私的図書館

本好き人の365日

やさしい気持ち

2005-06-30 23:54:00 | 日々の出来事

やさしい気持ちになれない時は

じっと自分が変わるのを待ってみる。

感情の波にズブ濡れになっても、

タオルでふいて、バスローブにくるまって、

温かい飲み物をかかえてソファーに座る。

好きなビデオを観てもいいし、好きな音楽を聴いてもいい。

流れるTVニュースを、ただボーとながめているだけでもいい。

自分の体をいたわってあげる。

大丈夫。

体も髪も乾いた頃には、きっと少しならやさしく出来る。

美味しいデザートを食べる。

親しい友達に電話してみる。

昔のメールを読んでみる。

自分にやさしくしてあげる。

するとやさしさが、じんわりと戻ってくる。

自分で傷つけた自分に「ゴメン」って言ってみる。

バカな自分が照れくさくって、ついつい笑ってしまうまで。

やさしい自分は、きっと自分の中から見つかる…*(星)**(キラキラ)*



コインランドリー事情

2005-06-29 23:27:00 | 日々の出来事

うちの会社は、経費節減とやらで、三年前から夏の制服をTシャツに替えました。

これが社員には大不評。

どうせ社長の奥さんの常務が考えたに違いない! (だってAB型だし*(ダッシュ)*)

毎年二枚つづしか配給されないから、今年でやっと六枚。
夏はすぐに汗かくから、洗濯がたいへんなのに*(汗)*

三枚目からは実費を払わなくっちゃいけないとのこと。
それまで採用されていた半袖の上着を着ている人もいるけれど、これもお金を払って買わなくちゃいけない。
制服くらいタダにしてよね~

雨が降って、洗濯物も乾かないので、しょうがなく、制服のTシャツを持って夜のコインランドリーへ。

ところが、いつもガラガラのそのお店。
今日はほとんどの機械がゴロゴロと回ってる*(びっくり2)*

そうか、梅雨だもんね、みんな乾かなくて困ってるんだ★

乾燥機一回四百円、五百円かかるとしても、毎回やってたらバカにならない。
しかも仕事で必要なのに、経費にもならないらしい。

Tシャツの制服。
梅雨どきは厳しいなぁ~*(汗)*




六月の本棚 4 『風神秘抄』

2005-06-27 23:42:00 | 荻原規子

今回は、荻原規子さんの最新作!
『風神秘抄』(ふうじんひしょう)のご紹介です☆

荻原規子さんの作品では、「西の善き魔女」シリーズや、今月ご紹介した「勾玉シリーズ三部作」などが有名ですね♪

私は特に、古代の日本を舞台にした「勾玉シリーズ」の中の一冊、『空色勾玉』という本が大のお気に入りで、影響されて日本の神さまについてあれこれと調べたりしていました☆

富士山に祭られている、木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)なんて、名前だけでいいなぁ~と感動してしまったりして。

「勾玉シリーズ」が三部作で完結。
日本を舞台にしたファンタジーも、もうこれで読めないのかと思いきや、今回のこの『風神秘抄』、勾玉こそ登場しませんが、なんと純然たる勾玉シリーズの直系!

そう、勾玉シリーズがまた読める♪

時代は平安時代の末期。
いま大河ドラマで話題の源義経が、幼くして鞍馬寺に預けられるきっかけとなった、「平治の乱」の真っ最中!!

源氏方として、兄と共に戦いに身を投じた十六歳の草十郎は、身が軽く、腕は立つものの、人目をさけた場所で、母の形見の笛を吹く、どこか孤独な少年。

自分がどこか他人と違うことを感じつつも、初めて自分を認めてくれた源氏の武将、源義平のために、自らの命を投げ出して戦います。
しかし…

笛を吹いている時だけ、自分のありのままでいられる草十郎。
彼の笛の音は、鳥や獣たちを呼び集め、自然の木々や草花たちのリズムを感じ取り、風に乗って流れていく。
そして、ついには、天の門が開き、天界の華が舞い落ちる~♪

泣くことを学ぶためにやってきたという、言葉を話すカラス、鳥彦王☆

草十郎が出会うことになる運命の少女、糸世御前。

その糸世を菩薩だと慕い、行動を共にする法師、日満。

そして、この国のすべての上に君臨する、上皇、のちの後白河法皇。

様々な登場人物が、混乱の平安末期を駆け抜ける!

