田光一が別発言でフォローしてあるので、チャラくらいに思っているのはたしかだ。姑息すぎるマスコミ対策には呆れてしまう。

 G7では、怖い怖いプーチンが出席していない事を良いことにして、自分らの思惑だけを真実と云う前提で、欠席裁判のような仲良し会議が催されていたようだ。経済制裁はEUの腰が引けており、殆ど効果がないことは判り切っていた。そこで、次の手は、「エネルギー安全保障」にしようと云う話になった。この「エネルギー安全保障」とは、ロシアの収入源の半分がエネルギーの輸出なのだから、このエネルギーに頼らないネットワークを作れば良いよね、と云う話である。欧米日がエネルギーを融通し合う?日本が融通する手立てなど皆無なのに、平気で同意する。米国も、シェール天然ガスを本格的にEUに回すまでに3年は必要なので、これも当面の「言うだけ融通」。

 これで、本気にG7の連中がロシア包囲を考えているとは到底思えない。ウクライナ経由でロシアの天然ガスに頼り切っている、バルカン半島諸国のガス供給をEUで賄うことが可能なのか怪しいものだ。ブルガリア、ギリシャ、トルコなどはヒヤヒヤものである。ドイツが原発を再稼働して助けるとでも言うのだろうか。三回の冬を無責任なシャンシャン会議でお茶を濁すとは、情けないアメリカであり、EUだ。彼らの、金魚の糞扱いされているとも知らず、安倍晋三も、道化師そのものだ。折角、世界の仲介者として振舞える機会を失った。これも、対中路線を誤った咎めである。

 今年中にでも、ロシアがウクライナへの天然ガス供給のパイプラインを止めた場合、どうなるのだろう。オバマの戦略は、ドル基軸が前提での話だが、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカのBRICS中心に、ドル以外の通貨貿易圏構想が強く打ち出された場合、対応に苦慮するばかりか、ドル基軸と云う張子の虎大国アメリカの武器は半分以上失われるわけで、終には、南アメリカ大陸、アフリカ大陸、ユーラシア大陸と云う、欧米機軸勢力に対抗する勢力が厳然と明示される。上述のような世界が、どんな世界なのか、現時点で筆者は想像がつかないが、ロシア、中国排除の時代錯誤外交は、西側諸国に痛恨の極みになるのかもしれない。

 話は違うが、マレーシア航空機がインド洋沖で墜落しました。そして、乗員乗客の皆さんは亡くなられたと思います。ほとんど無能丸出しのマレーシア政府に対し、中国側の興奮は最高潮に達している。ネット上では「信用できない」「証拠を示せ」「マレーシア軍が撃墜したに違いない」「マレーシア製品をボイコットしよう」などと騒がしい。現実問題、マレーシア政府は飛行機が墜落した根拠を、燃料が切れたのだから、墜落したに違いないと云う憶測に基づいて公式発表するのだから、中国が怒る意味も分かる。

 色々な説が語られるが、機長が自分が操縦する飛行機を「乗っ取る」と云う表現が適切かどうか別にして、おそらく、そうであったのだろう。過去において、飛行機乗っ取りで起きた事件を検証すれば、亡命を求め受け入れる国に着陸せよとか、仲間の受刑者を釈放せよとか、1兆円寄越せとか、何らかのメッセージがあって然るべきである。しかし、音信不通の儘、旅客機は消えたのである。メッセージなしの6時間飛行が自殺である可能性は極めて低いだろう。死にたいと思いながら、6時間のアップダウン飛行はあり得ない。それでは、もう一つのノン・メッセージは、何を意味しているのだろう。

 先日のコラムでも、さり気なく触れておいたが、テロ行為が目的に場合、無言で飛行を継続する可能性は非常に高い。「今から、どこそこに突っ込みます」と宣言するテロリストはいない。レーダーから完全に消えたのが、インド洋であることは確実なようだが、マレーシア政府やマレーシア航空や事故の技術分析を行っていたインマルサットの幹部が好き勝手を言っているようだが、余程事実関係が明確にならない限り、原因究明を軽率に語ってしまうなど、異例の連続である。何か、いまだ原因も判らないのだから、本来であれば「墜落」と云う言葉も適切でないのだと思う。「撃墜」された可能性も、現時点では否定すべきではない。

 筆者は偶然目にした記事だが、読者の皆様は以下の記事をどのように思うか、それぞれに考えていただくことにする。あまりも悍ましく、文字にするのは控えておく。ただ、ザハリエ機長が物見胡散で旅客機を操縦していたわけではないのはたしかだ。何かに向けた飛行であった可能性は十分ある。

≪ 故郷を返せ!インド洋の米軍基地ディエゴガルシア島
放送日: 2009/10/9(金)
 グアム島と並ぶ、もう一つ基地の島ディエゴガルシアに目を向けましょう。チャゴス諸島はインド洋に浮かぶサンゴ環礁です。その中心の島ディエゴガルシアには、巨大な米軍基地があります。
 アフリカとアジアの中間にあるこの島は米軍の重要な戦略拠点であり、アフガニスタンやイラクの爆撃基地として、またCIAによるテロ容疑者の第三国での拉致監禁(特例拘置引渡し)作戦においても重要な役割を担っています。
 この島に住民はいません。40年前この基地を建てたとき、島民はひとり残らず追放されたからです。ディエゴガルシア島だけでなく、近隣のペロスバニョス環礁やサロモン環礁などチャゴス諸島の島々から、住民が一掃されました。
  チャゴス諸島は英国領であり、島民たちはみな英国市民です。ディエゴガルシア島出身者たちは、自分たちを強制移住させた英国政府に対し、島への帰還 の権利を求める訴訟を起こして闘っています。
 ディエゴガルシア島出身者の指導者オリビエ・バンクールから住民の訴えを聞きましょう。またディエゴガルシア米軍基地と住民追放について本を書いたデイビッド・バインにも話を聞きます。 (中野)
ゲスト
*オリビエ・バンクール Olivier Bancoult チャゴス諸島難民組織(The Chagos Refugee Group)の代表。追放されたディエゴガルシア出身者の指導者
*デビッド・バイン David Vine Island of Shame: The Secret History of the US Military Base on Diego Garcia(『恥辱の島─ディエゴ・ガルシア米軍基地の秘められた歴史』)の著者
 ≫(デモクラシーNOW動画)

注:ディエゴガルシア米軍基地 イギリス政府によって、島全体がアメリカ合衆国に貸与されており、同国の海軍基地がある。インド洋にあるアメリカ軍最大の拠点であり、湾岸戦争やアフガニスタン攻撃、イラク戦争の際に、B-52戦略爆撃機、B-2ステルス爆撃機などがここより出撃した。アメリカの軍事戦略上の要衝である。グァンタナモ米軍基地は有名だが、それに匹敵する秘密性の高いブラックボックス米軍基地である。

風土の日本―自然と文化の通態 (ちくま学芸文庫)
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筑摩書房


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