私的図書館

本好き人の365日

二月の本棚 4 『吟遊詩人ビードルの物語』

2009-02-28 21:40:00 | ハリー・ポッター
有名な『ぺちゃくちゃウサちゃんとぺちゃくちゃ切り株』のお話はご存知ですか?

ご存じない?

もしかしてあなたは『白雪姫と七人の小人』とか、『シンデレラ』を聞かされて育ったのでは?
それはよかった♪
あなたは魔法使いに育てられたわけではないんですね☆

さて今回は、魔法使いに育てられた子供なら誰もが知っているお話。
J・K・ローリングの

『吟遊詩人ビードルの物語』

をご紹介しましょう☆

タネ明かし♪
『吟遊詩人ビードルの物語』とはJ・K・ローリングのベストセラー小説「ハリー・ポッター」シリーズの中に出てくる一冊の本です。

物語の中では、偉大な魔法使いダンブルドアから、主人公ハリー・ポッターの親友ハーマイオニーに贈られた本として、最終巻に登場します。
その本が、なんと実際に出版されているのです☆

魔法使いの子供なら、幼い時に誰もが聞かされた物語♪

「魔法使いとポンポン跳ぶポット」
「豊かな幸運の泉」
「毛だらけ心臓の魔法戦士」
「バビティ兎ちゃんとペチャクチャ切り株」
「三人兄弟の物語」

それぞれの物語に、アルバス・ダンブルドアのコメントが寄せられています☆

最初、この『吟遊詩人ビードルの物語』は作者の手書きで、イラストも作者自身が描いて7冊だけ作られ、6冊は友人に贈られ、7冊目は子供達を救う慈善団体に寄付されたそうです。

「ハリー・ポッター」の人気を考えたら、寄付されたその一冊にどれほどの価値が付いたことか!

今回のこの本は、新たにダンブルドアのコメントなどを加えて、物語として仕上げたもので、出版社が著者の版権料の全額をCHLG(児童ハイレベル・グループ)の慈善事業に寄付するという形で出版が実現したそうです。CHLGというのは著者も参加している慈善団体だそうですが、こうして富を得た者が社会のためにお金を還元するというのはいいことですね♪
うちの国の議員さんたちにも見習って欲しいなぁ★

それぞれの物語は読み物としてそれだけで面白いのですが、「ハリー・ポッター」を読んでいるともっと楽しめると思います♪

三人の魔法使いの兄弟が、旅の途中で出会った「死」
「死」は三人の魔法使いに何でも望む物を贈るといいますが、上の二人の兄と違って末の賢い弟は意外な物を望みます。
さて、それは何だったのでしょう?

こういう本があるっていうのはファンにとっては嬉しいですね♪

『眠れる森の美女』や『かぐや姫』の物語も素敵だけれど、たまには、魔法使いのお伽話に耳を傾けては見ませんか☆









J・K・ローリング  著
松岡 佑子  訳
静山社

二月の本棚 3 『ハリー・ポッターと死の秘宝』

2009-02-26 20:38:00 | ハリー・ポッター
「ハリー・ポッター」は、ある日突然、自分が魔法使いだと知らされた11歳の少年ハリー・ポッターが、魔法使いの学校に入って、厳しい先生や友人たちに囲まれて成長していく物語です。

ハリー自身は知りませんでしたが、かつて魔法使いの社会を恐怖に陥れた闇の魔法使いを倒して生き残った男の子としてハリーは有名人。

しかし、ハリーの両親の命を奪い、魔法使いたちを支配して、この世界に自分の力を見せつけようともくろんだ闇の魔法使いは完全に死んでしまったのではなく、虎視眈々と復活をもくろみ、その手下たちと共に常に暗躍しているのでした。

イギリスの作家J・K・ローリングの書いた大ベストセラー小説「ハリー・ポッター」シリーズ。
今回はその最終巻にあたる第7巻。

『ハリー・ポッターと死の秘宝』

をご紹介しましょう☆

「ハリー・ポッター」の楽しさといったら、なんといってもその学校生活♪

魔法使いの学校といっても、登場するのはイギリスによくある全寮制の学校で、寮ごとにライバル意識を持っていていつも張り合っていたり、生徒は山ほど出される宿題に頭を抱えたり、嫌な先生や苦手な授業にボヤいたりと、普通の人間たちの学校とほとんど変わりません☆