糸世の舞う舞は、草十郎の笛の音と調和し、重なり、互いに一つになって天にとどく…

孤独な中でも、笛を友として生きてきた少年と、遊君として売られながらも、舞を舞うために生まれてきたような少女。
この二人に襲いかかる運命という過酷な試練。

「わたしを見つけて…」

もう、なんて切ないラブストーリーなんだ~

天の門に消えた糸世を追い、豊葦原を旅する草十郎と鳥彦王に、権力者の魔の手が伸びる!

はたして草十郎は糸世を見つけ出すことができるのか?
そして執拗に二人を狙う上皇の思惑とは?

糸世の足取りをたどり、様々な人と出会うことで、草十郎はそれまでの自分というもの、糸世という生き方、そして、二人の未来を見つけていきます☆

ところで、ことばを話すカラスって何者?

そうです、このカラスの鳥彦王がイイんです♪
自分を豊葦原の真の支配者だと名乗り、配下のカラスを従え、全国に鳥ネットワークを持つ頼もしい草十郎の相棒。おしゃべりなのと、鳥目なのが玉にキズだけど、物語全編で大活躍☆

また、「虎のヒゲをひっぱることでも、平気でする」と形容される、糸世の性格もイイ♪
彼女が出てくると、場面がパッと明るくなる感じ☆
さすがは遊君の間で育ってきただけあって、年上の草十郎もタジタジの口達者。
しかも、自分や草十郎の持つ力の意味を感じ取っていて、自分ひとりでそれを背負おうとするとっても健気な一面も!

荻原さんの描くキャラクターは、ほんといつも魅力的でまいってしまいます。

「勾玉シリーズ」と同じ時間軸のお話ですが、物語自体は、前のシリーズを知らなくても全然平気です。

草十郎の笛の音や、糸世の舞う時の空気みたいな、目に見えない描写がすごく新鮮で、読んでいて新しい感動をおぼえました♪

荻原ファンの方はもちろん、新しいファンタジーに興味のある方、歴史ドラマに興味のある方、そしてしゃべるカラスにとっても興味のある方(笑)

オススメです☆





荻原 規子  著
徳間書店









六月の本棚 3 『ほんのすこしの勇気から』

2005-06-26 10:36:00 | 日々の出来事
毎年6月20日は「世界難民の日」です。
2005年のテーマは「勇気」*(星)**(キラキラ)*

先日、本屋さんで一冊の絵本を見つけました。
タイトルは『ほんのすこしの勇気から 難民のオレアちゃんがおしえてくれたこと』

飾らない絵に好感を持ったので、少し手に取ってパラパラ。

日本の小学校に転校してきたオレアちゃんが、言葉がわからず、音楽の時間にポロポロと泣き出します。

それに気付いた女の子の一人が、勇気を出してオレアちゃんに話しかけます。

「ラララで歌おう」

言葉が通じなくて、モジモジしていたクラスのみんなも、オレアちゃんと女の子のラララの歌声に気付いた先生も、やがて一緒になって大合唱*(音符)*

一番と二番と、三番まで歌ったオレアちゃんの口から、「うれしい」と「たのしい」という日本語がこぼれます*(ハート)*

グッときてしまいました☆

もうその場で購入決定!

