私的図書館

本好き人の365日

御嶽山

2014-09-28 22:12:03 | 日々の出来事

9月27日(土)午前11時53分(のち52分に訂正)。岐阜県と長野県の県境にそびえる御嶽山(おんたけさん)が噴火しました。

紅葉の時期でもあり、たくさんの登山者がいたため、多くの人々が巻き込まれてしまいました。

実家から近いこともあり、私も仕事や遊びで何度もその周辺には行ったことがあります。御嶽山自体にも途中までですがのぼりました。冬には周辺のスキー場によく通ったものです。

直後に死亡者1名の情報も流れましたが、その後取り消され、一夜明けて31名の心肺停止情報。自衛隊などの救助隊が山頂近くに取り残された登山者の救出に向かいましたが、28日午後、死者4名の情報がTVで流れました。

厳しい状況です。

どうか一人でも多く助かって欲しい。

小さい頃からなじみのあるお山で、以前も噴火したことがありましたが、今回ここまでの被害が出るとは想像していませんでした。

ショック。

まだ安否のわからない方がたくさんみえる状況ですが、無事に下山して欲しいです。

 

 


宮澤賢治 『セロ弾きのゴーシュ』

2014-09-21 23:55:00 | 本と日常

今日は少し奮発して、カツオを柵で購入しました。

もどりガツオの美味しい時期ですからね~

モヤシやタマネギなど茹でた野菜の上に薄く切ったカツオをのせて、刻みネギをふりかけ、ポン酢を回しかけます。その上からニンニク入りのあつあつオリーブオイルをジュッとかけたら、カツオのたたき風ニンニク入りオリーブオイルかけの出来上がり!

ニンニクの香ばしいニオイが食欲をかきたてます。

おいしくいただきました♪

 

今日、9月21日は岩手県の作家、宮澤賢治が亡くなった日です。

1933年(昭和8年)9月21日。詩人、童話作家として知られる宮澤賢治は急性肺炎のため37歳で亡くなりました。

TVでも岩手県を舞台にした水谷豊主演の映画 「HOME 愛しの座敷わらし」(2012年) が放送され、岩手山や岩手銀行中ノ橋支店(辰野金吾 設計)などの映像を楽しむことができました。

映画の内容はちょっと物足りなかったですが(東京に引っ越すのが早すぎる気がする)、やっぱり岩手の自然と座敷童はイメージピッタリ。

古い家に現れる座敷童が人々にとても自然に受け入れられていく点は、とくに違和感もなく見ることができました。

やっぱり『遠野物語』のイメージですかね?

自然の豊かな、そして厳しい土地では、人間だけが主人面して生きてはいけない。おこがましい。

人も、動物も、妖怪や神様も、そこでは一緒に暮らし、少しづつ重なりあって暮らしている・・・

宮沢賢治の作品にも、そんな雰囲気を感じます。

 

そんな宮澤賢治の作品の中で、今夜は『セロ弾きのゴーシュ』を読みました。

楽団の中でも腕前が一番下手なセロ弾きのゴーシュが、深夜一人で練習をしていると、次々に動物たちが訪ねてきて曲をリクエストしたり、いろいろ注文をつけるおかしなお話。

最初は「生意気なことを云うな。ねこのくせに。」なんていっていたゴーシュが、おもしろがって動物たちのために演奏するうちに、セロを弾く腕が上がっていくという。

自分では気づかないうちに、動物たちの役に立っていたり、「いい人」なんて評判が知らぬ所で立っていたり。

場所や立場が変われば、評価も様々に変わるんですよね。

それまで動物たちのことなど考えたこともなかったゴーシュが、関係性を持つうちに自分自身に変化が起きていたことを体験します。

 

あぁ、映画 「HOME 愛しの座敷わらし」も少し似た所がありました。

東京では会社や学校で問題を抱え、バラバラになりそうだった家族が、岩手の地で、自分たちの中に評価してもらえるものがあることに気がつき、受け入れられ、居場所を見つけていく。

ここにいていいんだという自信。それが大切なのかも。

 

うちの経済状態からいって、我が家には少なくとも座敷童はいそうにないですけどね(苦笑)

まだ深夜にタヌキがやってくるとかの方がありえそうです。

 

 


森薫 『シャーリー』2巻

2014-09-14 23:45:28 | 本と日常

11年ぶりの続編(笑)

森薫さんのマンガ『シャーリー』2巻(KADOKAWA/エンターブレイン)を読みました。

 

著者 : 森薫
KADOKAWA/エンターブレイン
発売日 : 2014-09-13

 

 

20世紀初頭の英国を舞台に、13歳のメイド、シャーリーとその女主人、ミスベネット・クランリーの日常生活を趣味全開で描く待望の第二弾。

メイドマンガの金字塔『エマ』の作者らしく、今回もドレスや小物、ハイヒールにお茶に料理と作者のこだわりがあふれています!