ただし、そこは魔法使いの学校♪
呪文や魔法の薬の授業があったり、屋敷しもべなんていう妖精が雑用をこなしていたり、極めつけは廊下や食堂に普通にゴースト(幽霊)が浮かんでいて、生徒と挨拶したりおしゃべりしたりしているのです☆

日本のおどろおどろしい幽霊たちと違って、こちらのゴーストはとっても陽気で社交的(笑)

幽霊屋敷や降霊会とか、イギリス人ってこの手の話が好きそうだから、幽霊のイメージも日常的なんでしょうかね~♪

さて、物語は第1巻からこそこそと復活のために動き回ってきた闇の魔法使いが、第6巻にしてついに最大の障害を取り除いたことで、とうとう本格的に動き出します。破壊活動や誘拐、殺人。”服従の呪文”によって人々を操り、魔法省も、ついにはハリーたちの学ぶホグワーツ魔法魔術学校も彼の手に!!

そしてついに、闇の魔法使いが魔法使いの社会を支配してしまうと、両親が正統な魔法使いである”純血”以外の魔法使いたちは弾圧され、逆らう者はアズカバンの監獄へ入れられてしまう、まさに恐怖政治が始まります。もちろん、偉大な魔法使いでありホグワーツの校長”だった”ダンブルドアと一緒に戦った不死鳥の騎士団のメンバーをはじめ、心ある人々は、闇の魔法使いに対してレジスタンス活動で対抗します。しかしその中にハリーの姿はありません。

ハリーと、ハリーの親友、ロンとハーマイオニーの三人には、やらなければならないことがあったのです。
闇の魔法使いを今度こそ本当に倒すために…

この巻で17歳になるハリー。
まだ11歳だった第1巻の頃に比べたら、背も伸びたし魔法もたくさん使えるようになりました。恋もしたし、人を愛することも、愛する人を失う悲しみも体験しました。でも、こんなことを書くとファンの人に怒られてしまうかも知れないけれど…
でもやっぱり…
もう少し違ったハリーも見てみたい!

もちろん、成長はしてますよ。
肉体的だけじゃなくて、精神的なことでもいろいろな面を見せてくれます。

でも、11歳の男の子と17歳の男の子じゃ普通もう別人みたいなものでしょ!(もちろん女の子だって)
物語だからって言われたら仕方がないかも知れないけれど、あまりに闇の魔法使いとの関係に縛られて、自由さがないっていうか、変化が少ないっていうか、ハリーってずっと同じ印象なんですよ!!

もちろんそこがいいところでもあるんですが、もっといろいろなハリーが見てみたい!

趣味は何なの?
服の好みは変わったりしないの?
好きな食べ物や嫌いな食べ物はないのハリー?

これじゃただのファンですね☆

ま、実際闇の魔法使いに(いろいろな意味で)縛られているわけだし、自分の運命が嫌になって自分探しの放浪の旅になんて出かけちゃったら、本が何冊になるかわからないし、ハリーの周りの人々がそれでなくても個性的だからハリーくらい目的に向って突っ走ってもらわなくちゃいけないのかも知れないけれど…

それに比べてハリーの親友のロンや、学友のロングボトムはいろいろな面を見せてくれます。
ロングボトムなんて最終巻では別人みたい!

物語の最後近く、ロングボトムの活躍にはまるで自分の子供が苦手なリレーで一等賞になったような気持ちがしました♪

ハリーはオリンピック選手の子供で優勝するのがあたり前みたいなところがあって…
きっとそれはそれですごい苦労や努力が必要で、人にはわからない苦しみなんだろうけれど、だからこそ、誰もハリーのことを知らない世界でどんな活躍をするのか、その成長が見てみたかった気がするのです。いくら運命だからって、まっすぐ走りすぎのような気がする。もし、闇の魔法使いを倒してしまったらハリーは何をするの?

つまり…もっとハリーの物語が読みたい!!

 ってこと☆

こんなことが気になるのは、それだけハリーの物語に夢中になったからです。
そう思ってご容赦下さい。

この第7巻をもって「ハリー・ポッター」は完結します♪
完結してしまうんです!

この苦境をハリー達はどうやって乗り切るのか?
闇の魔法使いとの対決の行方は?
ダンブルドアがかつて探し求めた”死の秘宝”とは?
そして、記憶の中をたどり、真実を知ったハリーのたどりつく結論…


「僕は、まもなく死ぬ」

       ~『ハリー・ポッターと死の秘宝』(下巻)


~!!!!!

ハリー、ダメ~~~~!!

ハリーを待ち受ける過酷な運命。
ダンブルドアの衝撃の過去も明らかになります!

