べってぃのぱっしょん

ビビッとくると「パッション感じた」と言ってしまいます。平たく言えば、好きな物の寄せ集めデス。

『愛の歯』

2008-09-17 21:10:37 | 中華圏映画
一般公開で観た映画の覚え書きも滞りまくりですが、ちょっとそれは置いといて(笑)とりあえずアジアフォーカスのお話。
2年ぶりのアジアフォーカス、ワクワクしながら新幹線で福岡へ。
まずは映画祭初日の13日、朝一の中国映画『愛の歯』からスタート。

文革直後からの10年間で、一人の女性が経験する3つの愛を描いた作品。
同級生から想いを寄せられる不良学生時代、大学生の頃の不倫の恋、そして結婚。
異なる世代の違う女性(親子を含む)の恋愛を描いた作品は結構ありますが、一人の女性の恋愛となると意外とないような気がします。
(私が見てないだけか)
10代から(おそらく)40代を演じたイエン・ピンイエン、基本的には「中谷美紀似だなぁ」と思いながら観ていたのですが、時にチェ・ジンシル、時にアニタ・ユン、時に津田寛治(えぇ!?)と角度によって微妙に印象の変わる女優さんで、他の作品も観てみたくなりました。
願わくば、笑顔が見せてほしいなぁ。

上映後のティーチインでは監督とその奥様であるプロデューサー(こういうパターン多いですよね)が登場。
背景が背景だけにとかく文革に対して言及されがちだが(多分たくさん質問されたんでしょうな)、監督としては確かに自分にとっても文革は特別な時代ではあるが、社会的、政治的なことよりも、個人の歴史に焦点を当てたかったとのこと。
とはいっても、文革後というのはそれまで植え付けられた価値観が見事に逆転してしまう訳で、そのことが個人に与えた影響(後遺症と言ってもいいかもしれません)はやはり大きいということは想像に難くない。
冒頭の少女時代では、自分が女性であること自体をうまく理解できないが故に相手の男性を傷つけるのですが、監督は「この女性はその後も恋愛相手を通して自分がどういう人間なのか探しているのでは」というようなことを言ってました。
映画を見ていると、この女性は「誰といても何となく一人」と感じているような気がしてなりませんでした。
それは自分にも当てはまることだからかも知れませんが。

あと、この映画のタイトルですが、韓国語でも親知らずのことを「愛の歯」というので(そういうタイトルの映画もあったし)、もしや中国語でもそうなのか!?と思ったのですが、そんなことは全然なく、監督の創造なんだそうです。
虫歯のジクジクした痛みと愛の痛みを掛けたのと、愛は人を噛むものというイメージからつけたんだそうです。

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