レコードにあわせて踊るシーンとか。

もう趣味としか思えない!

あとがきでも、メイド服のスカートはペチコート、スカート、エプロンのミルフィーユのような重なりが魅力的! と熱く訴えています(笑)

 

作者のこだわりの絵やシーンの数々も魅力的なのですが、当時の服装や町並み、習慣、階級差などを再現しているところも魅力的。

英国の植民地主義には閉口ですが、文化的にはとっても面白いんですよね。

「シャーロック・ホームズ」とか「ダウントン・アビー」には夢中になりましたし、魅力的なファンタジー、SF作品も多いです。

マンガの設定なので13歳のメイドというのは当時としても珍しいのですが、メイドくらいしか女性の職業がなかった19世紀あたりでは、10代のメイドも珍しくなかったとか。

それにしても、まあシャーリーはパタパタとよく走る。

朝食を用意し、主人を起こし、身支度の手伝いをして送り出したかと思うと、ベッドメイク、洗濯、食器磨きに繕いや食材の注文、階段や床や窓をもちろん手で磨きあげ、はたきでホコリを払いほうきでゴミを掃く。

お茶を入れ、忘れ物を届け、隣の家のメイドの長話に付き合い、お菓子を作り、お茶を入れ、洗濯物を取り込み、庭の草取りをし、ケーキを焼き、またお茶を入れる(笑)

本当に英国人ってお茶が好きなんですね~

 

不定期に描かれているお話なので、3巻はいつ出るのかな?

英国貴族の生活を描いた『ダウントン・アビー』シーズン2も今秋NHK総合で放送されることが決まっているので、これも楽しみです。



『村岡花子童話集 たんぽぽの目 』(河出書房新社)

2014-09-10 00:22:51 | 児童文学

NHKの朝ドラ「花子とアン」のおかげで、村岡花子さんを特集した本や、昔の作品が本屋さんにたくさん並ぶようになりました。

その中の一冊。河出書房新社から出た『村岡花子童話集 たんぽぽの目 』を読みました。

ドラマにも登場した「たんぽぽの目」と「みみずの女王」も収録されています。

 

著者 : 村岡花子
河出書房新社
発売日 : 2014-07-19

 

 

わぁ、「みみずの女王」ってこんなお話だったんですね!

たいそう太く、長い立派な体を持つことから、ちょっとお高くとまったみみずのフト子さん。

他のみみず達はいばっているフト子さんには近づかないようにしています。

それでもフト子さんはへっちゃら。

自分の体を見てはうっとりする毎日。

 

ドラマの影響か、このお高くとまったフト子さんが、花子を見かける度に「みみずの女王」を持ち出す、宇田川先生に思えてしまう(苦笑)

自信過剰でいばりんぼ(笑)

 

物語自体は短いのですが、この後意外な展開を見せて、しかもけっこう「想像の余地」のある終り方なのでちょっと驚きました。

子供向けだからって夢や希望をまぶした甘いお菓子じゃない、かみごたえのある物語。

勝手な想像ですが、アンデルセンなどの影響があるのかもしれません。

 

さて、朝ドラの方ですが、ようやく『グリーンゲイブルズのアン』の原書と出会い、翻訳に取り組むところまできました。

9月27日(全156回)が最終回の予定なので、戦争が終り、なんとか原書を守り抜いた花子が翻訳し終ったところで大団円。タイトルを決める際のエピソードを描いて美輪さんのナレーションが入り、テーマ曲が流れる中エンディングで出版された『赤毛のアン』がチラッとうつって終りというパターンかな?(勝手な妄想です)

実はモンゴメリの作品の中で村岡花子さんが訳した「エミリーシリーズ」が大好きなので、そこまでやって欲しい(このシリーズの最後の巻が村岡花子さんの最後の仕事になりました)

村岡花子さんの功績って、何といっても「アン」や「エミリー」「パット」たちに影響された、多くの人たちを後の世に輩出したことにあると思うんですよね。

あと、道雄文庫の話とか、ヘレン・ケラーが来日した際に通訳をした話はどうするのかな?