一生懸命に言葉をおぼえ、みんなと仲良くなっていくオレアちゃん。
やがてクラスのみんなは、オレアちゃんが「難民」であることを知っていきます。

この本は、日頃難民支援の活動をしてみえる、日本国連HCR協会のボランティアの方々の呼びかけで作られました。
本の印税のすべては難民支援のために寄付されます。

難民の生活。
子ども達のおかれた現状。
さまざまな差別や暴力による虐待。

アフガン難民のアリ・ジャン君が書いた『母さん、ぼくは生きてます』(マガジンハウス刊)を読んだ時も、難民のおかれている立場や、世界の対応、そして日本の難民政策の実情に驚きました。

オレアちゃんは、いちおう架空の名前で、オリーブ(花言葉は「平和」)の学名から取られていますが、そこに語られている問題は、現実のものです。

ていねいでわかりやすく、とっても短いお話の絵本ですが、子ども達だけでなく、中高生、大人の方にも読める内容だと思います。

「じぶんが変わると、まわりも変わるよ」

世界が自分ひとりの力でどうにかなるとは思わないけど、世界を作っているのもそうしたひとりひとりの人間なんだもの、自分に出来ることから始めてみよう。
外国の人だから、人種や宗教が違うから、それゃあ最初は不安かも知れないけど、勇気を出して…

困った時はお互い様…この簡単な言葉を実行するのに、国籍や宗教なんて、関係ない。

「オレアちゃんはわたしたちと同じだよ。
リンゴが好きで、お花が好きで、歌を歌うのが好き」

同じ言葉、同じ価値観、同じ肌の色になんて、ならなくてもいい。

「ラララで歌おう」

難しい問題も、きっともっと簡単なことから始められる、そう思わせてくれる絵本です☆



関連HP http://www.honsuko.net






日本国連HCR協会ボランティア・絵本プロジェクトチーム  著
求龍堂





看板娘?

2005-06-25 21:06:00 | 日々の出来事
今日のお昼はお蕎麦にしました*(音符)*

作家の池波正太郎さんの影響で、もりソバにはワサビじゃなくて唐辛子をかけて食べる!

おぉ~食通みたい☆

いや、実際美味しいんですよ、やってみると。

お昼時にはかなり込み合うお店なので、会計をしているおばあさんも、手際がイイ。

こちらが小銭入れじゃなくて、札入れに手を入れただけで、細かいおつりがもう出てる!
まるでキヨスクみたい*(びっくり2)*

五千円札しかなかったので、四千円を受け取ろうとすると、おばあさんがニッコリ笑って、

「はい、四千万円*(星)*」

………(笑)

ひ、久しぶりに聞いたゾ!

四千万円って、あんたは大阪人か~い*(ダッシュ)* ←あくまでイメージです。大阪の人ゴメンナサイ(^_^;)

前の年配の夫婦にはそんなこといわなかったのに、もしかして若い人限定ですか? (笑)
思わずあったかい気持ちになって、ニコニコしてお店を出ました。

お蕎麦も美味しかったけど、あのおばあちゃんのキャラには座布団一枚です*(びっくり2)*

あー、面白かった☆



意外な事実

2005-06-23 23:50:00 | 日々の出来事
同じ会社で働くM子さんに、子供がいることがわかった。

結婚してたんだ~*(涙)* ちょっとショック。

部署が違うから全然知らなかった。
旅行が好きだっていうから、てっきり独身だと思ってた。
だって家庭があったら、そんなにホイホイ旅行できないでしょ?(これは勝手な思い込み)

同じ会社内でも、交流が少ないから、社員の情報なんてけっこういいかげん。
現に自分もこの部署に来た時は、なぜだかもう結婚していて、子供が二人いるっていうウワサをたてられてたし…(結局それは似た名前の別人と間違われていたことがあとでわかった)

