世相を斬る あいば達也

民主主義、資本主義とグローバル経済や金融資本主義の異様な違いについて

●“身も蓋もなくなる話” 敗戦国日本はいまも健在、半分主権国家

2017年08月12日 | 日記
知ってはいけない 隠された日本支配の構造 (講談社現代新書)
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日米同盟のリアリズム (文春新書)
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米中激突 戦争か取引か (文春新書)
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●“身も蓋もなくなる話” 敗戦国日本はいまも健在、半分主権国家 

矢部宏治氏著作の『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』は、薄々理解していた日米関係の強靭な裏条約のようなものを、米国公文書など情報の裏づけ付きで、整理整頓して、読者に気づきを促している。矢部氏が書いているように、6,70歳を過ぎて満足な人生だと思っている場合は読まない方が幸せかもしれない、筆者もそう思う。気鋭の憲法、国際政治学者諸氏も、憲法論議が根こそぎ馬鹿げた行為のように思える日米関係の事実を知ることは、兎に角、とても痛い出来事である。

このような事実関係を認めてしまうと、日本に国会があることも馬鹿げや事実になってしまう。司法機関にも同様なことが言える。戦後の日本と云う国は、安保関連と国際関係をつかさどる権利をはく奪された、見せかけの独立国家だということが言えるのだろう。まぁ、多少の自治は認めてやる準国家と云う位置づけなのだろう。民間の国民や外国人に対する自治は認めるが、米国占領に関わる部分の決定権は、現在においてもアメリカに存在すると云うことだ。

つまり、日本の外交防衛(日米安保・日米地位協定)の主権は米国にあり、日本にはないと云うことだ。無論、表向きは日本政府が独自の判断で意思決定した上で行動しているように見えるように設えてある。日本国にあるのは、“国政”のみと言って良いだろう。外交安保はアメリカの差配及び官僚行政の忖度で実行されていると云うことになる。考えてみると、アメリカは、敗戦国である日本を支配する形態を徳川幕府に学んだようだ。

江戸時代も、お飾りの天皇(象徴天皇的)【注:大日本国憲法だけが天皇に主権があると主張した例外】が存在し、徳川幕府(横田幕府)があり、各藩が存在した。各藩は自治の権限を与えられ、各藩の藩主(大名・県知事)は、一定範囲の自治権を与えられ、藩政(国政)をつかさどった。或る意味で、マッカーサーは、江戸時代の幕藩政治を参考にしたのではないかと推量できる。265年間も日本国に根づいていた制度を参考にすることは理に適っていたわけで、長州テロ集団による大日本帝国憲法など、単なる一時のあだ花だと簡単に見破ったのだろう。鎌倉幕府から始まった制度だと思えば、日本国に680年間存在した制度なのだから、日本人のDNAに合っていたと考えるのも理にかなっている。

おそらく、半分以上の国民が、見たことも聞いたこともない“天皇”と云う“八百万の神的”存在を、意味もなく太陽を拝むように崇め奉ったわけだが、日本人には、そういう見えないものを信じる一種の国民的性癖あったのではないのだろうか。そういう存在が、あると云うことにして、日々の問題で解決不能な問題が起きると、その見えないものからの啓示を待ち望む精神構造があるのかもしれない。

それゆえに、アメリカが主権を持っていると薄々知っているが、見たことも聞いたこともない事にして、国政(藩政)の範囲で、ああでもない、こうでもないと、から騒ぎしながら、独立国の振りをして、白々しく生きているのかもしれない。小泉や安倍や菅や野田のような内閣総理大臣が出てきて、国家を滅茶苦茶にしようとしても、アメリカが歯止めをするに違いない、俺たちは許された範囲で、銭儲けに奔走すればいいのだから。そんな小狡い考えと云うか、肌感覚で生きているのかもしれない。

考えてみると、アメリカの主権で生きていると云うことは、アメリカの国際支配の枠組みの駒になるわけで、生かすも殺すもアメリカ次第だ。ただ、今まではアメリカに余裕があったので、生かさず殺さずの支配下にあったと認識して良いだろう。しかし、アメリカに余裕がなくなったらどうなるのか、まだ、誰も経験したことのない事柄が出現すると云うことになるわけだ。トランプのような大統領が生まれたことは、そのような時代が近づいていることを示唆している。