蓮子さまと仲直りしたり、醍醐さんを幸せにしたり、山梨の方も放っとくわけにはいかないし、終戦後の兄やんの身の振り方も考えなきゃいけないし、本当に今月中に終るのだろうか?

賛否両論あったドラマでしたが、終るとなるとまだまだ見ていたい気がします。

ぜひ、余韻を持ったラストにして欲しいなぁ。

 

 


ボルヘス『バベルの図書館』

2014-09-01 22:07:38 | 本と日常

マシュー・アムスター=バートンさんの『米国人一家、おいしい東京を食べ尽くす』(エクスナレッジ)という本をよだれを我慢しながら読んでいると(美味しい物がたくさん出てくるので♪)、何の前置きもなしに「まるでボルヘスの『バベルの図書館』のよう」という描写が目に入ってきました。

バートンさんはシアトル在住のフードライターで、米国人から見た日本の「食」をこの本で紹介しているのですが、まったく文学的な香りのない本の中で「ボルヘスの『バベルの図書館』」が普通に通用する例えとして使われているのが衝撃的でした。

ボルヘスってそんなにメジャーだったのか・・・

その時ちょうど人生初のボルヘスに挑戦しているところだったんですよね。

ちなみに本の詰まった回廊がどこまでも続く『バベルの図書館』が例えられたのは、デパ地下のお惣菜売り場でした(笑)


エクスナレッジ
発売日 : 2014-06-03



私が読んだボルヘスは、『バベルの図書館』も収録されている短編集『伝奇集』(岩波文庫)


岩波書店
発売日 : 1993-11-16



う~ん、難解でした。

執拗な通路や道々の描写に、迷路のような言葉の羅列。繰り返される否定と肯定。まるでバカボンのパパの「反対の賛成なのだ!」みたい(あくまで私の勝手な感想です)

上や下や四方に無限に広がる図書館「バベルの図書館」

夢の中で魂の青年たちの前で講義し、その中から血肉を与え、自分の分身たる形を与える「円環の廃墟」

言葉の迷路に迷い込んだみたい!


この『バベルの図書館』を読むきっかけになったのが、玉川重機さんの『草子ブックガイド』(講談社)

その第3巻を読みました。

 

著者 : 玉川重機
講談社
発売日 : 2014-02-21


今回紹介されるのは。 

『雨月物語』(江戸時代の読本。上田秋成のいわば伝奇集)

『百鬼園日記帖』(高給取りなのに借金まみれだった内田百の日記)

『イワンの馬鹿』(作者は恐妻家トルストイ)

『ハローサマー、グッドバイ』(マイクル・コーニィのSF作品)

『新しい人よ眼ざめよ』(大江健三郎。FMシアターでのラジオドラマが秀逸だった!「ガリヴァーの足と小さな人たちの国」とか)

『荒野のおおかみ』(ヘルマン・ヘッセ。代表作『車輪の下』)

 

作家なんて生き物は変わり者が多いけど、この上田秋成とか内田百は好感が持てる!

高田渡はちょっとわからないけれど(苦笑)

 

もう一冊、ブックガイドを読みました。

こちらは池澤夏樹さんの娘さんというよりは、私なんかは声優としての方が知っている、池澤春菜さんの『乙女の読書道』(本の雑誌社)

 

著者 : 池澤春菜
本の雑誌社
発売日 : 2014-01-23

 

何となく、私の大好きな本、神月摩由璃さんの『SF&ファンタジー・ガイド―摩由璃の本棚 』(現代教養文庫)に似てる!!

さすがに扱っている作品はSFが多いですが、 文体というか雰囲気が似ているんですよね。

た、だ、し、似ているというだけで本として読めるかというと、ちょっと作文みたい(すみません)

書評としては読めますが、桜庭一樹さんや前出の神月摩由璃さんみたいに、「読み物」としても面白いかといえば、そこまでは面白くないというのが本音です(本当にすみません)

あ、でも巻末の父親、池澤夏樹さんとの対談は面白かったです。

 

9月になっていろいろ値上がりしているので、なかなか本が買えませんが、TSUTAYAのポイントがたまったので、吾妻ひでおさんの新刊『カオスノート』(イースト・プレス)を買おうか迷っています。

田房永子さんの『ママだって人間』(河出書房新社)も気になっているので、古本でもいいから読めないかな?

今は使っているカードのポイントで注文した「松坂牛大とろフレーク」が届くのが楽しみ♪

これは『おとりよせ王子』でも紹介されていた、冷凍した松坂牛のフレークです。

前から食べてみたかったんですよね。

使っているのはポイントばっかりですけど(苦笑)