ロンが、ハーマイオニーが、そしてホグワーツが!!

このシリーズの第1巻から変わらずハリーが持ち続けたもの。
例え、全てを失ったとしても、人間にできるただ一つのこと。

それは、勇気を持って立ち向かうということ♪

多くの大人や、友人に支えられてきたハリー。
その人たちが傷つき、愛する人々が危機にさらされた時、ハリーがとる最後の決断とは?

先月と今月に渡り長々と書いて来ましたが、これで「ハリー・ポッター」シリーズの紹介はお終いです。

全部読んで下さった奇特なお方、ここだけ読んでくれた飛び込みの方、「ハリー・ポッター」をまだ読んでいない方も、もう読みましたって同志の方も、少しでも「ハリー・ポッター」に興味を持っていただけたなら、そして少しでも楽しんでいただけたのなら、とってもとっても嬉しいです☆

いろいろな魅力がつまった「ハリー・ポッター」シリーズ。
これを書くにあたって、最終巻をもう一度読み返しましたが、やっぱり最後の方でまた泣いてしまいました♪

では、ハリー・ポッターがどんな結末を迎えるのか、どうぞ、御自身の目でお確かめ下さい☆










J・K・ローリング  著
松岡 佑子  訳
静山社

BS2で「ジャイアントロボ」

2009-02-24 23:57:00 | 本と日常
今回は宣伝です♪

今夜、2月24日の深夜、25日の午前0:00からNHKのBS2で、「BSアニメ夜話」という番組が放送されます。

取り上げられるのは、アニメーション作品「ジャイアント・ロボ THE ANIMATION~地球が静止する日~」(監督 今川泰宏)

アニメーター時代に私も制作に参加しました!

手前ミソですが、よくできた”燃える”アニメです!

ちょっとマニアックですが、横山光輝さんの作品が好きな人にはオススメ♪

よかったら観て下さい☆


「おくりびと」

2009-02-23 23:58:00 | 本と日常
第81回アカデミー賞。

外国語映画部門で滝田洋二郎監督の映画「おくりびと」が、

短編アニメーション部門で加藤久仁生監督の「つみきのいえ」が、見事受賞しましたね♪

納棺師という聞きなれない職業をあつかった「おくりびと」

海面の上昇する世界で、つみきのように家を積み上げて暮らす老人をアニメーションで描いた「つみきのいえ」

世界的に歴史のある賞に、ノミネートされただけでも大したものなのに、二部門受賞というのは日本映画史に残る快挙だそうです。

日本映画頑張ってるなぁ♪

映画館のない町に住んでいるので、レンタル屋さんに並んだら、観てみようと思います☆

「八甲田山」も「南極物語」も、小学校の体育館で、移動映画館みたいに回って来たのをみんなで見ました。

毛布を持ち込んだり、水筒持参で♪

映写機から伸びる光にホコリがいっぱい光っているのが面白くて、映画と半々くらいで眺めていたりして。

あれは楽しかったなぁ♪

映画っていいですね☆



『雨ふる本屋』

2009-02-19 19:08:00 | 本と日常
久しぶりに本屋さんに行って来ました。

注文してあった本を受け取りに行って来たのですが、ついでにフラフラしていると、どうしても気になる本の背表紙が目に飛び込んできます。

買ってしまったのは、

*(キラキラ)*『アンのゆりかご 村岡花子の生涯』 村岡恵理 著

作者の村岡恵理さんは、『赤毛のアン』などの翻訳で知られる村岡花子さんのお孫さん☆

*(キラキラ)*『たんぽぽのお酒』 レイ・ブラッドベリ 著

*(キラキラ)*『ラスト・イニング』 あさのあつこ 著

*(キラキラ)*『神さまの話』 リルケ 著

*(キラキラ)*『雨ふる本屋』 日向理恵子 著

『雨ふる本屋』は、お母さんにおつかいを頼まれた女の子、ルウ子が体験する不思議な冒険♪

雨宿りのために立ち寄った市立図書館。

カタツムリの後を追っているうちに迷い込んだ不思議な部屋は、たくさんの本棚が立ち並び、床には草がはえ、何より部屋の中なのに雨がシトシトと降っている!

