世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●アメリカの独善から離れる独仏 ネオコンに接近バンザイの日本

2015年02月09日 | 日記
崖っぷち国家 日本の決断
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●アメリカの独善から離れる独仏 ネオコンに接近バンザイの日本

 日本人ってのは、どうにも判らないところが多い人々なのだと思う。筆者も日本人だから、何となく、何故そうなるのかもわかる。「グローバル化」だと、オウム返しは出来るのだけど、グローバルが、どういう意味か漠然としか認知していない。世界経済が国境の枠を乗り越えて、ダナミックに動くのだな、まあ、そのレベルの認識だろう。それで一般的には充分なのだが、仮にその程度の認識でも、世界の動きと、そのグローバル化は、緊密な関係にあるくらいまでは理解できるはずである。

 ところが、国内の話題には、それなりに感情のフックに吊りあげられて、やいのやいのと騒いだり、意見を述べるのだが、どうにも島国から外に出て、海を渡った情報からは耳も目も背けるようである。おそらく、そこまで考えを至らせるほど余裕がないと云う面もあるだろうが、多分、英語の力のなさが影響しているのだと思う。プロパガンダを意図した各国の日本語報道はあるが、それら情報は限定的なので、逆に偏るリスクもある。しかし、世界の動きを観察せずに、国内政治を議論しておけば事足りると云う考えは、かなり間違っている。

 グローバルだと言っている矢先から、鎖国国家のような目線で議論するのだから、結局、なんにも判っていないのと同然になる。否、それなら無関心の方が、まだ害がないかもしれない。アフガンにおける、対ロシアへ勢力を育てる過程でアルカイダを生み、アルカイダが9.11を起こしたと言って、イラク戦争を起こす。当時のフセインも、本を糺せば、対イラン勢力としてフセインバース党を支援していたのだ。つまり、アメリカの軍産複合系勢力(ネオコント同義に近く、日本外務省アメリカンスクール出身者はこれに属する)は、アメリカの大統領の動きを制約するモグラ叩きを、世界を股にかけて実行させているだけなのである。

 それとも知らず、アメリカの軍産複合系勢力こそが、唯一アメリカの意志だと思い込んで動いている日本と云う国は、世界の識者から、どうなっているのだ、あの国はと思われるわけである。折角、与えられていた「中立」と云う地位を、自ら金を掛け、国民の命を掛けて、唯々諾々と捨てに行くのだから、面白い国だと思われるのは当然だ。積極的平和外交で、おじいちゃん、お坊ちゃんを救出するためには、集団的自衛権だと喚いていたが、積極的平和外交とは、火に油を注ぎ、敵を怒らせ、金をばら撒き、国民の命を意図的にさらに危機に追い込んだのだから、凄腕である。

 核武装し、通常軍事力もあり、人質救出特殊部隊を持ち、尚且つ敵対国と捕虜交換を行うだけの捕虜を確保している、英国、米国と同じことを、内々尽くしで安倍晋三は実行しようと云うのだから狂気だね。ただ、俺って格好いいだろうと云う自己満足の為にである。しかし、嘘か本当か判らないが、イスラム国人質事件では6~8割の人が適切と云うのだから、もう話にもならない。イスラム国問題で多忙なオバマを尻目に、独仏の首脳は、泥沼化しつつあるウクライナ問題を早急に解決しようと、ロシアと深くコミットし始めている。国際性ゼロなのは、我が国だけかもしれないのに、国際社会と云う言葉が大好きな、奇妙な政府であり、国民である。

 時系列にニュースを並べてみるとよく判るのだが、ウクライナ問題で疲弊しているのは、ロシアとEU諸国であり、アメリカはロシアとの関係が、そもそも疎遠なので、経済制裁など痛くも痒くもない。しかし、ロシアとEUは経済上、高度にグローバル化されていたのだから、双方の痛みは双方の崩壊にまで結びつく重大事なのである。このウクライナ問題への当初の介入は、オバマも認めるもので、対中包囲物の一環として、まずはロシアの孤立を進める、アメリカの戦略に沿って行われた。

 しかし、計画が狂ったのは、ロシアの電光石火のクリミア併合により、戦略の大誤謬が起き、シナリオの書き換えが不可能になっているのが現状なのである。マケイン議員とホワイトハウス、ヌーランドが、僅かなカネとクーデターシステムを作動させたのだが、雇い入れた連中に多くのネオナチが含まれており、ウクライナ・ポロシェンコ大統領は手足をもがれた状態で政治に携わっている。現地では、兵隊不足に陥り、兵役義務のある連中は国外逃亡、傭兵だけに頼る南部東部戦線になっている。

