糸へん暮らし

ハンドメイドや読書、週末ドライブなどいろいろ

ニコルの塔

2023-04-21 11:52:54 | 日記


この本を追いかけて、ちょっと遠くの図書館まで。書庫から出してもらいました。

村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」にも似た、洒落た雰囲気の佳作だと思いました。
異国の(スペインっぽい?)修道院が舞台。お菓子と刺繍に彩られた、謎解き物語。
どこか未完成というか、書き込みが足りないような気がしたのですが、それも計算かもしれません。
読んだ子が想像を膨らませる余地を残しているのかも。

でもこんなのは今受けないかもしれないですね。
いかにも女の子好み、という言葉も使いづらいし。

話が脱線しますが、
女の子向けも、幅広く男の子にも読んでほしいと思いつつ、
女の子限定の、少女漫画の世界も捨てがたく思ってしまいます。大島弓子さんとか、少女漫画のエッセンスを煮詰めたような方ですよね。
昔の少女漫画は、アメリカとかイギリスとかを舞台としながらも、本当はアメリカでもイギリスでもなく、架空の国であることを、みんなわかって読んでいました。
それが今の、異世界ワールドにつながっているのかもしれません。

この本を知ったのは、「刺繍小説」という本を読んでから。

この本の方は、ちょっと外れだった…小説に出てくる刺繍作品を、実際に刺繍するという、面白いコンセプトだったけど、微妙に趣味が合わなくて。
でも、この「ニコルの塔」に出てくるにゃんこちゃんは、素敵だと思いました。
そしてこの本に巡り合いました。
佳作ですが、そのうち忘れ去られるのでしょう。惜しいなあ、と思います。

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