世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●「パナマ文書」 開き直る金持ち、大山鳴動鼠一匹見つからず?

2016年05月11日 | 日記
税金を払わない巨大企業 (文春新書)
クリエーター情報なし
文藝春秋


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●「パナマ文書」 開き直る金持ち、大山鳴動鼠一匹見つからず? 

菅官房長官の、「パナマ文書」に対して、鼻もひっかけない態度を、ネットで拡散され、態度を改めたようだ。6日の例の「問題なし」態度から、10日には、真摯に向き合う姿勢を示した。但し、あくまで政府ではなく、課税当局という行政機関に丸投げした。しかし、チョッと待てよ。伊勢志摩サミットでも、主題の一つに上げざるを得ない国際的問題なのだから、「その件は、課税当局に任せている」などと云う会話を、ホスト国の安倍首相にさせる積りなのだろうか。おそらく、官邸内では、この「パナマ文書」の扱いで、インテリジェンス欠乏の事態に陥っている事が窺える。

≪ 菅官房長官「軽はずみなコメント控える」
菅義偉官房長官は6日午前の記者会見で、パナマの法律事務所から流出した内部文書で世界の政治家や著名人がタックスヘイブン(租税回避地)を利用して資産 隠しを行っているとされた問題について、「文書の詳細は承知していない。日本企業への影響も含め、軽はずみなコメントは控えたい」と述べた。「世界全体で 租税回避について連携している中、今回新たにこうした実態が報道ベースで発表された」とも指摘した。日本政府として文書を調査する考えはないという。 ≫(産経新聞)

 ≪パナマ文書 菅官房長官「適正公平な課税の実現変わりない」
菅義偉官房長官は10日午前の記者会見で、世界各国の政界関係者や富裕層のタックスヘイブン(租税回避地)利用を示した「パナマ文書」に日本の企業や個人 名が記載されている件に関し、「適正、公平な課税の実現に努めるべきということは全く変わりない。今後も適切に対応していく」と述べた。
 菅氏は「政府としては個別の事柄について答えるのは控えたい」と言明。その上で、「課税当局はあらゆる機会を通じて情報収集を行うとともに、問題の取引が認められれば税務調査を行う基本姿勢は全く同じだ」と強調した。 ≫(産経新聞)


この「パナマ文書」に関しては、日本のマスメディア報道を見聞きしていては、尻尾どころか、合法に名を借りた「税金を払いたくない企業や個人」を炙り出すことは不可能だ。タブロイド紙、ネットメディアや、個人のTwitter、blogなどに頼る方が、少しでも真実を掴むことが出来るだろう。正直、政治家や公職に就いているものには、守銭奴だったという評判は、現実にダメージがあるが、企業家にとって、或いは大企業にとって、合法な以上、痛みは殆どないだろう。マネーロンダリング関連は影響を受けるかもしれない。ただ、マスメディアに期待するのは、安倍官邸に期待するのと同様に、骨折り損な期待になるものと思われる。そんな意味も込めて、出だしの引用記事は、日刊ゲンダイさんの記事を引用する。