結婚しているのか、していないのかは、ま、仕事上ではたいした問題ではないし、本人の魅力には関係ないのだけど、やっぱり気になる時もあるからな~*(ドキュン)*

昔のお歯黒みたいに、ひと目で判別できると便利なのに。

あと彼氏がいるかいないかもプラカードに書いておいてくれると助かる。

いかん、今日はわけわからんこと書いてる。

そうか…結婚してたんだ。

考えてみれば、自分よりいくら年下だからって、みんな独身なわけなよなぁ。
自分がマスオさんより年上になるなんて、子供の頃は考えたこともなかった。

サザエさんの旦那さん、マスオさんは28歳の設定なんだそうです。(ちなみにサザエさんは24歳*(音符)*)

エッ! アナゴさんは27歳なの*(びっくり2)*

…あの顔で?(笑) ←ゴメンナサイ(>_<)




子どもの本だより

2005-06-21 23:19:00 | 日々の出来事
今、荻原規子さんの最新作『風神秘抄(ふうじんひしょう)』を読んでいます*(音符)*

この本、徳間書店から出ているのですが、徳間書店の児童書って、買うと、中に「子どもの本だより」という小冊子が付いているんですね。(定期購読もできるらしい*(ポスト)*)

絵本や児童書をあつかう、主に個人でやってみえるユニークな本屋さんを紹介したり、新刊やお薦めの絵本の紹介、編集部のこぼれ話などが載っているのですが、これがなかなか面白い*(音符)*

しかも、今回なんとその中に、「著者と話そう」というコーナーで、荻原規子さんのインタビューが載っていたんです☆

子どもの頃から、グリムやアンデルセンの童話を読むように、ギリシア神話や古事記も読んでいたという荻原さん。(う~ん、さすが!)
荻原ワールドの原型は、もうこの頃から始まっていたのか~、としきりに感心。

でも、もっとも目を引いたのは、そのほかの愛読書として上げられていた『ナルニア国物語』の名前!

オォ~*(びっくり2)*

しかもそれだけじゃなくて、彼女がファンタジーを書こうと思い始めた頃出会った本が、なんとあの、アリグザンダーの『タラン』シリーズだったことが判明☆

オォ~*(びっくり2)**(びっくり2)**(びっくり2)*

なんでもその中でのケルト神話の使われ方を見て、自分には古事記がある! と思ったのがデビュー作『空色勾玉』につながったんだとか☆

そうだったのか! なんかとっても嬉しいゾ*(音符)*

『ナルニア』も『タラン』も、このページでオススメ本として紹介してきたので、名前が挙がったことに驚き!
二つとも大好きな作品なんですよ~☆

『空色勾玉』にはじまる勾玉三部作も、、もちろんお気に入りで、『白鳥異伝』と『薄紅天女』は今月紹介したばかりだったので、この偶然にさらに驚き!

そうか~、荻原さんも好きだったのか~*(ハート)*

何年か前の、ともさかりえの出演した『スイカ』というドラマで、マンガ家役の彼女の家の本棚にも『ナルニア国物語』があったなぁ~

新井素子の小説『おしまいの日』にも、主人公の主婦が、「ナルニア、ナルニア」と魔法の呪文のようにつぶやいて自分を落ち着かせるシーンが出てた。

こういうちょっとした偶然でも、自分と同じ価値観が見え隠れするとなんだか嬉しい*(音符)*

道で自分と同じ車種の車に乗っている人を見かけると、勝手に「オォー同志よ!」と盛り上がってしまうのに似てる(笑)

これでますます荻原さんのファンになっちゃいそう*(星)**(キラキラ)*

『風神秘抄』は今ようやく三分の一を読み終えたところです。
これがまた面白い内容なので、先が楽しみ♪

まだまだ夜は眠れないなぁ~☆





六月の本棚 2 『薄紅天女』

2005-06-19 10:29:00 | 荻原規子

ヒロインは主人公の添え物?

悪者に連れ去られ、勇者が助けに来てくれるのをひたすら待つ、か弱くも美しい存在?

