世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

「日本民族は隷属を好む」米国の共通認識 その認識をぶち壊せるのは有権者のみ

2012年06月29日 | 日記
忘れられた日本人 (岩波文庫)
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「日本民族は隷属を好む」米国の共通認識 その認識をぶち壊せるのは有権者のみ

 まだ、参議院の審議・採決が残る“消費増税法案”、野田よ、まだ枕を高くして寝るんじゃないぞ!寝首を刎ねられるかもしれんからな(笑)。とまぁ、少々引かれ者の小唄風に脅かすのだが、本当にまだ勝負は決していない。本当の勝敗は、次期衆議院選挙の比較第一党が何処になるかで判明する。法案の凍結乃至は廃案も可能なのだから、良い気になるものではない。

 今回の“財務省クーデター法案”である“消費増税法案”に反対票を投じた民主党創業者・鳩山由紀夫の声は、有権者国民は読んでおくべきである。彼の今回の反対票を投じた独白の中に、我が国の抱える、最も政治的に重要なファクトが含まれていると云う点だ。その重要な点に関しては、筆者が指摘などしなくても、賢明な読者の方々には判るだろうから、余計なことは言わない。是非、鳩山由紀夫をルピー等とプロパガンダに洗脳されずに、それなりに評価しておきたいものである。


≪ 社会保障と税の一体改革関連法案採決にあたって
  私は6月26日の衆議院本会議に緊急上程される「社会保障と税の一体改革関連法案」の採決において、政府提案の消費税法改正案につい ては、反対いたしました。

3年前の政権交代で国民が望んだのは、これで日本の政治が変わるということではなかったのでしょうか。そして、その多くの声に応えるために、最もしなければならなかったことは既得権との戦いであったはずでした。既得権により身動きが取れなくなっている政治、経済の現状を変え、国民の皆さまが主人公になって、もっと不公平感なく豊かさを感じて生きていけるような世の中にしよう、というのが我々の主張であり、官僚任せの政治から政治主導へ、それも国民が主導する政治にしようということでした。そのために総理大臣にまで押し上げて頂き、国民の圧倒的な支持の下、既得権に 甘えた集団にメスを入れる努力をしました。しかし、米国の意向を忖度した官僚、財務官僚、大手メディアなど既得権側の抵抗は凄まじいものがありました。その力に十分抗し得なかったのは私の不徳の致すところと申し訳なく思っています。
私が目指した方向は決して間違ってはいなかったと今でも思っていますが、その後の政権が、私を反面教師にして、「官僚、米国に抵抗したからうまくいかなかったのだ、そこをうまくやればいいのだ」と180度民主党の進むべき方向が転換されました。何のために政権交代がなされたのか、という憤りを強く感じています。再稼働を含む原発問題、TPPも全く同じ発想です。 そしてこの消費税増税法案です。消費税を上げることは、官僚中の官僚組織、財務省の悲願なのです。

この増税法案に対して地元の意見を聞きました。79%の方が反対意見でした。 また、消費税のアップはいずれやらなければならないとも多くの人々が思っています。 しかし、とくに地方にお住まいの方々にとって、一人平均10万円の増税はとても家計を厳しくしてしまうのではないでしょうか。まずは景気を良くすることが最優先です。

私は、「4年間は消費税を上げる必要はない」というマニフェストを掲げて戦った張本人であり、その間に、野田総理も言ったように、シロアリ退治を徹底的にやるべきであり、シロアリ退治をしないで消費税を上げても、甘い汁を吸いに来るシロアリにたかられてしまうことになるのです。

社会保障と税の一体改革と嘯きながら、社会保障の部分がよく見えません。最低保障年金や後期高齢者の問題など、一番強く訴えたことを、これから国民会議にかけるということであれば、国民会議で結論が出た時に、その財源をどこに求めようかという議論をしても遅くありません。

今民主党に必要なのは、原点に立ち返った政権与党としての理念と政策だと思います。
本来であれば今は、昨年3月11日に東北地方が受けた未曾有の大災害を、国民が一丸となって 団結と絆の名の下に復興を目指して力を合わせて尽力している真最中の筈です。
それが現実はその教訓を生かすことなくいつの間にか過去のこととして忘れ去られようとしています。政治の責任は3・11を風化させてはならないのです。
現執行部は政権与党としての使命を忘れ、先の選挙で国民がNGを出した旧態依然の自民党の姿そのものに成り下がってしまった感すらします。原発事故の影響で今でも16万に及ぶ人たちが放射能の洗浄も行われず避難生活を不本意 にも強いられているにも拘わらず、野田内閣は経済活動を優先するあまり、事故原因が究明されず国民の多くが疑問符を感じる中、原発再稼働に踏み切りました。そしてこの渦中に国民に負担を強いる消費税増税を自公民の談合政治で成し遂げようとは言語道断です。
民主党が政権与党として国民の期待を担うべきことは何なのでしょうか。