 そうなると、自軍の死人を少なくしようと取られる戦術は無差別爆撃だ。ウクライナ政府が、傭兵を利用して、ウクライナ人を殺す戦争をしているのだから、やめたくなるのは当然だ。そこで慌てたアメリカは、またまた口先介入で、和平プロセスに難癖をつけるために、バイデン副大統領を急きょ派遣して、茶々を入れているのが現状だろう。三度目の正直になるウクライナ和平交渉だが、そろそろ、EUロシア双方の尻に火がついた状況なので、アメリカの茶々は、今回は通用しないだろう。原油暴落にしても、サウジがアメリカ離れの姿勢を見せているわけだが、日本だけは、突出してアメリカに接近しようとしている姿は、国際社会では異様に見えている(笑)。


≪ 独仏ロ首脳が会談、ウクライナ停戦合意履行へ共同文書の作成目指す
[モスクワ/ベルリン 6日 ロイター] - メルケル独首相、オランド仏大統領、ロシアのプーチン大統領の3カ国首脳は6日、ウクライナ情勢をめぐって5時間以上にわたり会談を行った。ウクライナ東部の停戦合意(ミンスク合意)の実施に関する共同文書の作成を目指すことで一致した。 ザイベルト独政府報道官は声明で「独仏首脳からの提案に基づき、ミンスク合意履行に向けた共同文書の作成にこれから取り組む」と述べた。 ロシアのペスコフ大統領報道官によると、この日の会談は建設的かつ中身のある内容だった。8日にはウクライナを含めた4カ国首脳による電話会談が行われる見通し。 ≫(ロイター)

 ≪ ウクライナ問題対応、米国とEUの結束必要=バイデン氏
[ブリュッセル 6日 ロイター] - バイデン米副大統領は6日、米国と欧州連合(EU)はウクライナ問題への対応で結束する必要があると表明するとともに、ロシアのプーチン大統領は和平を呼びかけながら自国の軍部隊をウクライナに派遣していると批判した。 バイデン氏はEUのトゥスク大統領との会談を前に、「米国と欧州は結束し、断固たる態度を取る必要がある。ロシアは欧州の地図を塗り替えようとしているが、それを許してはならない」と述べた。 そのうえで、「ウクライナは改革を推進するためにわれわれの金融支援を必要としている」と語った。 トゥスク大統領もまた、ウクライナ問題をめぐりロシアに圧力をかけるため、EUと米国は協力する必要があると述べ、西側諸国を分断しようとする試みに抵抗するべきだと述べた。 ≫(ロイター)

≪ ウクライナと独仏ロ、11日に首脳会談 共同文書採択へ
【モスクワ=田中孝幸】ロシア、フランス、ドイツ、ウクライナの4カ国首脳は8日、戦闘が激しくなっているウクライナ東部の収拾策について電話協議し、11日にベラルーシの首都ミンスクで4者の首脳会談の開催を目指すことで一致した。ロシア、ドイツ両政府が明らかにした。 4カ国は11日の首脳会談で、形骸化している昨年9月の停戦合意の履行措置を盛り込んだ共同文書を採択したい考え。その準備のために9日に4カ国の外務次官級会談を開くほか、10日には親ロシア派武装勢力とウクライナ政府の代表者による協議を開催する予定だ。   ウクライナのポロシェンコ大統領は8日、4カ国首脳の電話協議で停戦に関し「進展があった」と発表。ロシアのラブロフ外相も同日、11日の4カ国首脳会談による事態収拾に期待感を表明した。ただ、東部での支配地域の境界線画定などの問題ではウクライナ政府と親ロ派の立場の隔たりはなお大きく、新たな合意に 至るかは不透明な要素も残っている。 ≫(日経新聞)

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1 コメント

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日本のことわざ (晩酌をかかさぬ間抜けな米寿)
2015-02-09 19:24:15
【民の口を防ぐは水を防ぐよりも甚だし】 
人民の言論を権力によって押さえつける(弾圧する)ことは、水の流れをさえぎって止めるよりも害が多い。むりやり言論を弾圧して人民の怒りが爆発したら、世情騒然として穏やかでなくなり、堤防がくずれて水があふれ出るどころの騒ぎではない。

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