そこは「雨ふる本屋」という古本屋さんで、机の奥からメガネをかけた大きなドードー鳥の”フルホンさん”と、くるりとした巻き毛で苔とくもの巣でできたドレスを着ている助手の”舞々子さん”がこちらを見つめているのです☆

図書館とか本屋さんの出てくる物語には弱いので、途中まで立ち読みしていたのですが、思い切って買ってしまいました。

緊縮財政を強いられている家計には厳しかったんですけどね。

どこか柏葉幸子さんの『霧のむこうのふしぎな町』と似た雰囲気があって、少年の姿に変身できる青い鳥が登場したのが決め手でした♪

ちなみに『霧のむこうのふしぎな町』は、ジブリ映画「耳をすませば」の中で天沢くんが図書館で読んでいる本です☆

あと注文してあったのは、

*(キラキラ)*『茨文字の魔法』 パトリシア・A・マキリップ
*(キラキラ)*『チェンジング・シー』 パトリシア・A・マキリップ
*(キラキラ)*『遠い朝の本たち』 須賀敦子
*(キラキラ)*『蜜のあわれ/われはうたえどもやぶれかぶれ』 室生犀星

…だから緊縮財政だって言ってるのに。


二月の本棚 2 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』

2009-02-18 23:47:00 | ハリー・ポッター
イギリスの作家J・K・ローリングの「ハリー・ポッター」シリーズ。
今回はその第6巻。

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』

をご紹介します☆

いよいよ「ハリー・ポッター」シリーズも残り2巻となりました♪

長いシリーズ物ってちょっと敷居が高いっていうか、あらためて読み始めるのには覚悟がいりませんか?

エルフやドワーフなど壮大な世界観が魅力の『指輪物語』は3部作、それぞれが上下2冊構成になっていて全部で6冊になります。

洋服ダンスの中から行ける国、もの言う動物たちや木や水の精、ヤギ足のフォーンが踊り、偉大なるライオンのアスランが登場する『ナルニア国物語』は全7巻。

多くの島からなる世界アースシーで、竜と魔法と人間の織り成すドラマが語られ、真なる名前が支配する『ゲド戦記』は全5巻+外伝1巻の合計6冊です♪

『指輪物語』は世界の命運を握る指輪を葬るために過酷な旅に出るホビットの物語。
確かにすごく面白いけれど、あの分量と流暢な文章に途中で根を上げてしまった人もいることでしょう。
作者のトールキン先生はもともと大学の古英語、中世英語を専門とする言語学者さんだったので、とっつきにくい人もいるかも知れません。

その中でも途中の第4巻から上下2冊構成になって、全7巻で11冊にもなる「ハリー・ポッター」シリーズは大容量!

でも、ご安心を☆
これが読めてしまうんですよね~

一巻だけで終ってしまうのはもったいない!

私たちの社会と似ているようで、ちょっと変わっている魔法使いたちの社会♪

暖炉から人が飛び出し、写真の中の人物は動き出し、フクロウが手紙を運ぶ!

魔法省に(魔法大臣の存在は時の首相しか知りません)、魔法使いのための病院、聖マンゴ魔法病院。時たまあやしい記事も載る日刊預言者新聞に、ワールドカップだってある空飛ぶ箒(ほうき)に乗ってするスポーツ「クィディッチ」☆

読み始めるとどんどん先が読みたくなるんです。

ちょっと可笑しな魔法使いたちのことがもっと知りたい!

今回は、魔法使いの社会で、恐怖と共に「例のあの人」と呼ばれる、ハリーの宿敵、闇の魔法使いの過去が明らかになります!

11歳で自分が魔法使いだと知らされ、魔法使いの学校「ホグワーツ魔法魔術学校」に入学したハリー・ポッター。
ホグワーツでは様々な授業があります。変身術。呪文学。占い学。魔法史。天文学に薬草学。闇の魔術に対する防衛術。魔法生物飼育学なんてのもあります。

今回16歳になったハリーは、「魔法薬学」の授業で、一冊の教科書を手に入れます。

それはずいぶん古い本で、昔生徒の誰かが使っていたらしく、ページには書き込みがいっぱいしてあって、授業の助けになるものや、ハリーの知らない呪文なんかも書かれていました。

本の署名は「半純血のプリンス」

今回、日本語版のタイトルは、『謎のプリンス』になっていますが、もともとの原書のタイトルは『HALF-BLOOD RINCE』つまり、『半純血のプリンス』☆

純血とは、両親が共に魔法使いの子供のこと。
魔法使いではない人間のことを「マグル」といいますが、マグル生まれの魔法使いを純血の人々は少しバカにしているところがあるのです(ほんの一部の純血だけです)。

ハリーの親友、ハーマイオニーは両親がマグルなので、純血至上主義者で名門出身のマルフォイという生徒から「穢れた血」なんてヒドイ言葉を投げつけられたこともあります。

この教科書のおかげで、それまで魔法薬学の成績はたいしたことなかったハリーはいきなり授業で優等生(苦笑)

それまで成績では誰にも負けたことのなかったハーマイオニーは、その教科書を使うことに反対しますが、こんないいものを男の子が手放すはずがありません(笑)

でもその結果、ハリーの予想もしていなかったとんでもない展開に…

果たして「半純血のプリンス」とは誰なのか?