アメリカも、国務省と国防省の意見衝突は日常茶飯事で、本質的なアメリカのあり方についても、イデオロギー的な対立が存在している。国防省或いは駐留米軍にとって、朝鮮戦争の最中に得た、世界に類を見ない超優遇環境の日本における駐留は竜宮城のようなものなので、手放すなど狂気の沙汰だと信じている。何度となく、国務省側が、世界標準と比較して、常任理事国としての矜持に欠けているのだから、改善すべきだと意見しても聞く耳を持たない。この対立に、積極的に関与したアメリカ大統領は誰もいない。唯一、アイゼンハワー大統領が、軍産複合体が将来のアメリカにおける最大の脅威だと言った程度のものである。

かたや日本政府の側の対応はどうなのかと眺めてみると、以下のことが判る。朝鮮戦争以降、世界全体が東西冷戦構造の中で、自国の国家のあり方を構築していった。この構築が堅固な国ほど、東西冷戦終結後も冷戦構造から脱皮できず、同様の国家構造を維持したし、エスタブリッシュメントにとって、自分のキャリアを最大限に生かせる都合の良い枠組みなので、改革するどころか、その強化に勤しむという皮肉な現象になっている。安倍がプーチンと良好な関係を維持しているように見せているのは、一見、アメリカ何するものぞのパフォーマンスであり、支持母体“日本会議”向けのスタンドプレーに過ぎない。

日米の同盟は、簡単に言えば“占領支配と緩和協定”のようなものだから、肝心の憲法判断や、国土に関する主権問題や、安保関連は、米軍幹部と外務・防衛官僚によって決定される状況なので、日本政府が独自で行える外交や安全保障は、極めてローカルで些末な問題だけに限定されている。そのような状況下なのだから、北方領土返還交渉など絵に描いた餅である。交渉に入る前に、すべての日本の領土に、米軍基地を置くことが出来ると云う部分にメスを入れてから出なければ、交渉はあり得ないのだ。尖閣諸島も竹島も、同じようにアメリカの決定する核心であって、日本政府が何かできると云うのは、お飾り程度のお茶濁しと云うことだ。

以上、日米の関係を主に見てきたが、それでは、アメリカの力も落ちてきたのだから、外交安保の核心部分の決定権を日本政府に返還されれば、物事が思うように推移するかと云うと、そこが判らない。現時点における日本国民の政治リテラシーを勘案すると、より悪くなり、制御不能に陥るリスクも内包する。宗教、イデオロギー、哲学等々、目に見えないもの、手で触れないものへの関心を長いこと忘れてしまった国民国家において、人権を基礎とした自由主義、民主主義に則り、外交安保まで判断する能力があるか、はなはだ疑問だ。ゆえに、官僚機構は国民の主権行使の結果生まれた日本政府に主権に関わる重大な問題になるとイニシアチブを取ろうとしている。

自然や農業を半ば捨ててしまった国民。豊かさは、ことごとく金銭に変えられるものと受けとめている国民の体質があるわけだから、この重大な、外交安保の主権を手に入れることは、悦ばしいことのように見えて、実際は相当に怖い結果をもたらすという皮肉が内在している。欧米的価値観を普遍的だと叫びながら同化するアジアの民族が(安倍政府)が、極東地域において、他の国々から尊敬の念で見られるのか、そういうことに気がまわる国民でない限り、アジアの中心で一番輝く星になるわけもないし、なろうとしてはいけない。日本の国民が、金銭に換算出来ないものに価値を見出さない限り、安穏な主権国家の国民になることはない。


≪ 内閣改造でも絶対に変わらないこと
なぜ日本はアメリカの「いいなり」なのか?知ってはいけないウラの掟
私たちが暮らす「戦後日本」という国には、国民はもちろん、首相でさえもよくわかっていない「ウラの掟」が数多く存在し、社会全体の構造を大きく歪めてしまっているという。 たとえば2016年、安倍晋三首相による「北方領土返還交渉」が、大きな注目を集めたが、日本での首脳会談が近づくにつれて事前交渉は停滞し、結局なんの成果もあげられなかった。なぜ、いつまでたっても北方領土問題は解決しないのか。
はたして、この国を動かしている「本当のルール」、私たちの未来を危うくする「9つの掟」とは? 『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』の著者・矢部宏治氏が、「戦後史の闇」を解き明かす。

