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原油価格がここまで急落した本当の理由

2015年02月02日 10時00分00秒 | 保管記事


 

  記事の紹介です。

 

 原油価格がここまで急落した本当の理由

 世界の石油地図が大激変!
 

週刊ダイヤモンド編集部 
 
   【15/2/7】 201522
 
『週刊ダイヤモンド』2015年2月7日号の特集は、『世界を揺るがす原油安 超入門』。原油価格はなぜ、それほどまでに急降下したのか? 特集の中から抜粋してお送りします。

 

 昨年暮れの出来事だった。エネルギー関連会社の社長は、密輸されたとみられるナイジェリア産の原油を買わないかと、ある外国人ブローカーから持ち掛けられた。

  丁重にお断りしたそうだが、「欧州ではよくあるらしいけど、日本にまで来るとはね。それだけ原油が余っているわけだから、原油の価格が急落するのも仕方ないのかもね」。社長はボソリと言った。

 原油の価格が急落している。昨年半ばに1バレル100ドルを超えていた原油価格は、足元で40ドル台半ばと半値以下にまで落ち込んでしまった。

 

 

 

 原油価格はなぜ、それほどまでに急降下したのだろう。

  一つには世界的な需要鈍化がある。欧州の景気低迷に加え、中国をはじめとする新興国も景気の減速懸念が強まっている。

 国際通貨基金(IMF)が1月20日に発表した世界経済見通しでは、世界全体の成長率が3.5%となったが、昨年10月時点から0.3ポイント引き下げられた。ユーロ圏やロシア、中国で軒並み、景気が伸び悩んでいるためだという。 

 ただし、油価下落の最大の要因は需要鈍化とは別にある。

 

 2010年ごろから米国で本格化したシェール革命(詳細は本誌特集31ページを参照)による大増産で、世界のエネルギー地図が完全に塗り替えられてしまったからだ。図1-2を見てもらいたい。米国のシェールオイル生産を示したグラフだが、10年足らずで生産量は10倍を超えているのがお分かりだろう。

  原油の純輸入国だった米国がいまや、産出国として世界一の座に躍り出るまでになったのだ。14年の非OPEC諸国による石油生産量は前年から、日量で180万バレルも増加。このうち、実に80%の140万バレルが米国における生産、つまりシェールオイルの増産によるものだという。シェールオイルの生産量は、日量でOPEC全体の生産量の15%に相当するまで膨らんでいる。

  それはまさに新たな市場の“創造”といえた。需要の伸びをはるかに上回って供給が伸びているわけだから、原油はだぶつき、価格が下がるのは当然だろう。

 

 さらに、産油国同士のカルテルの“崩壊”が原油価格の急落を決定付けた。

 OPECが減産見送りで
事実上の崩壊

 シェールオイルの大増産で供給量が増えたとしても、中東を中心とした産油国12ヵ国でつくるOPECが生産調整で減産して、需給を調整すれば、価格の下落に歯止めをかけることはできた。

 しかし、そうはならなかった。昨年11月に行われたOPECの総会で、サウジアラビアの主導によって減産の見送りが決定したのだ。

 市場関係者はこれまでOPECに対して、油価急落時には緊急総会を開催し、価格維持のために減産に踏み切るとのイメージを持っていたが、「今回、OPECはその調整機能を自ら放棄したわけで、市場からの信頼を完全に失った」(総合商社の石油トレーダー)。

  その結果、原油相場の底が抜けてしまい、OPEC総会での減産見送り以降、原油価格は見る見る転がり落ちていった。

  「事実上、OPECのカルテルは崩壊してしまった」(エネルギーアナリスト)

  減産が実現しなければ、価格の本格的な反転は難しいとみられる。しかし、OPECのパドリ事務局長はOPEC加盟国と非加盟国が減産を協議する可能性について、「目先にはそうした計画はない」と海外メディアで断言している。

  これまでの常識が通用しなくなった“新世界”で、しばらくは混乱が続きそうだ。カルテルの「崩壊」と市場の「創造」によってもたらされた原油安は、さまざまな危機へと連鎖しながら、世界の政治と経済を混沌の渦へと巻き込んでいく。本誌特集では、その舞台裏をさまざまな角度から徹底検証する。

 


超入門
 世界一分かりやすい石油の常識

 『週刊ダイヤモンド』2月7日号の第1特集は、「世界を揺るがす原油安 超入門」です。

 

 昨秋から原油価格の急落が話題となっています。ガソリン価格が過去最長の27週連続の値下がりとあって、週末、車で遠出する家族も増えそうです。

  その背景には、今、何かと話題の原油価格の急落があります。昨年6月に1バレル107ドルを付けた原油価格は、1月にはついに一時45ドルを割り込みました。わずか半年で半値以下にまで暴落するという異常な下げです。

  ガソリンの原料は原油。原料のコストが下がれば、当然、ガソリンの販売価格も値下がりします。

  同じようなありがたい現象は、今後、日本中で起きるかもしれません。なぜなら、原油はあらゆる化学製品のタネ。消費する原油のほぼ100%を輸入している日本にとって、原油価格下落は輸入コストの減少に直結します。その恩恵がさまざまな商品の販売価格に及ぶというわけです。

  食卓に並ぶ野菜や魚介類にも影響は及びます。農家のビニールハウスで使われる暖房機器や漁船の燃料は主に重油。産地から小売店までの輸送コストも、ガソリン価格下落で削減されるからです。

  販売価格の下落によって消費が刺激されれば、日本経済にはプラスです。この波が企業業績の回復、給料アップ、株価アップへとつながれば、景気回復の現実味が増します。

  ところが、足元では経済にマイナスの影響を及ぼすリスクが指摘されています。

  元凶は産油国の経済にあります。産油国は、原油輸出が国の財政の根幹。原油価格の下落は財政赤字に直結し、通貨は一斉に売られます。

  この現象が実際に見られたのが世界第2位の産油国であるロシア。同国通貨のルーブルが14年11月に急落したのです。

  そのマイナスの波は国境を越え、グローバルにつながった金融市場を通じて、産油国から新興国へと一瞬で伝播しました。さらに巡り巡って先進国、ひいては世界経済に甚大な影響を及ぼす可能性もあります。世界同時株安という事態になれば、日本も人ごとではなくなります。

  今、世界各国の経済にはプラスとマイナス両方の波が同時に押し寄せています。

  日本経済にとってはどうでしょう。「中長期的には間違いなくプラス」(嶋津洋樹・SMBC日興証券シニア債券エコノミスト)だが、「金融市場に混乱が起これば短期的にはマイナス」(丸山俊・BNPパリバ証券日本株チーフストラテジスト)との見立てが多いようです。少なくとも今年の夏ごろまで、両方の波に揺さぶられることになりそうです。どこまで下がるのか。反転タイミングはいつなのか。そして世界経済にはどんな影響が出るのか。世界一わかりやすい“原油学”をお届けします。

 

(『週刊ダイヤモンド』副編集長 山口圭介)
http://diamond.jp/articles/-/66015

  記事の紹介終わりです。

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