しずしずと廊下を歩き、やさしく微笑むだけですべてが解決してしまう。

むかしから、どうもそういう物語は苦手でした。

同じような理由で、主人公がやたら強くて、勇敢で、いつも正義を行う勧善懲悪も、ちょっと苦手。

まぁ、「水戸黄門」みたいに、あそこまでパターン化されると、それが楽しいということもありますが☆

「白雪姫」や、「眠れる森の美女」も、だからいま一つ気乗りしない。
「寝てる場合じゃないわ!」と飛び起き、魔女に一言いいに行くぐらいじゃないと(笑)
まぁ、夢があってあこがれる気持ちはわかりますがね。

それに比べ、日本の古典には可笑しな物語がたくさんあります。

「源氏物語」に代表される恋愛物語。
継母にいじめられている落窪の君(女性)が、ついには左近少将の正妻になって、継母に復習をするという「落窪物語」。
男女それぞれが姿をかえて育てられた姉弟が、紆余曲折の後、もとの性に戻って幸せになるという「とりかえばや物語」、などなど☆

菅原孝標女が書いた「更級日記」には、みずから進んで衛士(皇居を守る兵士)に盗み出され、当時ド田舎の武蔵の国(現在の埼玉、東京のあたり)で、幸せに暮らしたお姫様の話が出てくるそうです。

なんてかわいいんだろう♪

さて、今回ご紹介するのは荻原規子の勾玉シリーズの三作目。

この「更級日記」のお姫さまから着想を得たという『薄紅天女』をご紹介します☆

時は奈良の平城京から、長岡に遷都したばかりの頃。
平安時代にさしかかるほんの少し前。

舞台は坂東(関東地方)。

馬たちに囲まれ、牧場を駆け回る、少年と呼ばれる年頃からは少し抜け出しつつある二人の若者が今回の主人公☆

”すべての”女の子に優しく接するため、村の娘たちから人気がある反面、浮気も絶えない女泣かせの若衆、藤太(とうた)と、女の子はすべからく無視して歩き、そのストイックさからこれまた人気の高い猫っ毛の阿高(あたか)。

優しい笑顔と、涼やかな横顔
幼い頃から兄弟のように共に育ってきたこの二人は、”二連”と呼ばれて、いつでもどこでもほとんど一緒。

二人の絆の深さには、見つめる女の子たちがおもわず嫉妬するほど!

その姿かたちに加え、二人は土地の有力者の血縁のため、村の若い娘たちの注目は、いやおうなく、この双子のような同い年の叔父と甥に集まってしまうのです。

まさに二つでひとつの魂を分け合っているみたいなこの二人がとってもいい♪

なにもかもが未開拓で、人間が他の生き物たちと共存している世界。
馬が走り、野山が広がり、若者達が恋人を求めて祭りに興じる。
古代の生活って、質素で原始的だけど、人間も野性的で純粋で、ほんとに生き物って気がします☆

そんなある日、仲の悪い隣の日下部一族の娘で、箱入り娘の千種(ちぐさ)に目を付けた藤太は、春祭りの相手に選んでもらおうと、もめごとになるのもかまわず、阿高と二人で、こっそりと日下部の土地に忍び込みます。

大胆でケンカをおそれないのも二人の特徴☆

でも、実は藤太には、阿高に言えない阿高自身の持つ秘密があったりします。
やがてその小さなヒビは、二人の間に入ってきた千種の存在で、より大きなすれ違いへと…

阿高の父であり、藤太の兄でもある勝総(かつふさ)が、蝦夷の地(現在の東北地方)で死んだということ。
そして阿高の母が誰なのか、家の者がクチにしないこと。

そして、一族に代々伝わる勾玉の存在。

自分はいったい誰なのか?

そんな疑問が心の中に生まれた時、阿高の前に、自分を女神の生まれ変わりだと告げる、見知らぬ男達が現れるのでした。

舞台は坂東、蝦夷、そして大津、伊勢、最後には長岡の都へと移っていきます。
途中、まだ大将軍になる前の、坂上田村麻呂と出会ったり、蝦夷の頭領アテルイと馬を並べたり、オオカミになったり(!)、馬になったり(!!)と大忙し☆

「ここへ帰ってきて、わたしたちの武蔵に帰ってきて」

千種に見送られ、いなくなってしまった阿高を見つける旅に出る藤太。

はたして、藤太は阿高を取り戻すことができるのか?

