世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

琉球は独立運動を静かに進行させている 日本は沖縄を失う心配をするべき時期なのだが

2013年02月01日 | 日記
琉球王国 (岩波新書)
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琉球は独立運動を静かに進行させている 日本は沖縄を失う心配をするべき時期なのだが

 去る1月27日、「オスプレイの米軍普天間飛行場配備撤回を求める集会」が日比谷公会堂で開かれた。沖縄県の全41市町村長を含む4000人が参加した。集会後は銀座をデモ行進し、28日には官邸に乗り込みオスプレイや普天間移設県内断念を求める「建白書」を提出した。全国紙や飲み屋のドンチャン騒ぎに興じるテレビ局どもは、この動きを重大な問題として捉えない傾向がみられる。彼らは、テーマとして「沖縄県民への差別」を主張しているわけで、本土復帰40年を経ても米軍占領地としての地位に変わりがないことを訴えている。

 沖縄県、ほんの少し沖縄の歴史を戻れば琉球王朝、琉球政府である。今では、沖縄問題の識者の多くが、沖縄と言わず、琉球と云う表現を駆使するようになっている。彼らの意識の中に「琉球政府独立」と云うイメージが出来つつあることは、昨年あたりから明確になってきている。本土の国民は、対岸の火事のように眺めているが、意外に事は重大なのだ。安倍首相は、ことの重要さが少しは理解しているのか、菅義偉官房長官との面談し、「建白書」を渡そうとすると、突如安倍晋三が現れ「みなさんが要請に来たことは、私も思うところがある。意見に耳を傾け、これからも基地負担軽減に向けがんばりたい」と述べて、建白書を受け取ったそうである。

 筆者自身、聞きかじりのような沖縄への知識なので、軽々にコラムに書くことは憚られるが、島津藩が琉球を侵略し支配して移行、琉球人には一時の平和も訪れていない史実は、ざっと沖縄史を読むだけで理解できる。彼らが、本気で独立に向かって動き出した時は、時すでに遅しとなるだろう。たしかに、沖縄と本土の間には、ネイションの相違は存在する。しかし、ネイションの相違を呑みこむだけの気概もなく、日本政府は沖縄の本土復帰を果たしたのだろうか。現在沖縄県が負担している日米安保体制における価値は74%の米軍基地集結にとどまらず、米国のアジア重視政策や対中問題など含めれば、90%の負担を沖縄に負わせている現実に目を向けるべきである。琉球独立問題が国際化した時には、日米両政府ではコントロール出来ない状況になることを肝に銘じておくべきだ。或る意味で、今回の「建白書」は琉球の日本本土への“警告書”と受けとめておくべきだ。参考までに、沖縄タイムスの最近の社説を載せておく。

≪ 社説[政府直訴]状況転換への第一歩だ
 東京要請行動は、日本政府の事前の過小評価とは異なり、沖縄にとって歴史的な異議申し立てになるだろう。  オスプレイの配備撤回と、普天間飛行場の閉鎖・撤去、県内移設の断念。この二つの主張は、切り離せない一対のものである。
 県議会、市町村、市町村議会、商工団体、婦人団体などの代表が、立場の違いを超えて結集し、総理大臣あての建白書まで携えて、集会と要請活動を展開する。このような形で対政府行動を展開するのは、復帰後初めてである。
 東京行動は、もう後には引けないという沖縄発のメッセージであり、沖縄の住民意識に化学変化が起きたことを示すものだ。  安倍政権は、東京行動の歴史的な意味をくみ取り、沖縄の声に正面から誠実に向き合うべきである。
 沖縄県立看護大学の當山冨士子教授は20年以上、沖縄戦体験者の「こころの傷」を追い続け、聞き取り調査を実施してきた。昨年夏、八重瀬町、大宜味村を調査したとき、ある変化に気づいた。
 「おばあちゃんの口からしきりにオスプレイという言葉が出てくるんです。不安そうに、また何かあるんじゃないかねぇ、と。ニュースで知って言葉に反応しているんですね」
 耳をつんざくような軍用機の騒音に接して戦時の記憶をよみがえらせ、恐怖におびえるお年寄りは今も多 い。當山教授らの聞き取り調査では、およそ4割の体験者が沖縄戦による強いストレス症状を訴えたという。
 「戦争は終わっていない。何十年たってもまだ終わっていないということを知ってほしい」
 オスプレイ配備を、機能や性能などの軍事的有用性だけで評価するのは一面的だ。問題の根はもっと広くもっと深い。
 キャンプ・ハンセンに隣接する宜野座村城原区の泉忠信さん(83)は昨年11月から、飛来時間や機数などを簡単にメモした「オスプレイ日記」をつけるようになった。
 「上空を飛んでくるのでサッシの窓もテーブルも、がたがた揺れる。夜は無灯火でくるから怖いですよ。 住宅地域だということを知らせるため2階は電気をつけています」
 政府は、CH46ヘリからオスプレイへの一般的な装備変更だと説明するが、住民の実感はまったく正反対だ。県や市町村の調査では、昨年10月から2カ月間で、日米合意違反とみられる飛行が計319件もあった。全国6ルートで低空飛行訓練が始まれば、被害は全国に拡散することになるだろう。
 1996年、日米両政府が普天間返還に合意したのは、沖縄の基地負担を軽減し、普天間の危険性を除去するためだ。ところが今や、「世界一危険な飛行場」に、返還の見通しもないままオスプレイを配備し、日本政府の予算で滑走路を改修するのだという。危険性除去という本来の目的は一体、どこに雲散霧消してしまったのか。
 政府は、政治問題化するのを避けるため、自治体に対しても住民に対しても、配備計画を隠し続けてきた。積極的な情報開示を欠いた「知らされない構図」の下で、沖縄の声を無視して、配備が進んだのである。
 オスプレイ配備と尖閣問題を天秤(てんびん)にかけ選択を迫るのは、本土と沖縄の亀裂を深め、問題を複雑化させる。沖縄の過重負担の解消と尖閣問題の平和的解決は、東アジアの新たな地域秩序形成に向けて、セットで追求すべき政治課題だ。≫(沖縄タイムス1月27日:社説)


沖縄ノート (岩波新書)
大江 健三郎
岩波書店
小説 琉球処分(上) (講談社文庫)
大城 立裕
講談社
徹底討論 沖縄の未来 (沖縄大学地域研究所叢書)
大田 昌秀,佐藤 優
芙蓉書房出版


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