ちなみに、魔法薬には「惚れ薬」なんてものもありますよ♪

ハリーの命を狙う闇の魔法使いが暗躍し、魔法使いの社会に不安と恐怖が広がる中、闇の魔法使いの過去を調べるべく、ホグワーツの校長、偉大な魔法使いのダンブルドアに連れられて、ハリーは様々な人の記憶の中を旅することになります。闇の魔法使いの子供時代。その両親。ホグワーツに入学した頃。そう、彼はもちろんホグワーツの生徒でした。そして、教師時代のダンブルドアとも会っています。その旅から、ついに闇の魔法使いの秘密が明かされる!!

しかしその時、ダンブルドアが!!

いつも名門を鼻にかけ、高飛車な態度を取っていたマルフォイが、闇の魔法使いからの密命を受け、プレッシャーに押しつぶされていく様子が個人的には見ていられなかったです!

きっと一番人気のないキャラクターだとは思うのですが、マルフォイの家族が「ハリー・ポッター」で果たす役割はとっても大きい…と思うのですが。

違うかな?

あと一冊で終ってしまうなんてもったいない!

でも、やっぱりあと一冊で終るのが「ハリー・ポッター」のいいところなのかも…

ファン心理は複雑です(苦笑)

そうそう、今回、もう一人のハリーの親友、ロンにも生まれて初めて彼女ができます☆

ロンには悪いけれど、その様子が可笑しくって可笑しくって♪♪

次はいよいよ「ハリー・ポッター」最後の一冊。
『ハリー・ポッターと死の秘宝』を紹介したいと思います。

果たしてどんな結末がハリーを待ち構えているのか…

もう少しだけ、お付き合いいただけたら嬉しいです☆















J・K・ローリング  著
松岡 佑子  訳
静山社

二月の名言集

2009-02-16 01:29:00 | 本と日常
太陽は静止し、

世界はその周囲をめぐると最初にいわれたときには、

人類の常識はそれを誤りであると宣言した。

だが、「民の声は神の声」という古いことわざは、

哲学者なら誰でも知っているように、

科学では信じることはできない。









        ―チャールズ・ダーウィン「種の起原」―



それでも地球はまわっている

2009-02-15 23:58:00 | 本と日常
ニュースでガリレオ・ガリレイが取上げられていました。

何でも、ガリレオ・ガリレイの死後367年たった、本日2009年2月15日。
ローマの教会でガリレオのためのミサが初めてとり行われたそうなんです。

地球が太陽の周りを回っているという「地動説」を唱えたため、「地球が宇宙の中心である」(天動説)とする聖書の教えに反するとして、宗教裁判によって有罪となり、「地動説」を捨てることを誓わされたガリレオ・ガリレイ。

今では当たり前のようなこの「太陽の周りを地球が回っている」という「地動説」を、バチカンが受け入れたのは、20世紀も後半。
ついこの間のこと。

ミサはその「名誉回復」の象徴だそうです。

367年かぁ~
長かったなぁ。

物事を変えるってどうしてこんなに時間がかかるんでしょうね。

常識を覆すようなこを言う人物は、いつの時代でも迫害されるもの。

ハンガリーの医者、イグナツ・ゼンメルヴァイスもその一人。

彼はみんなに「手を洗おう」と言ったばかりに、散々な目に遭います。

最初は病院で出産する女性の多くが、出産後に高熱を出して死亡するケースが多いことに疑問を持ったのがきっかけでした。

いろいろと調べた結果、イグナツ先生は出産に立ち会う助産婦や実習生に、塩素水でひんぱんに手を洗うよう指導します。

するとどうでしょう、死亡する女性の数が激減したのです。

そう、19世紀初頭のヨーロッパには手を洗うという衛生観念がまだなかったため(多くの医者が病気は沼などから立ちのぼる瘴気が原因だと思っていました)、実習生たちは死体解剖をしたその手で出産に立ち会っていたのです。

