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「ロッテを地獄に落とそう」バッシングで露呈した中国の帝国主義的体質 いずれ日本企業も標的に

2017年03月09日 14時51分40秒 | 国際・社会
 中国で今、韓国企業ロッテに対するバッシングが猛威を振るっている。

 ことの発端は韓国における米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の配備である。米韓間で配備が決まって以来、中国政府は異様な執拗(しつよう)さで猛反発しているが、その論理は実におかしい。韓国が国土防備のために防御用の迎撃システムを配備することに対し、中国は自国の攻撃用ミサイルが無力化されるとの理由で「中国の安全に対する脅威」だと主張する。あたかも、凶器をもった強盗犯が民家の戸締まりを「脅威」だと騒いでいるかのようなものである。

 このような横暴な外交姿勢は中国という国の帝国主義的体質を十分に露呈しているが、こうした中で中国は、韓国の一民間企業に対しても牙をむいてきたのである。

 先月27日、ロッテ経営陣が韓国政府からの要請を受け、THAAD配備への土地提供を決めると、中国政府主導の「ロッテバッシング」がすぐさま始まった。

 中国外務省の耿爽報道官は28日の記者会見で「中国のTHAAD反対への意思は固い。国益を擁護するために必要な措置を必ず取る」とコメントすれば、同じ日、中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は、ロッテを中国市場から締め出すことを堂々と主張した。最大の国営通信社である新華社に至っては、「中国はロッテを歓迎しない」との論評を掲載し、「中国の消費者はこのような企業と製品に“NO”と言うべきだ」と、ロッテ社の製品やサービスに対するボイコットを公然と呼びかけた。

 中国で新華社は政府の代弁者だから、そこからの「ボイコット呼びかけ」は当然、中国政府の意向だと理解されている。それを受け、「ロッテを地獄に落とそう」との大合唱が全国のネット上で巻き起こり、翌3月1日、一部のテレビや新聞紙はあちこちのロッテ関連の商業施設に押しかけて直撃取材を行った。

 取材したメディアは一斉に、ロッテのお店が閑古鳥となったことをうれしそうに報告するのと同時に、「ロッテが過ちを改めないかぎり、私たちは絶対その製品を買わない」との「街の声」を数多く拾って、より一層あおりをかけていたのである。
 このように、政府のあからさまな主導で、官製メディアが先頭に立って一般国民をあおり立て、外国の一民間企業に対する総攻撃戦のようなボイコット運動を展開し始めた。それは、トウ小平時代の改革・開放以来初めての異様な光景である。

 かつての江沢民・胡錦濤政権時代、いわゆる歴史問題や尖閣問題が日中問題の焦点となったとき、中国の民間で日本企業や製品に対するボイコットの声が広がったことは度々あるが、そのつど、中国政府は国際世論に対する配慮と、さらなる外資誘致の促進といった思惑から、民間のボイコット運動にブレーキをかけていた。しかし今、まさしく中国政府の方が民衆をあおり立てて、外国企業に対するボイコットを広げようとしているのである。

 内政と外交の両面において、露骨な「力の論理」を全面的に押し出して目的達成のために手段を選ばないのは、今の習近平政権の最大の特徴である。おそらく今後、中国がどこかの国とけんかするたびに、その国の企業をもいじめの対象にして本国への外交的圧力をかけるのは、習政権の常套(じょうとう)手段となっていくのであろう。

 その中でも、特にターゲットにされやすいのは中国との間で多くの問題を抱える日本企業である。ロッテの今日は日本企業の明日となる可能性が大いにある。日本の経済界と政府は今後、「帝国主義中国」との付き合い方を根本から直さなければならないのであろう。

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