 ■事実か、それとも「特大の妄想」か
それほどしょっちゅうではないのですが、私がテレビやラジオに出演して話をすると、すぐにネット上で、「また陰謀論か」「妄想もいいかげんにしろ」「どうしてそんな偏った物の見方しかできないんだ」などと批判されることが、よくあります。 あまりいい気持ちはしませんが、だからといって腹は立ちません。自分が調べて本に書いている内容について、いちばん「本当か?」と驚いているのは、じつは私自身だからです。
「これが自分の妄想なら、どんなに幸せだろう」いつもそう思っているのです。 けれども、8月17日発売の新刊『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』をお読みになればわかるとおり、残念ながらそれらはすべて、複数の公文書によって裏付けられた、疑いようのない事実ばかりなのです。
ひとつ、簡単な例をあげましょう。 以前、田原総一朗さんのラジオ番組(文化放送「田原総一朗 オフレコ!」)に出演し、米軍基地問題について話したとき、こんなことがありました。ラジオを聞いていたリスナーのひとりから、放送終了後すぐ、大手ネット書店の「読者投稿欄」に次のような書き込みがされたのです。
<★☆☆☆☆〔星1つ〕 UFO博士か? なんだか、UFOを見たとか言って騒いでいる妄想ですね。先ほど、ご本人が出演したラジオ番組を聞きましたが(略)なぜ、米軍に〔日本から〕出て行って欲しいというのかも全く理解できないし、〔米軍〕基地を勝手にどこでも作れるという特大の妄想が正しいのなら、(略)東京のど真ん中に米軍基地がないのが不思議〔なのでは〕?>
もし私の本を読まずにラジオだけを聞いていたら、こう思われるのは、まったく当然の話だと思います。私自身、たった7年前にはこのリスナーとほとんど同じようなことを考えていたので、こうして文句をいいたくなる人の気持ちはとてもよくわかるのです。
けれども、私がこれまでに書いた本を1冊でも読んだことのある人なら、東京のまさしく「ど真ん中」である六本木と南麻布に、それぞれ非常に重要な米軍基地(「六本木ヘリポート」と「ニューサンノー米軍センター」)があることをみなさんよくご存じだと思います。 そしてこのあと詳しく見ていくように、日本の首都・東京が、じつは沖縄と並ぶほど米軍支配の激しい、世界でも例のない場所だということも。 さらにもうひとつ、アメリカが米軍基地を日本じゅう「どこにでも作れる」というのも、残念ながら私の脳が生みだした「特大の妄想」などではありません。
なぜなら、外務省がつくった高級官僚向けの極秘マニュアル(「日米地位協定の考え方 増補版」1983年12月)のなかに、
○ アメリカは日本国内のどんな場所でも基地にしたいと要求することができる。
○ 日本は合理的な理由なしにその要求を拒否することはできず、現実に提供が困難な場合以外、アメリカの要求に同意しないケースは想定されていない。
という見解が、明確に書かれているからです。 つまり、日米安全保障条約を結んでいる以上、日本政府の独自の政策判断で、アメリカ側の基地提供要求に「NO」ということはできない。そう日本の外務省がはっきりと認めているのです。
 ■北方領土問題が解決できない理由
さらにこの話にはもっとひどい続きがあって、この極秘マニュアルによれば、そうした法的権利をアメリカが持っている以上、たとえば日本とロシア(当時ソ連)との外交交渉には、次のような大原則が存在するというのです。
○ だから北方領土の交渉をするときも、返還された島に米軍基地を置かないというような約束をしてはならない。*註1 こんな条件をロシアが呑むはずないことは、小学生でもわかるでしょう。 そしてこの極秘マニュアルにこうした具体的な記述があるということは、ほぼ間違いなく日米のあいだに、この問題について文書で合意した非公開議事録(事実上の密約)があることを意味しています。
したがって、現在の日米間の軍事的関係が根本的に変化しない限り、ロシアとの領土問題が解決する可能性は、じつはゼロ。ロシアとの平和条約が結ばれる可能性もまた、ゼロなのです。
たとえ日本の首相が何か大きな決断をし、担当部局が頑張って素晴らしい条約案をつくったとしても、最終的にはこの日米合意を根拠として、その案が外務省主流派の手で握り潰されてしまうことは確実です。
2016年、安倍晋三首相による「北方領土返還交渉」は、大きな注目を集めました。なにしろ、長年の懸案である北方領土問題が、ついに解決に向けて大きく動き出すのではないかと報道されたのですから、人々が期待を抱いたのも当然でしょう。
