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首脳会談は軍事力を背景にしてこそ。

2016年09月02日 | 日本・国士




平成28年9月2日(金)

 我が国の外交は、
 「首脳会談の実現」=「友好」を最優先としている。
 それ故、日中、日韓の懸案事項は、
 その最優先課題実現の為の「障害」と位置付けられているように思える。

 そのことを最も典型的に露骨に見せたのが、
 平成十四年九月十七日の日朝首脳会談と日朝平壌宣言である。
 この時、我が国外交の最優先の目的は、
 日朝首脳会談による日朝国交樹立=日朝友好であった。
 それ故、我が国外交は、
 北朝鮮による日本人拉致問題、即ち、拉致被害者救出は、
 この最優先課題実現の為の「障害」と位置付けたのだ。
 従って、外務省は、
 北朝鮮が平壌で九月十七日の午前十時に小泉首相一行に
 死亡年月日リストを提示して行った拉致被害者八人死亡・五人生存という説明を、
 何の事実確認もせずに七時間が経過した午後五時になって、
 朝から今か今かと東京で待機する被害者家族に伝達したのである。
 つまり、外務省は家族を七時間待たせた末に
 拉致被害者の死亡宣告をしたのだ。
 官房長官は、
 前日の九月十六日に首相官邸を訪れた被害者家族に、
 明日十七日に平壌で日本側に伝えられる拉致被害者の消息は、
 「リアルタイムで東京の皆さんに伝える」と約束した。
 しかし、現実には官房長官と外務省は、
 リアルタイムから七時間が経過してから、
 死亡年月日リストの存在を隠したまま死亡宣告だけをした。
 その理由は、
 約束通りに午前十時のリアルタイムで死亡宣告をすれば、
 我が国が北朝鮮に巨額をカネを支払う約束をして
 二週間後の十月から日朝国交樹立交渉を開始するという
 日朝平壌宣言が発せられなくなるからである。
 従って、死亡宣告は、
 その日朝平壌宣言が平壌で発せられた午後五時に東京で為された。
 小泉総理(と外務省)は、
 明らかに北朝鮮の金正日との日朝首脳会談実現を最優先課題として、
 拉致被害者救出は、その優先課題実現の「障害」と位置付け、
 死亡宣告によってその「障害」を除去しようとしたのである。
 しかし、事実は既に明らかなとおり、
 外務省が隠していた北朝鮮が小泉一行に渡した死亡年月日リストが明らかになり、
 北朝鮮が言う死亡は「ウソ」と判明して、「障害」は除去されず、
 我が国が北朝鮮に巨額の金を渡して国交樹立交渉をするという
 平壌宣言は履行できなくなった。
 つまり、我が国は、
 核ミサイルを開発している北朝鮮に巨額の資金を提供するという世界最大のテロ支援国家に転落することを免れたのだ。
 日朝首脳会談をセットした外務省路線とは、
 拉致された数百名の日本人同胞を死亡したことにして、つまり、見殺しにして、
 我が国を世界最大のテロ支援国家にする路線だったのだ。

 この日朝の痛恨の事例を念頭に置いて、現在進行中の外交を眺めよう。

 八月下旬に東京で、日中韓参加国の外務大臣の会談がセットされた。
 つづいて、九月四日と五日、
 中国の杭州でG20(二十カ国・地域首脳会談)が開催され、
 外務省はその時、日中首脳会談を実現しようとしている。
 
 そこで、中共の対日首脳会談に応じる国内事情はさておいて、
 我が国は、日中首脳会談や日韓首脳会談の為に
 何をしてきたのか、何をしようとしているのかを見てみようではないか。
 まず、
 (1)内閣総理大臣と閣僚は、八月十五日の靖国神社参拝を断念した。
 (2)従軍慰安婦に関し痛切な反省と心からのお詫びを表明し、
    日本大使館前に慰安婦像がある九月一日、韓国に十億円を支払った。
 (3)韓国との通貨スワップ協定を再度締結しようとしている。
 (4)日中首脳会談では、対中経済協力を提示するつもりという。
 (5)尖閣諸島に日本国民が上陸することを実力で阻止している。
    しかし、中国公船と漁船が尖閣領海に侵入しても
    実力で阻止せずに口で抗議するだけ。
 (6)韓国の竹島占拠がないものの如く経済援助をしてきた。

 思いつくままに記した以上の事例を眺めても、次のことが言える。
 (1)と(2)で言えることは、我が国外交は、
 「日本人の歴史認識と民族の誇り」を
 日中友好そして日韓友好の「障害」とみなしているということである。
 従って、我が国外交は、首脳会談のために、
 その「障害」即ち「日本人の歴史認識と民族の誇り」を
 平気でドブに捨てている。
 同時に、我が国外交は、
 尖閣諸島および竹島という我が国の領土を、
 日中友好と日韓友好の「障害」だとみなしている。
 何故、竹島を奪っている国を通貨スワップで助けるのか。
 何故、一言、
 領土を奪っている国とのスワップ協定は国民が許さない、
 と言えないのか。
 尖閣諸島に関しても、
 中共が中共の領土を守っているように我が国も守る、
 と言って、それを実践しないのか。

 以上、これまでの一連の「首脳会談」に向けた動きと、
 それをセットしている外交を評価する論調に接し、
 日朝平壌宣言に至る外務省の亡国的な「国家の優先課題の錯覚(倒錯)」を指摘し、
 同じ轍を踏む可能性があることを指摘したい。
 
 相手、即ち、中韓は、
 こう思っているだろう。
 少しおとなしくして首脳会談に応じる姿勢を示せば、
 日本は喜んでこちらの欲しいものを提供してくる。
 その提供を受けてから、元に戻ってさらに暴れればいい。
 この繰り返しが、
 日中そして日韓関係ではなかったか。

 そこで、言っておきたい。
 日中、日韓そして日露において、首脳会談は目的ではない、
 首脳会談は、懸案問題を解決するための手段である。
 我が国が、首脳会談の実現それ自体を外交上の成果だと思っていたら、
 相手国に日本との首脳会談に応じてやったと恩を着せられるではないか。
 特に、内部に決定的な弱みを抱えている中共やロシアなどとの首脳会談は
 我が国から断ることも視野に入れた外交を展開すべきである。
 同時に、「力」を背景にしない外交は無力である、
 この当然のことを胆に銘じ、軍事力の強化に努めるべきである。



西村真悟の時事通信より。



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