世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●安倍降ろしのメッセージか? 細川・小泉急浮上、朝日新聞の煽り報道に接し

2014年01月10日 | 日記
継体天皇と朝鮮半島の謎 (文春新書 925)
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●安倍降ろしのメッセージか? 細川・小泉急浮上、朝日新聞の煽り報道に接し

 東京都知事選は、宇都宮健児、舛添要一、田母神俊雄と並んだ時点で、舛添の優勢は動かしがたく、石原、猪瀬都政の焼き直しが続くだけか、と外野で愉しむ筆者は落胆していたが、どうも細川護煕元首相の出馬の輪郭がはっきりしてきており、俄然興味深い選挙戦の様相を呈してきた。舛添支援を決定した自民党都連は戦々恐々だろう。安倍官邸も、絶対に勝つ候補ということで、過去の恨み辛みを封印して舛添支援を固めていたわけだが、細川出馬、小泉応援体制の出現で、苦虫をかみつぶした気分になっているのだろう。安倍官邸の“絶対に勝つ”の法則が崩れる危機と言える。

 細川・小泉連合のワンイシュー「脱原発」は、小泉の最も得意とする局地戦に導く都知事選の流れになり、舛添が都知事NO1候補であると云う調査の前提が根本的に変わるわけで、自民党の迷走も見られるかもしれない。しかし、細川・小泉連合が、「脱原発」を唯一の旗印として、東京都知事選を闘い抜く、と云う選択は、かなり奇妙なテーマを掲げた都知事選になる。東京都民が、「脱原発」のフラグを支持し、細川護煕を都知事になったからと云って、「脱原発」が、国政にまで反映する保証はないわけだから、常識的には、都知事選の争点としては馴染めない部分も多い。

 しかし、東京都の一般的有権者にしてみれば、かなりの著名人が競う都知事選になれば、厳寒になるであろう2月の投票日うんぬんは別にして、盛り上がることだけはたしかだ。都政自体の多くは都の役人が行政を司っているわけだから、特に目玉な政策を除けば、舛添であっても、細川であっても、さして変わらない。宇都宮や田母神が知事になれば、これはかなりの変化が見られるだろうが、そこまでの変化を東京都だけ突出して起こされても、国政との絡みで、浮き上がってしまうリスクの方が高いと感じるだろう。田母神であれば、国も都も、手に手を取り合い軍国国家への道を明確に出す条件が揃い過ぎ、都民が自分で自分の首を絞めに行くようなものになるので、田母神の線は完全に消える。

 ただ、個人的には、田母神の出馬により、保守勢力の票の分散が期待出来るので、単純に舛添の独走にやや歯止めが掛かる程度の意味合いはあった。その場合、宇都宮の目がゼロではなくなるかもと思ったが、細川・小泉連合の登場となると、宇都宮の目も風前の灯火となりそうだ。宇都宮の政策の目玉もワンイシュー「脱原発」と云う点を考えると、巷間言われるように、細川・小泉連合と協議、一本化という考えも成り立つが、細川・小泉連合と宇都宮では、「脱原発」以外は全て異質と云う重大な問題があるので、現実的にはあり得ない。共産、社民党の支持を得ている宇都宮の立場はかなり左よりなわけで、細川・小泉連合とは水と油に近い。共闘協力関係はあり得ないと見る。

 そうなると、「脱原発」への共感で投票行動を起こそうとする有権者に迷いが生まれる。ワンイシュー「脱原発」というフラッグは同じなのだから、好き嫌いは別にして、細川・小泉連合の方が政治的経験では安心感がある。無論、その安心感が、単なる経験則による判断で、間違いである場合もあるが、有権者は、そこまで深く思慮して投票行動を起こすわけではない。細川・小泉連合のことを、マスメディアは煽るにいいだけ煽るだろう。舛添も“とばっちり”を蒙るが、宇都宮が受ける“とばっちり”の方が大きいだろう。このように推論を重ねていくと、細川・小泉連合は宇都宮、否、安倍政権延命の補助線ともなりうる。

 まさか、安倍晋三が舛添支持を表明した自民東京都連の決定を覆すとも思えないが、情緒的には細川・小泉連合に乗りたい気分だろう。安倍にしてみれば、国民から評判の悪いことを連続的に行い、国内だけでなく、海外、特に米国から胡散臭い目つきで見られている状況を打破したい感情もあるだろうから、トドノツマリ、公示後に舛添が消えたり、宇都宮が消えたり、現時点で確定的考えを披露するには至らない。個人的には、細川は日本新党立ち上げ時の松下政経塾政治家との関係もあり、野田佳彦の名がチラチラと散見するので、気分的にはすっきりしない。ただ、宇都宮では大衆受けしないであろうことも肯ける。

 仮に、細川・小泉連合が成立した時は、マスメディアの風も受け、理屈を離れて優勢な立場になるだろう。舛添にも、宇都宮にも、この連合の登場は不利に働くが、宇都宮が受けるダメージの方が大きいような気がする。大きな公約「脱原発」では一致するのに、宇都宮に逆風が吹くと云うのは皮肉なものである。これが小泉純一郎の高等戦術だとなると、安倍降ろしまで含めた日米の関係修復の大改造の端緒になるのかもしれない。米国、マスメディアの凝った、安倍晋三放逐のシナリオの臭いも感じられる。少々考え過ぎかもしれないが(笑)。