そして、やがてこの二人が出会うことになる、男の子の衣装に身を包んだ女の子、苑上(そのえ)…

怨霊のばっこするようになってしまった都で、物の怪のために祖母と母を失った彼女は、皇(すめらぎ)の血を引く高貴な生まれ。

しかし、姫皇子として、奥の殿でみんなに守られ、ひっそりと暮らすことに息苦しさを感じていた彼女は、いままた危険にさらされている兄弟たちを救おうと、おしとやかな女性の着物を脱ぎ捨て、勇敢に立ち上がります。生きている証を手に入れるために。

この苑上も魅力的なキャラクターです♪

勢い込んで飛び出したとはいえ、やっぱりそこはお姫様育ち。
口をひらいて出る言葉は「おなかが空いた。足が痛い」「疲れた。のどが渇いた」
と、こればっかり(笑)

慣れない山歩きに、野外での生活。
悲鳴をあげる体をひきずり、時にひとに利用され、傷つきながらも、彼女がたどり着いた驚愕の真実。

輝の血を受け継ぐ皇(すめらぎ)の一族がもたらした物の怪の闇の正体とは?

そして、阿高との出会いがもたらすものとは?

阿高がいい!
藤太がいい!
苑上もいい!

でも、お気に入りは千種なのさ♪

どうして荻原さんの描く登場人物はこんなにも魅力的なんでしょう?

勾玉シリーズとなっていますが、作者も書いているように、これだけでひとつの物語になっています。

過去でもなく、未来でもなく、たった一度きりの人生を精一杯生きている主人公たちが魅力的なんです☆

物語を読んで、興味を持たれた方には、謀反の疑いをかけられ、飲食を断って36歳で死去した早良親王(さわらのしんのう)のタタリの話や、藤原仲成らによって服毒自殺に追い込まれた伊予親王(いよしんのう)の悲劇。
神野親王(かみのしんのう)から即位して名前を改めた嵯峨天皇の話など、物語に登場する実際の人物たちの物語を、調べてみるのも面白いですよ♪

もっとも、こんなこと全然知らなくても、充分に楽しめることはもちろん請け合い!

どうぞ、楽しい時間をお過ごし下さい☆

やっぱり人生は、自分の力で切り開かなきゃね♪







荻原 規子  著
徳間書店






キキの結婚

2005-06-18 23:37:00 | 日々の出来事

今回は声優ネタです。

少年サンデー連載のマンガ、「名探偵コナン」の作者、青山剛昌さんと、TVアニメ版でコナン役の声優、高山みなみさんが先月入籍されたとのニュースを、遅ればせながら昨日知りました。

関係ないけど、おめでとうございます*(ハート)*

高山みなみさんの声好きだったなぁ~

「魔女の宅急便」で、主人公のキキと、絵描きのお姉さんの二人の声を、一人で演じ分けていた時は心底スゴイと思ったものです*(星)*

このニュースを聞いて、さっそく友達にメールしたのですが、彼からしたら、アニメの原作者と声優とのパターンは”アリ”だそうです。

「キャプテン翼」でおなじみの高橋陽一先生も、翼くん役の小粥よう子さん(現・日比野朱里さん)と結婚なさったんだとか。

し、知らなかった*(汗)*

そういえば「ファイブスターストーリー」の永野護と川村万梨阿ってのもあったな。

そうか、こういうのもいわゆる職場結婚っていうのか。
でも、コナンのマンガ描いてる横で、コナンの声の人が料理作ったりお茶入れたりしているのって、なんかややこしい。(よけいなお世話?)

