糸へん暮らし

ハンドメイドや読書、週末ドライブなどいろいろ

寂しい生活 稲垣えみ子 著

2018-07-02 12:05:08 | 日記


稲垣えみ子氏が朝日新聞の社員のころから、肩の力を抜いたユーモラスな文章が大好きだった。
原発事故を機に、電気をできるだけ使うまいと、家電製品をつぎつぎと処分してきたが、うっかりオール電化マンションに引っ越したのを機に、ついに冷蔵庫まで処分してしまったえみ子さん。
その先に見えたものは、簡素でおいしい食事、暑さ寒さに負けない体、そして今を生きるということ。

今の世の中に息苦しさを感じている方は多いと思う。もちろん私もその一人で、一番苦しいのはやはり財布か。
80年代からそんなに所得は変わらないのに、ケータイ代だのパソコン接続代だの電気代だのが、どんどんかさみ始める。
でもどんなに苦しくても手放せない。変な話だが、貧乏したい。

昔の我が家は五右衛門風呂で、うっかり入ると火傷するし、手入れも大変だったが、母は近所の製材所に木っ端をもらいに行って風呂を沸かしていた。また井戸もあり、ちょっとした洗い物や水まきに使っていた。小さな庭もあり、ザクロがなっていた。あの家に住んだままだったら、お金、かからなかっただろうな。

稲垣氏な現在、小さな一戸建てにお住いのようだ。朝5時に起きてアフロを洗って自然乾燥、野菜はせっせと干し、ほうきと雑巾で掃除をする。
働く主婦には無理だなあ。とはいえ、家事を家電にやってもらうことも、はっきり言って成功していない。掃除や洗濯の回数が、いたずらに増えていっただけではないか。



色々なことが頭をぐるぐる回って、整理されていない。とにかく、考えさせられる本だった。