そこで、イグナツ先生はこの手を洗うことと病気の関係を本に書いて、他の多くの病院関係者に知らせようとします。

ところが、当時の常識としてこんな突拍子もないことは信じてもらえず、それどころかバカにされ、みんなに笑われてしまいます。

イグナツ先生も目に見えない細菌が病気の原因だとは当時知るよしもなく、やがてまた誰も手を洗わなくなり、当然またしても死亡率は高くなり、イグナツ先生は失意のうちに精神に異常をきたしたとして精神病院に入れられて、そのまま一生を終えるのです。

その後、精度の良い顕微鏡が開発され、病気の原因がようやく細菌やウィルスであることが発見されます。

うちの会社でも風邪が流行っています。

うがいと手洗いはかかせません。

イグナツ先生は1865年に亡くなっていますが、死後その功績が認められ「母親たちの救済者」と呼ばれ、144年後の今もこうして教えは生かされています。

イグナツ先生ありがとう♪


『食堂かたつむり』

2009-02-11 15:12:00 | 本と日常
ちょっと病院に行って来ました。

たいした病気ではないのですが、予定よりも1時間以上待たされて、もうそれだけでクタクタ。

待ち時間に読もうと持って行った本も、おかげで一冊読み終わってしまいました。

待合室で小さな女の子を連れたお母さんが、「お部屋(診察室)に入ったら『お願いします』って言うのよ」と教えていましたが、女の子はちょっとドアが開いただけでさっそく「お願いします!」と言ってしまったので、ほとんどドアに向って挨拶していました(笑)

おしい~

「お医者さんに会ったら」挨拶しましょうねって教えたらよかったのに♪

読み終わってしまった本は小川糸さんの、

*(キラキラ)*『食堂かたつむり』*(キラキラ)*

同居していた恋人のインド人に、家財道具と全財産を持ち逃げされた25歳の女性が、家出して以来一度も帰ったことのなかった故郷に戻り、大嫌いな母親に頭を下げて、物置として使っていた小屋で食堂を始めます。

一日一組だけの予約制の食堂。
『食堂かたつむり』

すべてを失くしても、料理を作ることだけはできると決意する主人公。

異色なのは、主人公が恋人に裏切られたショックで声が出せなくなること。

現実に傷ついた主人公が、自然の中で植物を育てたり、食べること、料理をすることといった、日常の暮らしを見つめ直すことで、自分を取り戻していく…

母と娘、人の死というものも大きな役割を演じていて、どこか、梨木香歩さんの『西の魔女が死んだ』と共通するところを感じました。

もっとも、『西の魔女…』は中学生の女の子が主人公なので夢も希望もありますが、こちらは25歳の女性なので、赤裸々というか開けっ広げというか、ある意味現実的です☆

別に25歳の女性には夢も希望もないといっているわけじゃないですよ!
あくまで作風のお話ですからね。

登場する料理はどれも美味しそう♪

食堂を訪れる人と人の仲を取り持ったり、高校生のカップルの手助けをしたり、拒食症のウサギを預かったり、料理が取り持つ不思議な縁☆

ただ、ブタを殺して食べるシーンでの主人公のブタに対する思い。
母親の死を受け入れる姿勢にはちょっと違和感がありました。

面白かったです♪♪

病院の待合室には、長時間待たされることを覚悟してか、本を読んでいる人が大勢みえました。

でも、できれば読み終わる前に診察してくれないかなぁ。


二月の本棚 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』

2009-02-09 17:01:00 | ハリー・ポッター
イギリスの作家J・K・ローリングの「ハリー・ポッター」シリーズ。
今回はその第5巻。

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』

をご紹介します☆

「ハリー・ポッター」のおかげでファンタジー小説がたくさん出版されるようになりましたね。
昔の作品も注目されるようになり、本好きとしては「ハリー・ポッター」ブームはとってもありがたかったです!