単なる消費税増税法案採決の数合わせだけをニュースの焦点として取り上げる報道も問題です。今はまだ東北復興の途中であり、福島の原発事故を教訓として今何を論じていかなればならないかに気づかなければいけないのです。マスコミは政局を占っているときではありません。復興に向けて日本が一丸となっている真摯な日本国民の姿に世界の多くの人々が感銘を受けた事実を忘れてはいけません。

民主党の創業者として立派に振る舞ってほしい、という声も党内から頂いています。
私は民主党を誰よりも愛していますし、その思いで今日まで行動してきたつも りです。
今は、民主党を正しい道に戻すことが私の役割であると思っていますし、間違ったことだけは絶対にやらないという覚悟で仕事をしたいと思っています。  6月26日  鳩山 由紀夫 ≫(鳩山由紀夫公式HPより)
*上記6月26日付の鳩山の表明文中の太文字は筆者

 鳩山の声明文の中で筆者が、元首相としてはヨク言ったな、と評価するところは、 ≪しかし、米国の意向を忖度した官僚、財務官僚、大手メディアなど既得権側の抵抗は凄まじいものがありました。その力に十分抗し得なかったのは私の不徳の致すところと申し訳なく思っています。 私が目指した方向は決して間違ってはいなかったと今でも思っていますが、その後の政権が、私を反面教師にして、「官僚、米国に抵抗したからうまくいかなかったのだ、そこをうまくやればいいのだ」と180度民主党の進むべき方向が転換されました。何のために政権交代がなされたのか、という憤りを強く感じています。再稼働を含む原発問題、TPPも全く同じ発想です。 そしてこの消費税増税法案です。消費税を上げることは、官僚中の官僚組織、財務省の悲願なのです。≫と云う部分。

 日本人が、米国の意向を忖度する、霞が関官僚組織とマスメディアや経団連等々の既得権益集団が、どれ程「民意」を無視して、政治主導政治を阻止しているか、それを鳩山がウィキリークス(暴露)した点は、非常に重要だ。判り切っている事のようだが、案外多くの国民は、未だに判っていないのである。米国の意向に何らかの形で反論、乃至は逆鱗に触れた政治家は、彼の祖父である鳩山一郎も石橋湛山も重光葵も田中角栄も本人も小沢一郎も、その多くが、米国の手により政治的打撃を蒙ったか、官僚マスメディアらによって総攻撃を受けたのである。この事を書き始めたらきりがないのでやめておく。

 しかし、このような米国支配から、幾多に亘り多くの政治家が迫害を受けたにも関わらず、それを唯々諾々と受けとめる日本人と云う存在は、“何なのだろう”と云う大きな疑問が残される。単に山本七平の「空気」だけで説明するのも安直過ぎるのだろう。原爆投下の非人道性について米国内で宗教団体を中心に論議盛んだった時、その鎮静化に成功したのがトルーマン大統領とマサチューセッツ工科大学総長のカール・テイラー・コンプトン氏だった。このコンプトンと云う人物が的確に日本人について述べた言葉を孫崎亨氏は「日本は事実上、軍人をボスとする封建組織の中の奴隷国だった。一般人は、一方のボスの下から他方のボス占領軍へ。彼らにとってこの切りかえは、生計が保たれていければ、別に大したことではないのである」と語っている。

 このコンプトン氏の、日本人を小馬鹿にしたような言動に腹立たしさを感じつつ、一抹の不安も憶えないものでもない。鎌倉幕府時代からの、日本における庶民の生活を思うにつけ、もしかすると正鵠を得ているのかもしれない、と云う不安である。徳川幕府の圧政の中でも、農民職人商人は強かに生きていた。支配者が信長でも、秀吉でも、家康でも、庶民は平気だった(笑)。この歴史的経緯の中に、日本人の生命力のルーツがあるのかもしれない。コンプトン氏に言われると腹立たしいが、日本民族には、隷属に堪え得る免疫力が備わっている可能性を感じる。この事は、どんな時代でも生きていける逞しい生命・生活力はある事を示しているが、哲学・思想・理念と云った類には、カラッキシ興味がない民族だと云う方向性も示している。

 しかし、筆者などは、その逞しさが政治を劣化させると考えるわけで、此処で納得してしまう訳にはいかない。(若干、無理をしている(笑))“誰が支配者だって生きていければ良いじゃないか”と云う日本人から脱皮しても良い時代が来ているような気がする。世界中の国が、自分の足で立ち、自分の意志で生きて行こうとしているのに、“平穏な隷属なら、支配者が誰でも構わない”はもうやめても良いような気がしている。この点も、書き始めたら切りがないので、今夜はこの辺で、オヤスミナサイ!

日本人はなぜ無宗教なのか (ちくま新書)
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