ところが、日本での首脳会談(同年12月15日・16日)が近づくにつれ、事前交渉は停滞し、結局なんの成果もあげられませんでした。 その理由は、まさに先の大原則にあったのです。
官邸のなかには一時、この北方領土と米軍基地の問題について、アメリカ側と改めて交渉する道を検討した人たちもいたようですが、やはり実現せず、結局11月上旬、モスクワを訪れた元外務次官の谷内正太郎国家安全保障局長から、「返還された島に米軍基地を置かないという約束はできない」という基本方針が、ロシア側に伝えられることになったのです。
その報告を聞いたプーチン大統領は、11月19日、ペルー・リマでの日ロ首脳会談の席上で、安倍首相に対し、「君の側近が『島に米軍基地が置かれる可能性はある』と言ったそうだが、それでは交渉は終わる」と述べたことがわかっています(「朝日新聞」2016年12月26日)。
ほとんどの日本人は知らなかったわけですが、この時点ですでに、1ヵ月後の日本での領土返還交渉がゼロ回答に終わることは、完全に確定していたのです。
もしもこのとき、安倍首相が従来の日米合意に逆らって、「いや、それは違う。私は今回の日ロ首脳会談で、返還された島には米軍基地を置かないと約束するつもりだ」などと返答していたら、彼は、2010年に普天間基地の沖縄県外移設を唱えて失脚した鳩山由紀夫首相(当時)と同じく、すぐに政権の座を追われることになったでしょう。
 ■「戦後日本」に存在する「ウラの掟」
私たちが暮らす「戦後日本」という国には、国民はもちろん、首相でさえもよくわかっていないそうした「ウラの掟」が数多く存在し、社会全体の構造を大きく歪めてしまっています。 そして残念なことに、そういう掟のほとんどは、じつは日米両政府のあいだではなく、米軍と日本のエリート官僚のあいだで直接結ばれた、占領期以来の軍事上の密約を起源としているのです。
私が『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』を執筆したのは、そうした「ウラの掟」の全体像を、「高校生にもわかるように、また外国の人にもわかるように、短く簡単に書いてほしい」という依頼を出版社から受けたからでした。
また、『知ってはいけない』というタイトルをつけたのは、おそらくほとんどの読者にとって、そうした事実を知らないほうが、あと10年ほどは心穏やかに暮らしていけるはずだと思ったからです。 なので大変失礼ですが、もうかなりご高齢で、しかもご自分の人生と日本の現状にほぼ満足しているという方は、この本を読まないほうがいいかもしれません。 けれども若い学生のみなさんや、現役世代の社会人の方々は、そうはいきません。みなさんが生きている間に、日本は必ず大きな社会変動を経験することになるからです。
私がこの本で明らかにするような9つのウラの掟(全9章)と、その歪みがもたらす日本の「法治国家崩壊状態」は、いま沖縄から本土へ、そして行政の末端から政権の中枢へと、猛烈な勢いで広がり始めています。
今後、その被害にあう人の数が次第に増え、国民の間に大きな不満が蓄積された結果、「戦後日本」というこれまで長くつづいた国のかたちを、否応なく変えざるをえない日が必ずやってきます。 そのとき、自分と家族を守るため、また混乱のなか、それでも価値ある人生を生きるため、さらには無用な争いを避け、多くの人と協力して新しくフェアな社会をいちからつくっていくために、ぜひこの本を読んでみてください。
そしてこれまで明らかにされてこなかった「日米間の隠された法的関係」についての、全体像に触れていただければと思います。

*本書の内容をひとりでも多くの方に知っていただくため、漫画家の、ぼうごなつこさんにお願いして、各章のまとめを扉ページのウラに四コマ・マンガとして描いてもらいました。全部読んでも3分しかかかりませんので、まずは下に掲げたマンガを読んでみてください。


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≫(現代ビジネス>国際>内閣改造でも絶対に変らないこと・矢部宏治)


「日米合同委員会」の研究:謎の権力構造の正体に迫る (「戦後再発見」双書5)
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アジア辺境論 これが日本の生きる道 (集英社新書)
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