『指輪物語』
『ナルニア国物語』
『ゲド戦記』
は映画化もされました♪

誰か『プリデイン物語』も映画化してくれないかな~

NHK教育で上橋菜穂子さんの『獣の奏者』(毎週土曜日放送)がアニメ化され現在放送されていますが、NHKさん、次は荻原規子さんの『空色勾玉』などいかがでしょうか☆

さて、主人公ハリー・ポッターは現代のイギリスに暮らす男の子です。黒い髪をしてメガネをかけて、ちょっと変わった特徴として、額にうっすらと稲妻のかたちをした傷跡があります。

一緒に住んでいる従兄弟のダドリーにはいつも意地悪されてばかり。ダドリーの両親、バーノン叔父さんもペチュニア叔母さんも、しかたなくハリーを引き取ってはいますが、自分の息子のダドリーばかりを可愛がり、ハリーのことはいつも邪魔者扱い。しかも、具合が悪いことに、ハリーが”魔法使い”であることがわかってしまって、ハリーの待遇はさらに悪くなってしまいます。

そう、ハリー・ポッターは魔法使い♪

11歳の誕生日に、魔法使いの学校「ホグワーツ魔法魔術学校」からの入学を知らせる手紙を受け取ったハリーは、自分が魔法使いであることを初めて知るのです!

みにくいアヒルの子がある日を境に突然白鳥に生まれ変わる!!

ハリーの生活は一変します☆

ところが当然、普通の人間は本当に魔法使いが存在しているなんてことは知りません。
世間体を気にするバーノン叔父さんは、魔法使いなんて、絶対に、絶対に、絶対に、認めません。
ハリーがホグワーツに入学すると決まると、近所に対しては「セント・ブルータス更生不能非行少年院」(*)に入っているということにしてしまいます。

このバーノン叔父さんのひどいこと!
第1巻で10歳だったハリーの部屋はなんと階段の下の物置き!!
着ている物も、ハリーはいつもボロボロ。ダドリーのおさがりばかりです。
学校以外では未成年の魔法使いは魔法を使ってはいけないことになっているので、ハリーの家での唯一の慰めは、手紙を運んでくれる白フクロウのヘドウィグくらい。
でも、普通の家にはフクロウが手紙を運んで来たりしないので、バーノン叔父さんの怒りがまたまた爆発!

もっとも、フクロウどころか、たまに空飛ぶ車はやってくる、どうしてだか暖炉から人があらわれる、いつの間にやら居間の壁は吹っ飛ぶ、バーノン叔父さんのお姉さんである(これが叔父さんそっくり!)マージおばさんの体は風船のようにみごとに膨らむ、ダドリーにはお似合いの尻尾が生えると、普通の家ではたぶん起きないようなことが次々と起こったりするので、バーノン叔父さんも大変といえば大変です♪♪

どうしてハリーには両親がいないのか。
どうして親戚の家で育てられているのか。

それには、魔法使いたちの社会で名前を呼ぶことさえはばかられるため、”例のあの人”と呼ばれる闇の魔法使いが関係しています。

闇の魔法使いとの戦いを宿命づけられた少年、ハリー・ポッター。

闇の魔法使いには”死喰い人”=「デスイーター」と呼ばれる部下がたくさんいて、今はその多くが魔法使いの監獄”アズカバン”に収監されています。
闇の魔法使い自身は十年以上も昔に、当時まだ幼かったハリーとハリーの両親を襲った時に、その力と肉体を失いました。
ハリーの額の傷跡は、その時にできたものです。力と肉体。それを取り戻した時、再び闇の魔法使いが復活する…

闇の魔法使いに襲われて、ただ一人生き残った男の子、ハリー・ポッターは魔法使いの社会では有名人。

4巻までのお話で、いよいよ闇の魔法使いが復活し、本格的な戦いが始まろうと予感させるこの第5巻。

ハリーは15歳になりました。

しかし、平和に慣れてしまった人々は、なかなか闇の魔法使いの復活を信じようとはしません。
今回、ことなかれ主義の魔法省の大臣や役人が、”例のあの人”の復活を訴えるハリーやダンブルドアを、やっかい者として排除しようと動き出します。

”例のあの人”はもう死んでしまったと思われているため、マスコミも、ハリーのことをただの目立ちたがり屋だとか、悲劇のヒーローをきどっているとか、さんざん書き立て、ホグワーツの生徒の中にも、ハリーに対する不信感が広がっていきます。

ハリーとダドリーの住む町、リトル・ウィンジングにアズカバンの看守、吸魂鬼(ディメンター)が現れる!

ハリーがホグワーツを退学!?

ダンブルドアが逮捕されるの!?

イライラする若いハリー。

危険が迫っているっていうのに、誰もそのことがわかってない!