 ≪ ソフトバンク、丸紅も…「パナマ文書」21万社公開の衝撃
「パナマ文書」の全容がついに解禁だ。文書の分析にあたる国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は日本時間10日午前3時、タックスヘイブンに設立された約21万社以上の法人と、それに関連する約36万の企業や個人の名前、住所のリストをホームページ上で公開した。
 日本在住者や日本企業の名前は重複を除くと32都道府県の日本人約230人、外国人約80人、企業などが約20に上る。ソフトバンクのグループ会社や伊藤忠商事、丸紅などの名前を含んでおり、実態が不透明なタックスヘイブンを日本企業が幅広く利用していることが明らかになった。
 公開されたのは英領バージン諸島や米ネバダ州、香港をはじめとする21の回避地で設立した法人に関する登記情報などの資料。租税回避地での法人設立を請け負うパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」の作成した約1150万通にも上る膨大な資料から、ICIJがリストアップした。国ごとに分類されており、キーワード検索も可能だ。 ソフトバンクは取材に「中国企業の要請で出資したが、撤退した」と答え、伊藤忠と丸紅は「適切に納税している」と説明した。租税回避地は法人設立手続きが 容易とされ、多くの企業が節税以外の目的でも利用している。日本では利用者が適切に所得などを申告すれば、脱税に当たらないのも現実である。
 とはいえ、一般庶民の目線で見れば、莫大なカネがあるから租税回避地を利用できるわけで、マイナンバー導入によって所得と資産が政府に監視され、課税を強化されつつある庶民にすれば不公平さを感じるのも当然だ。実名が公表された企業は「行き過ぎた節税」を疑われるのは必至で、イメージ悪化は避けられない。
 パナマ文書をめぐり、アイスランドのグンロイグソン首相が4月に資産隠し疑惑で辞任。ロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席など有力者の不透明な資産運用も取り沙汰されたが、現時点で日本の政治家の名前は確認できていない。
 ICIJは情報公開で幅広く市民からの協力を求め、実態解明を進める意向だ。
 ICIJ「Offshore Leaks Database」  ≫(日刊ゲンダイ)


この「パナマ文書」のリークには、様々な意味合いが込められている可能性が考えられる。プーチン、習近平に関しては、取りあえず載せておいた程度で、ご本人に到達するようなドジを踏む人たちではない。まあ、西側メディアのネタにはなるが、それ以上でも、以下でもない。キャメロン首相は、直付けされているので影響はかなりある。尚且つ、英王室や英国自体、このタックスヘーブンで生き永らえている面があるので、影響は大きい。ある側面から見ると、英国の存在理由の経済的イニシアチブを失う危機でもある。英国のEU離脱問題も絡んでいるのかもしれない。

次に、目立つのが、最近、訪日したウクライナのポロシェンコ大統領の醜聞(脱税)だ。ポロシェンコ大統領潰しは、誰が仕掛けているか判らないが、ウクライナ問題程度で、ロシアを蚊帳の外に置くのは、そろそろやめようではないかと云うメッセージだろう。オバマも近々居なくなることだし、これ以上ロシアとの経済利権を距離を取るのは、もう無理だと云うメッセージである可能性が高い。この「パナマ文書」の意味合いを、合法的脱税をする連中程度の話で矮小化するのは間違いだ。国際政治の闘争の現場なのである。序でに、個別の企業や個人を俎上に乗せただけと云う感じがする。

「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)サイトのOffshore Leaks Database(オフショアリーク)検索が可能。様々な企業名や個人名を検索するので、結構大変。ただ、別名のパーパーカンパニーを作られてしまえば、打つ手はあまりない。今回は、全体の一部だと云うので、公職者、政治家などの名がヒットすれば、スキャンダルだが、企業家や創業家は、そもそも、節税に熱心なわけで、報道されても、心境はホリエモンに近いのだろう。ただ、言い回しに気をつけている程度の違いだ。以下に確認した、企業らしき名前を羅列しておくが、この企業名と現実の企業が一致しているかどうかは、詳細に調べないと判らない。

■掲載されていた企業名の一部(順不同)
サントリー、オリンパス、資生堂、コナミ、ダイキン、オリックス、キヤノン、住友金属、富士電機、住友不動産、楽天、TEPCO、NTT docomo、NIKKEI HOLDING 、ドリームインキュベーター、NHK、創価学会株式会社、AEON ASIA LIMITED(イオン)、ソフトバンク、や伊藤忠商事、丸紅 電通、日本生命、JAL、ライブドア、ダイソー、東京個別指導学院、ドワンゴ NEC、三井、TEPCO、住友不動産、キャノン、オリンパス、資生堂、ファースト・リテーリング、ジャフコ、JAL、石油資源開発 、丸紅、 三菱商事、 商船三井、日本紙パ、双日、日本郵船‥等。個人では警備大手のセコムの創業者(飯田亮氏ら)、コーヒー飲料大手UCCグループ代表者(上島豪太氏)

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1 コメント

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Unknown (武尊)
2016-05-11 20:29:51
読売は名前を集られたという甘利的陰謀論。産経は問題ないで押し切る心算(笑)
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