専門学校で、アニメーションの勉強をしている時、学祭にゲストを呼ぼうということになって、投票で高山みなみさんに一票入れたこともありました。

結局その年は、「となりのトトロ」の主題歌を歌っていた井上あずみさんに決まって、ミニコンサートをやってもらったっけ。

二十畳ほどの教室で、間近で歌ってもらって、あれはあれで貴重な体験だったなぁ。

青山剛昌さんと高山みなみさんは、ふたりとも同じ41歳。
夫婦ケンカでアニメが打ち切りなんてことにならないように、どうぞお幸せに*(音符)*






ピンクレディーはケイちゃんが好き

2005-06-17 23:22:00 | 日々の出来事

本屋さんで会計をする時、誰かの注文した本の背表紙が目に入りました。

タイトルは「ゲド戦記」!!

おぉ~! この町にもファンがいたか*(音符)*

しかも頼んであるのが「アースシーの風」と、「ゲド戦記・外伝」の二冊*(星)**(キラキラ)*

ちょっとここで説明。
「ゲド戦記」はアーシュラ・K・ル=グウィンのファンタジー小説。
第四巻で、「最後の書」と銘打たれ、惜しまれつつも完結…誰もがそう思っていたのに、何年かたってから、続編「アースシーの風」が出版されて、今度こそ本当に完結しファンを驚かせました。

つまり、本屋さんでこの二冊を注文しているということは、もちろん前の四冊は持っているはず。
彼(もしくは彼女)も「最後の書」を読んで、これで完結と思っていた一人じゃないのかな?

そんなことを考えると、自分が続編を見つけた時の驚きがよみがえってきて、なんだか嬉しい♪
ここにも同じ体験をした人がいる!(すでに決めつけ)

あぁ、本屋さんのレジで、こんな楽屋オチみたいなことで一人盛り上がっているオレって…(笑)

片山恭一の「世界の中心で、愛をさけぶ」を見た時、本棚にあったハーラン・エリスンの小説「世界の中心で愛を叫んだけもの」を手に取って、タイトルはほとんど同じなのに、このマイナーなSF小説に同情したことを憶えています。

どちらもいまいち有名じゃないからなぁ。

でも、こういう有名じゃないところがむしろ好きだったりして☆



夢の中のウサギ

2005-06-13 22:19:00 | 日々の出来事
太ったウサギの夢を見た。

キツネに襲われたところを助けたんだけど、家で飼うのは家族が大反対。

捨てられるかもしれないのに、畳の上で寝そべっているこのウサギの能天気さ。

懸命に家族を説得しているこっちの身にもなってくれ!

と、そこで目が覚めました。

あのウサギはきっと僕自身だな。
こっちは僕の本性を受け入れてもらいたくて、一生懸命頑張っているのに、とうの僕自身は全然協力的じゃない。

そんなことを考えながら出勤すると、その途中の道で、なんと野生のリスを発見!

珍しい!

いくら田舎とはいえ、なかなかリスの姿なんて見れません。
橋の上だったので、逃げ場がなくて、その小さい姿をハッキリ見ることができました☆

と思ったら、次の道ではエモノを探していたらしいトンビが、超々低空飛行で車の前を横切って行く!

なに? 今日は何の日?

でっかい体に羽の一枚一枚までが見える近さ。
大型猛禽類は迫力あるなぁ~と、感心してしまいました。

建物の間を走る道路と違って、木々の梢がひさしのように張り出した山道を走っていると、こんな出会いにも恵まれます♪

ウサギにリスにトンビ…

安穏とした生活に満足してないで、もっとまわりを見て、自由な世界に飛びたてと、そう言いたいのかな? (イヤ、言ってない言ってない*(汗)*)

とある「夢事典」によると、ウサギは幸運のしるし。
独身の女性なら、夫となる人とめぐり逢えるかも知れないとのこと。

ちなみにリスが走り回っている夢は、愛の破局を暗示しているんだそうです。

…まだウサギでよかった☆