タイトルにある「不死鳥の騎士団」とは、現在ホグワーツの校長を務める偉大な魔法使いダンブルドアと共に、かつて闇の魔法使いと”死喰い人”たちに立ち向かった仲間たちのことです。ホグワーツでハリー達と一緒に学ぶネビル・ロングボトムの両親も、かつては騎士団のメンバーでした。今は正常な体と心を失い「聖マンゴ魔法疾患障害病院」に入院しています。そして、ハリーの両親も騎士団のメンバーだったのです。

ダンブルドアだけはわかってくれている。

闇の魔法使いと実際に戦ったダンブルドアなら、その脅威も、僕の気持ちをわかってくれるはず…

ところが、そんなハリーの気持を打ち砕くかのように、ダンブルドアはハリーに冷たい態度を取り続けます。

魔法省によって管理されるホグワーツ。

ハリーたちの友人、森番のハグリットの不在。

額の傷跡が痛んだ時、ハリーが見た映像は、蛇となってうごめく自分の姿!?

出口のない部屋に閉じ込められたような状況の中、危険だけがゆっくりと、しかし確実に世界を絞めつけていく…

そんな時、ついにダンブルドア軍団が立ち上がるのです♪♪

ダンブルドア軍団とは何なのか、それは読んでのお楽しみですが、どんな時でもハリーの味方、親友のロンとハーマイオニーが今回も活躍します☆

いつも足を引っ張っているネビルも急成長!!

ハーマイオニーはダメなことはダメってちゃんと言う子。
ハリーのやろうとしていることに反対したりもするけれど、それはハリーのことを本当に思っているから。

ロンもハリーに腹も立てればケンカもします。
よく失敗もするし、嫉妬もする、弱気になったり無神経に思えたり、でもハリーに対して変な遠慮なんてしない。こびも売らない。そんな必要なんてない。ハリーを本当の家族のように思っているから☆

ハリーを含め私はこの三人のファンです♪♪

後半、”例のあの人”が手に入れようとしている、ある物をめぐって、不死鳥の騎士団と死喰い人の激しい戦いが繰り広げられます。

そしてついに、ダンブルドアと”例のあの人”との直接対決!!

ダンブルドアの不可解な行動のわけとは?
そして、ハリーと”例のあの人”とのつながりとは?

学校の規則に腹を立てた経験のある方。
この巻はぜひお読み下さい☆










J・K・ローリング  著
松岡 佑子  訳
静山社



(*)日本語版初版一刷では「セント・ブルータス更生不能非行少年院」は「セント・ブルータス更正不能非行少年院」と表記されています。

二月の名言集

2009-02-06 23:45:00 | 本と日常
何冊かの本が、

ひとりの女の子の、

すこし大げさにいえば人生の選択を左右することがある。

その子は、しかし、

そんなことには気づかないで、

ただ、吸い込まれるように本を読んでいる。

自分をとりかこむ現実に自信がない分だけ、

彼女は本にのめりこむ。






          ―須賀敦子「遠い朝の本たち」―



文明の足音

2009-02-03 19:21:00 | 本と日常
自動車保険を払って来ました。

高いよ~

田舎なので車は手放せませんが、維持費だけでけっこうかかります。

父親は定年を迎えましたが、年金をもらうにはもう数年あり、母親は無職。
私を含めてそれぞれに車を持っていて、さらに農作業用の軽トラックもあるので一家に四台車があります。(田舎では普通です)

別に私が全部払っているわけじゃありませんが(払えよって声が聞こえてきそう…*(汗)*)、そろそろ減らすことも考えないと。

実家の両親が暮らしている地域には、バスも通ってなくて(国鉄の民営化で廃線になりました)、もより駅までは10km以上。

そもそも歩いていける距離にお店さえないので、移動販売車が日用品や食料品などを売りに来たりしているほど。

信号機も小学校の前に一台あるきりです。

それさえ、町に出た時に子供達が困らないための教育用ではないかとささやかれている始末。

両親は農業のかたわら、少しばかり山に木を植えて、林業のようなこともやっていますが、若木がカモシカに食べられしまうこともあります。

猪の害も深刻で、近所の農家数軒と共同で、猪を捕まえるための檻まで設置しました。

これは中にサツマイモを植えておいて、それを食べようと中に入った猪を捕まえる仕掛けになっているのですが、毎年何頭か捕まるので、その時はみんなで、ぼたん鍋をごちそうになったりします。

たぬきや狐に畑の作物を食べられるのは日常茶飯事。

油断していると飼っているニワトリまで持っていかれます。

平和なんだかスリリングなんだか…

名古屋に住んでいるうちの妹は、小学生の子供達を連れてくると、「ほ~ら、トトロのお家だよ~」と言っています。

車がないと生活できない程の田舎。

住んでいる者にとっては良いことなのか悪いことなのか、微妙なところです。