世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

勝栄二郎の動きは国家戦略、策謀の一環 国民は監視され、家畜の如く管理される

2013年03月03日 | 日記
インテリジェンス 武器なき戦争 (幻冬舎新書)
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●勝栄二郎の動きは国家戦略、策謀の一環 国民は監視され、家畜の如く管理される

 今やマスメディアは、安倍晋三の陳腐な政策に総出で賛辞をおくっている。否、ネットメディアの勢いも安倍ヨイショの情報が優勢になっている。人気ブログランキングなどもネトウヨに占拠されている。安倍が「ネット選挙は自民に有利」とウッカリ口走った言葉に真実が隠されている。このような現象は、菅が消費増税を口走った辺りから目立ちはじめ、野田が民自公3党合意で民主党を自民党に売り渡した時に火を噴き、安倍自民政権の成立で磨きがかかった。

 筆者が25年前、関係していたITの世界も様変わりした。当初は、小資本が大資本と互角に闘える場所がインターネットの世界と云う考えが主流だったが、実はそれは幻想に過ぎなかった。ネット通販が好例だが、当初はネット内の個人商店が、個人的に商品の蘊蓄などを紹介しながら商品を紹介することで、かなりの利益を生み事が出来た。ところが、10年くらい経つと小資本ネット市場に大資本が殴り込みをかけてきた。IT技術が小資本では追いつけないレベルに達し、バーチャルなネットの世界が、徐々にリアル世界と化し、豊富な在庫、素早い受発送、大量仕入れによる価格破壊と小資本を駆逐した歴史がある。

 そこに携帯、スマホと矢継ぎ早にIT通信派生商品が登場、IT技術を駆使するビジネスは大資本でなければ市場の規模や速度に追いつけないものになってしまった。このような例は、通販と云う次元だけでなく、情報コンテンツの質量を変貌させたし、あらゆる分野の情報発信、情報管理、時には情報操作の世界に深く食い込むようになってきた。このような状況の中、日本のIT技術のリーダーの一つに「IIJ」と云う企業の位置づけがある。詳細を語る程情報を持たないが、21世紀が「情報戦争」の時代である事は明白であり、単にビジネスの世界に限らず、国家間の権力闘争においても、このIT技術の優劣が勝敗の分かれ目的存在になってきている。

 その意味でも、財務省前事務次官・勝栄二郎の「IIJ」社長就任は、極めて意味深いものだと言える。以前、拙コラムで勝のIIJ顧問就任の際にも述べたことだが、昨年度の本予算で5800万円に過ぎなかった独立行政法人「情報通信研究機構」のIT関連事業に、今回の補正予算で500億円の予算がついた。幾ら大物次官の天下りの手土産にしても異常な予算付けである。この事には、相当程度の理由付けが存在するとしか思えない。麻生が「査定を急いだので、甘さがあったかもしれない」などと嘯いていたが、ネットの世界と云うかITの世界が国家レベルで関与する意思表示に違いない。

 「ムサシ」なる企業の投票読みとり装置にせよ、ニコニコ動画の創業時の経営にせよ、電通とチーム世耕の話題にせよ、自民党勢力と云うより、米国CIA関連の関与が強く印象づけられる。今後は「情報戦争」の意味合いでもIT技術の重要性は増すばかりだし、ハッカーとの対決も過熱するだろうし、ネット選挙解禁が、次にネット投票と云うターゲットを目指す方向まで見えてくる。筆者の憶測を加味すれば、憲法改正と云う手続きにおいては、「ネット国民投票」でも実施しないと、国民投票に5年程度の手続き期間を要するので、これを「ネット国民投票」で簡素化する狙いまであるような気がする。

 国家管理の戦略と云うか策謀は、このように考えて行くとアナログ思考の無力ささえ感じる昨今だ。鳩山や小沢がアナログな手法で、統治権力の策謀に悩まされた以上に、今度はネットの中でデジタルに操作される時代が訪れるのかもしれない。このような視点で観察すると、勝栄二郎の「IIJ」社長就任は、国家的意志を公然と表明している意味合いを持つのではないだろうか。一見、国家が毅然とした態度で、IT世界戦略に着手した善意に見えるが、裏返しに見るなら、ネットを通じて、国家が国民を管理する勢いが増したと受けとめる事も出来る。そういえば、“マイナンバー法案”も閣議決定したのだ。いかなる世界が訪れるのか、考えただけで嫌になる。

 昨日のコラム“安倍のミスマッチ”で右翼であるべき安倍晋三が、TPPに参加することで、日本の伝統文化慣習と主権者国民を米国に安値で売りつけたと云う安倍晋三の自己矛盾の話をしたが、彼らはどこまで、ITによる国家戦略の意味が判っているのだろうか。アナログな世界でも騙される日本政府、日本国民だと云うのに、今度はデジタルの中でも騙される。流石に筆者も、デジタルの中でまで騙されてしまうと、抵抗のしようがなくなる。多少ITの知識のある筆者でさえ、無力感があるのだから、IT技術にチンプンカンプンな人びとは、危機とか無力の感想すら持たずに騙されるのだ。日本はどこまで落ちるのだろう?

言葉の水割り ―― 酒と煙草と、ぼくの思いはインターネット
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