世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

日銀の1%の物価上昇目標「物価安定のめど」? 「冷温停止状態」同様の官僚用語

2012年02月15日 | 日記

 

なぜ日本は変われないのか 日本型民主主義の構造
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日銀の1%の物価上昇目標「物価安定のめど」? 「冷温停止状態」同様の官僚用語


 小宮山洋子のお陰で、最近は喫煙バッシングが盛んだが、読売に面白い記事が載っていた。アルコール依存症は昔からあったが、ニコチン依存症は最近保険が適用され、病気扱いにされた。健康保険適用ではアルコールの害の方が顕著で先輩格と云う事だろう。

 ≪ 飲み過ぎは4兆円の損…たばこといい勝負? アルコールの飲み過ぎによる社会的損失が年間4兆1483億円に達することが、厚生労働省研究班の推計でわかった。
研究班の尾崎米厚・鳥取大准教授(環境予防医学)らは、肝硬変の40%、浴槽での溺死の34%などがアルコールに起因するとする米国の研究を参考に、2008年の人口動態統計や患者調査のデータで推計。飲み過ぎで、脳卒中、がんなどの病気やけがの患者が計24万6000人、死者が3万5000人増えたとした。治療に1兆226億円かかり、69歳まで生きた場合に受け取れた賃金1兆762億円を失ったと見積もった。
研究班の調査で、働いている人でも男性の5・9%、女性の1・7%が「人間関係にひびが入った」「二日酔いで仕事を休む」などの飲酒による問題を抱えていた。こうした問題で労働生産性が21%低下するとの研究があり、損失は1兆9700億円になった。 さらに、飲酒交通事故なども考慮。総額は、たばこの社会的な損失(5兆~7兆円)にほぼ匹敵した。≫ (読売新聞)


 筆者のあくまで勘だが、アルコールとニコチンに対するバッシングに重大な差異が見られるのは、市場規模・産業規模に由来しているという感じがする。まぁ今日はこの問題に深く言及するつもりはない。日本の政界では、橋本徹の大阪維新の会が大ブームであきらかに泥縄で、次の衆院選に向けた公約集「船中八策」の叩き台をつくった。大阪都構想以外は、昔からアチコッチで聞かれていたビジョンの寄せ集めと云う感じで、特に新味はなかった。最も重要な「日本の姿」が見えていないのが最大の欠点だろう。ずらずらと書き連ねた感が否めず、取捨選択の整理、体系化が必須で、現時点は“メモ書き”と称するものだ。

 これだけ総花的「船中八策」を大阪都実現が最終目的の橋本が打ち出すことにも違和感がある。総括的「日本の姿」のビジョンなしに、実現困難に近い案を並べたてた真意は計りかねる。ウッカリすると一時の泡沫芸能人の代表になっているかもしれない。未だ「大阪維新の会」の公式HPに、この「船中八策」が載っていないところをみると、彼一流のブラフの範囲かもしれない。当面、静観する方が利巧なようである。

 枝野経産相と米倉経団連会長のバトルも面白いが、一部には「根本的に東電は倒産させるべきだった」と云う主張がある。たしかにその通りだが、今さら後戻りできない状況である以上、税金の投入に見合う権利を国民が持つのは当然の事で、過半数の株を取得し経営に関与するのが自然だ。問題は、その国民の代わりを経産省が実行する点が問題なのだ。東電の監視を通し、経産省・財務省の利権の温床再発防止策をどうするか、こちらを議論すべきである。

  筆者自身は、官僚の天下りを全面的に否定するものではない。問題は、その評価なのではないのか。生活の為に天下るのではない役割分担を与え、実行させるのなら、悪い選択だとばかりは言えない。その為には、根本的に官僚統治機構の力を半減させる事が最も重要だ。彼らの力の源泉は、予算編成の権利とその予算分配の権利、そして優遇措置などの行政官僚の裁量権なのだ。小沢一郎は、この部分において、日本の誰よりも知っている。そして、その権利を国民の生活に役立つものにチェンジしようとしているので、筆者は支持している。

 日銀が重い尻を上げて、1%の物価上昇目標を金融政策決定会合で決定した。FRB・バーナキンの尻馬に乗った形だが、あちらは既にインフレ傾向にあったわけだ。そこで2-3%のインフレターゲットを設定したわけだが、我が国な場合、10年近いデフレ状況だったのだから、本来米国と同等乃至はそれ以上のインフレターゲットを設定しないと、殆ど意味をなさないだろう。挙句に「物価安定のめど」と云う言葉を使っている。この曖昧さ、マヤカシは「冷温停止状態」と同義である。

 要するに、幾ら日銀が国債・社債ジャンジャン買いますよ、そして円を市場でジャブジャブにします、と云っても、肝心の国債、社債を発行する奴らがいなければ、この話成り立たないのだ。このような世界経済の中で、設備投資に前向きになるムードはゼロ、仮にあっても大企業は内部留保の取り崩しで賄える。そもそも、長期にわたる金融緩和で市場の金はダブついている。民間ファンドで資金調達も可能だ。この間、欧米はドルやユーロを財政出動名目で3倍にしている時、日本は横ばいなのだから、円高は当たり前なのである。

  買い取る社債がないのなら、最後に残った日銀の1%の物価上昇目標「物価安定のめど」を実現するには、国債の発行しかないことになる。しかし、枠は10兆とセコイ数字が出ているので、これも限定的だ。となると、この日銀の政策決定は何だったのか?となる。ここがポイントだ!野田の消費増税路線に無理やりセットとして導入された日銀政策決定と読むのが正解であろう。つまり、増税すると景気は好くなると云う、前代未聞の理屈を糊塗する為の、茶番劇だと考える。消費増税をし、インフレターゲットを設定し、如何にも景気が好くなるような錯覚を国民に与えるための茶番なのだろう。ダマシ絵というものがあるが、まさにダマシ演劇。絵画や演劇なら、ダマシも文化芸術だが、政治におけるダマシは最悪だ。すべては財務省の官僚どものシナリオだろう。

 橋下も脱線気味だし、やはり溺れる国民が縋る藁は小沢一郎しか残っていないようだ。たとえは問題があるが、一応見せかけでも民主主義体制の国で、考え得る、期待し得る政治権力が、個人の人気に頼らなければならないと云う現状は狂っているのだろう。これもあまりに中央集権・官僚機構が盤石過ぎて、国民の代表である政治家、政党を矮小蔑みの対象にしてしまっているのだろう。これでは個人崇拝の独裁政治に近い。橋下だ、小沢だ、石原?だ。野田や谷垣でない点が、いと可笑し。





日本いまだ近代国家に非ずー国民のための法と政治と民主主義ー
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