≪ 細川・小泉「元首相連合」なら構図一変 東京都知事選
 23日告示の東京都知事選まで2週間。細川護熙(もりひろ)元首相の名前が急浮上した。舛添要一・元厚生労働相が立候補の意向を示し、自民は支援する方向で調整に入ったが、構図が大きく変わる可能性が出てきた。

 • 細川元首相、都知事選候補に浮上

 ■手詰まり民主からは待望論
 本命の1人となる舛添氏が立候補表明するなかで、「脱原発」を旗印に、細川氏と小泉純一郎元首相の連携が実現すれば、都知事選の台風の目になる。
 細川氏は政治の世界から引退して約15年。再び表舞台へ駆り立てている要因は、原発やエネルギー問題への危機感だ。  細川氏が立ち上げた日本新党の関係者によると、細川氏は1月上旬、「安倍政権のエネルギー政策は国を過(あやま)つかもしれない。都知事選で有権者に脱原発を訴えることは重要だ。勝ち負けじゃない」と語ったという。
 すでに立候補した場合の準備も進めており、この関係者は「本人の判断次第でいかようにも対応出来るよう、全部準備はしている」と話す。
 細川氏が立候補するかどうかの大きなカギを握るのが、小泉氏の動向だ。
 両氏は昨秋に会談し、脱原発で連携していくことを約束していた。関係者は「細川氏が立候補すれば、小泉氏は絶対についてくる。小泉氏と組めば都知事選の構図が一気に変わる」と期待を込める。細川氏も小泉氏の動向を注視しているという。
 脱原発という一つのテーマで「細川・小泉連合」という政党の枠組みを超えた動きは、自民党や民主党など、既存政党に大きなインパクトを与えかねない。
 民主党には待望論が広がる。本命候補だったジャーナリストの鳥越俊太郎氏に固辞され、独自候補の擁立が困難な情勢に陥っていたからだ。「細川氏なら勝てる」「野党再編なんてチマチマした話ではなく、天下大乱の予兆になる」と色めき立ち、日本新党出身で細川氏に近い野田佳彦前首相のルートも使いながら、働きかけを強めている。
 ただ、細川氏は首相時代、小選挙区比例代表並立制を 衆院に導入することを柱とした政治改革を成し遂げた一方、約9カ月で首相を辞任した。在任中には国民福祉税を突然打ち出した後、すぐに撤回したこともある。政治資金の問題を追及されてあっさり辞任するなど、退陣の仕方も唐突だった。細川氏を知る人たちは「本心がつかみにくい」という評価でおおむね一致する。  
 細川氏を知る民主党議員は「周りには出したいと躍起になっている人はいるが、最後は細川氏が自分で決める」と冷静だ。同党幹部は「ボールは細川氏の方にある」と決断の行方を固唾(かたず)をのんで見守っている。
 一方、舛添氏を支援する方向の自民党は警戒感を隠さない。すでに細川氏の動きについて情報収集を開始。党幹部の一人は「細川氏だけなら怖くない。しかし、小泉氏が付けば、核融合を起こしかねない」と漏らす。
 
 ■「勝てる候補」舛添氏、かつては自民除名
 「五輪や防災の政策をつくる。基本的に無所属で出る」。舛添氏は8日朝、都内の自宅前で都知事選に立候補する意向を示した。
 舛添氏の意向表明で、各党の動きが慌ただしさを増している。都議会自民党は緊急総会を開催。「基本的な方向性が合えば、舛添氏でどうか」。吉原修幹事長の説明に反対論は出なかった。9日、舛添氏と政策協議を始める。会合後、吉原幹事長は「勝てる候補でないといけない」と語った。都連所属の国会議員も党本部に集まり、都議の意向を尊重することに決めた。  
 党本部では、安倍晋三首相と石破茂幹事長が協議。会談後、石破幹事長は「党本部としては都連の動向を見ていく」と述べた。安倍首相は8日夜、BS番組で「様々な感情は横に置く必要があるだろう」と語り、党として舛添氏支援を容認する考えを示した。
 ただ、舛添氏は、自民党が下野した後の2010年、「自民党の歴史的使命は終わった」と批判して離党し、新党改革を結成。自民党に除名処分を受けた。党内からは「ベリー・ベスト(最上)ではない」(首相周辺)選択肢との声があがる。参院自民党からは「支持するなら、けじめが必要」(脇雅史参院幹事長)と不満の声が漏れる。
 「打算の選択」の背景には、候補者選考の難航があった。猪瀬直樹前知事が辞任を表明した直後、首相も「とにかく勝てる候補を」と前のめりだった。だが、女性官僚や元都副知事らが浮上したものの固辞された。党の知名度調査では連続して舛添氏がトップ。次第に舛添氏に収束していった。
 舛添氏にとっても、都議会127人のうち59人を占める自民党は敵に回したくない相手。無党派層を意識して党派色を出さない方針だが、石破氏らには内々に「自民党との政策協定をのむ」と回答していた。
 民主党都連も8日、緊急会合を開いた。会合後、都連会長の松原仁衆院議員は「舛添氏との接触を本格化していきたい」と述べた。
 舛添氏は意中の一人で、昨年12月中旬から松原氏が接触を試み、12月31日には「求める都知事像を満たしている」と公言した。都議を中心に「支援すべきだ」という声が高まっている。
 一方、党本部には「特定秘密保護法や消費増税を強行した自民党と相乗りすべきでない」との声がある。会合後、松原氏は「舛添氏を含めて2、3人と協議している」とも述べた。 ≫(朝日新聞)

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